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2012.01.13 (Fri)

「被曝をどう避けるか」岡山博講演会映像

「被曝をどう避けるか」岡山博講演会 
主催「放射線被曝から子どもを守る会」 
2011年12月17日、仙台市医師会館。
ユーストリームで映像が放映されています。2時間半
どうぞご覧下さい。スライド抄録はブログに掲載しています。

ユーストリーム「被曝をどう避けるか」
http://www.ustream.tv/recorded/20032935
20:34  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.01.05 (Thu)

セシウム放射線内部被曝とカリウム   (少し詳しい解説、その1)

セシウム放射線内部被曝とカリウム  
          (少し詳しい解説、その1)

               はじめに
 福島原発爆発によって莫大な放射能が環境に撒き散らされました。
 原発事故後、健康にとって、特に重要な放射能は、放射性ヨウ素、ストロンチウム、セシウムです。放射性ヨウ素の半減期は8日なので、4月初めに存在した放射性ヨウ素は、9ヶ月たった2012年1月では、1/2の33乗、100億分の1と、ほとんどなくなっています。

 ストロンチウムとセシウムの半減期は約30年と長いので、福島原発から放出されたストロンチウムとセシウムの地球にある放射能量はほとんど減っていません。現在、食物や環境で測定されている放射能はほとんどがセシウムで、食物や環境のセシウム放射能が減っているのは、地上から減っているのではなくて、別の場所に移動したからです。
ストロンチウムはガンマ線を出さないので測るのが面倒なこともあり、あまり測定、公表していませんが、ストロンチウム汚染がないことや、心配しないでよいことを意味しません。
原発で作られた放射性ストロンチウムの量はセシウムと同程度存在すると考えられますが、大気などへの拡散の仕方が違うので、セシウムが検出されたところには同程度のストロンチウムがあるということでもありません。

 放射性ヨウ素、ストロンチウム、セシウムの生体に対する傷害作用が違うのは、放射能・放射線の種類が違うからというよりは、主に放射性物質が生体のどこにどれくらいの期間存在するかということによるものです。

 ヨウ素は甲状腺に集まるので、甲状腺傷害や、甲状腺癌の発生頻度を上げます。ストロンチウムは摂取すると、骨に集まって骨の成分として骨に固まってしまうので、排泄は難しく、同じ場所で放射線を出し続けるので、近くにある骨髄細胞が持続的に被曝し続け、白血病など、骨髄で作られる白血球などの血液細胞に傷害が出やすくなります。セシウムは体中の水に溶けて広く分布します。同じベクレル数の放射能を摂取しても、ヨウ素やストロンチウムのように特定の場所に集中的に被曝させるのではなく、全身の細胞が低いレベルで被曝します。

 放射線の作用は、様々な物質(分子)の構造を少しこわすことで、紫外線の働きと似ています。紫外線を強くあてると、塗装の色が変わったり、紙やプラスチックががさがさになったりします。
生体内でも蛋白や様々な生体構成物質、遺伝子の本体であるDNAが変異を生じて、体内で様々なことが起きます。
DNAが変異を起こした場合は、その細胞から新しい細胞が作られるとき、新しい細胞にDNAは変異したまま複製されて引きつがれます。

 本論ではストロンチウムの話は省略して、セシウムの放射能とカリウムについて述べます。原子炉や核爆発で30種類以上の放射性セシウムが作られますが、その多くは半減期が数日から1秒以下と短く、被曝を避けるうえで重要なのはセシウム134とセシウム137の2つです。前者の半減期は約2年、後者は約30年で、放射線を出すこと以外の元素としての性質は、非放射性のセシウムと同じです。

           セシウムの体内分布
 ヨウ素は甲状腺細胞のヨウ素を取り込むポンプの働きによって甲状腺に取り込まれます。
ストロンチウムはカルシウムと似ていて、骨の成分として骨の中に固まります。
セシウムは、水に溶けて体中に分布しますが、カリウムと似た分布、挙動をすると考えられています。

 セシウムはカリウムと似ていてもまったく同じではないのでカリウムの動態からセシウムを機械的に同じと考えるのは正しくありません。
カリウムについては非常に詳しくわかっており、一方セシウムについては、厳密な測定は十分されていないので、測定されてわかっていることとカリウムの動態からの推測をして考えます。

 「セシウムは筋肉に多く含まれる」と解説されることがあります。
大まかには正しいのですが、かなりあいまいな言いかたです。
例えば、屍体から摘出した臓器のセシウム放射能を測定して他の臓器や組織よりも、筋肉組織(骨格筋)のセシウム放射能が高いという研究結果があります。
発表された測定値はおそらく事実と思います(中には嘘を発表する人がいることはご存知の通り)。

おおまかには正しく、重要な知見ですが、これだけで単純に、「骨格筋細胞内のセシウム濃度は他の細胞よりも高い」と結論できません。評価、結論するには以下の考慮すべきことがあります。
・ 骨格筋組織重量の大部分は細胞(骨格筋細胞)である。
一方、腱組織などは、細胞が作った、コラーゲンなどの細胞外成分が大部分を占め、細胞が占める割合は少ない。
多くの組織はこの間にある。

だから、重量あたりの腱組織のセシウム濃度が筋肉より低くても、腱を構成している細胞内のセシウム濃度が低いとはいえない。
また、消化腺など、分泌機能を持つ細胞では、細胞内に分泌顆粒という袋があり、その中には、細胞内液とは組成が異なる成分がある。だから臓器や組織の重さとセシウム放射線を測って計算した重量あたりの放射線量の結果は、正確には細胞内のセシウム量や濃度を意味しない。

・ カリウムの生体内分布:一部は蛋白などと結合して水に溶けない状態で存在するが、カリウムの大部分はイオンとして水に溶けて体中に分布し、細胞内液には細胞外液よりはるかに高い濃度で分布する(約20倍)。

この細胞内外の不均等分布は、主に、①ナトリウムを細胞外に、カリウムを細胞内にエネルギーを使って輸送する細胞膜にあるポンプ蛋白の働きと、②細胞膜がナトリウムを通しにくいために細胞外のナトリウムイオンが高いまま保たれる結果、細胞外の陽イオンが高く、細胞内陽イオンが細胞外液と均等になるように、細胞膜を通過しやすいカリウム(陽イオン)が細胞内に多く移動して分布することなどによる。

・ 細胞膜は脂でできているので、ナトリウムやカリウム、カルシウム、ブドウ糖など、水溶性の物質は細胞膜を透過しない。細胞膜に浮かんで存在しているそれぞれの機能を持つ蛋白と結合したり、それぞれのイオンを通す穴の役割をするイオンチャンネル蛋白を介して、細胞膜を通過する。ナトリウムチャンネル、カルシウムチャンネル、カリウムチャンネルなどはそれぞれ複数の種類があり、細胞の種類による分布や働きが異なる。

・ セシウム放射能が筋肉組織に多く含まれることのメカニズムは、セシウムが細胞内の水に多く溶けて分布していることと、骨格筋組織は細胞成分の割合が多いことによる。
これに加えて、筋細胞は他の細胞よりもセシウム濃度が高い可能性があるが、発表された文献をよく吟味しないと、骨格筋細胞が、他の細胞よりも高濃度にセシウムを含有しているかについて、今、私は断言できない。

・ 細胞内外のセシウムの不均等分布のメカニズムの中心は、セシウムを運ぶポンプの働きよりは、おそらく、セシウムが細胞膜のカリウムチャンネルを通過することだろうと私は推測しているが推測である。推測の理由は省略する。
どの程度までわかっているのか文献を調べればわかるが、今のところ文献を調べるだけの余裕がないから調べていない。

・ セシウムがナトリウムチャンネルは通過せず、カリウムチャンネルを通過することが、セシウムが細胞内に多く分布するメカニズムと考えた場合、複数あるカリウムチャンネルのどれもセシウムの通過させやすさは一様か、異なる種類のチャンネルにおいてカリウムの通過しやすさとセシウムの通過しやすさは同程度かなどの問題がある。

