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2015.11.08 (Sun)

福島原発事故による放射線被爆を経験して考えたこと

      福島原発事故による放射線被爆を
     経験して考えたこと


           仙台赤十字病院呼吸器内科 岡山博
        仙台赤十字病医学雑誌。2015年5月。23巻1号, 83-90       
            

         要旨:     
 福島第一原子力発電所事故が起き、多数の人が被曝した。
 政府や専門家、メディアは、法令で定められている「被曝はできるだけ減らす」という基本を無視して、被曝を話題にすることさえ過剰反応として抑圧し、被曝回避を軽視する対応をした。
 大規模な放射能汚染にあたって、政府行政と専門家も、一般医療機関や医療従事者も、被曝を回避させ、国民住民を守るために言動すべきであった。

Key words: 福島、原子力発電事故、被曝、専門家の言動 

        はじめに
 東日本大震災と津波を契機に、福島第一原子力発電所は大事故を起こして大量の放射性物質を環境中に放出し、多くの人が被曝した。
 放射能汚染と被曝に関して政府や行政、東京電力や被爆医療専門家が指示、解説をした。そして私たち一般臨床医も患者さんなどから解説を求められた。
 それらの被曝に関する言動や判断は適切だったろうか。事故後の経過を概括し、専門家と社会はそして私たちは何をすべきだったか、何をすべきでなかったか、福島原発事故後3年間に考えてきたことを述べたい。
    
        福島第一原子力発電所事故の経過
 2011年3月11日、14時46分 宮城県沖で巨大地震が発生した。福島第一原子力発電所1-6号機のうち運転中だった1,2,3号原子炉は全て緊急停止した。
 4,5,6号機が休止中だった。震度6強の地震によって送電線鉄塔倒壊と受電設備等が損傷して外部電源を喪失したが1,2,3,5,6号機で非常用発電機が自動起動した。
 津波到達前から1号建家内で放射線量が上昇した。津
 波後の原子炉冷却停止に引きつづいて汚染物質が放出されて、原発敷地内外で急速に放射線量が上昇し、放射線汚染地域も広がり続けた。
 15時36分~津波により、非常用発電機、配電盤等が損傷して1,2,4号機で交流電源と直流全電源喪失。3,5号機は交流電源を喪失した。6号機は非常用発電機3台のうち1台が残って5,6号機の電源は維持できた。
 1-4号機は電力による注水冷却が停止した。直流電源バッテリーは数時間分しか準備されておらず、停電になって全ての測定や機器の運転が不可能になった。
17時 放射能拡散予測図(SPEEDI)が文部科学省と総理官邸、福島県、アメリカ軍に提供されたが、住民やメディアには3月23日まで公表されなかった。
 22時 1号機で、13日には3号機、15日には2号機でメルトダウンが始まった。
 21時 政府は3 km 圏内は避難、3-10 km は屋内避難を指示した。
 13日と16日に20km 圏内は避難、30km 圏内は屋内避難と拡大した。
 3月12日、上昇した原子炉内圧を下げるため超高レベル放射性の原子炉内気体を外界に開放するベントの試みを開始したが成功せず、13日9時に3号機で1回目のベントを行った。その後も3号機と2号機で数回ベントした。
 15時 1号機建家が爆発した
 3月14日、3号機建家が爆発した
 3月15日、4号機の核燃料複合体は点検中のため原子炉から出されて建屋5階の燃料プール内にむき出しの状態で保管されていた。4号機建家が爆発し燃料プール内に鉄骨やブロックが落下した。燃料プールを支える壁と構造が破損して傾いた。2号機格納容器内圧が大気圧と同程度に低下(圧力容器と格納容器が外界に貫通)した。
 3月16-22日、1-6号機で外部電力供給が回復し始めた。
 3月23日、1号炉圧力容器が設計上の耐用上限である302℃を超えて400℃まで上昇し同時に圧力も耐用限度を超えた(原子炉本体が爆発しうる状態)。
 4月7日 水素爆発を避けるため1号機で、6月28日2号機で、7月14日3号機で原子炉格納容器に窒素ガス注入を開始した。
 9月16日、連鎖的核分裂反応を抑制するため3号機ホウ酸注入を開始した。
       
        政府と行政の説明と取り組み
 3月11日 21時、政府は「原発敷地内で放射線上昇が測定されたがわずかだ」「爆発的なことが万一生じても、避難している周辺の皆さんに影響を及ぼす状況は生じない。慌てて避難するな」と説明し自宅内待避を指示した。
 3月12日、東京電力は正門で5.5μSv/h(マイクロシーベルト毎時)と空間放射線が増加したと発表したが、北西方向の敷地内で15時29分に測定された1015μSv/hという超高値は5月まで公表しなかった。
15時36分に1号機建屋で爆発が起きると政府(官房長官)は「水素爆発があったが核爆発ではない。原子炉格納容器は健全に保たれている。落ち着くように」と説明をした。「核燃料の一部が溶け出た可能性がある」と保安院委員長は言及したがまもなく解任された。
 3月15日、3号建屋が爆発した。
 屋内退避指示の浪江町で330μSv/hと文科省が発表したが、極めて高いこの値はその後話題にされない。
 政府は「原子炉格納容器の健全性は確保されており、放射性物質が大量に飛散している可能性は低い」「直ちに避難や屋内退避をする状況ではない。 直ちに健康に影響はない。放射能による危険性とは別に、社会的な要請として20 - 30キロ圏内の住民に自主避難を要請する。ただし、屋内待避を要請したときから新たな段階に入っているわけではない」と説明した。
 原子力安全委員会が「12日間の放射性ヨウ素による甲状腺内部被曝線量が20 - 30キロ圏で最高500mSvに達する可能性がある」と会見した。これは外部被曝量の約10倍に当たる。
 その後政府とメディアはこの甲状腺内部被曝値を話題にせず、呼吸による内部被曝を無視し外部被曝よりもはるかに低いかのように扱った。原子力安全委員会がその後改組されて、この会見での報告を探すことができない。
 3月25日 自主避難を2週間阻害して被爆させた政府は、強く汚染された飯館村住民の自主的避難を認めた。
 政府の指示に反して自主的に避難した住民も多かった。
 郡山市など福島県内の東京電力社員家族は、11日のうちに県外に緊急避難を始めた。「爆発前の12日朝、東北電力社員家族が宿舎から避難するのを見た住民は後に続いて飯館村に避難した」と南相馬の方から聞いた。

        国際原子力機関(IAEA) と日本政府の考えと取り組み
 日本政府は、国際原子機関(IAEA)がまとめたチェルノブイリ被曝の長期影響についての報告をもとにして、放射線被曝対策の方針を作った。
 IAEAは被曝による影響を統計的に断定できる論文以外は検討対象から除外して「確実に認められる被曝による影響は若年者の甲状腺癌だけである」と結論した。
 この見解に対してウクライナ政府は、がん以外の甲状腺疾患や、甲状腺以外の悪性腫瘍、新生児低体重、先天異常、子供の発育障害、知能発達障害や循環器、呼吸器、消化器疾患の増加、老人性疾患の低年齢化等を報告し「多くの報告を無視したことなどで、IAEAは被曝による健康被害を著しく過小評価している」と批判した。
 ロシア、ベラルーシや西ヨーロッパの多くの科学者や関係団体が同様に、IAEAは過小評価していると批判している。
 日本政府はこれらの批判が存在しないかのように無視して解説や対策をしている。
IAEA報告は「若年甲状腺がん意外にも未確定の影響が存在する可能性がある」も記述しているが、日本政府はIAEA見解を「若年甲状腺がん以外には被曝の影響が存在しないと確定している」と読み替えて使っている。
 以下が日本政府の放射能汚染についての正式の立場である。
 「チェルノブイリ程度の被曝は健康に影響ないことが確定している」「ありえない健康被害を考えるのは過剰な心配だ」「健康障害が出た場合は、ストレスが原因だ」「政府・自治体がすべきことは住民に無用な不安を持たせず安心させることである」。
 行政は放射線量が低いと推測した作物を選んで測定した。ほうれん草で高い放射線値が出た時、隣の畑の別の作物は測定せず出荷制限しなかった。
 強く汚染された水や食物の飲食を禁止し、安全な水・食料を供給することが避難についで大切だった。
 汚染されていない水と食料供給に地域の団体や全国から支援活動が長期に行われたが、国や自治体の取り組みは極めて消極的だった。

             事故後の問題点と私の意見
 原発から大気中に放出された放射性物質の8~9割は太平洋に運ばれたが、風向によっては5~10倍が陸上を汚染したはずである。
 大規模汚染は、西風以外の時に大量の放射性物質が放出された場合に生じた。
 最も大規模だった陸地汚染は、プルーム(放射性ほこり)が北西に流され、飯舘村、福島市を超えた時点で風向が南向きに変わって郡山など福島県中通り、栃木、群馬県を汚染した。
 風向によっては、放出量が同じ場合レベルに収まった場合でも仙台は現在の郡山と同程度汚染されたはずである。
 ベントや、事故の進展で大量の放射性物質が大気中に放出されるときは、大気汚染の現況と汚染予測を知らせることが重要だった。
 原発事故時に使うために作られていた放射能拡散予測図SPEEDIやベント実行を住民に知らせず被曝をさせた。
 風下20km以遠の住民は避難させないままで、何回もベントをして被曝させた。
 その後も原子炉本体や再度の原子炉建家爆発やそれに伴う重大な放射能汚染が起こる危険は何ヶ月も続いた。
 事故の見通しと将来の風向きはわからないからすぐに数百キロ以上避難することが最善だった。
 化学工場や石油コンビナート事故でも、すぐに行うべきことは緊急避難である。
 放射性プルームは数時間で通りすぎるから屋内待機して通り過ぎるのを待ってから避難する選択はありうる。
 しかし政府は、一時的待機ではなく無期限長期間の室内待機を指示した。
 このため住民は空間線量が高い環境で生活を続け、外部被曝と呼吸と食物による内部被爆を受けた。
 放射性ほこりの状況や、拡散予想を毎日天気予報で放送することが被爆回避に極めて有用だった。私も要望した。
 しかし「拡散予測は確実ではないので発表すると不安の原因になる」といって天気予報で放送しないまま現在に至っている。
 気象学会は「国民が混乱するから、研究者は福島の風向きの情報を出さないこと」と会員に通知した。
 一方ドイツ、スイス、ノルウェー、オーストリア、フランスその他の国の機関が福島の汚染の現況と拡散予報を日本の気象庁が発表した測定データを使って計算し、インターネットで数時間ごとに発表した。スイスは3年後の現在も毎日詳細な発表を継続し、日本語で見ることができる。
 しかし、行政やメディアはこれを参考にせず話題にもしない。
 多くの人や組織が避難した。原発運営に直接責任を持つ保安院職員は事故が起こると福島第一原発現場から福島市に移動した。大手メディアは50km以内に入らなくなった。地震津波支援として宮城沖180kmに展開した米国原子力空母は汚染を受けて直ちに撤収した。
 地震津波後ドイツが派遣した救援隊は「放射能汚染と原発事故に関して日本政府が正確な情報を提供しないために適切な救援活動ができない」として帰国した。
 ドイツ大使館員の多数は本国に避難し大使館業務は縮小して大阪に移した。大使館を大阪に移した国は多い。
 多くの国が、自国民に対し直ちに日本から退去し、不可能な場合は西日本に避難するよう指示し、民間チャーター機を使うなどして国外避難を助け、残った人には頻回に状況解説と被爆防止の指示を出した。
 東京駅東海道新幹線ホームは大荷物を持った外国人家族で大混雑が連日続いた。
 新聞社や金融機関をはじめ、多くの大企業が本社機能を東京から大阪に移転した。
 政府、行政と東京電力は重大な出来事や危険な事実は一部しか公表せず、今後の危険性に言及することは「不安を煽る」として質問や発言をさせないように圧力をかけた。
 政府はメルトダウンを長期間否定し続けた。
 東京電力は企業秘密と言って様々な測定値や事故関係の情報を公表せず、政府も情報提示を求めず3年後の現在に至っている。
 東京電力と政府は緊急事態に対する系統的方針と設備備がなかったために的確な対応ができず事故と被爆が拡大した。
 例えば、直流電源を確保するため、従業員の車のバッテリーを集めたが足りず、ホームセンターにバッテリーを買いに行こうとしたが現金がなくてやめた(東京電力テレビ会議公開資料)。電源車は道路渋滞で到着が遅れ、コンセントが合わず、コードも短くて12日15時まで送電できなかった。消防車のポンプによる注水が必要になったが原発消防隊は下請けで、関東から取り寄せた消防車の運転要員を配置できなかったり、送水管の接続部が合わないなどで時間を浪費した。
 電源喪失後、有効な対策ができていたら、事故はこれほど拡大しなかった可能性がある。
 4号機の燃料プールは2012年秋に応急の支えが完成するまで崩壊落下の危険があった。
 プールで冷却水が維持できたこと、落下物によって燃料棒が破壊されなかったこと、プールが崩落して日本が瞬時の崩壊にいたらなかったことも、原子炉本体が爆発せずに済んだことなどは偶然の幸運によるものである。
 政府とメディアこのような深刻な実態を伝えず、事故と汚染の実態を質問したり話題にすると不安を煽る悪質な人間であるかのように扱った。
 テレビは原発事故数日後から「不安を煽らない」ことを優先させて、政府の解説を肯定し、心配無用だという専門家の解説だけを放送し「今後事故が拡大した場合の内容や対策」についてなど必要な質問をしなくなった。
 政府やメディアは「放射線値が高いホットスポットが発生などのデマに惑わされないように」と言い「チェーンメールで放射線のデマ拡大」(2011.05.16読売新聞)「千葉と埼玉で測定されている数値は平常時と変わらない。デマなどのメールに気づいたら転送を」(文部科学省)と発言や発信することを抑圧し、相互監視を呼びかけた。ホットスポットがその後千葉や東京でたくさん確認された。政府やメディアがデマと言った汚染は事実だった。
 政府や行政、放射線医療専門家は放射性物質と被爆が法令で厳格に規制されていることは触れずに「被爆の心配は無用だ」と講演、指導した。被災者の被曝を回避する姿勢がなかった。
 行政の主催や後援で「放射能を心配するな、不安を煽る扇動に惑わされるな」という内容で各地で講演会や教育を行った。
 事故当時長崎大学教授4月から福島医大副学長として政府の被爆対策の中心として働いた山下俊一氏は「放射能の影響害はニコニコしている人には来ません。くよくよしている人に来ます」(福島県放射線健康リスクアドバイザーによる講演会3月21)と講演し数多くの講演会で「放射線被曝よりも心配するほうが有害」と解説した。
 被爆回避を勧めず心配するなと強調する講演や解説はインターネット検索でご参照ください)。積極的に子どもを外で遊ばせたり汚染されている自家野菜を食べることさえ奨めた。
 文部科学省は小中高校生に「放射線等に関する副読本」を配り「現在日本人は1000人に300人ががんで死亡する。100ミリシーベルト被爆すると5人増える」などの説明を行い、教師には「100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係については明確な証拠がないことを理解できるようにする」ことを理解させるように指示した。
 放射線専門家は「CTやレントゲン検査と比べて、福島原発由来の被曝は少ない」と、本人の利益のために支払うリスクと、他人が勝手に押し付けるリスクを同等に扱う解説・指導をした。
 福島県立医大では「被曝に関した研究や調査は(福島医大ではなく)国がすることだ」と実質的に禁止されたと福島医大の医師から聞いた。
 研究課題が禁止されるのは、おそらく戦後初めての重大事件である。
 被爆に批判的な発言が困難になっている福島医大が被曝医療の中心になっている。
 政府や自治体によるこれらの消極的取り組みは全て放射線被曝医療の専門家の助言と指導のもとで行われた。

        放射能汚染と被曝対策の考え方と私の意見
(1)空間放射線と外部被曝
 放射線被曝は他の有毒物とは異なり、基準値以下でも無害ではなく被曝をできるだけ少なくすることを全ての放射線関連法令で定めている。
 放射性物質を扱う施設は管理区域として明示し、放射線取り扱い者だけ入室許可、年間被曝限度20ミリシーベルト(mSv)、飲食禁止。一般人は許可なく立ち入り禁止し年間1 mSv 以上被爆させてはいけないと定めている。
 福島第一原発以外の全原発や事業所等は今もこの法令通りに行っている。
 政府は学校における外部被爆許容限度を年間20mSvと決めた。100 mSvは0.5%の人ががんを新たに生じさせる被曝量である。
 「一般人に年1mSv以上被爆させることを禁じているのは、放射線を扱う施設を対象にした法律だから施設ではない場所では法は適用されない」と政府は説明した。
 「70歳を越すと日本人は3割ががんで死ぬ。0.1%増えても検出できない程少ない」と被曝医療専門家専門家が解説して、多くの医師がそれを自分の判断にした。しかし若年者は発がんが少ないから、若年者だけで比べると被爆によって何倍~何十倍に増える。
 0.1%のリスクを承知でそれ以上の利益を得るために0.1%のリスクを選択することは人生でありうる。しかし、原発事故による被爆は、自分に利益がないのに一方的に強制されるリスクである。統計データを利用した誤った解釈への誘導がある。10万人の生徒に責任を持つ自治体首長や教育委員会が、20 mSvを了解すると、100人の生徒ががんになる。学校で20mSvを基準にすることは多くの反対が起こって撤回した。
 政府は今、高汚染地区を除染して年間20mSv に下げて住民を帰還させようとしている。
放射性セシウムは、電離放射線障害防止規則その他の法令で100Bq/kg超は、一般ごみとして廃棄することを禁止(クリアランスレベル)、1000Bq/kg超は放射性物質として厳重管理を義務付けている。環境中に放置することによる内部被曝や外部被曝による被爆障害を回避するためである
汚染された量と地域が多すぎて法律通り対処することは現実的でないとして、福島第一原発事故関連は例外として以下の基準を作った。焼却や除染作業で集められた8000㏃/kg超の放射性物質は、処分場を設置して管理する。8000㏃/kg以下は、通常ゴミと同様にコンクリートなどに混ぜて土木資材にするか埋め立て処分をする。8000㏃/kg超であっても、人が集めず既に環境に存在しているものは規制していない。
 仙台の土壌は300~600㏃/kgが多いが、2000Bq以上のホットスポットはいたるところにある。福島市はこの数十倍である。
省庁はこの基準を発表してからは「やむを得ない基準」ではなく「心配無用な無害で安全な基準」と読み替えて「批判は復興を妨げる行為」であるかのように指導して強制している。

(2)呼吸による内部被曝
 「呼吸で吸入した放射性粒子の多くは気管支粘膜に吸着されて痰として捨てられる(心配するな)」と専門家は誤った解説をした。
 呼吸で吸い込んで気管支表面に吸着した微粒子は喉まで運ばれて、一部は痰として喀出されるが大部分は飲み込んで、腸から吸収されて全身に運ばれる。
 2011年7月、国と自治体は汚染された稲わらを使用や焼却せず保管するよう指示したが、汚染された草や農作物の野焼きは規制せず被曝を増やした。

(3)食物による内部被曝
 2011年3月29日厚生労働省は、やむを得ず食べることを認めるという意味の食品暫定基準として食品は500㏃/kg、飲み物200㏃/Lと決めた。健康被害を防ぐために放置、廃棄を禁じている量よりも、食べて良い値の方が高い。
 暫定基準値を発表すると政府・行政は「一時的にやむを得ない」ではなく「長期に安全」と読み替えて強弁して説明し強制した。2012年4月に基準値を下げたあとも異論や反論発言を抑圧して現在に至っている。
 食品衛生法は「有毒な疑いがある食品は、製造・販売してはならない」と決めている。
 消費者が放射能汚染された地域で生産した食品は購入を避けたが廃棄されていない。給食で強制的に消費させ、安く業者が買って加工食品原料に使っている。
 被曝による発がん作用は被ばく線量に概ね比例する確率的作用であるという考えが広く受け入れられている。被曝はできるだけ減らすことを定めた放射線関連法令も概ねこれに基づいている。
 確率的作用とは、1人に発がんさせる量の放射線は100人で分けても1万人で分けても一人が発がんするという考えである。薄めて広げてはいけないというのが放射能に関係した全法律の基本的な考えである。汚染食品を作らせない、流通させないことが最も大切であった。
 「影響があるかどうかわからないレベルを心配するのは非科学的だ」と講演する専門家もいた。
 毒かどうかわかる量まで食べろということである。この論理を使えば有毒量の約1%という一般毒物の規制を守ることも、病院のレントゲン施設の遮蔽も不要だということになる。
 これまで、基準値以上の有害物質が検出されると政府やメディアは責任者を批判し、製造、使用責任者を処罰や指導した。
 しかし原発事故が起きると政府、行政と放射線医学専門家は、放射性物質の法的規制や管理義務は言及せず、放射性汚染食品は心配せずにもっと食べるように講演、指導した。
 メディアは異論を放送せずに心配不要という解説だけを長期間放送し続けた。
政府と行政は食品の産地表示をあいまいにさせた。生産地を都市名ではなく、国産や太平洋産の表示でも可とし、記号表示も可とした。消費者が店頭でわからなくなった。
 汚染作物を生産と流通を止めず、作らせて「食べて応援」キャンペーンした。汚染地域で作らせて売れ残ったり、価格低下した分だけを東京電力に補償させた。だから農家はいやでも作った。作るうちに、汚染は心配するなと発言するようになった。風評被害という言葉を使わせ、被爆回避の言動を阻害した。
 文部科学省は「市場に流通している食品は、暫定基準以内だから安全。給食に限って何かをすることは考えていない」と言って給食で強制した。
 福島や宮城県なども、地産地消。国は学校給食に国産小麦使用を義務付けた(2013年4月)。福島県は給食に福島産農作物使用には助成金(2013年4月)。文科省は国産椎茸の使用を避けずに使うよう指示した(2013年12月)。2013年、東京都は生徒が校庭に出て遊ぶことを義務付けた。
 母親たちがグループを作って給食と学校環境汚染に取り組んだ。
仙台でも子どもの弁当持参を求めた母親に学校は「給食は教育だから勝手なことは許さない」と強制した。牛乳を止めて水筒持参させると水筒の水を捨てさせて学校の水道水を飲ませた。給食の放射能を測定してほしいと要望したが拒否した。
 校庭の放射線測定の要望も拒否。自分たちで測りたい要望には校内に入ることを禁止した。放射線を話題にしたり測定を要望する親をモンスターペアレンツ扱いした。
 「放射能を話題にすると生徒が不安になる。不安にさせる言動をしないように」と生徒の安全や教育について、教師が意見を言うことが禁止された。給食を残さず食べさせる監視と教育を強制されていることに教師は異議発言ができなくなっている。
 教師が被爆について自分の考えを発言する自由と安全がない学校で教育が行われている。
 患者給食の放射線について自由に安心して話し合えない病院の状況と似ている。
 放射能に汚染されて怯えていた人は「心配するな」と指導に来てくれた専門家の言葉を信じたかったと思う。
 一方小さな子供を持つ多くの母親は不安だった。子供に安全な食材を入手して与えると「県も専門家も心配ないと言っているのに神経質すぎる」と非難されて、家族内で会話もできない状況が多く作られ、驚く程たくさんの方が離婚している。

        原発事故後、私が考え行ったこと
 3月12日昼、公衆電話で東京にいる息子に一度だけ通話できた。「福島原発が極めて危険な状態だ。さらに事故の進展があったら九州の兄弟の所にすぐ避難すること」を伝えた。2時間もせずに1号機が爆発した。13日朝息子は東京を離れた。
 私は医者なので避難せず、大量被爆や殉職しうる覚悟を決めた。数人の医師としか問題意識が共有できなかった。私は自宅の窓と換気口を全てビニールで密閉し、風呂などに水を溜めた。
 「専門家や行政の指導に従えばよい」と院長が言い、提案や発言は実質的に不可能になった。病院の窓を閉めて強制換気を止めることと患者給食で福島や宮城産の食材を控えることの提案をすることはできなかった。
 何年も前から私は病院で自由に発言するということの困難さを感じていた。
 政府や被曝医療専門家の偽りと、放射能の基本的知識や被曝の防ぎ方と「同調強要と、異論発言の自由と安全がない日本社会のあり方が、原発事故の底流にある」とツイッターでペンネームで書いた。
 それを見て被曝を心配する母親グループの要望を受けて話や講演する機会が増えた。
 「講演途中でも異なる考えや質問を歓迎します」と言って話した。参加者の発言や質疑に講演と同じくらい時間をとった。
 そのうちに、文章化や講演映像をインターネット公開したいという要望が増え匿名での発言は不可能になって2011年12月、本名でブログを始めた。
 文章書きや講演は基本的に夜間と休日に行った。インターネットで配信された講演が小冊子で3万部発行された。
 原発事故に関した複数大学共同研究に協力した。東北大学として取り組んでいる福島・チェルノブイリプロジェクトの一環として2013年10月、ウクライナを7日間訪問した。極めて有効な訪問だったが内容は省略する。

          おわりに
 福島原発事故が起きたとき、私たち一般臨床医は被曝医療の知識は持っていなかったが患者から意見を求められた。
 政府やテレビが法的な規制は触れず「心配するな」という解説だけをすることに、患者さんたちは疑問と不安を持っていた。
 医師は知らないことや判断できない時は上から目線をやめてその通り話し、責任が持てる範囲で助言や考えを述べられたらよかったと思う。
 しかし中には、被曝医療専門医の講演で聞いたまま「この程度の放射線は心配無用」「心配したり質問する患者は心配過剰」と答えたり、質問を封じる対応があった。
 原発事故が起きたとき私は「発言の自由と安全がなく、異論発言する人を抑圧侮辱排除する日本社会のあり方が、福島原発事故の底流にある」と書いた。
 異論発言者を無視、侮辱、抑圧、排除するという言動傾向は東京電力の原子力発電所に限らず、病院や学校を始め日本社会に蔓延し、事故後の汚染と被曝を回避することを妨げる力としても働いている。
 抑圧的言動は問題の解決を妨げ、破綻するまで進む。原発事故後、発言や報道の自由と安全はさらになくなり不健全性は増した。
 福島原発事故後3年間を振り返り、また定年退職するにあたり、考えてきたことを書きました。

        引用文献
 事故後経過と、政府、自治体、東京電力などによる指示や説明個々の事実は新聞やテレビニュースで放映された。全てを引用すると煩雑になるので本文中に記載した以外は、は以下の資料に基づいた。コメントと評価は筆者によるものである。
1. 厄災福島原発1000日ドキュメント. Newton 24巻. 18-103頁.2014
2. 福島第一原子力発電所事故の経緯. Wikipedia(インターネット百科事典)
3. 福島第一原子力発電所事故の影響. Wikipedia
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19:32  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(3)  |  EDIT  |  Top↑
2014.06.29 (Sun)

新潟講演動画と記事「被曝回避のためにすべきだったこと」森ゆうこ氏YMH研究会

元参議院議員 森ゆうこさんが主催する YFM経済研究会の研修会が6月21,22日新潟県六日町温泉で開かれた。
森さんを応援する方々が全国から参加した。
私を含め3人の講演があり、その後2日間にわたって交流が行われた。

講演は
・ 岡山博  「被曝回避のためにすべきだったこと」、
                      動画は ⇒  岡山博講演動画
・ 作家、評論家、元外交官の孫崎享氏 「安倍政権について」
                      動画は ⇒ 孫崎享氏講演動画
・ 主催者の元参議院議員 森ゆうこ氏、歓迎と挨拶
                      動画は ⇒ 森ゆうこ氏講演動画

        

夜の交流会でも、知識、見識、自覚が高い方々が遠方から参加し、第一級の知識見識をもつ建設や各界専門家や医師、自覚的女性の方たちとの会話も、広範な深い知識を得たり、噛み合う対話ができて楽しく有意義でした。

遠方から参加された医師から以下のコメントを頂きました。
感謝。
「先生の清々しい、気高い、動じない、揺れない、明晰な真実追及の御姿勢と、患者さんたちを思う優しさが会場にあふれしっかりと伝わりました。
原発に関しての本質、根源的な悪「ICRPとIAEAの茶番」をこれほどまでにはっきりと、クリアカットに講義された御講演をお聞きしたことがありません。
・・・・中略
先生の御講演を聞いた人たちは、それを感じてくれます。
最も科学的で最もpureで最も心打たれる、思いやりと愛に溢れられた・・・」




18:26  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑
2014.06.29 (Sun)

(動画) 加美町「指定廃棄物最終処分場候補地の白紙撤回を求める緊急住民集会」と岡山講演

加美町「指定廃棄物最終処分場候補地の白紙撤回を求める緊急住民集会」
自覚と熱意ある1000人の参加によって開かれた。平成26年6月28日

<動画> 
加美町町長 猪股洋文氏: 経過報告・解説・決意・呼びかけ

岡山博 講演 「放射性廃棄物処理とは何か、何をすべきか、何をしてはいけないか」

 
講演配布資料(加筆修正)
「放射性廃棄物処理とは何か、何をすべきか何をしてはいけないか」

放射性廃棄物処理とは
放射能(放射線を出す性質)は化学反応などで減らすことはできない。
人ができるのは 移動することだけ。

「放射性廃棄物処理」とは:
・放射性廃棄物を集めて、人や社会に影響が少ない状態にして長期管理すること。

福島原発事故で撒き散らされた放射性物質は:
・各地に分散させてはいけない。汚染されていない地域を汚染してはいけない。

適切で合理的な処分法は
・福島原発付近の、強く汚染されてしまった地区に大規模管理施設を作り、
・全国に散らばった汚染物質は全て1箇所に集めて厳重管理する。

政府方針の重大な問題
福島原発事故で撒き散らされた放射性物質は多すぎて、法律通りに処理できない。
 ・福島原発事故で生じた放射性物質は、別扱いにする法律を作った(特措法)
・「宮城・栃木・茨城・群馬・千葉県は県ごとに「最終処分場」を造れ」という方針
福島県だけは最終処分場ではなく「中間管理施設」。
・5年以内に造り、他県に最終処分場を造って集めた汚染物は30年以内に全て福島県から撤去する」
・作った本人も、福島のほとんどの人が信用しない人を偽る方針だ。
・偽りに基づいた方針で汚染対策が進められている。

除染やごみ焼却で出た放射性廃棄物は、
・1kgあたり8000ベクレル以下は、通常ゴミと同様に、埋め立て処理、あるいは土木材料として使う」と決めた(特措法)・

福島以外の原発や事業所が、今も行っている法律の規制は
 ・1kg  100ベクレル以上は一般ゴミとして処理や搬出禁止(クリアランス)
 ・1kg 1000 ベクレル以上は 特別の施設で鍵をかけて厳重管理(放射性物質)
           (被曝による健康被害・環境汚染を防ぐため)
・福島原発事故の放射能汚染物だけ例外扱いして 1kg 8000 ベクレル

・福島原発事故の放射能汚染は、多すぎて法律通りできないから、規制を80倍あまくした。
・安全でないのに、基準を作ったあとは「基準以内だから安全」と強弁して対応している。

・環境中にあったり、個人が除染した汚染物は、規制しない。対応しない。
 ・仙台でさえ、雨樋に溜まった落ち葉など 1kg 数万ベクレル以上はたくさんある。
 ・仙台市に要望しても、測定も除去も回収もしない。

ごみ焼却による放射性物質濃縮
・焼却すると放射能は10―20 倍に濃縮される。 
・ゴミ処理工場で、1kgあたり500ベクレルのものを焼却すると10000 ベクレルになり埋め立てできない。
・汚染物は一般ゴミと混ぜて薄めて、8000ベクレル以下にして一般ゴミとして埋め立て処分をしている。
 ・同じことを事業所や原発で行えば、責任者は処罰され、業務停止になる。犯罪を省庁が行い、地方行が従っている。
 ・行政が日本中に汚染を広げている。

「各県に最終処分場」はだめ
「各県の放射性廃棄物は 各県で処分」
⇒ ・「各県」に分散は「集めて管理」という原則から外れる
・ 福島原発から出た汚染物だから、福島原発(周囲)の汚染された地区に戻す。

「加美町に最終処分場」
⇒ ・ 汚染されていない地域に汚染物を大量に持ち込んではいけない。加美町処分場はだめだ。
・ 厳重管理が必要。現在の政府や県の取り組みでは厳重管理できない。加美町処分場はだめだ。
・ 地面より低い所に大量の汚染物おいてはいけない。雨水や地下水が流れ込んで入った分は必ず外に漏洩して周囲を汚染する。

放射性廃棄物をどうするか
・福島原発付近の、強く汚染された所に大規模処分管理施設を造る
・全国に散らばった汚染物質は、全て1箇所に集めて厳重管理する
・これ以外に合理的処分法はない。都合を入れずまっすぐ考えれば誰でも分かることだ。