・ 酸素や血流がなくなると、細胞膜にあるナトリウムポンプはエネルギー供給が途絶えて働かなくなり、その結果細胞内から細胞外へのナトリウムくみ出しが減って、細胞内のナトリウム濃度が高まる。
細胞内ナトリウムが増えた結果、細胞内外でのナトリウムイオンの濃度差減少によって細胞内外の陽イオン濃度の不均衡が減少し、その結果、カリウムは細胞内から細胞外へ拡散移動して細胞内濃度は低下する。
おそらくセシウムもカリウムに似た挙動をするだろうがその速さ、程度はカリウムとは異なるだろう。

臓器や細胞によって異なるが、心臓が止まって人が死亡しても、細胞は数時間から数十時間は生きている。
その間、細胞の様々な機能は低下し、やがて死ぬ。死後摘出した臓器はこのような条件で得られたものなので、セシウムがカリウムと似た動きをするのであれば、死後、細胞内のセシウムは細胞外に移動するはずだから、そのとき測定した細胞内のセシウム濃度は正常に細胞が生きている状態から変化している。
細胞外に移動しても、血流が途絶えているので、細胞付近にかなり留まっていると考えれば、臓器の組織重量あたりのセシウム意量はあまり変化しないと考えてもよいかも知れないが断定はできない。

           体内カリウムの放射線
  カリウムは動植物の体内に多く存在し、細胞機能にとっ基本的で重要な物質です。
大部分は水に溶けて存在し、動物では細胞内液には細胞外液のセシウム濃度の20倍以上の濃度で保たれています。人間の体重の約60%は水で、細胞内に40%、細胞外に20%存在します。
細胞内外の水の量と、細胞内外のカリウム濃度はそれぞれほぼ一定に保たれているので、体全体のカリウム量も一定に保たれていることになります。

地球上のカリウムには1万分の1の放射性カリウムが均等に混じっています。
生体内には一定量のカリウムが存在しますから、人は必ずカリウムによる放射線の内部被曝を受け続けています。生体内の放射能のほとんどはカリウム由来で、60kgの成人では総量3000~4000ベクレルで、無視できるほどは少なくはありません。

 生体内でカリウム濃度は通常は15% 程度の変動範囲内に調節されています。
食物に含まれるカリウム摂取が余分なときは尿として排泄され、摂取量が少ないときは、尿中カリウム排泄を減らして、体内のカリウム濃度を保ちます。
腎不全でカリウムを十分排泄できず体内にカリウムが増えすぎたり、食事をとれないなどによって長期にカリウム摂取が減ると、心臓が止まるなど重大な障害を生じます。

 「カリウムには放射能があるから、どんな食物にどれくらいのカリウムがあるかを知り、摂取量を下げよう」と考える人がいますが正しくありません。
カリウムは生体にとって絶対に必要な物質で、体内の量は一定に保たれていますから、普通に生活している範囲では食物摂取によるカリウムは沢山摂っても、減らしても、体内のカリウムとカリウムによる放射線被曝は変わりません。

放射能セシウム汚染食物などを介して、体内に少量の放射線セシウムがあった場合、カリウムはセシウム放射線より高レベルであっても、カリウムを飲食すると、余分のカリウムは尿に排泄され、この時セシウムも一緒に排泄される傾向があり、カリウムは一定に保たれ体内セシウムを尿に排泄する効果があります。

カリウムは放射能があるからと考えて、カリウム摂取を減らしてしまうと、尿中排泄カリウムが減り、体内のカリウム量は下げずに、セシウムの排泄を遅らせて、生物学的半減期を延長させ、その結果、セシウムをより長期に体内にとどめることになります。

 「①ヒトはカリウムの放射線には適応して進化してきたから、②カリウムは自然放射能だから、生体に有害ではない」と言う人がいますが正しくありません。ガンマ線やベータ線で内部被曝すれば、カリウムによる自然放射能も、セシウムの人工放射能も、作用は同じです。

放射能を持たないカリウムだけの食事をして、カリウムによる内部被曝をなくすことができれば、おそらく、癌や、老化をはじめ多くの健康を害するものが軽減するはずです。しかし放射能を持たないカリウムを入手できないので、1万分の1の放射性カリウムを含むカリウムを食べて生きています。

           セシウム放射線被曝の避け方
           (後日に続く)

(追加)「セシウム放射線被曝とカリウム(少し詳しい解説)その2」として、「セシウム放射線被曝の避け方」を、また「セシウム放射線被曝とカリウム(簡単な解説)」を後日書くつもりです。
      2012年1月
23:01  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(21)  |  EDIT  |  Top↑
2012.01.02 (Mon)

講演「被曝をどう避けるか」要旨

「被曝をどう避けるか」
講師:岡山 博、仙台赤十字病院呼吸器科、東北大学臨床教授
         主催:放射線被曝から子どもを守る会
         日時:2011年12月17日
         ところ:仙台市医師会館ホール

講演の主なスライドのまとめです。



被曝をどう避けるか
 放射線と身体への影響についてお話します。
 医学知識を知ると深く理解できるが、知らなくても、大丈夫。
 被曝を避ける事と、医学的知識は別の話です。
 同じ知識を持っていても「放射線を避けるな」と言う人も「避けろ」と言う人もいます
 学ぶと言うことは、鵜呑みにする事ではなく、本当にそうかと自分で考え、判断すること
 被曝をどう考えるか、避けるためにどうするかを議論しましょう。
 講演途中でも、質問や意見、歓迎します。
                      

1. 放射線とは何か
2. 汚染の状況
3. 被曝と生体への影響
4. 被曝を避けるために・議論
   ・被曝の危険性はどの程度か
   ・被曝の避け方
       家庭が、社会ができること
   ・環境除染した放射能をどうするか
   ・農漁業者を守るには?
   ・心配するなという専門家の意見?
          など 何でも


      I, 放射線・放射能とは何か

放射線の作用
紫外線に似ている。いろいろな物質を変性する。
例えば
 印刷されたインクの色があせる
 プラスチックなどぼろぼろになる
 生体内でも蛋白やDNAやいろいろな物質を変性させる。
 細胞障害ややけど(急性・短期的傷害)
 老化、癌、生殖機能、先天異常を増やす(長期的傷害)

放射線の作用
 アルファ線、ベータ線、ガンマ線
     放射性物質から出る。
放射性物質の種類で
 どの放射線が出るか、
 いつまで出し続けるかは
       原子によって決まっている。

放射線を出す性質は分子ではなく原子の性質。だから
微生物や化学反応でなくしたり減らすことはできない。
放射性元素の性質で時間とともに減少するのを待つだけ(半減期)
除線は、放射能を移動させることしかできない。

放射線の種類
放射性物質から出るエネルギー。
高熱を出し続ける鉄球と考えるとわかりやすい
 ・α線:陽子2個と中性子2個の粒
 ・β線:もっと小さな電子1個の粒
 ・γ線:紫外線の続き(電磁波)

原発のしくみ    
U235+n→U236→A+B+2~3n
・ウランの原子核に中性子が衝突すると、
衝突の仕方で何種類もの大きさの2つの原子核と2~3個の中性子に分裂する
・ウランの量と密度が高いと、連鎖反応して爆発、少ないと中性子が核に衝突せず、すり抜けて、反応は停止する。この中間の微妙なところで反応させて熱を取り出す
・火薬を使って水を沸かすことと似ている。多いと爆発、少ないと反応停止し、中間は難しい。
・核分裂で約100種の放射性物質が作られ
・1億倍の放射線と熱が出る
・放射性物質の種類で、アルファ、ベータ、ガンマ線を、いつまで出し続けるかが決まっている。

放射線核種
   名称      記号   半減期  放射線の種類
ヨウ素-131     131I    8日    ベータ線、ガンマ線
セシウム-137    137Cs   30年    ベータ線、ガンマ線
ストロンチウム-90  90Sr   29年    ベータ線
プルトニウム-239   239PU   2万4千年  アルファ線
カリウム-40      40K  13億年   ベータ線、ガンマ線