<福島原発付近土地確保は可能>
・原発周囲につくる大規模福島「中間施設」を全国対象の施設に切り替えればよいだけだ。
・これまで、原発や火力発電所、高速道路、どれも、土地を売って、住民は土地を離れた。十分保証して土地を譲り受ければ良い(進行中)。
・汚染が続きインフラも産業も破壊されたところに多くの人は戻りたいだろうか?
・強く汚染された土地に戻すことが非人道的だ。
・住民が苦しいのは、原発事故で汚染されたことが原因だ。事故がなかったかのように「元に戻りたいか」という聞き方が誘導質問だ。

これからどうするか
・ 加美町に最終処分場を造らせない。加美町に、放射性汚染物を持ち込ませない。
・ 候補地にされた栗原市、大和町と押し付けあうのではなく共同して、宮城県内に最終処分場を造らせない。栃木、茨城、群馬、千葉の候補地とも共同する。
・ 仙台や県内各地の人、や自治体に訴え共同する。「汚染物を加美町に送り込むな」。
・ 全国の汚染物を全て集めて管理する、最終処分場を福島原発付近に造らせる。
・ 日本全体の問題として、全国の人に訴え共同をよびかける。

集会次第
中新田文化会館(バッハホール) 
主催:「放射性廃棄物最終処分場建設に断固反対する会(加美町、JAを含む40数団体)

1.あいさつ  
   放射性廃棄物最終処分場建設に断固反対する会 会長 髙橋 福継
2.これまでの経過と概要 
   加美町長 猪股洋文 様
3.講  演
 「放射性廃棄物処理とは何か、何をすべきか、何をしてはいけないか」
元仙台赤十字病院呼吸器科医師、元東北大学臨床教授  岡 山 博  様
4.激励のことば 
5.国に対する要望・意見 
6.閉  会

10:40  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑
2014.05.23 (Fri)

美味しんぼ騒動: 風評被害だと発言抑圧するのではなく 、調査をして真実を明らかにすべき

    風評被害だと発言抑圧するのではなく
            調査をして真実を明らかにすべき


                岡山 博  ( 元仙台赤十字病院呼吸器科医師、元東北大学臨床教授 )

 現時点で、私は被ばくによる鼻血があったかなかったか、両方とも可能性があり断言できない。

 原発事故で被ばくした人の数百倍の放射性ヨウ素を、甲状腺ガン治療で飲んでも鼻血は出ない。
この程度の全身被ばくで血小板が減って出血傾向になる可能性はほとんどない。
そこで、被ばくによる鼻血を否定する人は、「被ばくによる鼻血は論理的にありえない」と言う。

 しかし、呼吸で吸入した放射性物質の多くが狭い範囲の鼻粘膜から吸収されたり、放射性微粒子が粘膜にしばらく留まったりすれば、局所の細胞は強く被ばくするので出血する可能性はありうる。

 この問題で答えを出すべきことは、被ばくによる鼻血があったかなかったかという事実をはっきりさせることだ。
それが確定してはじめて、メカニズムを考えることができる。

子どもの鼻血はしばしばあるから個別的な鼻血の例を集めても答えは出ない。

 鼻血は、本人も親も簡単にわかる。だから、「被ばくが強い地域」「被ばくが弱い地域」「被ばくがほとんどない地域」で、大集団の子どもを調べて、80%以上回収する調査を行い、鼻血の頻度と程度を比べると被ばくに関係した鼻血があったか否かが確定できる。
 集団の80%以上を回収する調査は、個人や病院が行うことは困難だが、教育委員会が学校単位で行えば簡単だ。

 政府と行政は、「この程度の低線量被ばくでは子どもの甲状腺ガン以外に健康への影響はない」という立場で被ばく対策を行っている。
 したがって甲状腺ガン以外の鼻血が被ばくによって生じるとなれば政府の対策の根本が崩れるという意味でも確定することは重要だ。

  2012年4月、政府と福島県の被ばく対策の中心になっていた山下俊一元福島県立医大副学長に、学校単位で鼻血調査をすることを私は直接提案・要望した。
山下氏は「この程度の被ばくで鼻血は起きません」と言って私の要望を受け入れなかった。
学校での調査をこれからでも行うべきだ。
これで全てはっきりさせることができる。

 簡単な調査をしないまま、「鼻血はありえない」「不安を煽る」と言って、真実を明らかにしないことや、当然の疑問も「発言するな」という政府や関係者のあり方は、住民の健康を守ることや、危険に対する対応のあり方として誤りだ。
被ばくした被害者や住民の安全をわざわざ損なうものである。

 メディアや多くの人々が、発言・表現の自由を抑圧する側に加担したり、無関心でいたりする状況は、被ばくとともに重大な問題である。

(ママレボ通信2014年5月20日「美味しんぼ騒動をめぐる専門家・表現者たちの声」での発言 http://momsrevo.blogspot.jp/からの コピー)
18:49  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2014.05.17 (Sat)

福島原発事故による放射線被爆を経験して考えたこと

福島原発事故による放射線被爆を経験して考えたこと
仙台赤十字病院呼吸器内科
岡山博

要旨:     
福島第一原子力発電所事故が起き、大量の放射性物質が放出されて広範な地域と多数の人が被曝した。
政府や専門家、メディアは、法令で定められている「被曝はできるだけ減らす」という基本を無視して、事故を過小評価する解説を繰り返し重要な事実と資料を隠し、話題にしたり報道することを「不安を煽る」と言って抑圧し、被爆を拡大助長する解説と施策を続けた。

発言の自由と安全がない社会のあり方が福島原発事故の底流にあり、病院も含め日本社会に蔓延して、被害回避や問題解決を阻害している。
福島では、被曝を安心して話題にすることができない。
大規模な放射能汚染にあたって、政府行政と専門家も、一般医療機関や医療従事者も、被曝を回避させ、国民住民を守るために言動すべきであった 

はじめに
東日本大震災と津波を契機に、福島第一原子力発電所は大事故を起こして大量の放射性物質を環境中に放出し、多くの人が被曝した。
放射能汚染と被曝に関して政府や行政、東京電力や被爆医療専門家が指示、解説をした。そして私たち一般臨床医も患者さんなどから解説を求められた。
それらの被曝に関する言動や判断は適切だったろうか。事故後の経過を概括し、専門家と社会はそして私たちは何をすべきだったか、何をすべきでなかったか、福島原発事故後3年間に考えてきたことを述べたい。
    
福島第一原子力発電所事故の経過
2011年3月11日、14時46分 宮城県沖で巨大地震が発生した。福島第一原子力発電所1-6号機のうち運転中だった1,2,3号原子炉は全て緊急停止した。4,5,6号機が休止中だった。
震度6強の地震によって送電線鉄塔倒壊と受電設備等が損傷して外部電源を喪失したが1,2,3,5,6号機で非常用発電機が自動起動した。
津波到達前から1号建家内で放射線量が上昇した。津波後の原子炉冷却停止に引きつづいて汚染物質が放出されて、原発敷地内外で急速に放射線量が上昇し、放射線汚染地域も広がり続けた。

15時36分~津波により、非常用発電機、配電盤等が損傷して1,2,4号機で交流電源と直流全電源喪失。
3,5号機は交流電源を喪失した。6号機は非常用発電機3台のうち1台が残って5,6号機の電源は維持できた。
1-4号機は電力による注水冷却が停止した。
直流電源バッテリーは数時間分しか準備されておらず、停電になって全ての測定や機器の運転が不可能になった。

17時 放射能拡散予測図(SPEEDI)が文部科学省と総理官邸、福島県、アメリカ軍に提供されたが、住民やメディアには3月23日まで公表されなかった。

22時 1号機で、13日には3号機、15日には2号機でメルトダウンが始まった。
21時 政府は3 km 圏内は避難、3-10 km は屋内避難を指示した。
13日と16日に20km 圏内は避難、30km 圏内は屋内避難と拡大した。

3月12日、上昇した原子炉内圧を下げるため超高レベル放射性の原子炉内気体を外界に開放するベントの試みを開始したが成功せず、13日9時に3号機で1回目のベントを行った。その後も3号機と2号機で数回ベントした。
15時 1号機建家が爆発した

3月14日、3号機建家が爆発した
3月15日、4号機の核燃料複合体は点検中のため原子炉から出されて建屋5階の燃料プール内にむき出しの状態で保管されていた。
4号機建家が爆発し燃料プール内に鉄骨やブロックが落下した。燃料プールを支える壁と構造が破損して傾いた。
2号機格納容器内圧が大気圧と同程度に低下(圧力容器と格納容器が外界に貫通)した。

3月16-22日、1-6号機で外部電力供給が回復し始めた。

3月23日、1号炉圧力容器が設計上の耐用上限である302℃を超えて400℃まで上昇し同時に圧力も耐用限度を超えた(原子炉本体が爆発しうる状態)。

4月7日 水素爆発を避けるため1号機で、6月28日2号機で、7月14日3号機で原子炉格納容器に窒素ガス注入を開始した。

9月16日、連鎖的核分裂反応を抑制するため3号機ホウ酸注入を開始した。
       
政府と行政の説明と取り組み
3月11日 21時、政府は「原発敷地内で放射線上昇が測定されたがわずかだ」「爆発的なことが万一生じても、避難している周辺の皆さんに影響を及ぼす状況は生じない。慌てて避難するな」と説明し自宅内待避を指示した。

3月12日東京電力は正門で5.5μSv/h(マイクロシーベルト毎時)と空間放射線が増加したと発表したが、北西方向の敷地内で15時29分に測定された1015μSv/hという超高値は5月まで公表しなかった。

15時36分に1号機建屋で爆発が起きると政府(官房長官)は「水素爆発があったが核爆発ではない。原子炉格納容器は健全に保たれている。落ち着くように」と説明をした。
「核燃料の一部が溶け出た可能性がある」と言及した保安院委員長はまもなく解任された。

 3月15日、3号建屋が爆発した。屋内退避指示の浪江町で330μSv/hと文科省が発表したが、極めて高いこの値はその後話題にされない。

政府は「原子炉格納容器の健全性は確保されており、放射性物質が大量に飛散している可能性は低い」「直ちに避難や屋内退避をする状況ではない。直ちに健康に影響はない。放射能による危険性とは別に、社会的な要請として20 - 30キロ圏内の住民に自主避難を要請する。ただし、屋内待避を要請したときから新たな段階に入っているわけではない」と説明した。

原子力安全委員会が「12日間の放射性ヨウ素による甲状腺内部被曝線量が20 - 30キロ圏で最高500mSvに達する可能性がある」と会見した。
これは外部被曝量の約10倍に当たる。その後政府とメディアはこの甲状腺内部被曝値を話題にせず、呼吸による内部被曝を無視し外部被曝よりもはるかに低いかのように扱った。
原子力安全委員会がその後改組されて、この会見での報告を探すことができない。

3月25日 自主避難を2週間阻害して被爆させた政府は、強く汚染された飯館村住民の自主的避難を認めた。

政府の指示に反して自主的に避難した住民も多かった。
郡山市など福島県内の東京電力社員家族は、11日のうちに県外に緊急避難を始めた。
「爆発前の12日朝、東北電力社員家族が宿舎から避難するのを見た住民は後に続いて飯館村に避難した」と南相馬の方から聞いた。

国際原子力機関(IAEA) と日本政府の考えと取り組み
日本政府は、国際原子機関(IAEA)がまとめたチェルノブイリ被曝の長期影響についての報告をもとにして、放射線被曝対策の方針を作った。
IAEAは被曝による影響を統計的に断定できる論文以外は検討対象から除外して「確実に認められる被曝による影響は若年者の甲状腺癌だけである」と結論した。

この見解に対してウクライナ政府は、がん以外の甲状腺疾患や、甲状腺以外の悪性腫瘍、新生児低体重、先天異常、子供の発育障害、知能発達障害や循環器、呼吸器、消化器疾患の増加、老人性疾患の低年齢化等を報告し「多くの報告を無視したことなどで、IAEAは被曝による健康被害を著しく過小評価している」と批判した。
ロシア、ベラルーシや西ヨーロッパの多くの科学者や関係団体が同様に、IAEAは過小評価していると批判している。

日本政府はこれらの批判が存在しないかのように無視して解説や対策をしている。

IAEA報告は「若年甲状腺がん意外にも未確定の影響が存在する可能性がある」tとも記述しているが、日本政府はIAEA見解を「若年甲状腺がん以外には被曝の影響が存在しないと確定している」と読み替えて使っている。

 以下が日本政府の放射能汚染についての正式の立場である。
「チェルノブイリ程度の被曝は健康に影響ないことが確定している」「ありえない健康被害を考えるのは過剰な心配だ」「健康障害が出た場合は、ストレスが原因だ」「政府・自治体がすべきことは住民に無用な不安を持たせず安心させることである」。

行政は放射線量が低いと推測した作物を選んで測定した。ほうれん草で高い放射線値が出た時、隣の畑の別の作物は測定せず出荷制限しなかった。

強く汚染された水や食物の飲食を禁止し、安全な水・食料を供給することが避難についで大切だった。
汚染されていない水と食料供給に地域の団体や全国から支援活動が長期に行われたが、国や自治体の取り組みは極めて消極的だった。

          事故後の問題点と私の意見
原発から大気中に放出された放射性物質の8~9割は太平洋に運ばれたが、風向によっては5~10倍が陸上を汚染したはずである。
大規模汚染は、西風以外の時に大量の放射性物質が放出された場合に生じた。
最も大規模だった陸地汚染は、プルーム(放射性ほこり)が北西に流され、飯舘村、福島市を超えた時点で風向が南向きに変わって郡山など福島県中通り、栃木、群馬県を汚染した。
風向によっては、放出量が同じ場合レベルに収まった場合でも仙台は現在の郡山と同程度汚染されたはずである。

ベントや、事故の進展で大量の放射性物質が大気中に放出されるときは、大気汚染の現況と汚染予測を知らせることが重要だった。
原発事故時に使うために作られていた放射能拡散予測図SPEEDIやベント実行を住民に知らせず被曝をさせた。
風下20km以遠の住民は避難させないままで、何回もベントをして被曝させた。

その後も原子炉本体や再度の原子炉建家爆発やそれに伴う重大な放射能汚染が起こる危険は何ヶ月も続いた。
事故の見通しと将来の風向きはわからないからすぐに数百キロ以上避難することが最善だった。

化学工場や石油コンビナート事故でも、すぐに行うべきことは緊急避難である。

放射性プルームは数時間で通りすぎるから屋内待機して通り過ぎるのを待ってから避難する選択はありうる。

しかし政府は、一時的待機ではなく無期限長期間の室内待機を指示した。このため住民は空間線量が高い環境で生活を続け、外部被曝と呼吸と食物による内部被爆を受けた。

放射性ほこりの状況や、拡散予想を毎日天気予報で放送することが被爆回避に極めて有用だった。
私も要望した。
しかし「拡散予測は確実ではないので発表すると不安の原因になる」といって天気予報で放送しないまま現在に至っている。
気象学会は「国民が混乱するから、研究者は福島の風向きの情報を出さないこと」と会員に通知した。

 一方ドイツ、スイス、ノルウェー、オーストリア、フランスその他の国の機関が福島の汚染の現況と拡散予報を日本の気象庁が発表した測定データを使って計算し、インターネットで数時間ごとに発表した。
スイスは3年後の現在も毎日詳細な発表を継続し、日本語で見ることができる。
しかし、行政やメディアはこれを参考にせず話題にもしない。

多くの人や組織が避難した。
原発運営に直接責任を持つ保安院職員は事故が起こると福島第一原発現場から福島市に移動した。
大手メディアは50km以内に入らなくなった。
地震津波支援として宮城沖180kmに展開した米国原子力空母は汚染を受けて直ちに撤収した。

地震津波後ドイツが派遣した救援隊は「放射能汚染と原発事故に関して日本政府が正確な情報を提供しないために適切な救援活動ができない」として帰国した。
ドイツ大使館員の多数は本国に避難し大使館業務は縮小して大阪に移した。

大使館を大阪に移した国は多い。

多くの国が、自国民に対し直ちに日本から退去し、不可能な場合は西日本に避難するよう指示し、民間チャーター機を使うなどして国外避難を助け、残った人には頻回に状況解説と被爆防止の指示を出した。
東京駅東海道新幹線ホームは大荷物を持った外国人家族で大混雑が連日続いた。

新聞社や金融機関をはじめ、多くの大企業が本社機能を東京から大阪に移転した。

政府、行政と東京電力は重大な出来事や危険な事実は一部しか公表せず、今後の危険性に言及することは「不安を煽る」として質問や発言をさせないように圧力をかけた。
政府はメルトダウンを長期間否定し続けた。
東京電力は企業秘密と言って様々な測定値や事故関係の情報を公表せず、政府も情報提示を求めず3年後の現在に至っている。

東京電力と政府は緊急事態に対する系統的方針と設備備がなかったために的確な対応ができず事故と被爆が拡大した。
例えば、直流電源を確保するため、従業員の車のバッテリーを集めたが足りず、ホームセンターにバッテリーを買いに行こうとしたが現金がなくてやめた(東京電力テレビ会議公開資料)。
電源車は道路渋滞で到着が遅れ、コンセントが合わず、コードも短くて12日15時まで送電できなかった。

消防車のポンプによる注水が必要になったが原発消防隊は下請けで、関東から取り寄せた消防車の運転要員を配置できなかったり、送水管の接続部が合わないなどで時間を浪費した。

電源喪失後、有効な対策ができていたら、事故はこれほど拡大しなかった可能性がある。

4号機の燃料プールは2012年秋に応急の支えが完成するまで崩壊落下の危険があった。
プールで冷却水が維持できたこと、落下物によって燃料棒が破壊されなかったこと、プールが崩落して日本が瞬時の崩壊にいたらなかったことも、原子炉本体が爆発せずに済んだことなどは偶然の幸運によるものである。

政府とメディアこのような深刻な実態を伝えず、事故と汚染の実態を質問したり話題にすると不安を煽る悪質な人間であるかのように扱った。
テレビは原発事故数日後から「不安を煽らない」ことを優先させて、政府の解説を肯定し、心配無用だという専門家の解説だけを放送し「今後事故が拡大した場合の内容や対策」についてなど必要な質問をしなくなった。

政府やメディアは「放射線値が高いホットスポットが発生などのデマに惑わされないように」と言い「チェーンメールで放射線のデマ拡大」(2011.05.16読売新聞)「千葉と埼玉で測定されている数値は平常時と変わらない。デマなどのメールに気づいたら転送を」(文部科学省)と発言や発信することを抑圧し、相互監視を呼びかけた。

ホットスポットがその後千葉や東京でたくさん確認された。
政府やメディアがデマと言った汚染は事実だった。
政府や行政、放射線医療専門家は放射性物質と被爆が法令で厳格に規制されていることは触れずに「被爆の心配は無用だ」と講演、指導した。被災者の被曝を回避する姿勢がなかった。

行政の主催や後援で「放射能を心配するな、不安を煽る扇動に惑わされるな」という内容で各地で講演会や教育を行った。
事故当時長崎大学教授4月から福島医大副学長として政府の被爆対策の中心として働いた山下俊一氏は「放射能の影響害はニコニコしている人には来ません。くよくよしている人に来ます」(福島県放射線健康リスクアドバイザーによる講演会3月21)と講演し数多くの講演会で「放射線被曝よりも心配するほうが有害」と解説した(被爆回避を勧めず心配するなと強調する講演や解説はインターネット検索でご参照ください)。
積極的に子どもを外で遊ばせたり汚染されている自家野菜を食べることさえ奨めた。

文部科学省は小中高校生に「放射線等に関する副読本」を配り「現在日本人は1000人に300人ががんで死亡する。100ミリシーベルト被爆すると5人増える」などの説明を行い、教師には「100ミリシーベルト以下の低い放射線量と病気との関係については明確な証拠がないことを理解できるようにする」ことを理解させるように指示した。

放射線専門家は「CTやレントゲン検査と比べて、福島原発由来の被曝は少ない」と、本人の利益のために支払うリスクと、他人が勝手に押し付けるリスクを同等に扱う解説・指導をした。

福島県立医大では「被曝に関した研究や調査は(福島医大ではなく)国がすることだ」と実質的に禁止されたと福島医大の医師から聞いた。
研究課題が禁止されるのは、おそらく戦後初めての重大事件である。被爆に批判的な発言が困難になっている福島医大が被曝医療の中心になっている。

政府や自治体によるこれらの消極的取り組みは全て放射線被曝医療の専門家の助言と指導のもとで行われた。

            放射能汚染と被曝対策の考え方と私の意見
(1)空間放射線と外部被曝
 放射線被曝は他の有毒物とは異なり、基準値以下でも無害ではなく被曝をできるだけ少なくすることを全ての放射線関連法令で定めている。

放射性物質を扱う施設は管理区域として明示し、放射線取り扱い者だけ入室許可、年間被曝限度20ミリシーベルト(mSv)、飲食禁止。一般人は許可なく立ち入り禁止し年間1 mSv 以上被爆させてはいけないと定めている。
福島第一原発以外の全原発や事業所等は今もこの法令通りに行っている。

政府は学校における外部被爆許容限度を年間20mSvと決めた。
100 mSvは0.5%の人ががんを新たに生じさせる被曝量である。「一般人に年1mSv以上被爆させることを禁じているのは、放射線を扱う施設を対象にした法律だから施設ではない場所では法は適用されない」と政府は説明した。

「70歳を越すと日本人は3割ががんで死ぬ。0.1%増えても検出できない程少ない」と被曝医療専門家専門家が解説して、多くの医師がそれを自分の判断にした。しかし若年者は発がんが少ないから、若年者だけで比べると被爆によって何倍~何十倍に増える。

0.1%のリスクを承知でそれ以上の利益を得るために0.1%のリスクを選択することは人生でありうる。
しかし、原発事故による被爆は、自分に利益がないのに一方的に強制されるリスクである。
統計データを利用した誤った解釈への誘導がある。

10万人の生徒に責任を持つ自治体首長や教育委員会が、20 mSvを了解すると、100人の生徒ががんになる。
学校で20mSvを基準にすることは多くの反対が起こって撤回した。

 政府は今、高汚染地区を除染して年間20mSv に下げて住民を帰還させようとしている。
放射性セシウムは、電離放射線障害防止規則その他の法令で100Bq/kg超は、一般ごみとして廃棄することを禁止(クリアランスレベル)、1000Bq/kg超は放射性物質として厳重管理を義務付けている。環境中に放置することによる内部被曝や外部被曝による被爆障害を回避するためである。

汚染された量と地域が多すぎて法律通り対処することは現実的でないとして、福島第一原発事故関連は例外として以下の基準を作った。
焼却や除染作業で集められた8000㏃/kg超の放射性物質は、処分場を設置して管理する。8000㏃/kg以下は、通常ゴミと同様にコンクリートなどに混ぜて土木資材にするか埋め立て処分をする。

8000㏃/kg超であっても、人が集めず既に環境に存在しているものは規制していない。

仙台の土壌は300~600㏃/kgが多いが、2000Bq以上のホットスポットはいたるところにある。
福島市はこの数十倍である。
省庁はこの基準を発表してからは「やむを得ない基準」ではなく「心配無用な無害で安全な基準」と読み替えて「批判は復興を妨げる行為」であるかのように指導して強制している。

(2)呼吸による内部被曝
「呼吸で吸入した放射性粒子の多くは気管支粘膜に吸着されて痰として捨てられる(心配するな)」と専門家は誤った解説をした。
呼吸で吸い込んで気管支表面に吸着した微粒子は喉まで運ばれて、一部は痰として喀出されるが大部分は飲み込んで、腸から吸収されて全身に運ばれる。

2011年7月、国と自治体は汚染された稲わらを使用や焼却せず保管するよう指示したが、汚染された草や農作物の野焼きは規制せず被曝を増やした。

(3)食物による内部被曝
 2011年3月29日厚生労働省は、やむを得ず食べることを認めるという意味の食品暫定基準として食品は500㏃/kg、飲み物200㏃/Lと決めた。
健康被害を防ぐために放置、廃棄を禁じている量よりも、食べて良い値の方が高い。

暫定基準値を発表すると政府・行政は「一時的にやむを得ない」ではなく「長期に安全」と読み替えて強弁して説明し強制した。2012年4月に基準値を下げたあとも異論や反論発言を抑圧して現在に至っている。

食品衛生法は「有毒な疑いがある食品は、製造・販売してはならない」と決めている。

消費者が放射能汚染された地域で生産した食品は購入を避けたが廃棄されていない。
給食で強制的に消費させ、安く業者が買って加工食品原料に使っている。

被曝による発がん作用は被ばく線量に概ね比例する確率的作用であるという考えが広く受け入れられている。
被曝はできるだけ減らすことを定めた放射線関連法令も概ねこれに基づいている。確率的作用とは、1人に発がんさせる量の放射線は100人で分けても1万人で分けても一人が発がんするという考えである。

薄めて広げてはいけないというのが放射能に関係した全法律の基本的な考えである。

汚染食品を作らせない、流通させないことが最も大切であった。

「影響があるかどうかわからないレベルを心配するのは非科学的だ」と講演する専門家もいた。
毒かどうかわかる量まで食べろということである。
この論理を使えば有毒量の約1%という一般毒物の規制を守ることも、病院のレントゲン施設の遮蔽も不要だということになる。

これまで、基準値以上の有害物質が検出されると政府やメディアは責任者を批判し、製造、使用責任者を処罰や指導した。
しかし原発事故が起きると政府、行政と放射線医学専門家は、放射性物質の法的規制や管理義務は言及せず、放射性汚染食品は心配せずにもっと食べるように講演、指導した。メディアは異論を放送せずに心配不要という解説だけを長期間放送し続けた。

政府と行政は食品の産地表示をあいまいにさせた。
生産地を都市名ではなく、国産や太平洋産の表示でも可とし、記号表示も可とした。
消費者が店頭でわからなくなった。

 汚染作物を生産と流通を止めず、作らせて「食べて応援」キャンペーンした。
汚染地域で作らせて売れ残ったり、価格低下した分だけを東京電力に補償させた。
だから農家はいやでも作った。作るうちに、汚染は心配するなと発言するようになった。

風評被害という言葉を使わせ、被爆回避の言動を阻害した。

 文部科学省は「市場に流通している食品は、暫定基準以内だから安全。給食に限って何かをすることは考えていない」と言って給食で強制した。
福島や宮城県なども、地産地消
。国は学校給食に国産小麦使用を義務付けた(2013年4月)。
福島県は給食に福島産農作物使用には助成金(2013年4月)。
文科省は国産椎茸の使用を避けずに使うよう指示した(2013年12月)。
2013年、東京都は生徒が校庭に出て遊ぶことを義務付けた。

 母親たちがグループを作って給食と学校環境汚染に取り組んだ。
仙台でも子どもの弁当持参を求めた母親に学校は「給食は教育だから勝手なことは許さない」と強制した。
牛乳を止めて水筒持参させると水筒の水を捨てさせて学校の水道水を飲ませた。
給食の放射能を測定してほしいと要望したが拒否した。

校庭の放射線測定の要望も拒否。
自分たちで測りたい要望には校内に入ることを禁止した。
放射線を話題にしたり測定を要望する親をモンスターペアレンツ扱いした。

「放射能を話題にすると生徒が不安になる。不安にさせる言動をしないように」と生徒の安全や教育について、教師が意見を言うことが禁止された。

給食を残さず食べさせる監視と教育を強制されていることに教師は異議発言ができなくなっている。
教師が被爆について自分の考えを発言する自由と安全がない学校で教育が行われている。
患者給食の放射線について自由に安心して話し合えない病院の状況と似ている。

放射能に汚染されて怯えていた人は「心配するな」と指導に来てくれた専門家の言葉を信じたかったと思う。
一方小さな子供を持つ多くの母親は不安だった。
子供に安全な食材を入手して与えると「県も専門家も心配ないと言っているのに神経質すぎる」と非難されて、家族内で会話もできない状況が多く作られ、驚く程たくさんの方が離婚している。

            原発事故後、私が考え行ったこと
3月12日昼、公衆電話で東京にいる息子に一度だけ通話できた。
「福島原発が極めて危険な状態だ。さらに事故の進展があったら九州の兄弟の所にすぐ避難すること」を伝えた。
2時間もせずに1号機が爆発した。13日朝息子は東京を離れた。

私は医者なので避難せず、大量被爆や殉職しうる覚悟を決めた。
数人の医師としか問題意識が共有できなかった。
私は自宅の窓と換気口を全てビニールで密閉し、風呂などに水を溜めた。

「専門家や行政の指導に従えばよい」と院長が言い、提案や発言は実質的に不可能になった。
病院の窓を閉めて強制換気を止めることと患者給食で福島や宮城産の食材を控えることの提案をすることはできなかった。

何年も前から私には病院で発言する自由と安全はなくなっていた。

政府や被曝医療専門家の偽りと、放射能の基本的知識や被曝の防ぎ方と「同調強要と、異論発言の自由と安全がない日本社会のあり方が、原発事故の底流にある」とツイッターでペンネームで書いた。
それを見て被曝を心配する母親グループの要望を受けて話や講演する機会が増えた。
「講演途中でも異なる考えや質問を歓迎します」と言って話した。
参加者の発言や質疑に講演と同じくらい時間をとった。

そのうちに、文章化や講演映像をインターネット公開したいという要望が増え匿名での発言は不可能になって2011年12月、本名でブログを始めた。

文章書きや講演は基本的に夜間と休日に行った。イ
ンターネットで配信された講演を書きおこしてさっしにして全国に広めてくれて3万部発行された。

原発事故に関した複数大学共同研究に協力した。東北大学として取り組んでいる福島・チェルノブイリプロジェクトの一環として2013年10月、ウクライナを7日間訪問した。極めて有効な訪問だったが内容は省略する。

            おわりに
福島原発事故が起きたとき、私たち一般臨床医は被曝医療の知識は持っていなかったが患者から意見を求められた。
政府やテレビが法的な規制は触れず「心配するな」という解説だけをすることに、患者さんたちは疑問と不安を持っていた。
医師は知らないことや判断できない時は上から目線をやめてその通り話し、責任が持てる範囲で助言や考えを述べられたらよかったと思う。
しかし中には、被曝医療専門医の講演で聞いたまま「この程度の放射線は心配無用」「心配したり質問する患者は心配過剰」と答えたり、質問を封じる対応があった。

原発事故が起きたとき私は「発言の自由と安全がなく、異論発言する人を抑圧侮辱排除する日本社会のあり方が、福島原発事故の底流にある」と書いた。
異論発言者を無視、侮辱、抑圧、排除するという言動傾向は東京電力の原子力発電所に限らず、病院や学校を始め日本社会に蔓延し、事故後の汚染と被曝を回避することを妨げる力としても働いている。
抑圧的言動は問題の解決を妨げ、破綻するまで進む。原発事故後、発言や報道の自由と安全はさらになくなり不健全性は増した。
福島原発事故後3年間を振り返り、また定年退職するにあたり、考えてきたことを書きました。

(追記)被爆についての解説と意見を岡山博ブログに掲載しました。

引用文献
事故後経過と、政府、自治体、東京電力などによる指示や説明個々の事実は新聞やテレビニュースで放映された。全てを引用すると煩雑になるので本文中に記載した以外は、は以下の資料に基づいた。コメントと評価は筆者によるものである。
1. 厄災福島原発1000日ドキュメント. Newton 24巻. 18-103頁.2014
2. 福島第一原子力発電所事故の経緯. Wikipedia(インターネット百科事典)
3. 福島第一原子力発電所事故の影響. Wikipedia


(仙台赤十字病院医学雑誌 2014年4月 掲載。一部修正)
02:04  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑
2013.11.15 (Fri)

③ウクライナ報告 ワークショップ、チェルノブイリ博物館

ウクライナ報告ー3 ワークショップ、チェルノブイリ博物館

       10月10日   ワークショップ

ウクライナ国立工科大学,ウクライナ日本センターとの共催で行われた。ウクライナ国立工科大学で,今後の福島のため,チェルノブイリの教訓をどのように生かすべきかを議論する「フクシマ・チェルノブイリワークショップ」が開かれ参加した。この会はユーリ・シチェルバク博士とVolodymyr Tykhyy博士のご尽力で実現した。
日本側参加者は私ども4人と、挨拶された坂田東一駐ウクライナ日本大使。
ウクライナ国立工科大学副学長,セルゲイ・シドレンコ教授の挨拶があった。日本からは、プシュパラール教授,福本学教授と大山弘一南相馬市議が発表した。ウクライナ側からは,チェルノブイリ原発事故の専門家たち5人が発表した。
(文章と写真→ 東北大学HP

私は正式の発表者ではなかったが時間をもらって小発表を行い、ウクライナの各分野の研究者に質問をして、いくつかの疑問を解決するつもりでいた。

私は、今回の訪問に後から誘っていただいて飛び入り参加したので、このワークショップについてよく理解していなかった。
ワークショップは、各界研究者が地涌に発言して問題を掘り下げる会というよりは、フォーマルで格式が高く、開くことに意義がある会だった。