放射性ヨウ素とセシウム137はアルファ線を出さない
アルファ線を出すものはラジウム、ウラン、プルトニウム

      II. 放射能汚染の状況

爆発後初期~3月末
 膨大な放射能ほこり。風に乗って散らばった。
 大きなほこりはゆっくり地面に落ち、小さなほこりは空中に浮遊、世界に拡散。雨や雪が降ると、放射能ほこりはまとまって落下した
 呼吸で吸い込み、食物として摂取し、被曝してしまった。
 最も多かったのは、ヨウ素。
   今は3月末比で 1/100万以下に減少。
   甲状腺癌の原因。
癌は確認できる5mm以上に育つまで、癌になってから早いものでも5年以上かかる。
 セシウム、ストロンチウムなども拡散


この時期に行うべきだった被曝対策
 高度汚染の可能性がある地域からの避難
 被災者に安全な水、食料を届ける。汚染飲食禁止
 ヨウ素剤服用
 避難しない人への指導
・ 汚染食品飲食制限
・ 外出・外気ほこりを避ける。マスク。
・ 体についた放射能を流す。シャワー
・ 家にほこりを持ち込まない。
 今の10倍の汚染可能性もあった。この程度で済んだのは偶然ともいえる。
 大量の放射能ほこりが風邪で北西に流れ、飯舘村や福島市、宮城県白河市南部と丸森町を強く汚染した。南風が更に続けば、仙台は、飯舘や福島と同様に汚染されたはずだ。
 風は南東から北風に急に逆転して、仙台ではなく、郡山や白河、栃木、群馬が汚染された。これがわかったのはずっと後。重大な危険の可能性があったので、福島、仙台は避難や窓閉め、建物の換気停止、外出控え、マスク着用をすべきだった。

外国大使館、東電、国内大企業、マスコミが行った自己防衛対策(正しい)
 東電、東北電力は社員家族を福島から緊急避難指示
 多くの大使館は、自国民の日本からの退去や
      関西への避難、汚染食品回避を指示。退去用飛行機を準備
 震災、原発対策のために宮城県沖に出動したアメリカ原子力空母は、放射能汚染を避けるためすぐに、宮城県沖から撤退
 多くの大企業は本社機能を東京から大阪に移転
 震災報道のため、仙台に拠点を作ったCNN(米)とBBC(英)放送は、すぐに拠点を山形と秋田に避難
 国内大手マスコミは、原発50km以内から記者を含め全員撤退、進入禁止。

政府や自治体、東電が実際に行った事
 東電、東北電力、政府は、震災当日に、7時間半後の原発爆発と、その後の大爆発、深刻な放射能汚染を予測していた。
 原発事故収拾作業から撤退すれば、原子炉の冷却不能が確定し、4基の原子炉が全て爆発することを意味したが、東電は、事故収束の見通しを立てられず原発事故作業からの撤退を内定した。これは総理大臣から拒否され、作業中止は免れ、原子炉冷却作業が続けられた。
 東電や東北電力は社員と家族を、緊急に福島から避難させた。社員家族が知人に緊急連絡して、福島県から避難できた一般住民も多い。
 一般住民には知らせなかった。
 政府とマスコミは「汚染はわずかだ、危険は無い。惑わされるな、あわてるな、家に留まれ」と避難を抑制。危険性を指摘する発言は「不安を煽る」として発言や報道を抑圧した。
 その結果、沢山の人が被曝した
    ・被曝回避の機会を失った。
    ・子どもを雪であそばせた。
    ・マスクもしなかった。
    ・汚染された地域や自家栽培の野菜を食べさせた。
・ヨウ素剤を服ませなかった
・汚染を心配する人を異常者扱い。自由に物言えぬ社会。
その裏で電力会社・大企業、マスコミは
    危険を知り、社員避難や会社機能の大阪へ移転など正しい対策をとっていた!

原子炉事故の破局的進行や、高度被曝が20%の可能性で予想される時
・「重大な被曝を受ける可能性がある」と
          対策や避難を進めるべきだが
・「高度被曝の可能性は低い。落ち着くように」と
          説明し、避難や対策を遅らせ、抑制した
  
   オバマ大統領は、ハリケーンの時、
   「判断を遅らせて被害を増やすな、
   すぐ決断し避難せよ」と指揮し、住民に呼びかけた

   最悪の被害を確認してから行うのは、
   危険対策ではなく、判断責任回避し住民に被害拡大

汚染状況、汚染予測を知らせなかった
・批判意見はないかのように無視し、汚染を過小評価する解説を繰り返した。
・政府の「安全解説」に批判的な意見は存在しないかのように報道。
・批判的意見は「扇動」あるいは「風評」と嘘扱い
・政府会見で、事実を求める質問もされなくなった。
・日本政府と気象庁は緊急時のために作った放射線汚染予測を公開しなかった
・日本気象庁の発表データを使って、ドイツ、スイス、オーストリア、台湾など各国の
気象庁が日本の放射線汚染予測図を毎日時間を追って発表。
日本人のために、日本語の発表も

外国の反応など
 ウクライナ医学アカデミーロガノフスキー氏「チェルノブイリでの経験がある。協力できると日本大使館に出向いたが門前払いされた」
 ドイツ救援チーム3月14日、急きょ帰国した。「日本政府は事実を隠蔽し、過小評価している。」と早期帰国の理由を語った。
 ドイツ首相も「日本からの情報は矛盾している」と繰り返した。(2011年3月16日 読売新聞)
 被災地のために外国から、緊急供与された放射能測定器40000個が、羽田空港倉庫に保管されたまま、配布されなかった
 「子どもたちを20mSvの放射能にさらすのを、今すぐやめてください」在フランス日本大使、仏市民団体「原発をやめる会」他からの抗議の手紙受け取りを拒否(8月31日)
 安全だと強弁して事故を起こした責任者が今も、原発事故処理を仕切っている
 原発事故の危険性を主張し、事故時の対策を研究・要求してきた国内の専門家は今も排除したまま

現在の大気の汚染状況(推測)
 3月爆発後、空中に拡散した放射能粒子は地面に降下するか世界中に拡散した。
 当初と比べ、ずっと少なくなった。しかし
 今も事故原子炉と原発から放射能が拡散している。
 原子炉周辺のがれきや地面に落ちた放射能ほこりが乾いて風で舞うこともある。
 普通の状態であればマスクの価値は下がった

現在の地表の汚染状況
地表に落ちた放射能
 雨水で流れ、乾いたところに残る。
 水がたまって乾いた所のごみや枯れ草に吸着している。雨が降るたびに少しずつ解けて流れ、地面にしみこんでいる。
 土にしみこんだセシウムの一部を植物は吸い上げる。葉についた、ほこりや雨の中のセシウムの一部は直接吸収される。
 水道水の汚染はおそらく少ない

現在の海の汚染状況
  汚染水を大量に海に放出している
 海水・海底・ヘドロと、海草・魚が汚染され続けている。
     ・ヨウ素:80日で 1/ 1000 160日で1/100万に
           減る。海草に蓄積。甲状腺に集まる
     ・セシウム:魚や貝の肉。水に溶ける。
           福島海底ヘドロから大量セシウム
     ・ストロンチウム: ほとんど未測定。
           海底、魚の骨に蓄積。食べると骨にたまる。
 時間とともに全国に拡散拡大する。
     ・日本周囲太平洋は注意

現在の地表汚染状況と食物
 ヨウ素:大量に放出されたが、放射能はなくなっている
 セシウム:大気中セシウムは葉からも吸収された。土やホットスポットのごみ、枯れ草に付着。土中セシウムは植物に吸収される。何十年も続く。海や沼のセシウムは植物や虫、魚に吸収される。
 ストロンチウム:汚染された植物や飼料を食べて、動物に吸収され、骨に蓄積され放射線を出し続ける。牛乳や小魚など骨に注意