私の疑問を解決する場にはならなかったが、ウクライナの方達の取り組みと熱意は驚きだった。
ワークショップにはテレビ局や新聞社がいくつも取材に来ていた。
東北大学HPより。文章と写真

ワークショップの休憩時間からテレビ記者に呼ばれて、私は会場の外で約20分インタビューに答えた。
私は福島と日本社会の状況を説明し、私の考えを述べた。
インタビューはテレビ記者がウクライナ語で私に質問し、英語に通訳されて英語で行った。

午前の発表が終わると,国家非常事態相主催で、私たち4人を意歓迎するフォーマルな昼食会が開かれた。
立派な昼食会は驚きだった。そこでウォッカが出されたのも楽しい驚きだった。
昼食会の後は、午後の発表プログラムが17時までびっしりあるにウォッカが出た。ストレートで飲む。
私は風邪で咳がひどくて飲めず残念だった。

彼の地では、ウォッカは40%アルコールが旨いと決まっていて、店にあるのもほとんどが、そして乾杯などで出されるものはおそらくすべてが40%アルコールのウォッカだ。どこでもそれをストレートで飲む。

    10月11日午前 キーフ市散策、教会訪問
午前自由時間
キーフの街をたくさん歩いた。
世界遺産を含むウクライナ正教とロシア正教の3つの教会を訪問した(略)。
キエフ WIKIPEDIA

     10月11日 午後  チェルノブイリ博物館訪問     
チェルノブイリ博物館 HP
→ Windows の翻訳機能が使える ウクライナ語→日本語
WIKIPEDIA チェルノブイリ博物館

博物館長と、物理学者 XX先生と、2日半、通訳として同行してくれたアントン チイヒーさんが迎えてくれた。

この博物館は100年以上前に建てられて、以前は消防署だった。
大惨事でキエフの消防士も動員されて活動した。
古い消防署の建物を提供してもらって、消防士たちが大惨事で活動した消防士仲間をたたえる記念館を作ったものが、この博物館のはじまりだ。

その後、大惨事の関係資料が集まるようになって、記念館は国立博物館になって活動を続けている。
当時の政府や行政の問題点を提示し、被曝対策などを訴える博物館の活動は、国の方針と合致しないものもあるが、活動に国から干渉はなく国から独立して自主的に活動しているそうだ。

博物館入口には数台の車が展示してある。大惨事のとき活動した車だ。
福島原発事故に関連した特別展示をしていた。

玄関を入ったホールには、鯉のぼりや、福島被災者と日本人に連帯し支援する、日本語メッセージや、福島原発事故関連資料が展示してある。
福島関連展示は博物館の展示全体の20%位を占めている。
福島原発事故以来、日本人の訪問者が増えてこれまで3000人が訪れたそうだ。
展示の説明録音は日本語も用意されていた。
とても良い説明だったので、文章化したものはないか尋ねたがないとのことだった。費用も人員も不十分なので文章化して出版する予定はないそうだ。

見学順路は、ホールから階段を上がって2階に上がる。
88の標識が階段両側の壁から飛び出して掲示されている。大惨事後住民が避難して消滅した町の名前だ。
階段の床には、赤い実をつけた、リンゴの木が沢山描かれている。

赤い実をつけたリンゴの木の展示は階段だけでなくホールにもあった。
キリスト教カソリックと、カソリックから別れたプロテスタントの解釈では、蛇にさそわれ、イブに勧められて知恵の見であるリンゴをアダムが食べたことが、人間が神を裏切った神に対する人間の原罪で、その原罪に対する罰として人は神から労働や死や、出産の苦しみの罰を与えられたということになっている。

しかし、旧約聖書は本来ユダヤ教の聖書であるが、ユダヤ教では、知恵の実であるリンゴをアダムが食べたことはそれだけのことで、神に対する重大な裏切りとは考えない。リンゴはむしろ生命を象徴するという。
キリスト教はみな、リンゴと原罪と神からの罰をセットにして理解していると思っていたが、正教(ギリシャ正教、ロシア正教、ウクライナ正教)の考え方は、ローマカソリックやプロテスタントとは異なっていて、ユダヤ教の理解に近いらしい。

リンゴは生命の象徴として展示しているようだ。
チェルノブイリという名の語源は、リンゴという言葉と関係あるという説もあるそうだ。

階段を上った正面は教会内部のような展示になっている。
被曝して消滅した教会から資料として寄贈されたものだ。
この博物館でも、他のところでも「大惨事のことは聖書に書かれている」と言っている人がいた。
新約聖書の最後にあるヨハネの黙示録のことだ。

ウクライナの人たちはどこでもだれもが「チェルノブイリ原発事故」と言わずに「大惨事」という言葉を使っていた。

階段を上って正面は教会内部の展示だが、見学順路は階段を上って右に曲がる。
この部屋は、爆発した4号炉の模型と、原発事故で活動した消防士たちの装備と、従事して亡くなった原発職員と、消防士や作業員の何百人の顔写真などが展示されている。

チェルノブイリ事故を起こした4号機は当時最新鋭で、設計をした学者は「高圧系が少ないので、事故をおこす可能性が低い、もっとも安全な原子炉だ。モスクワの中心に造ることも可能だ」と言っていた。
アメリカのスリーマイル事故があった時も「事故はアメリカの原子炉だから起きた。ソ連の原子炉ではあのようなメルトダウン事故は起きない」と言っていたという。
高圧系がないことは事実であっても、その他いろいろな点で、欧米の安全基準では基準以下のところがあったと後でわかった。

以上は展示の説明。
以下は同行してくれた青年物理学者アントンさんの説明。

「核分裂反応は核燃料の間に制御棒を入れてコントロールするが、制御棒の先端20cmの構造は、これを燃料の間に入れると逆に核分裂反応を促進してしまう構造であることが、大惨事の2年以上前にわかっていたが、改造せずに事故まで放置されていた」という。

事故はこうしておこったらしい。
「原子炉の安全性をテストするために、出漁定価作業中の原子炉で、安全性を見る実験をするように指示された。出力低下中の実験ということがまず危険だったらしい。一方で別の指示系統から、電力が不足しているので発電を続けるよう指示が出た。
両方を同時に行うマニュアルはないが、当時のソ連は上級が決定したら、下級の人は異論や議論をすることは困難で、すれば、人事権を使って、不都合な部署に左遷されるという状態だった」という。
健全な発言や議論が自由に安全にできない状況は今の日本とよく似ている。

しかも、核分裂反応を抑えようと、制御棒を入れると、ことにゆっくり入れると、核分裂反応は抑制されるのではなく逆に促進してしまうという構造的な欠陥があった。
このような中で事故がおきた。

爆発したが想定外の事故で、想定されたマニュアルもなかった。
技師たちは、避難するか、事故現場にとどまるかを考えたが多くの技師は留まって、猛烈な被曝を受けながら事故終息のために活動した。

事故を起こした4号炉と3号炉は隣り合って共通の建屋の中にあり直接つながっている。技師たちは、3号炉と4号炉の配管を遮断し、これによって3号炉が爆発することを回避できた。

4号炉は核燃料がメルトダウンして冷却水を沸騰させて水蒸気爆発を起こした。
次には、核燃料容器のジルコニウムが水と反応して大量の水素ガスが発生して、水素爆発おこることが推測された。これも懸命な配管遮断を成功させて、次に起こる水素爆発を回避させたと説明されていた。

その後黒煙が燃える火事の消火や、メルトダウンした燃料が地下の水に接触して再び水蒸気爆発を防ぐために地下の水を除く原子炉直下までのトンネル工事などを行うためにたくさんの人が動員されて被曝し、その後たくさんの人が死亡したり重篤な健康障害を残した。

事故のさらなる拡大がないところまで終息させた後、事故の原因究明が課題だった。
原子炉を運転した技師の数人が、判断ミスをしたために事故を起こしたとして、裁判にかけられて、10年の禁固刑を受けた。やがて、この技師たちの名誉は回復されて、5年で釈放になった。

原発の構造的欠陥を放置した幹部、事故につながるような指揮系統を作り運営した幹部、恐らく無謀な指示を出した幹部の責任は全く問題にされなかったという。

広島・長崎原爆の展示もあった。
たくさんの展示を見て、最後に玄関入口に続くホールに戻り、福島原発事故関係の展示を見た。
福島の被災者と日本人への励まし、連帯、支援の精神に満ちていた。

南相馬市の地図が掲示されていた。南相馬全市を500mの方眼で区切って、すべての方眼の空間線量を測定し色分けして表示してあった。

私はこのような、詳細な汚染地図が存在していることを知らなかった。
だれがどのようにしてこの汚染地図を作ったのかを私は館長さんに尋ねた。

以下は館長さんの説明だ。
「福島原発事故が起きるとすぐに、チェルノブイリの汚染地区の人々は、励ましと支援活動をした。
その一つが、募金活動をして、放射線測定器を130台、日本の被災地に送ったことだ。
日本のチェルノブイリチューブの人たちが協同した。
贈られた測定器を使って、南相馬の人たちは自分たちで測定してこの詳細な汚染地図を作った」という。

福島原発事故が起きると、汚染地域で役立つようにと、世界の各地から事故後数日の短期間に4万個の放射線測定器が日本に贈られた。
これを早く使えるように要望が出たが、国は汚染地域に配って測定や対策に役立たせることをせず、最後まで成田空港の倉庫に保管したまま、被災地で使わせなかった。
贈ってくれた人々と、被災者に対する背信行為だ。

ウクライナの人たちは経済的に貧しい。その人たちが、募金をして贈ってくれたことに私は感謝し感動した。
同時に、世界から短期間のうちに贈られた測定器を被災者のために使わせず、報道を規制して「あわてるな、心配するな」と繰り返し、自主的対策や避難を妨げ、被爆を拡大させた日本政府と行政、日本社会のことの両方を考えて涙が出た。
ウクライナから送られた測定器は南相馬の被災者に直接届けられたから役立った。放射線測定器を、日本政府に託していたら使えなかった。
日本はなんという国だ。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

この訪問でわかった、考えた事、評価したこと、新たに気付いた問題点、解決できないまま今後の問題意識として残っていることなどを、後日追加する予定です。

→ 同行した大山弘一さんのブログ

07:17  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2013.11.12 (Tue)

①ウクライナ、チェルノブイリ訪問報告  序

ウクライナ、チェルノブイリ訪問報告-1  (序、 チェルノブイリ・キエフ)

        はじめに 
東北大学大学院国際文化研究科 教授 プシュパラール ディニル 先生のチェルノブイリ・福島プロジェクトの一環として、2013年10月5日から10月13日まで、フクシマ・チェルノブイリワークショップ参加を含め、チェルノブイリ原発事故に関係して、ウクライナを訪問した。

メンバーは
・プシュパラール 先生。東北大学大学院国際文化研究科 教授
・福本学 先生。東北大学加齢医学研究所教授 
・大山弘一さん。 南相馬市議、元高校教師
と私、岡山博 仙台赤十字病院医師の4人
放射線被曝や被ばく対策、原発についてなど、それぞれ考えが異なる4人のメンバー。
私は1日遅れて10月6日出発し、キーフ(キエフ)で合流した。

日程
10月5日 先発隊出発
10月6日 岡山博出発。先発隊に合流。キーフ泊
10月7日 チェルノブイリ原発訪問 (コロストン市でウクライナ風ホテル宿泊)
10月8日コロストン市リハビリセンター、ルグニ 町周辺の現地調査:自治体関係者、ルグニ中央病院、強制避難地区 (コルストンで宿泊)
10月9日 コルストン「Koroston 市と, ルグニLugyny 町周辺の現地調査:ルグニ学校、ルグニ中央病院(再)、別の強制避難地区、田舎の街道沿いトラック運転手のための小屋のようなレストラン (キーフ泊)
10月10日 (午前は自由。私は教会めぐり)。午後、キーフチェルノブイリ博物館 (キーフ泊)
10月11日10時~17時 フクシマ・チェルノブイリワークショップ(キーフ泊)
10月12日 キーフ出発

I.ウクライナの私の基礎知識と訪問して追加した知識と印象
ウクライナは面積と人口はフランスやドイツ、スペインに匹敵するヨーロッパの大国。
首都はキーフ(キエフ)。
ウクライナのほぼ全体が北海道より北にある。
南部の一部が黒海に面しているが、地中海や太平洋などの大海には面していない。
独自の通貨、独自のウクライナ語を持つ。
面積 日本の1.6倍。山地は西の一部にあるだけで、ほとんどは広大な平地と台地。
1970年代ころまでは世界的な大穀倉地帯だった。
人口 1986年チェルノブイリ原発事故当時約5000万人
    チェルノブイリ事故後、現在は約4600万人に減少し、減少傾向は今も続いている。
歴史 東ヨーロッパ文化の誕生がキーフだった。世界の歴史でキリスト教布教の多くが侵略と強制による布教がほとんどだが、キーフは自主的に検討して選択してギリシャ正教を選び学び受け入れた。
これがやがてビザンチン帝国滅亡後、モスクワを第3のローマとして活動した正統キリスト教(ギリシャ正教→ロシア正教)の母体となった。
その後ウクライナはポーランドやロシアの勢力のもとにおかれるなど複雑、困難な歴史がある。
ロシア革命後はソ連邦の中のウクライナ共和国として存在したが、白ロシア(ベラルーシ)とともに、ウクライナはソ連邦とは別に国際連合に加盟していた。

ソ連時代、ことに70年代までは世界的穀倉地帯。鉄鋼・炭田をもとに製鉄業など鉱工業も盛んだったが鉱物資源は次第に枯渇して鉄鋼業その他、経済は全般的に後退した。
ソ連時代後期は全般的に経済が停滞し、ソ連崩壊後、さらに経済を含めた社会全体の混乱後退があり、独立当時のレベルに回復していない。ソ連時代と比べて、名目GDPも70%程度と現在経済的には豊かではない。
大学卒20歳代大学卒で月収数万円。現在国民の収入や消費生活水準は日本の20~30%くらいか。

官僚によるわいろ社会が横行しているということだった。
ほぼ公然とわいろが要求され、わいろを出さないと、許認可権を使って仕事ができなくさせられるなどの例を、日本人の通訳の方が言っていた。

ウクライナ独立後も、ソ連時代の考え方や制度は残っているものが多い。
医療と教育は無料というソ連時代からの理念を今も維持している。
医療は無料という理念はもっているが、経済的余裕がないために、不完全だ。。
病院に通院、入院して検査や治療は無料で受けられる。
しかし、薬は処方してもらって薬局で自費で買わなければならない。
新しい薬の多くは輸入品で高価なため、だれもが買えるようにはなっていない。

地方の医療レベルは低い。私が訪問した町の病院の印象は以下のようだ。
資金がないため、検査機器がない。検査試薬も少ない。
レントゲンと心電図は40年前の機器を使っている。
レントゲン画像を高解像度モニターで見られないため、画像解像度も悪く、患者も医師も技師も被ばく量が多い。精密な検査はできない。メインテナンスのため週3日しか使えない。
検査室では簡単な血液と尿検査程度しかできない。日本の地方病院の40年前の様子と似ている。
古くなった検査機器を日本から援助して送ってもらえたらと、医師は言っていた。

教育
義務教育は6歳から11年間。
教育は幼稚園から大学、大学院まで無料。さらに奨学金がある。
「教育程度は高い。日本の大学院生ができないようなしっかりした発言を高校生がする。アメリカの一流大学から、優秀な学生を探しにウクライナに来る。そのようにしてアメリカに渡ったウクライナの科学者がすでに5人ノーベル賞をとっている。その時国籍はウクライナではなくアメリカになっている」と、今回訪問のリーダーであるプシュパラール先生が言っていた。
今回高校生を含む多くの人と会話して、なるほどそうだろうと了解した。

今回のウクライナ訪問でたくさんの人と会い、会話した。
必ずしも高等教育を受けた人たちだけではない。
会って話した人の中で、高等教育を受けた人々では、医師、学校の先生や校長先生、若い物理学者、行政の幹部、チェルノブイリ博物館館長、今回の訪問を準備してくれた物理学者、高校の先生、リハビリ施設の先生など。
会話というほどではないが、学会や国政の幹部の方とも会った。

必ずしも高等教育を受けていない人では、高校生、強制避難地区の住民、田舎のレストランの方、チェルノブイリ原発の案内人の方など。

だれと話しても、ごまかしやあいまいさがなく、おだやかなことばできちんとした言葉を使って話し、正統な対話と質疑応答ができた(日本ではほとんどできない)。
Wikipedia ウクライナ)  

        ウクライナ訪問記 : チェルノブイリ、キーフ(キエフ
「ウクライナの放射能対策について、避難移住は強力に行ったが汚染食品制限は不十分だ。食品の放射線規制を強化すべきではないか」という問題意識をもってウクライナを訪問した。
今回の訪問でおそらく答えが出ると思う。

汚染食品制限を厳しくすると農作物のどれだけをやめることになるのか、汚染されていない食品を供給することが経済的に余裕がないウクライナやベラルーシでは難しいことがわかる。

今回の訪問中、ワークショップや機会を見つけて、専門家や関係者と質問や議論をしたいと考えています。7日から3日間チェルノブイリと周辺を訪問予定だ。

       10月6日  キエフ到着
先発の3人は10月5日仙台発。私は1日遅れで10月6日 8時5分仙台空港発、成田、モスクワ経由で現地時間19時40分キーフ空港着。

キーフ空港からバスでキーフ駅に向かう。車内で約30歳の男性が話しかけてくれた。コンピュータ関係の仕事をしていて韓国滞在経験があり英語が通じる。
質問されて、チェルノブイリなど訪問とワークショップの目的と、正教の教会などを訪れたいが時間に余裕がないと話した。
「教会はほとんど行かない。自分は科学者だから宗教を信じておらず無宗教だ」と言っていた。正教の教会に通う人が多いかと想像していたが、後で調べたら、ウクライナ人の70%が無宗教らしい。

キーフ駅から大通りを歩いてホテルに向かった。キーフ駅前の大通りだが通行人は数えるほどと少なく、危険な感じは全くなかった。日本の旅行会社でもらった地図がわかりにくく、道を尋ねたかったが人通りは少ない。

旅行会社の地図がわかりにくく少し迷って15分くらいかかってホテルに着いた。
ウクライナ語表記はキリル文字からローマ字に移行中だと何かで読んだが、ウクライナ語表示は見た範囲はすべてキリル文字だった。ローマ字表記は外国の店の表示くらいだった。

後で尋ねてみたが「キリル文字からローマ字に移行していることはないだろう」とウクライナの人が言っていた。
街路や公共施設とともに、町のいろいろな看板や表示はロシア語ではなくクライナ語で表示されているようだ。
 意味は分からなくても、キリル文字のロシア語読みは知っていたので、地名や建物などの固有名詞や、英語など外国語や外国企業名をキリル文字で表記した外来語がわかり予想外に役立った。
キリル文字初めての実体験。ちょっとうれしい。

 ホテルに18時無事到着。先発の3人に無事合流した。

ピシュパラール先生がホテルの玄関前で待っていてくれた。
のんびりあるいてきたので恐縮した。

ホテルWiFiを使ってメモを書いたが、途中でトラブル。ホテルのWiFi システムのトラブルとわかった。
明日専門家が来て直すということがわかったが時間を浪費した。

夜中、ホテルのそばの24時間営業のスーパーマーケットに行った。
日本の大手スーパーと比べても農作物。畜産物や乳製品など食材が量も種類も豊富で、放射能汚染を考えなければ、高品質で安い。
ウクライナで生産されない、パイナップルやバナナ、グレープフルーツなども豊富に安く並べられているのは驚きだった。

柿を売っていたのも驚き。小学生の頃「黒海で食べた赤い柿」というエッセイを読んだことがあり、その文章の何がおもしろいのか価値があるのかわからず、そのことが印象的でタイトルだけを覚えていたのを思い出した。

果物や野菜は豊富だが、緑や赤の小さいリンゴなど品種改良されていないものが多い。
日本でいえば50年前のリンゴやトマトという感じだった。

買いたいものがたくさんあったが放射能が不安なので控えた。
野菜、果物、乳製品が豊富だ。菓子や加工食品も日本と変わりないように種類も量も豊富に見える。
首都だから特別に商品がそろっているのかもしれない。

魚は海の魚は少ない。あっても乾物が多い。生魚は鯉など淡水魚が多い。
海がほとんどない国で、たくさん輸入する経済力も低いから当然かもしれない。
冷凍や冷蔵食品を流通するシステムが不十分なのかもしれない。

直径30cm位で4人でもたべきれない主食のパンは50円くらいで特に安い。主食のパンは政府が特別援助していると思う。
他のパンも安かったが菓子パン類はわりと高かった。

チーズは日本よりは安いが、人々の収入と経済レベルが低いことと大酪農国であることを考えると安くないと思った。
ウクライナの人にとってチーズは大切な食品のようだ。

ソ連時代は消費物質が欠乏して、マーケットに行ってもチーズは冷蔵庫の底に1種類だけ、数も少しあるだけで、手に入ればよいほうで選択できる状態ではなかったという。

明日の予定もあり、疲れたのでここで就寝。第1日目終わり。

     10月7日   チェルノブイリ原発訪問。
日本からのわれわれ4人のグループと、依頼していた、博士論文執筆中の30歳代前半の物理学者チーヒイー アントンさんが日本語・ウクライナ語通訳として2日半、同行してくれる。

アントンさんは頭脳明晰で博学だ。
世界の5か国以上を訪れたことがある。外国滞在最長は日本の9か月。
日本語をウクライナで勉強したあと日本語勉強のために東京で語学学校に通って、日本語や日本につて勉強した。

適切な日本語単語が出てこないときは近い単語をいろいろ試して、さらに適切な言葉を探し選択を試みる。
日本人の9割以上の人はできないであろう正確な日本語を、正しく的確に厳密な単語の選択をする。

どんなことにも関心と知識があり、それに関して自分で再吟味して自分の考えを持っている。
2日半同行して、原発、放射線のことや、ウクライナや日本の歴史、文化などたくさん話をした。原発についても専門的な会話をした。

運転手含め6人で、キーフのホテルからチェルノブイリ原発を訪問した。
チェルノブイリ原発は首都キーフの北、直線距離で120 km。
ブナ、白樺などの美しい広葉樹の雑木林とアカマツ林が続く。アカマツは植林したものだ。
ロシアのような、針葉樹の大森林ではない。

チェルノブイリ汚染地域 第一ゲート。原発から25㎞。これよりゾーン。
空間線量はゲート付近で0.28μSv/h と高かったが、ゲートから少し離れると0.05と低かった。
今年7月、郡山市を訪れたとき、除染済み公園の空間線量掲示が0.25だったので、その値に近い。

検問所案内人の方:事故後からチェルノブイリ原発で、訪問者への対応や案内説明などをしてい55歳くらい。
この後、私たちの車に同乗して、原発内を案内してくれた。

彼は生きがいを感じ、喜んでチェルノブイリ原発案内の仕事をしている。
「年間56日休暇があり、旅行費用も出る。定期検診と必要なら医療もある。検診で問題がでたら別の職場を準備してくれる」と言っていた。

管理人のかたから説明を聞き、記帳した。
これよりゾーン内は飲食、たばこ禁止、測定器や物を地面に置かない、出るときは靴底の土などをよく落とす、汚染していないか検査して出ることなど。

サインをして、彼が車に同乗して森の中の道を原発に向かった。
ゲートにもう一人かふたり係りの人がいたと思うが、その他訪問者など、見渡す限りだれもいない。

第一ゲート付近は線量が高かったが、少し離れると0.05に下がった。
車で原発に向かった。第1ゲートを出ると空間線量は下がって、旧消防署跡で0.18、原発が見える4号炉から約3kmに近づいてもあまり上がらなかった。多くは0.1μSv/h以下だった。

爆発した4号炉に近づくと空間線量は高くなった。第3ゲートを過ぎて原子炉1~1.5kmkm手前では0.44μSv、 1kmで1.36μSv、 800mで 1.92μSv。4号炉から4~500m位の小さな資料室付近で3~5.46μSv/h。 ここから先は立ち入り禁止。

第1ゲートからチェルノブイリ原発4号炉直前に至るまでと、原発敷地内見学、原発に接したプリピャチを訪問して、再び25㎞ 南の第1ゲートに戻るまで50km以上、数時間の間に遠くから見かけた人も含めて、見た人の数は、警察やトラック運転手と見学者数人の1グループなど、全部合わせても20人程度だった。
予想よりはるかに少なかった。

「発電はしていないが、現在でも毎日2800人の人がチェルノブイリ原発で働いている」と日本のテレビ特集でいっていたので、おそらくそうなのだろうと思うが、広大な敷地やたくさんの建物があるので、私たちが会わなかったのかもしれない。月曜日だったので休日ではなかったと思う。

構内のあちこちで車を止めて撮影した。
案内人の人にいろいろ質問をした
質問するとなんでも答えてくれる。
秘密の様子は全くない。
専門的で知らないことは、「こうかもしれない」とか「知らない」と友好的に説明してくれる。

4号炉は写真で見た通りの外観だが、壁はコンクリートで固められているのではなかった。
4号炉全体がコンクリートの一塊に固められているのではなく、外壁の下1/3くらいの高さ、下の部分は厚いコンクリート壁で覆われ補強されている。その上は普通の十センチ強くらいの普通のコンクリート板を繋げた壁だけだ。
日本に帰国してから得た知識によると、汚染拡大を防ぐために、遠隔操作で急ごしらえで造ったコンクリート壁が石棺ということだ。
だからコンクリートで固めた石棺という理解は誤りで、通常のビルの壁よりも強度はない。壁も厚くない。

急ごしらえで造って25年もたっているので、壁の構造や機能に問題が生じている。
昨年、石棺の屋根の一部が崩落して問題になった。

チェルノブイリ4号炉は石棺として固められ、25年以上たって壁の一部から放射性物質が漏出してくるのを避けるためさらに石棺の上からコンクリート全てをコンクリートで固めて再度補強工事をしていると、私は誤った想像をしていた。

石棺は、コンクリートで一塊に固めた原子炉建屋ではなかった。
石棺という言葉について質問した。「石棺というのはメディアがつけた言い方だ。正しくはシェルター。 コンクリートで固めてしまうわけではない」との返事だった。

             チェルノブイリ原発事故資料室
4号炉から400m位のところにある 20坪弱の小資料室を見学した。ここはカギがかけられて、だれもいない。同行した案内の方がカギを開けて中に入った。
4号炉の模型があった。

模型を見ると、爆発で多くの機材や建物お一部が破壊されてがれきとして散乱したり、壁などの構造物の一部が破損しているが、事故後に作られた構造物はほとんどなく基本的に建物内部や構造、空間は事故以前のままだ。
新しい構造物は、1階から4階まで部屋がコンクリートで埋め固められて柱のようになっているところが2か所くらいあるだけだ。
それ以外は、原発の建物内部の空間は、爆発で破壊された機材や構造物が散乱しているが、建物の基本構造や建物内の空間は残っている。

4号炉建屋の建物内で放射線が高いところは、10Sv/hr という。 短時間いるだけで死ぬ超高レベルの場所がある。

ウクライナの法律に従って、爆発した4号炉も残りの1~3号炉も廃炉にして原子炉は解体撤去する方針という。
4号炉炉解体撤去の具体的方針、手順は事故の後さほど時間がたたないうちに作られ、実際、廃炉に向けて現在作業中だ。最も基本的な解体準備は巨大シェルター建築だ。

シェルターは、基本はかまぼこ形の鉄骨構造を2つ造る。
高さ108m、幅250m。天井には 廃炉作業の中心になる巨大クレーンなどを設置する。

このシェルターは、4号炉から400m位のところで現在建設中だ。2つのうちの1つの外観はほぼ出来上がっている。これを2つ造った後、レール上を4号炉の上まで移動させて、4号炉を完全に覆って解体作業に入るという。

4号炉解体、撤去作業はヨーロッパの基金でヨーロッパの多数の企業が参加して行っている。
シェルター建設だけで1000億円。
4号原子炉解体撤去の完成予定は50年後。

原発事故後、1,2,3号機は発電を続けていると認識していたが、私の認識誤りで、これらはすでに事故後数年で運転を停止し、すべて廃炉、撤去する方針だという。

1,2,3号炉の廃炉、撤去は破壊された4号炉の困難と比べれば、困難は少ないはずだ。
1,2,3号炉の撤去作業も開始しているのか、どのように撤去していくのかについては、質問し損ねた。

4号炉の解体は国際的な援助によって進められているが、1~3号炉はウクライナ政府が自前でやらなければならず、その資金がないために、着工していないのかもしれない。

        プリピャチ訪問
原発で働く人のために原発に隣接して作られた旧プリピャチ市。原子炉から3km。
事故当時の人口約4万5000人。
原発事故長後、ソ連政府が2000台の大型バスを動員して1日で住民を全員退去させたのがこの町だ。
空間線量は0.05 μSv/h と仙台市内の低線量の地域と同程度だった。

よく整備された広場や街路や学校やホテルなどがあり、美しい森に囲まれた美しい町(だったことがわかる)。
ソ連の町は、プリピャチに限らず、学校、文化施設などの建物や公園などはどこの町でも整備されていたという。

観覧車やゴーカートがある遊園地は町のほぼ中央に作られて、事故5日後の5月1日が開園予定だった。
一度も使われることなく、開園直前の状態で廃棄されてそのままになっている。

当時ソ連は生活物資が不足していたが、プリピャチは消費物資も優先的に提供されて、近くの農民たちが買い物に来ていた。

14:56  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑
2013.07.06 (Sat)

被曝を誘導する政府・行政の誤りと偽り

≪公開講演会記録≫
放射線被曝とは何か
―被曝を誘導する政府・行政の誤りと偽り

仙台赤十字病院呼吸器内科医師・東北大学臨床教授  岡山博

福島第1原発爆発前後~3月末の放射能汚染状況
2011年3月11日
地震後、津波の前に1号炉原子炉建屋内の放射線量が急上昇した。
福島第1原発が送電を受ける送電線鉄塔が倒壊し、関連設備が故障して全外部電源を喪失した。
津波と電源車のコンセントが合わずコードも短かすぎて、冷却不可能になった。
21時、原子炉冷却の復旧の見通しが立たず、政府は3km圏避難・10km圏屋内待避を指示した。
3km以上はあわてず落ち着けと自主避難を妨げた。

3月12日
原発正門で放射線検出。原発に重大損傷が生じたことを意味する。この時もその後も、放射線測定値はリアルタイムで発表せず、政府が解釈をして解釈に好都合の発表を続けた。危険を過小評価した解説を常につけ、自主避難を妨げた。
12日5時、10km圏避難を指示し、同時に「原子炉格納容器の損傷はない」と発表。
18時に20km圏避難指示したが、その間に数回のベントと、1号機爆発で避難が遅れた住民が、大量被ばくした。
敷地内超高値、東電が発表したのは5月。

3月13日
「爆発的なことが万一生じても、周辺に影響は生じない」と自主避難を妨げた。

3月14日
3号機建屋爆発。「原子炉格納容器の堅牢性は確保されており、放射性物質が大量に飛散している可能性は低い」と自主避難を妨げた。

3月15日
運転停止中の4号機が爆発した。大量の核燃料は原子炉内ではなく燃料プールにあった。
爆発によって壊れた隔壁から偶然水が流れ込んで、きわどく爆発がまぬかれた。
爆発でプールの土台が傾き、壊れれば重大汚染確実だった。
20キロ浪江町で高値を翌日になって発表した
ベント予定を公表せず、住民や国民は避難や対応ができず被曝した。

3月25日
40km飯館村に自主的避難勧告。外の地域に向けては、毎回「あわてるな」と自主避難を妨げた。「避難は不安をあおる悪質な行為」であるかのような空気がつくられ、避難を妨げた。放射能拡散予測図SPEEDIは政府と福島県、アメリカ軍に提供したが、国民や社会には公開せず、5月2日になって公開した。

事故後数週間は大量の放射能ほこりが放出され、その後も放出され続けた。
放出されたとき、風下は危険だ。風下の人が避難や、対応をするために放射能拡散予想がきわめて有用だ。
天気予報のように、放射能拡散予測放送の要望があった。私も要望した。
しかし「確実な予測ではないので不安の原因になる」といって発表しなかった。

ドイツ、ノルウェー、オーストリア、フランスやそれ以外にも沢山の国の気象庁など外国の機関が数時間ごとに拡散予報を発表した。
日本人が使えることが大きな目的だ。予測システムは各国固有のものだが、予測に使う測定データは日本の気象庁が発表した値を使って計算した。
図1(掲載省略)は、ドイツ気象庁が発表した拡散予測図だ。
このような予測図を天気予報で放送しないために被曝を軽減できなかった。
図2はアメリカ海軍が作った福島原発による海洋汚染図だ。

爆発後数週間の放射能汚染状況
ヨウ素、セシウム、ストロンチウムと、短寿命放射性元素が、膨大な放射能ほこりとして風に乗って散らばった。大きなほこりはゆっくり地面に落ち、小さなほこりは空中に浮遊、拡散した。
雨や雪が降ると、まとまって落下した。
外部被曝とともに、呼吸で吸い込み、食物として摂取し、内部被曝した。政府は内部被曝を無視するか過小評価した。