今は、何から被曝するか
 空気中に浮遊する放射能ほこりは少ない。
 環境放射線は地面に積もった放射能ほこりからのセシウム、ストロンチウム。放射能ごみをなめたり、ほこりが舞い上がると吸入し内部被曝の原因になる。外部被曝もある。除染
 放射能や毒物被害を避ける方法は、毒を避けることが基本。毒を採った上でどう減らすかではない。
 食物中のセシウムと、ストロンチウムが重要。


放射線規制
放射線暫定規制値
厚生労働省  3月29日に緊急とりまとめ
 ・放射性ヨウ素:年間2mSv(甲状腺等価線量としては年間50mSv)
 ・放射性セシウム:年間5mSv
    という実効線量が安全とした

食品放射能暫定基準
暫定基準とは
・緊急事態で、水や食物が手に入らない時、「害を承知で、食べるのもやむをえない」制限
・食べ物が無くてもこれ以上は、食べてはいけない上限。安全な基準ではない。
  ・飲み物の暫定基準は:海洋投棄を禁止されている原発からの汚染廃水より高い

現在の暫定基準はヨーロッパの緊急時規制値とほぼ同じ
おかしいのは

・汚染地域に、汚染されていない飲食物を緊急に供給しない
・原発爆発直後のまま、緊急事態として続けている
 ・有害だが緊急時には一時やむをえない値を「安全」という
・被曝を避けるのではなく拡散・拡大させる姿勢と政策。
・汚染されていない地域にも、汚染食品を意図して拡散

食品放射能測定
 国や自治体が食品放射能を測定した。
 農作物はよく洗い、魚は頭と内臓を取ってから測定するように指示
 暫定基準以上の作物が出たら一時出荷停止にし、なるべく早く解除した。暫定基準以下は安全と宣言
 同じ地域の、測定しなかった畑の作物や、別の種類の作物は出荷停止しない。
 給食など「勝手に」測定することを実質的に禁止した。
 汚染の危険を指摘する発言や行動を抑圧
 危険性を話題にすることを「風評」と嘘扱い

食品衛生法
 第6条 有毒な疑いがある食品は、販売、製造してはならない。
 ただし、人の健康を損なうおそれがない場合として厚生労働大臣が定める場合においては、この限りでない。

文部科学省は
「市場に流通している食品は、安全という前提。
給食に限って何かをすることは考えていない」


食物や環境放射能の基準
   許容量:法律で決まっている
 許容基準を定める目的は; 被曝と被害を少なくするため(世界各国、国際機関、日本の法律全て) 。
 緊急時暫定基準: 安全な水や食料がない緊急時に、害を承知でやむを得ず許容する量。緊急時でもそれ以上は摂ってはいけない。安全を意味しない。
 鉛や水銀、農薬などの毒物規制は、毒を摂取させないための基準。有害とわかっている量よりはるかに低量で規制=安全管理の原則

ドイツ放射線防護協会
 「放射線汚染された食品やゴミを汚染されていないものと混ぜて『安全である』として通用させることを禁止する国際的な合意がある。日本の官庁は希釈禁止に抵触している」(2011年11月)

電離放射線障害防止規則
 「放射性物質」とは、40Bq/cm2を超えるもの
 汚染した場合、標識し
  ・1mで0.01ミリシーベルト毎時以下、
  ・4Bq/cm2 (約400Bq/kgの土、100Bq/kg枯草)
             以下、になるまで除去
 第29条 清掃を行なうときは、じんあいの飛散しない方法で。
 第33条 貯蔵はかぎ閉鎖の貯蔵施設
 第35条 焼却は、気体がもれるおそれ、灰が飛散するおそれのない構造の焼却炉

暫定基準値は、法律違反
『放射線障害防止法、3条』;一般人の許容放射線量は年間1ミリシーベルト以下とする。

放射能の単位
 ベクレル:1秒で出る放射線の数
 シーベルト:
      さまざまな仮定や推測をして計算した体に与える影響の大きさの値。
      殊に内部被曝の値は著しく過小評価しているおり使うべきでないと私は考えています。
      参照;本ブログ「内部被曝の数値をどう理解するか」
         (* 内部被曝の計算式は削除修正した)
 

III. 放射線被曝と生体への影響
内部被曝の経路
 呼吸: 放射性の微粒子や気体を吸い込む
 飲食物: 放射性物質が付着した飲食物を摂取する
 皮膚や傷口から吸収

内部被曝の危険性
 放射線源からの距離が近い
      1cm では 10m の100万倍被曝する
 体内に、長期間残る
 同じ部位の細胞が繰り返し被曝する
       蛋白や遺伝子変異、炎症を起こす
       老化、骨髄機能抑制(感染、出血、貧血)
       癌、先天異常、遺伝的障害

放射線核種による生体影響の違い
 ヨウ素
     甲状腺に集まる →甲状腺腫・甲状腺癌   
     半減期 8日
 セシウム 
     細胞内の水に多く溶けて分布→さまざまの癌
     半減期 30年、 生物学的半減期 1~2ヶ月
 ストロンチウム
     カルシウムに似て骨に分布
                   →白血病・リンパ腫
     半減期 29年。Cs137出れば、Sr90存在

被曝の身体への影響、特にDNA損傷と癌について
癌とは何か
 正常の細胞は
   常に必要なだけ、新しい細胞が増殖し、古い細胞が静かに自ら死んでいく(皮膚では、ふけや垢になる)
 細胞が死ななくなって細胞の数が増え続けるのが癌

癌のでき方
 1人の人では、どの細胞もまったく同じ遺伝子を持ち、変化しない
 ①細胞増殖を始める、②止める
  ③自殺させる、    ④間違ったDNAを修
      に関係した数十個の遺伝子がある
 1個の細胞内で、これらの遺伝子が3~4個が、間違って異常DNAに変わると、増殖が止まらない、自分で壊れない癌細胞になる

遺伝子に対する、確率的傷害作用
 多くの毒物や大量被曝による急性放射線障害は
    毒の量が多いほど障害の程度が強くなる
    微量では生体に影響は無い

 放射線被曝による長期障害は遺伝子(DNA)変異
    被曝線量が増えると確率的に傷害の頻度が増える.
    被曝線量が減ると傷害の頻度が減るだけ
    
    20ミリシーベルトの被曝で1000人に1人が癌で死亡する.
    同量の放射能を1000人で分けても10万人で分けても1人が癌で死亡

ベラルーシ甲状腺癌を、どう評価するか
   15歳以下  7人 → 407人  58倍
   55~64歳  54 人→ 326人  6倍

「50倍に増えるほど危険だ」と考えるか
「1年で、10万人のうち死亡がわずか数人増えただけだから気にするな」と考えるか
放射線専門医が専門家として判断し、その結論で国民を教育する問題か?