この時期にすべきだった被曝対策
放射能ほこりが空中にあり、今後事故が拡大するかもしれないこの時期は、高度汚染の可能性がある地域から避難することが何よりも重要で緊急だった。
次に大切なことは、避難するまでの期間、あるいは避難できない人に対して、強く汚染された水や食物の飲食を禁止することと、安全な水・食料を供給することだった。

震災直後時、東京電力と政府の状況認識
東電、東北電力、政府は、震災当日の3月11日、電源喪失が回復せず、原子炉冷却ができなければ、7時間後に原発が爆発することと、その後、連鎖的に大爆発と深刻な放射能汚染が起こることを、確実なこととして予測していた。
東電社員家族は、爆発前から、福島県から避難した。
東電知人から連絡を受けて、福島県から避難できた一般住民も多い

国と東電が繰り返し説明した
「放射能は人体に影響のないわずかのレベルだ」
「原子炉冷却ができていないが、取り組んでいる。だから心配ない」
「水蒸気爆発したが、核爆発も、メルトダウンもしていない。原子炉も格納容器も健全に保たれている」
「レベル5事故ではあるが、スリーマイル事故のレベル5より軽い。
スリーマイルと比較して大げさに話すのは不安を煽る悪質な行為だ」

わざわざ、強く放射能ほこりで汚染された地域に出向いて説明した
「避難は不要だ。避難指示されていない住民は、避難せずあわてずに家に留まれ」
「放射能より、心配することのほうが有害だ」
「子どもを心配せずに外であそばせろ、自家野菜を食べさせろ。不安を振りまく悪質な扇動に惑わされるな。 
全て嘘だった。
嘘を言って、余分な被曝をさせた人たちは、処罰されず、今も行政を動かし、原発事故処理を仕切り、被曝を拡大させている。

気象学会は会員研究者に「国民が混乱するから、研究者は福島の風向きの情報を出さないこと」と通知した。
被曝医療専門家は「胃のレントゲンと比べて、福島原発由来の被曝は少ない」などと「解説」した。
診断という本人の利益のために支払うリスクと、他人が勝手に押し付けるリスクを同等に扱う、人を偽る解説だ。論理も道義も誤りだ。
内部被曝のシーベルトという人為的に決めた単位は、障害を過小評価していることも問題だ。

放射能汚染について言動することが悪であるかのような社会風潮が、政府・福島県・「専門家」と称する人たちやメディアによって作られた。

 政府や行政、メディアが、「心配しすぎるな」という放送しかしないなかで、twitter などを使って、多くの情報が発信された。
それに対して、政府やメディアは「ホットスポットが発生などのデマに惑わされないように」、「デマは通告するように」と、発言や発信することを抑圧さえした。
「チェーンメールで放射線のデマ拡大」(2011.05.16読売新聞)
「千葉と埼玉で測定されている数値は平常時と変わらない」、「デマなどのメールに気づいたら転送を」(文部科学省)
政府やメディアが言った「デマ」は、デマやうわさではなく真実だった

「事実を言う人をデマと非難し、住民に被曝を増やした人たちは、責任を取らず、処罰されず、今も指導的立場で、原発塩管理と社会を誘導している。

外国大使館、国内大企業、マスコミが行った自己防衛対策
多くの外国大使館は、自国民の日本からの退去と、退去できない人は西日本に避難することと、汚染食品の摂取制限などの被曝対策を指示した。
震災、原発対策のために宮城県沖に出動したアメリカ原子力空母は、3月14日、放射能汚染受けて、すぐに、宮城県沖から撤退した
国内大手メディアは、原発50km以内から撤退した。国の原発事故の監督責任者である保安院幹部は、福島第一原発に行かなかった。
外資系企業や大企業は社員と家族避難用バスを郡山や福島市に準備した。多くの大企業が本社機能を東京から大阪への移転を開始した。

大手企業福島勤務者の対応
・福島勤務に特別手当支給 
・原発に近い地域にはなるべく行かない 
・できるだけ宅急便を利用する 
・福島県から転勤したい人は即日、転勤を認める 
・半年毎に異動 
・福島県勤務希望者を中途採用して福島に配属  (2013年)

政府や東電の説明に従った人は被曝回避の機会を失い、大量に被曝した。
被曝回避の機会を失った。子どもを雪であそばせた。
マスクもしなかった。
自家栽培野菜を食べさせた。

国は今も「この程度の放射能は安全。心配するほうが有害だ」と、被ばく防止の言動を妨げている
その裏で政府・電力会社・大企業は危険を知り対策をとっていた!

チェルノブイリ被曝の長期影響について
IAEA と日本政府の考えと立場
チェルノブイリ事故の放射線障害の多くの報告があった。
しかし、放射線被爆障害を検討する際に、「障害が存在すると確実な結論がある医学論文」だけを使った。
統計的に確実と断定できない論文や多くのロシア語の調査報告は論文は存在していないものとして扱い、「甲状腺癌以外の障害で認められるものはない」と結論した。

決めた後は、障害を示す数百の論文が発表されても、実質的に無視している。
日本政府はチェルノブイリ事故程度の被曝では、「甲状腺癌以外の影響は認められるものはない」という結論を、「影響はない」と読み替えて使っている。
 
放射能汚染について日本政府の基本的立場
うがった推測ではなく、これは日本政府の正式の立場です。
「チェルノブイリ程度の被曝は影響ないと確定している」、
「ありえない健康被害を考えるのは過剰な心配だ」、
「健康障害が出た場合は、心配しすぎたストレスが原因だ」
だから「政府・自治体がすべきことは、住民に無用な不安を持たせず安心させること」、
「被曝回避の取り組みは不要だ」、
「放射線測定や発表は、被曝を避けるためではなく安心させるために行う」

そのために政府が実際に行っていること
・低い物を選んで測定する。
・農作物で高い値が出ても、同じ畑の他の作物は問題にしない
・汚染された食品を除くためではなく、「心配するな」と安心させるために、測定や発表をする。
・放射能が低いと推測したものを選んで測定する。
・高い放射線値が出た場合、同じ畑の測定していない別の作物は出荷制限しない。
・「被ばくしても心配するな」、「健康被害を話題にするのは、不安をあおる悪質な行為」と説明、教育し、メディアにも協力させる。

被曝医療「専門家」は以下のように解説した
政府はこれを基に対策を進めた
・留まろうと思う住民に対して、東電も日本政府も、家族が(避難は不要と)決断しやすいように支援してやる必要がある。
・福島県民は放射能恐怖症です。不安を和らげて心の支えになってやる必要がある 。
・チェルノブイリでは避難住民の寿命が65歳から58歳に低下した。鬱病やアルコール依存症、自殺などのためです。
・ストレスの治療にも努める必要
・「健康上のリスクは全く考えられない」
・チェルノブイリ、セシウムを含む食品で、健康被害は出ていない。
・環境放射能が100マイクロシーベルトを超さなければ、全く健康に影響を及ぼしません。
・暫定規制値は、一生食べ続けても何の影響も出ない
・放射線の危険性を煽る報道が続いている。
・放射線の影響はにこにこ笑っている人には来ない、くよくよしている人に来る
・批判があるが?「そういう人たちは科学者じゃない。医者でも専門家でもない」

放射線被曝について考え方の基本
・被曝は有害。放射性物質は有害物質
・対策は普通の有毒物と同じ
・例えば鉛や水銀などの有毒物は害があるかもしれない1/100位で規制している
・有害な毒物は食べない、吸わない、流通させない、放置せず処分する

放射性廃棄物と環境放射線の法的規制 
    電離放射線障害防止規則
 100Bq/kg超は、無視して放置や一般処分はいけない。
 1000Bq/ kg超または40Bq/cm2を超えるものは放射性物質として厳重管理
 福島原発以外の原発や事業所、研究機関は今もこの法令通りに管理している。
            福島原発に関しては、特別の事態として
・瓦礫処分では8000㏃/kg以下を埋め立てなど通常処分を許可した

食品暫定基準
(~2012年3月、厚生労働省 2011年3月29日)
暫定基準発表後、政府・行政は、暫定基準を「安全を保障する値」と読み替えて、「基準より低く、安全な食品を避けるのは科学的ではなく、過剰な不安だ」と異論や反論発言を抑圧している。

食品暫定基準値(~2012年3月)は、食品が500ベクレル/kg、 飲み物が200ベクレル/kg で、健康被害を避けるため原発から外界に放出、廃棄を禁じている量よりも高い。
法的に100ベクレル/kg超は、原発や事業所で、放置や廃棄を禁止されている(クリアランスレベル)原発から放水を禁止されている量は90ベクレル/L。

食品衛生法では
   「食品衛生法第6条 有毒な疑いがある食品は、販売、製造してはならない」
文部科学省
   「市場に流通している食品は、暫定基準以内だから安全。給食に限って何かをすることは考えていない」
宮城県知事
   「安全だと説明すれば十分だ。測定値を言っても消費者は理解できない」と汚染牛肉の出荷停止記者会見で説明した。

消費者が避けた汚染食品はどこへ?
・廃棄されていない! 安く業者が買って加工食品原料に使う! 給食で強制的に消費させる!   
・食べたら1000人に1人が癌で死ぬ放射線を1万人で分けても1人が死ぬ(確率的作用)。
・薄めて流通する汚染食品の放射線の全体量を増やすと癌は増える。だから薄めて広げてはいけない。
・汚染食品を作らせない、流通させないことが最も大切。

国の政策は、
・有害を安全と説明し、被曝を避けず拡大させる。
・「規制」ではなく推奨強制して食べさせる。 
・汚染されていない地域にも、拡散させる。保留せずに、普通に考えれば誤りとわかる。

汚染食品を規制せず逆に広めるために、原発事故後政府がしたことは?
・産地表示をあいまいにした。産地表示は都市名ではなく、国産や太平洋産でも可とした。
・産地表示を都市名ではなく記号表示で良いとした。(消費者は店頭でわからなくなった)
・安くして加工食品原料に使わせる
・汚染作物を生産と流通を止めず、作らせて「食べて応援」キャンペーン
・汚染地域で生産を止めさせず、作らせて売れ残ったり、価格低下した分だけ保障する。だから
・農家はいやでも作る。作るうちに、東京電力と加害者意識を共有する

福島で、汚染食材を買わないように注意しても、学校給食で強制する
・「教育の一環だから弁当持参などの『勝手は許さない』
・福島など、地産地消
・給食に国産小麦使用を義務付け (2013年4月~)
・福島県は給食に福島産農作物使用には助成金(2013年4月~)

母親たちが、たくさんグループを作って給食汚染に取り組んだ。
教育委員会は以下のように校長に対応させた
・地産地消に不安⇒弁当持参を希望した⇒「給食は教育だから勝手なことは許さない」!
・牛乳を止めて、水筒持参させた⇒水筒の水を捨てさせ、学校の水道水を飲ませた
・給食の放射能を測定してほしい⇒拒否
・給食を自分たちで測定したい⇒不許可!
・生徒が給食を持ち帰って測定⇒窃盗扱い!
・担任教師は給食持ち帰りに無関与だが、不安をあおる言動あったと教育委員会から注意

校庭や環境放射能についての母親たちの取り組みに対して、
学校が行ったこと

・「校庭も給食も安全。不安をあおる言動は異常だ 」、反対意見は存在しないかのような一方的な副読本を配り、講演や説明会を開いた(自治体や教育委員間が強制した)
・心配したり、話題にする親はモンスターペアレンツ扱いした。
・校庭の放射線を測定してほしい⇒拒否
・測らせてほしい⇒立ち入り禁止
・学校周囲の放射線を測ったら高いデータが山積した
・1年して校内の放射線を測定するようになった。測定器を教員や生徒、保護者が自由に使えない学校が多い。
・生徒が校庭で遊ぶことを義務付けた(2013年、東京都)

学校教員
「放射能を話題にすると生徒が不安になる。不安にさせる言動をしないように」生徒の安全や教育について、自分が良いと思うことが禁止されている。
給食の安全が疑問だが、全部残さず食べるよう監視と教育を強制される。
「子供を裏切る、監視と教育をさせられて、教師を辞めたい」
教師が自分の考えを発言する自由と安全がない学校で教育が行われている

福島医大で起きていること
・放射線被曝を話題することができない
・「国がすることだ」と被曝に関した研究や調査を実質的に禁止(憲法23条  学問の自由は、これを保障する)
・医師の10%が退職して福島から避難した
・医師の多くは家族を福島から避難。別居させている
・医師が危険だと判断しても自由な発言や議論ができない大学が、被曝医療の中心になっている

有毒なものを避けることを非難する異常社会
・危険を考えて、避難や、被曝予防措置をとっても外国政府・大企業は批判しないが
・最も被曝を受けている、地元住民が、避難したり被曝対策を話題にすると非難する
・教師が生徒の被曝を心配したり、給食の放射能や、校庭の放射線を話題にすると非難や、処分を受ける異常社会になっている。
・被曝させた加害者が、被害者を非難する社会
・政府に異議ある発言が抑圧される社会になっている。危険です。

(フォーラム・6月11日)
 講師略歴(おかやま  ひろし)
 1948年 茨城県生まれ
 1973年 東北大学医学部卒業
1977=1998年 東北大学第一内科
呼吸器、循環器研究
1988―1901年 米NIH(国立衛生研究所)
遺伝子研究
1998-現在 仙台赤十字病院第2呼吸器内科部長
          東北大学臨床教授
専門  呼吸器内科(慢性気管支炎、喘息、肺気腫、肺結核など)



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国際善隣協会 フォーラム(定例公開講演会、2013年6月11日 東京新橋国際善隣会館)の講演前半部分「放射能と被曝」を省略し、後半の「被曝を誘導する政府・行政の誤りと偽りをまとめたものです。
「善隣2113年7月号 No.433, p10-17, 2013年」に掲載されたものの文章部分だけの転載です(ごく一部修正)。

写真、図付き「善隣」PDFはこちら ↓

http://www.kokusaizenrin.com/latest_zenrinshi.pdf ←クリックすると善隣誌最新号が表示されます。
8月以降に見るときは、 過去の善隣誌をクリックして2013年7月号を開けて下さい
10:11  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑
2013.06.02 (Sun)

国への要望書:放射性廃棄物処分場について

放射性廃棄物処分場について:国の要望書

環境省は、高度に汚染されている、福島第一原子力発電所付近に、きわめて大規模な中間貯蔵施設設置構想を発表し、地元自治体と折衝をしています。
同時に環境省は、
・栃木、茨城、宮城県などをはじめ、汚染廃棄物が多量に存在する、都道府県別に最終処分場を設置、
・福島以外の都道府県では最終処分場、福島では中間貯蔵施設ができるまでの期間として仮置き場設置を進めています。
・比較的低線量廃棄物は、既存の一般廃棄物処理施設を利用した処分と、土木資材への混入利用を進めています。

福島の大規模な中間貯蔵施設構想は以下の点において妥当ですが、妥当でない点があります。

<妥当な点>
・回収、処分すべき放射能汚染物質を2000万トン以上と大量の汚染物質の回収が必要と見積もっていること
・もっとも汚染されている、福島第一原子力発電所付近に、大規模施設を作ること
・もっとも重量・容積が大きい土壌に関して、合理性が乏しい焼却・減容・利用ではなく、土壌をそのままあるいは乾燥処理しただけでの保管を構想していること

<妥当でない点>
・「最終」とすべきところを「中間」施設としていること
・「処分・管理施設」ではなく「貯蔵」としていること
・構想として提示した内容は、「回収、処分、貯蔵・管理」施設である。あたかも、目的が一時的な貯蔵であるかのように見せて、住民と社会を偽る名称である。偽りを含んで正しい処分はできません。偽ることは、住民を軽視、蔑視し、健全な社会運営を阻害するものです。

放射能は減らすことはできず、放射性廃棄物処理とは、集めて管理することです。
各地に作っている貧弱な仮置き場設置・運用と、都道府県ごとの最終処分施設、土木資材への混入利用、一般廃棄物処分場での処分は「集めて管理する」という放射性廃棄物処分の原則に反し、汚染を拡大する側面があります。したがって我々はこれらの施策はやめるべきと考えます。