甲状腺癌は少ない癌だから少し増えてもわかった
わかるまでに20年かかった
現在日本では、10万人あたり年間270人、肺がんだけでも、82人/10万人/年が癌で死亡する。全癌死亡や、肺癌は事故前から多いので、被曝によって甲状腺癌と同程度の死亡が増えても、わずかなパーセント増加にしかならず、おそらく証明できない。比較対象にする汚染されなかった地域の人も、食品などによって被曝しているので、比較を難しくする。しかし、事故以前は若年者のがんは少ないので、がんの種類を細かく分けて、年齢別統計を取ると、いくつかのがんでは増加したことが分かる可能性がある。

    (参考)
日本の年間死亡数
   114万人
   907人/10万人

日本の癌死亡
    34万人/年
    273人/10万人/年
    全死亡の30%

日本の肺癌死亡
     65000人/年
     82 人/10万人/年
  男70歳~
    500人/10万人/年

イギリス核再処理工場 周囲の白血病増加
「他にも多い地域があるので放射能の影響とはいえない」という反論

1950~89年に乳がんが2倍以上になった地区(郡)
アメリカ
   ほとんどが原子力施設160km以内

原発周辺で小児白血病が増加
    ドイツ政府の大規模調査 2007 で確定
放射線かどうかは未検討
    
IV. 被曝を避けるために
食品からの被曝を避けるために
 摂取した放射能の害を減らすことよりも、
     摂取しないことが基本
 汚染食品を避ける
 汚染可能性ある地域のものは、
     計測された値を知り、自分で評価する
     判断を他人に任せない

汚染食品の考え方
1) 「暫定基準以下だから安全」は誤り
2) 「安全安心を示すための測定」はあてにならない
    低そうなものを選んで測定している
    高く出たら隠す、過小評価する傾向
    全体の傾向を意味しない
3) 「汚染を発見し、流通や摂取を避ける」目的の測定が必要
4) 現状では、安全確認できないものを避ける
5) 「安全か?」と他人に評価まで頼るのはやめ、測定値を知って、自分で判断する

食品による内部被曝の避け方
   家庭でできること
1.汚染食品を避ける
2.食べる量を減らす。特に過食傾向の人
3.調理法
4.排泄を促す(過剰に重視すべきではない)

放射線元素による違い
 ヨウ素
    半減期が短いので、今はなくなっている
 ストロンチウム
   ほとんど測定していない
   吸収されると、骨に固まって、いつまでも残る。
   とにかく避ける。汚染牛乳、小魚、魚の骨
   調理法で解決できない
 セシウム  現在最も多い。これは工夫できる

汚染食品の避け方
1) 安全と確認できない食品を避ける
   ・ 汚染地域の農作物
   ・ 日本周囲太平洋の海産物
   ・ 「国産」と言う表示など産地表示があいまいなもの。
   ・ 国産の加工食品。産地ではなく、加工所を表示している
   ・ 外食

2)  「安全か?」と他人に頼るのは止め、
    測定値を知って、自分で評価する

食品の選び方
・誰に従って安全と思うのではなく、
      ・放射線の値を聞いて
      ・安全性は自分で判断する
・ 基準値以下というのは安全を意味しない
・ 測定値を隠す人の安全説明は、さらに危ない。

他人の安全を軽視し、消費者に情報や事実を教えず、判断させず、自由な議論を歓迎せず安全という評価を強要する人を信頼すべきではない

セシウムを避ける調理法
 セシウムは生きた細胞内の水に多く溶けている。カリウムに似た分布
 生野菜、果物、肉、魚は細胞が大部分。染み出して流し去らなければ、全て残る。
 細胞を殺し、水につけておくと細胞から外に染み出す
 葉野菜100g を1Lでゆでると1/10に、もう一度ゆでなおすと、1/100に減る。大根や芋など大きな塊は染み出すのに時間がかかる
 マカロニをたっぷりの水でゆでると約20%に減る。水を替えてゆでなおすとさらに減る
 米をとぐと、ぬかの分を減らせる。といだ後、一晩水につけ翌日2回水を替えてから炊くとさらに減らせると思う
 乾燥食品や、焼く料理は、水がなくなるだけでセシウムは全て残る

ヨウ素の避け方
 今はほとんどない。
 また原発から放出されたら、多いときは逃げる
 多くない時は、風下であれば吸入注意、外に出ない。窓閉め、喚起やめる。インフルエンザ用マスク。
 食物注意。特に海草に集まる
 大量被曝可能性高いときはヨウ素(ヨード)剤内服

ストロンチウムの避け方
 少し面倒なのであまり測っていない。
 カルシウムに似て、骨に集まる。骨に固まって動かないので、隣の同じ細胞が放射線を浴び続ける。白血病など血液の病気の原因
 魚・かに・貝類と、それを食べる魚の骨はさらに濃縮。牧草・骨粉を食べた家畜のミルク、骨
 福島海底の泥からセシウム大量に検出されたストロンチウムも多いはず。
 汚染の可能性ある魚、特に骨を食べない。小魚
 日本周囲の太平洋は汚染の可能性高い

個人で避けた汚染食品はどこへ?
  自分で避けた食品は?
     廃棄されない。
     業者が安く買って使う;加工食品、外食産業  
  食べたら1000人に1人が癌で死ぬ放射線を
     1万人で分けて食べても1人が死ぬ
     =癌を起こす確率的作用
  薄めて流通する汚染食品の全体量を増やすと→癌は増える。だから
  汚染食品を作らせない、流通させないことが最も大切

放射能許容量を考える基準
 被曝を避けたいか、それとももっと被曝させたいか
 何のために
 どの程度まで被曝受け入れると判断するか
 俗論や無責任な解説を排除する。

   以上が放射能をどこまで受け入れるか
         を考える基準。
           だから、
  事実と根拠は聞くが、評価・判断は自分でする

食品の放射能測定の目的
食品の有毒物や放射能を測るのは
     毒物を食べさせないため
・ところが今の日本は
   「これくらいは安全だからもっと食べろ」
   「不安に思うのは知識不足で、過剰反応」
   「食べても安全だ」と言うために、
            測定している


IV. 議論しましょう

異なる意見があって始めてよい議論ができます。
私の意見も述べます。
 被曝の危険性はどの程度か
 被曝を避けるために。家庭でできること、社会としてとりくむこと
 除染・汚染処理問題。除染した汚染物をどう処理するか
 農漁業者をどう守るか、
 「この程度の放射能は安全だ、安心して食べよう」という意見をどう考えるか
 その他なんでも質問、発言してください

       (2012年1月2日掲載後一部修正)


(後日追加資料) 
・ 文部科学省は、震災直前の去年3月3日、東京電力など原発を持つ3社と非公式の会合。東京電力などは文科省に対し、巨大津波の危険を指摘する報告書の内容について、貞観地震に関する記述を修正するよう要求したということです。テレ朝ニュース2012,2,26
・ ハーメルンプロジェクト志田氏「『安全だ、避難は不要だと』と福島県民に説明・指示する県教育庁担当者5人に聞いたうちの3人が『自分のこどもは既に避難させている』」と。
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2012.01.01 (Sun)

「福島原発事故後おきていること」 仙台市医師会報  2011年9月

「福島原発事故後おきていること」
                    仙台市医師会報  2011年9月
                 仙台赤十字病院呼吸器内科  岡山 博

 福島原発事故後、福島中通や浜通に住む患者さんや、身内の方のことを聞く機会が多かった。
原発事故直後、直ちに遠方に避難した、あるいは家族を避難させたと、何人の方から聞いた。

郡山、福島、浜通の方は、東北電力や東京電力の知人から電話などで「すぐ避難するように」と知らされ、子どもとその母親を関西や関東など遠方に避難させた。
別の浜通りの方は原発付近に家があるため、避難訓練を受けたことがあり、緊急事態の予備知識があって、自分の判断ですぐ避難した。
別の方は、原発反対運動に関係して、原発事故の知識を持っており、すぐに自分で判断、通常の3倍の時間かかって、必死の思いで、いわき市に避難したが、既にいわきのかなりの人はさらに遠方に避難し、街は人気が少なくがらんとしていたと言う。

 あまり報道されていないが、緊急事態と理解し、すぐ避難した人や家族を避難させた人は少なくない。しかし、ことに中通では政府や県の説明を聞き、避難しない人のほうがはるかに多かった。
 
 3月11日、東電と保安院は、電源喪失によって停止した炉心冷却を再冷却しなければ1~4号炉全て大爆発するのは必至で、爆発に至る過程は、物理化学反応の連続した過程として、時間単位で爆発までの時間経過を正確に予測していた。

 既に、燃料棒と炉心融解が始まっていた。再冷却の展望をほとんど失い、冷却できなければ大爆発必至と予測した東電は福島第一原発放棄・職員撤退を内定したが総理大臣に却下された。撤退というのは、4基の原子炉が全て大爆発し、日本全土に近い広範な地域が超高度の放射能汚染、何百何千万人の放射線障害、おそらく日本国壊滅の人類歴史に例のない超大惨事を意味した。

 一号炉爆発後、大量の放射線が環境に放出された。多くの人の関心は今どれくらい放射能が出ているか、当面どう対処するか、避難しなくてよいかということと、今後、事故がさらに拡大するのではないか、拡大するとすれば最悪どうなるのか、その場合どうしたら良いかということだった。

 しかし原発事故を起こした当事者の東京電力と、国民に対する責任者である政府・保安院は、「原子炉圧力容器や格納容器は健全に保たれている。放射能が放出されたが、直ちに健康に影響はない。落ち着くように、不安を煽らないように」と説明し、事故が拡大するたびに、考えうる最も被害が少ない可能性の説明だけを繰り返し、悪い 可能性は説明せず、住民が悪い可能性に備える援助をせず、むしろ抑制した。

 「スリーマイルよりはるかに小規模な福島事故をスリーマイルと比較するのは、不謹慎で不安を煽る」という論調がテレビ、新聞を覆った。直ちに健康に影響はないといいながら、長期の影響はないのかという質問には答えず、今後事故は拡大しないかのように解説し、事故が拡大する恐れはあるのかという疑問さえ、不安を煽るといって質問や、話題にすることが悪であるかのような状況が作られ、メディアも質問せず、保安院・東電の見解だけを伝えた。

 事実や今後起こりうる危険性の議論や、避難・被曝防止は政府の言うことだけでよいのかという記事はメディアから消えた。
報道する際は必ず、事故の影響を著しく小さく見積もる解説を加えた。「評価を伝えるのではなく、正確・迅速・客観的事実を伝えることが報道」というあり方は従来より日本のメディアに欠けていたが、原発事故後、メディアは完全に、事実を伝える報道機関ではなく、特定の評価を広める広報機関となった。

政府の発表に批判的な専門家の発言や住民の正当な心配を「不安を煽る」と言って発言させない空気を作り、「悪い危険性も考えるべきだ」という意見はメディアから消えた。

 地震直後、電源喪失によって炉心冷却ができなければ、数時間で急速に大惨事のステップが進行することが明らかとなり、3月12日の一回目の爆発が起きる前から、東電や東北電力は原子炉大事故や放射能汚染の危険を広範な浜通の社員家族に知らせ、すぐに避難させた。
これを聞いた心ある東電や東北電力関係者や家族は多くの知人に知らせ。聞いた人は避難できたのは良かった。
一方東電や国、県は、「直ちに健康に影響はない。落ち着くように。不安を煽らないように」と繰り返し、危険な事実と、きわめて危険な大惨事になる可能性を伝えなかった。

この時、電力関係者と同様に、一般住民にも、放射能汚染拡大の可能性と、原発事故がさらに急速に拡大する可能性を知らせれば、自ら避難した人は多かったはずだ。避難機会を生かさず、みすみす被曝させた。

 情報が知らされない中で、南相馬市民の多くは、自分の判断ですぐに雪の中を車中泊して飯舘村に避難したが、そこは南相馬よりはるかに厳しい汚染地域だった。
飯舘村に限らず、厳しく汚染された福島や郡山などでも、汚染の危険を知らされない住民と避難者は、マスクをさせず、子どもを外や放射能雪で遊ばせ、老人は汚染された自家野菜を孫に与え続けた。福島や郡山市民の多くもマスクをせず、雪にも濡れ、汚染食品を食べた。

 福島県知事は、避難させるには経済負担が大きいことと、福島が汚染されていると思わせたくないために、放射能拡散予測:SPEEDI を公開しないこととを国に要請し、国は外国と首相官邸には知らせたが、国民には公開しなかった。知事は、被曝被害を少なくする取り組みはせず、環境放射線限度の1ミリシーベルトを20ミリシーベルトに引き上げることを国に要請し、福島県の大部分は(20ミリとした暫定基準より低いので)汚染されていないとキャンペーンし、汚染を心配する意見を風評被害、不安を煽ると発言を抑圧した。

 宮城県でも「宮城は汚染されていない」という知事の強い信念で、放射能測定は消極的で、全国で宮城県だけが、降下・雨中放射線測定を行なわなかった。
地震で測定器が壊れたという説明だが、測定要望に対して、「測定機械を購入するかどうか検討中。現在購入予定はない。検体を山形県などに持っていって測定するのは、運ぶ人員も必要なので予定はない」と繰り返した。

後日、降下・雨中放射能による稲藁の高度放射能汚染とそれによって肉牛の汚染を全国に拡大させたことが明らかとなり、宮城の肉牛出荷は停止になった。
事故後数日間はともかく、試料を宅急便で他県に依頼するだけで測定は可能である。
8月半ばを過ぎた現在もまだ測定・公表しない状態が続いている。

 政府は事故後、食品や飲料水中の暫定放射線量(最大許容限度)を決めた。これまでの日本の、あるいは諸外国や国際機関による基準の数十倍の許容量である。
食品販売は、製造地表示が義務付けられているが、事故後、地名表示から、地名をあらわす企業内の記号表示に変わり、消費者は店頭で、産地確認できなくなった。中には、生産地に、「国産」や、「太平洋」という表示も出現している。

 従来から、地産地消として、学校給食には地元農作物を優先しているが、原発事故後も続いている。
家庭の食事は注意できるが給食は選べない。
給食の放射能汚染食品を心配した多くの母親が学校に相談したが、モンスターペアレント扱いされて話し合いにならず、生徒の給食による内部被曝を心配する教師が、学校で提案や話題にすることも困難な状態が現在も続いている。
子供を持つ母親が避難を提案しても義父母や夫から「心配しすぎ。騒ぎすぎだ。県や国は危険でないと言っている」と非難され、実質的な家庭崩壊や、離婚覚悟であるいは実際に離婚に至って、関西や北海道に避難した母親も少なくないと聞いている。福島市や飯舘村など汚染レベルの高い地域で深刻な問題になっている。

 原発事故発生後、原子力専門家や、放射線医学専門家がテレビや講演会などで「教育」講演や「解説」をした。
「事故後作った暫定基準以上でも十分安全で、環境や食物に若干放射能が認められるが、直ちに健康に影響はなく、心配する必要はない。
被曝より、心配するほうが健康に悪影響する。心配するのは知識不足で、話題にするのは不安を煽る行為だ」と繰り返した。

 飲料水や食物の暫定基準は、それまでの基準や、国際機関や、諸外国の基準の数十倍の放射能を摂取可能とするもので、1年前なら、外国からの食品が国内への移動は認められず、つき返したレベルをはるかに上回る量である。
環境放射線は、一般人が立ち入り禁止の大学の放射能実験施設の管理区域で、放射線使用者が被曝する許容量を可とした基準である。管理区域では飲食は禁止である。
アイソトープ使用の実験でピペットチップを落とすなどして床を汚染すると、黄色いテープで立ち入り禁止を表示し、始末書を書き、除染する義務がある。
それよりはるかに高い密度の汚染が、数十センチ四方ではなく、広範囲、大量に、道路側溝などのホットスポットとしてあちこちに存在している。それを「影響ない、心配するのは知識不足、話題にするのは不安をあおり風評拡大する」と言う。

 そのように考え発言する人がいてもよいが、それ以外の考えが存在しないかのように「解説」し、異なる意見は報道せず、社会にオープンな場で、議論をさせなかったのは問題である。
まじめで丁寧な議論は歓迎されず同調了解だけが求められる公的な「講演会」「学習会」が続いた。

 原発事故発生後、おきていることを書いた。稿を改めて、状況羅列ではなく、私の意見を書きたいと思います。
12:24  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑
2011.12.25 (Sun)

「 放射線被曝を避けるために・野焼き」子どもを守る会いわて投稿記事

放射線被曝を避けるために  (放射線被曝から子どもを守る会 いわて HP2011年9月)

仙台赤十字病院呼吸器内科
東北大学臨床教授
岡山 博


原発爆発後初期数週間の放射能汚染

本年3月12日、福島第一原子力発電所が爆発し、その後爆発や漏洩、意図した放出が繰り返され、3月15日から3日間と3月21日から数日間、それぞれ何度も、莫大な放射能が大気中へ放出されました。

放出された放射性物質は、風に乗って運ばれ風下を汚染し、空中に浮いていた放射能ほこりが雨や雪が降るとそれに吸着され、大量に地表に降り注ぎました。

宮城県北部から岩手県南部もこのようにして仙台などの宮城県中部よりも強く汚染され、現在も環境放射能は事故以前の数倍に上がったままです。

爆発直後から2~3週間の間、最も危険だったのは、空気中に浮遊しているヨウ素とセシウムの放射能ほこりを呼吸して吸い込んでしまったことでした。

空気中に存在する放射能は放射性気体と、小さなほこり=固体に吸着した放射能ですが、放射性物質のほとんどはほこりに吸着しており、ほこりの放射能が最大の危険物質でした。

人は一日中呼吸しているので、大気中に放射能などの有毒物質があれば、息を吸うと必ず吸気として吸い込んでしまいます。
水に溶けない気体は吸ってもほとんどすぐに呼気として吐き出されますが、水に溶ける気体は気管支表面や一番奥の肺胞で体の水に溶け、血液に溶けて全身に広がり、蓄積します。

直径が0.01mmより大きな粒子は、肺の一番奥の肺胞までは到達せず、気管支表面の水に吸着し、その後、気管支表面の線毛運動によってベルトコンベアのように連続的にのどまで運び出されます。
運ばれたものが大きく硬い場合は痰として喀出されますが、ほとんどのものは少しずつ連続的にのどまで運ばれるので、気づかずに全て飲み込まれ、放射能のほとんど全部が腸で吸収されて全身に運ばれます。

0.01mm より小さい粒子は肺の一番奥の肺胞まで到達します。
肺胞は線毛運動が無いため、のどまで運んで捨てることはできません。
少しずつ溶けて全て血液に吸収され全身に運ばれます。

石の粉やアスベスト、プルトニウムなど、いつまでたっても溶けない物質は何十年も肺の同じところに留まります。

甲状腺の細胞は、ヨウ素を運び入れるポンプの働きがあるため、肺や腸から吸収されたヨウ素は、甲状腺に集まります。

一方、セシウムは体内の水に溶け体中に運ばれて分布します。
セシウムは体中の水に溶けて分布しますが、細胞外よりは、どの細胞でも細胞内の水に多く分布します。
セシウムは筋肉に多く含まれると説明されていることがありますが、これは筋肉は細胞の割合が多いこと、筋細胞には他の細胞よりやや高濃度に含まれることと、体の中で筋肉の割合が多いので、筋肉の中に多く含まれるという意味です。

この時期、被曝を防ぐには放射能ほこりのない地域へ避難することが最も有効でした。
それができない場合は、マスクをしてほこりの吸入を減らすことでした。
普通のマスクでも大きなほこりは防げます。やや小さなほこりは、花粉症のマスクがさらに有効でした。
目の細かいN95 マスクを適切に使えば0.001mmのほこりでも99.9%を防ぐことができました。

髪の毛や皮膚についたほこりは、シャワーで簡単に洗い流せます。
放射能ほこりが家の中に落ちると、ほこりが外に出るまで、何年も放射能を出し続け、少しずつ舞い上がるほこりを吸入してしまうので、衣服や荷物、髪の毛についた放射能ほこりを家の中に持ち込まないことも大切でした。

次に危険だったのは放射性物質で汚染された食物を飲食したことです。
初期の2~3週間、空気中に放射能ほこりが浮いていた時期は、ほこりはそのまま、あるいは雨や雪に混じって、野菜など、植物の葉に落ちて留まります。
これは水洗いをすれば取り除けますが、水洗が不十分だと食物とともに摂取されて内部被曝を起こします。
時間がたつと葉の表面に留まったセシウムは葉から吸収され、葉だけでなく、葉から茎や実に運ばれ蓄積されました。

これは洗っても取り除くことはできません。
食べてはいけないのですが、それでも食べる場合は、葉のように薄いものであればゆでて細胞を壊し、細胞内のセシウムをお湯にしみださせることができます。
水をかえて、2回ゆでるとかなり減るはずです。
大根やイモ類のように薄くないものは、細胞を壊してもゆでる水までの距離が長いため十分染み出させるのは難しい。
大根を煮て料理しても醤油の色や味がなかなか中までしみとおらないのと同じです。
海産物の放射能についてと、ストロンチウムも大切ですが、本論では省略します。


現在の汚染状況

現在、大気中に浮かんでいる放射能ほこりはずっと減っています。
現在環境中に測定される放射線のほとんど全ては、放射能ほこりが地面に落ちて、地面に留まったセシウムの放射線源からのものです。
3月末と比べると、環境放射能はかなり低くなっていますが、これは放射性物質が取り除かれて減ったのではなく、ヨウ素の放射能が弱くなったためです。
ヨウ素の放射能は半減期が8日で、8日たつと放射能は半分になりさらに8日たつとその半分に、と弱くなって80日たつとはじめの1000分の一に、160日たった現在では、放射ヨウ素の放射能は100万分の1に弱まりほとんどなくなっています。

現在、地表や環境に残っている放射能は大部分がセシウムです。
セシウムの放射能半減期は30年なので1年や2年ではほとんど減りません。
30年たって半分、また30年たってその半分の1/4というように、半減期に従って減る以外には、放射能は自然や人が分解したり減らしたりできません。

普通の毒物は分解されたり何かに吸着して毒性が減りますが、放射能ではそのようなことはまったくありません。
今後、自然に、少し減るのは、放射能が分解されるからではなく、放射能のついた枯れ草やごみがほこりとなって飛び散るか、少しずつ水で流れて地面に入り、やがて湧き水などになって川に入って運び去られて減るだけです。
どちらも急速に減ることは期待できませんし、急速に減ったとしたら、別の場所の放射能汚染を拡大しているということで、望ましくありません。

環境中の放射能を減らそうと言うのであれば、セシウムの放射線源を集め運び去ること以外、放射能を減らすことはできません。
環境の放射線を減らすためには、セシウムで汚染されている枯れ草やごみを取り除くことが最も簡単で効率的です。
放置しておくと、その間、被曝受け続けるだけでなく、少しずつごみや枯れ草から土に移動するので、同じ量のセシウムを除くのに手間や費用が今よりかかります。
今でもセシウムは土に移動しています。
枯れ草やごみだけでなく、今なら、表土を数センチ除去すると環境放射能をかなり減らすことができます。
時間がたつとセシウムはさらに地面の下までしみとおっていくので、除去するなら、早いほど効率的です。

放射能は減らすことも分解することもできません。
人ができることは移動することだけですから、除染というのは、「放射線源を集めどこかに持ち出し集めて管理すること」です。
いくら取り除いても、集めて管理しなければ、別のところに汚染を拡大してしまうので、すべきではありません。
十分な集塵機能を持たない焼却処分は、せっかく集まっている放射能を拡散させてしまうことなので、処分しないことよりも悪いのです。

野焼きについて

子どもたちの放射線被曝を心配しするお母さんたちから、野焼きについて相談をいただきました。
わらや枯れ草に放射能雨が降り注いだ後、水は蒸発しますが、放射能はそのまま残ります。
放射能ほこりが降り、放射能雨・雪でぬれて乾いたわらや枯れ草、水溜りが乾いたごみは、最もセシウム放射能がたまっているところです。

宮城県で雨にぬれた稲わらを全国の牛に食べさせ、牛肉が高度に汚染されていることがわかり、出荷停止になり、稲わらを食べさせるのも禁止されました。
宮城県は知事が「宮城県は汚染されていない」という強い信念を持っており、文部省指示による降下・雨中放射能を今でも測定・発表していないただひとつの県です。

降下放射能の軽視が、稲わらと肉牛のセシウム放射能汚染の背景にはあります。
4月時点で存在し、放射能ほこりが降下し、放射能雨にぬれた植物や枯れ草、枯れ草、わらなどは、強く汚染されています。
これを野焼きすると、放射能は煙になって拡散し、残りは燃えかすや灰になって残ります。

野焼きしているときに見える煙は、気体ではなく、小さな粒子で、これに放射能が含まれています。放射能は目に見えないもっと小さな粒子にも含まれています。
空気中に拡散すれば、それを呼吸して放射能を肺に吸入、吸収してしまいます。

これは、放射能が枯れ草やわらとして、地表に固まって存在し、そこからの放射線で人が外部被曝するより、はるかに危険なので、すべきではありません。

野焼きで出た煙などの放射能ほこりは、原発の大爆発と違い、比較的近くに大部分が降下すると予測されます。
それをまた住民が呼吸し、また農作物や植物を汚染します。
原発爆発によって起こされた放射能拡散と放射能被曝をもう一度繰り返すということです。
原発事故から時間がたち、ヨウ素の放射能はありませんから、ヨウ素剤服用の必要はありませんが、セシウムによる第二次汚染・第二次被曝といえる危険な汚染です。

これから行われようとしている野焼きに、4月時点ですでに存在し、放射能雨にあたったわらや枯れ草が含まれているとしたら危険で、止めるべきです。
止めさせることができなかったら、避難すべきです。
避難できない場合は、マスクをし、家を密閉すべきです。

後でほこりを掃除して家の外に出すよう掃除します。
掃除は、子どもを避難させた上で、良いマスクをして、隙間などのたまったほこりを掃除機で吸い出してもよいが、やりにくい場所は逆噴射して巻き上げるほうがよいかも知れません。
窓は全部開放して、巻き上げたほこりを風で戸外に出します。
目に見える床や家具の表面は、ぬらした新聞紙をそっとの上において、こするのではなくぬれた新聞紙にほこりを吸着させ、そのまま捨てるのがよいと思います。
雑巾で拭くのは、要注意。ふき取って取り除けるのは一部で、床に広げて擦り付けてしまうものもあります。
雑巾に吸着した分だけが床から取り除かれた分です。雑巾についた放射能ほこりを洗い流すのは困難なので捨てるのがいいです。

もし、4月の草やわらが既に野焼きで燃やされてしまったとしたら、放射能のかなりは、煙として大気に拡散し、その後地面に降り注いだはずです。
燃えカスと残り灰には強い放射能が含まれている可能性が高く、きちんと処分すべきです。
煙の中の粒子と、煙になって飛び去らずに残った灰と燃えカスの重さの合計が燃やす前の10%に減っていたら、放射能は減らないので、kgあたりの放射能は10倍になります。
1kgで1000ベクレルだったら、焼いた後は1kgで1万ベクレル、はじめに1万ベクレルだったのなら、焼いた後は1kg10万ベクレルの放射能煙と、放射能灰です。

5月以降に育った稲などの汚染は、大部分が土と水から放射能を吸収して蓄えたものだけなので、4月以前からあった植物やごみよりはかなり少ないはずですが、どの程度危険かは測定してみないとわかりません。
確認するまでは大気中に拡散すべきではありません。
9月になって一関の米から27ベクレル/kgの放射能が検出されました。
稲わらは米粒より多量の放射能を含んでいると予測されます。

環境除染と除染後の放射能汚染物質処分

田畑や道路の水溜り跡のごみなどは、放射能量が多く、放射能実験施設から持ち出し禁止レベルの強い放射能がいたるところに大量にあります。
これも取り除いて除染して、安心して生活できるレベルにすべきです。
放射能はなくすことも減らすこともできません。
人ができるのは移動することだけです。
放射能処理や除染というのは、散らばっている放射性物質を集めて管理するということです。
拡散することは除染・処理と逆のことで、放置よりもまずいことです。

高性能の集塵装置を持つごみ焼却場で焼却すれば、放射能のほとんどを回収することができますが、野焼きでは全て大気に放出、汚染してしまいます。
焼却場で回収はできても、回収した放射能はどこかに集め管理するしかありませんが、集める場所も方法も決まっていません。
高性能でない焼却場で償却すれば放射能を大気中に再放出・拡散汚染します。

したがって、放射能除染をするためにまず第1に行うべきことは、除染して取り除いた放射性物質を「どこに」「どのような形で」「どの程度集めるか」という、処分方法と処分場を決めることです。
これなしに、社会全体の除染の方針を決めることはできませんが、決まっていません。

私は、福島原発近くのできれば東電敷地内に、すべての汚染物質を集め、数百メートル四方以上の巨大な丘に築き、管理することが正しい処分、管理法と考えています。
原発敷地にある超高レベルの放射能とは違い放射能レベルはずっと低いので、地面にしみこまないことと、風で飛ばない対策をするだけで、積み上げておくだけで管理できます。
丘に積み上げるだけなので、無制限に集めることができます。
各地で、地域除染の熱意があれば、集めた汚染物質の保管先を心配せずに、いくらでも除染活動ができます。

処分場の方法や場所、規模を決めない政府は無責任・無能力です。
これ以外の処分法を言うのは打算か、考えが浅く全て誤りだろうと私は考えます。
大規模処理場を作らないということは、今後、環境除染をあまりせず、残りは放置するということです。
一日も早く、原発近くに、汚染物を無制限に集めるという処分場の方針を決めるべきです。
実行するまで、莫大な費用と、放射能拡散を増やしつづけてしまいます。
除染には莫大な費用がかかります。無駄に使うべきではありません。

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(付録)

放射線の安全性、放射線処理を考える参考のために、「電離放射線障害防止規則」の抜粋を示します。
法律の文章を断片的に紹介するため言葉を少し変えていますが内容は元のままです。
現在でも放射能を扱う大学などの実験施設や、事業所、企業はこの基準で放射線を管理し、繰り返し守られないなどの場合は、罰則を受けます。
放射能管理区域から持ち出し禁止量の放射能が、生活環境の中に沢山放置されています。

電離放射線障害防止規則抜粋 (一部語句をかえています)
第二条
「放射性物質」とは、40Bq/cm2を超えるもの。74Bq/g以下の固体のもの及び密封されたものでその数量が3.7メガベクレル以下のものを除く。
第三条
管理区域を標識によって明示しなければならない。外部放射線と空気中の放射性物質合計が三月間につき一・三ミリシーベルトを超えるおそれのある区域。・表面密度が 4Bq/cm2 を超える恐れのある区域。必要のある者以外の者を管理区域に立ち入らせてはならない。取扱い上の注意事項、事故の応急の措置等を掲示しなければならない。施設。遮へい物を設け、密閉する設備を設けなければいけない。
第四条
業務従事者の受ける実効線量が五年間につき百ミリシーベルトを超えず、かつ、一年間につき五十ミリシーベルトを超えないようにしなければならない。

第二十六条
飛沫又は粉末が身体又は衣服、履物に付着しないように
第二十七条
ピンセットなど用具を他の用途に用いてはならない
第二十八条
汚染した場合、直ちに汚染のおそれがある区域を標識し、4Bq/cm2 (注:およそ400Bq/kgの土、80Bq/kg枯草)以下に除去しなければならない。
第二十九条
清掃を行なうときは、じんあいの飛散しない方法で行なわなければならない
第三十三条
貯蔵はかぎ閉鎖の貯蔵施設
第三十五条
焼却は、気体がもれるおそれがなく、かつ、灰が飛散するおそれのない構造の焼却炉
第四十四条
放射性物質を誤つて吸入摂取し、又は経口摂取した者などは、診察又は処置を受けさせなければならない。

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※本論は、「放射線被曝から子どもを守る会 いわて」の皆さんからご要望を頂いて、解説し、私の意見を含め、2011年9月同会ブログに書いたものです。
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