福島原発事故によって生じた放射性廃棄物処分場に関して、以下(A)(B)を要望します。

(A)大規模処分場構想に関する要望
1. 福島第一原子力発電所周囲に、中間貯蔵施設として構想された大規模施設を全国の放射性廃棄物を対象とした、全国で唯一の大規模な最終処分・管理施設として設置すること。
2. 全国の放射性廃棄物は土木資材への混入利用や、一般廃棄物処理施設での処理、都道府県毎の最終処分場設置、一時的仮置き場の設置・使用など、8000ベクレル/kg以下の放射性物質の埋め立てなど、放射性物質を全国各地に分散させる施策を中止すること。
3. 大規模な最終処分場ができるまでは、国の責任で大規模な仮置き場を直ちに1か所設置し、全国の放射性廃棄物はすべてここに回収して一元的に管理すること。仮置き場は、福島第2原子力発電所とその周囲地域が適切な候補地であり、福島第2原子力発電所敷地と周辺を仮置き場として使用すること。

(B) 討論会と文書による意見発表・討論の場を設けることの要望
広範な 人々の英知、有用な提案を集め検討して、今後の除染と廃棄物処分対策にいかされるように、(1)最終処分場設置と具体的な施設内容についてと、(2)除染と放射性廃棄物処分の具体的な方法をテーマにして、それぞれ討論会を開くことと、文書による意見発表と議論の場を作ることを要望します。
討論会と文書による発表・討論にあたっては、
・参加者・発言者・主催者・司会者が、共同で結論を作るための議論をする意志を共有して参加すること
・意見発表者は一方的に発言して終わるのではなく、個々の発言内容に関して、的を外さない発言・質問・回答を敬意を持った言葉での往復を保障して、共同で結論を作るため運営会の運営を行うことが必要です。

除染と放射性廃棄物処の方法について、多くの提案が存在します。
本提案を作成するなかでも、広範な山林と植物の処分、除線方法としてリグフェノール製造などの技術提案がありました。私たちは、この提案も含めて、広範な人からたくさんの具体的提案を募集し、公開して検討することを要望します
13:59  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2013.06.02 (Sun)

全国自治体への要望書:放射性廃棄物処分について

福島第一原子力発電所事故で生じた放射性廃棄物処分に関する全国自治体への要望書

以下を要望します
・放射性廃棄物を生じた自治体は、自治体住民の危険を避けるためと、自らが周囲に対する新たな汚染源・汚染の責任者とならないためにも、100ベクレル/kg以上の、除染活動や焼却によって生じた廃棄物は、自治体が溜めこまずに、東京電力福島第2発電所に搬送して引き取らせること。

理由
放射能は人の力や化学反応で減らすことはできません。
除染や放射性廃棄物処理とは、放射性物質を、人への影響が少ない所に集めて管理することです。

現在環境省が進めている対策は
(1)都道府県ごとの最終処分施設
(2)土木資材への混入利用、
(3)各地に作っている貧弱な仮置き場設置・運用、
(4)一般廃棄物処分場での処分です。
これらは、「集めて管理する」という放射性廃物処分の原則に反し、汚染を拡大する側面があります。

福島第一原発以外の原発や事業所は、法令によって現在も従来通り、1000ベクレル/kg以上は、埋め立てなどの通常廃棄や放置が禁止されています。健康被害を起こさないためです。

したがって、除染と放射性廃棄物処分は以下のようにすべきです
(1)全国の放射性廃棄物をすべて回収・管理するための大規模な最終処分場を、福島第一原子力発電所付近に造る
・全国の放射性廃棄物は、1か所に回収し、広範な地域や環境中に拡散すべきではない。
・処分場は責任ある一元的な管理をすべきである。
・環境省が、福島第一原発付近に構想している、「中間貯蔵施設」は2000万トン以上の様々な形状の廃棄物を回収、処分、管理するという極めて大規模な施設です。これを中間的な貯蔵施設としてではなく、全国の汚染廃棄物を回収・管理する最終処分場として運用すべきです。

(2)最終処分場を造るまで、廃棄物は各自治体や個人がかかえこまず、東京電力に引き取らせる
・放射性廃棄物に限らず、他人や社会に有害な廃棄斑が生じた場合は、有害廃棄物を出した個人や事業者が、汚染物除去と廃棄をする義務があります。
・したがって、福島第一原子力発電所事故によって生じた有害物質である、放射性廃棄物は、東京電力がひきとって処分すべきです。
・現在、東京電力も国も、そのような体制をとっていません。

・除染活動や、上下水道施設沈殿物や、ごみ焼却場で、たくさんの放射性廃棄物が出ています。それらは今後更に増加します。

・このような状況において、生じた放射性廃棄物は、不十分な各地の仮置き場などに分散、放置(管理)したり、800ベクレル/kg以下の放射性廃棄物を通常の廃棄物処分や、埋め立て処分をすべきではありません。
事業所や研究所、原発等、福島第一原発以外は、今も従来通り法令に従って、100ベクレル・kg以上は放置や、通常廃棄処理はきんじられ、管理が義務付けられています。健康被害を防ぐためです。

・福島第一原子力発電所以外の放射性物質を扱う全ての事業所や研究機関は、放射性廃棄物は、現在も頑丈な恒久的な放射性管理施設で厳重に管理することを法的に義務付けられています。ビニールで覆って管理することなどは認められていません。

・現在収容管理すべき放射性物質の量は、全国の研究機関や事業所よりも何千何万倍と多いにもかかわらず、「仮」という言葉を使うことによって、厳重な管理施設の義務を免責しています。
・このような施設に多量の放射性廃棄物を集めて貯蔵することは、仮という脱法的名称と、従来は放置や簡易保管が認められず、厳重管理が義務付けられた放射性物質の基準濃度を、数十倍、量的には通常事業所で厳重に管理される数百数千倍の放射性物質の量になります。

従来通りであれば、あるいは福島第一原子力発電所以外では絶対に認められない莫大量の放射性物質を、簡便なビニールシートで覆うだけ等、一時しのぎのきの粗雑な管理をさせています。
管理というよりは、その名称通り、風で飛ばないようにビニールシートで覆うだけ等というような粗雑なごみ置き場です。

・従来の法律を無視して、場当たり的に作った、仮置き場で放射性廃棄物をこのように置おいておくことは法的にも許されるべきではありません。

環境汚染と人体への健康被害を回避し、安全を確保するうえでも、すべきでないことです。

・またこれまでの法律で守られていた基準を、何十倍、何百倍に上げたうえで、各自治体が抱え込むことは、住民に対する義務違反になります。

・したがって生じた放射性廃棄物は、自治体が抱え込むことなく、東京電力に引き取らせるべきです。
本来は東京電力が各自治体に来て、謝罪し、費用負担を明らかにしたうえで実際の汚染廃棄物胥吏事業を依頼、契約し、生じた廃棄物を東京電力が準備した管理施設に回収すべきです。

・各地に「仮置き場」を作って一時保管し、8000ベクレル/kg以下のものは埋め立てて、それ以上は、汚染廃棄物が多い都道府県には、都道府県ごとに最終処分場を造ることが環境省の方針です。これは各地に分散することでもあり、すべきでありません。

・都道府県ごとの処分場を最終処分場としながら、福島の大規模処分場を「中間貯蔵施設」としていることも、整合性がなく場当たりな、いいのがれの方針です。

・東京電力が回収しない現状では、廃棄物の引き取りを東京電力にまず要求し、引き取りに来なければ東京電力に搬送費用を後日請求し、東京電力に搬送して引き取らせるべきです。

福島第一発電所に搬送することが本来のあり方ですが、事故を起こした福島第一発電所に搬送することは、事故処理を妨げることになります。
東京電力本社に搬送しても置いてくる場所がありません。

現時点においては、放射性廃棄物を搬送先としては福島第2原子力発電所が最適です。
福島第2発電所は福島県議会も福島県知事も廃止を要求しています。
福島第2原子力発電所は、福島第1原子力発電所に近く、今回の事故で強く汚染された土地でもあり、職員は放射能管理の知識を持っています。広大な敷地があり、隣接地も広大です。

・放射性廃棄物=有害物質をまき散らされた、個人や事業所自治体は、自らの土地に蓄えず、福島第2原子力発電所に搬送することが、放射性廃棄物処理の原則からも、社会道徳からもすべきことです。

13:26  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2013.06.02 (Sun)

福島第2原発に、全国の放射性汚染物を送りつけて管理させよう

福島第2原発に全国の汚染物を送りつけ管理させよう

はじめに
政府は、各地に放射性廃棄物「仮置き場」をつくり、汚染された各県毎に最終処分場を造る方針で各県と折衝をすすめています。
福島県には大規模な処分場建設の構想を持っています。
この大規模処分場こそ、放射線処分の中心にすべきです。
しかし政府構想では、福島県内から集められた廃棄物のみを対象とし、「最終処分場」ではなく「中間処分場」としています。
 
これまで私は「各地の除染作業で集めたり、焼却施設の残灰などの汚染物資は、福島第一付近に、すべて集めて管理する処分場を造るべきだ。政府はこれを作れ」と主張してきました。
これに賛同して下さる方たちが全国的な署名活動を展開し、政府や関係自治体に要望してきました。

この主張は、今でももっとも正しい方針と考えています。

しかし政府と東京電力は、福一付近の土地を、唯一最大の処分場を造るために被災者から買いとってすぐに処分場を造ることを行わず、福一付近の住民も、政府宣伝の下で協力的ではありません。

福島第一原発周囲の高汚染地域の被災地住民方のためにも、「高汚染地域に帰ることを目指してはいけない、汚染されていない地域を政府に準備させて新たな生活を早く始めたほうが良い」と今も考えています。
しかし上述の現状で、上述の要求をするだけでは、各地にそんざいする放射性廃棄物を首里できません。

このような状況の下で、放射能汚染物処分をどう考えるべきか、私は以下のように考えています。

全国の放射性廃棄物は、大規模な最終処分場1か所に回収して処分・管理すべきである。処分場を作る場所は福島第一原発付近の汚染された土地以外にはありえない。
全国各地の「放射性廃棄物 仮置き場」や「最終処分場」の候補とされた地域の人たちは、各地域ごとに放射性廃棄物を留めておくべきではない。
各地に処分場や仮置き場を作る国の計画を受け入れるべきではない。
全国の廃棄物は、東電福島第2原発に送り付け引き取らせる事が最善だ。

放射能処分・除染とは何か
・ 人の力や、化学反応で放射能を減らすことはできない。
・ 人ができるのは放射能を移動することだけ
・ 放射能の処分や除染というのは、人に影響を与えやすい場所から離して集めて管理すること
・ 汚染されていない地域や広範な地域に拡散したり、大気や水、土壌に拡散するのは、放射能処分(集めて管理)とは逆のことで、してはいけない
・ 除染するということは移動することだから、集めて管理する処分場を造って初めて可能になる。除染するためには回収して管理する処分場を造ることが最初に行うべきことだ。
・ 家や道路を洗って放射能を減らしてもその放射能は周囲に移動、拡散して汚染を広げることだ。放置よりも悪いことが多い。

<それまでは福島第2原発に全国の放射性廃棄物を送って管理させよう>
① 拡散は、放射能汚染物質の処分の大原則である「集めて管理」と逆であるから、各地に処分場を造ること自体が、拡散であるからすべきではない。
② 放射能汚染が少ない地域や場所に新たに放射能を持ち込んではいけない。放射性物質もちこみを拒否して、地域を放射能から守るべきだ。
③ 「仮処分場」「中間施設」と表現することで、「ごく一時的で近未来にはどこか最終処分場に移すまで一時的例外的に我慢すればよい」という、幻想を作る
④ 協力、理解を求めるべき住民を初めから欺いて進める方針はすでにその時点で、行政の在り方として正しくない。方針が誤っていることをさらに裏付けるものだ。

④ 近未来に最終処分場に移すなら、初めから最終処分場を造るべきだ。完成するまではそこに仮貯蔵すべきだ。
⑤ 放射性汚染物の処分場は、法令で厳重な設備の規定がある。「仮」「一時的」と言う言葉を使うことによって法令によって定められた厳重な安全対策を逃れさせる。放射能処分場で、「ビニールで覆っているから安全」などというまともな処分場もまともな説明もありえない。

⑦ 千葉を始め各地で出た汚染物質は、書く地域ごとの「仮置き場」におかれているが全国の放射性廃棄物は、直ちに、1か所、(最終)処分場に集めて管理すべきだ。
⑧ 汚染させた加害者は東京電力だから、政府の責任で東京電力に直ちに引き取らせるべきだ。
⑨ 引き取って処分管理する最適地は福島第一原発周囲のもっとも汚染された地域と考える。
⑩ しかし、東京電力も国もそこにすべての汚染物質を集め管理する施設を作っていないし作ろうとしていない。
⑪ そうであれば、各地で集めた汚染物は東京電力に配送、持ち込んで管理させるのが良い。
⑫ 持ち込む先は、福島第2原発だ。
⑬ 広大な敷地がある。
⑭ 福島県知事も福島県議会も、多数の福島県民も福島県で原発を再稼働しないことを求めている。
⑮ 福島第2原発北側に隣接して、原発敷地と同じ広さで地形もよく似た丘陵地がある(衛星写真。第2原発を拡大するための候補地として考えうる広さと地形だ)
⑯ 全国で出た放射能汚染物質は即刻福島第2原発か隣接した丘陵に仮処分場を造って引き取らせる。
⑰ 国や東京電力が、処分場を造るか否かにかかわらず、福島第2原発に送りつけて引き取らせることが、全国で放射能汚染物の処分に困っている自治体や団体、個人がおこなう最善の方法だ。

(資料)
中間貯蔵施設の規模
・容量(推計) 1500 万 m3~2800 万 m3
・必要敷地面積(推計) 約3km2~約5km2
中間貯蔵施設の構成
●受入・分別施設
・重量計量、放射線測定、分別を行う施設(屋内ヤード)
●貯蔵施設
・飛散防止、地下水汚染防止を行う。放射線の遮蔽等を厳重に行
い、敷地境界での追加的被曝線量を管理。
●減容化施設
・焼却施設
(災害廃棄物、除染で発生した草木・汚泥等の焼却・減容用、放
射性物質飛散防止型)
・その他の減容化施設(ふるいわけなどを今後検討)
●常時モニタリング施設
・空間放射線、地下水モニタリング施設
●研究等施設
・減容化、高濃度分離の基礎・実証研究施設
具体的な内容は、今後検討
・・・・以上は環境省構想概要・・・・・

この環境省構想は
 ・容量(推計) 1500 万 m3~2800 万 m3
・必要敷地面積(推計) 約3km2~約5km2
という極めて大規模なものです。

<A> 私の考えと異なる点や利権・責任逃れにつながりうるという点で、危ういものを含んでいますが、①それくらいの規模でやらないと、処理できないことを認めて、方針としたことと ②福島第一付近の汚染された土地に大規模処分場を造る ③ 除染で集めた大量のづ地は焼却処分などせずにそのまま保管 という意味で正当なものです。

正しくない考え方で重要なものは以下の2点です。
① 最終処分場ではなく、中間施設としていること
② 福島県内の汚染物だけを対象にしていること

基本的なことではなく、技術的なことで私の考えと異なるものもいくつかあります。
私の考えと環境省構想で重要で異なる点のいくつかは以下です

しかしこれは技術的問題なので、基本的な相違とは考えず、今後議論する課題としてよいと思います。
私の考えは以下です。
<積み上げる位置> 土壌から水が浸透しうる、地表より低い位置ではなく、地表よりも高い位置に積み上げる
環境所構想では、福島第一原発付近の丘陵地に大規模施設を作り、地表下に貯蔵するとしています。

<焼却処分を基本にするのではなく、(有毒化学物質を発生しうる一部の廃棄物は、焼却処分や化学処理が必要だが)除染作業などで集めた土壌や等はそのまま積み上げ、植物などは腐敗・分解して流出しない対策(簡単で有効なのは乾かして、そのあと、雨水や土壌から水が浸透しないようにすること)だけをして積み上げる。今回の環境省案では、量が最も多くなる除染で集めた土壌を、「焼却等せずに管理する」としたことは、私の以前からの考えと同じで、評価すべき内容です。

福島第一付近の汚染された土地に、大規模な処分施設を作るという点では、環境省構想は可です。

 以上のことから以下が方針になります。
政府に対する要求
①強く汚染されてしまっている福島第一原発付近に 
②大規模な最終処分場を造り、
③原発事故で生じた、全国に拡散した放射能汚染物質をすべてここに回収して処分管理する。
(これが、これまで行ってきた署名運動の主張です。時間がたって状況が変化したり修正したほうが良い部分もありますが、基本は同じなのでこれまでの運動はの継続として主張します)

全国の人々、団体、自治体に対する呼びかけ
① 福島第一原発から離れたところで処分。管理すること自体が、放射能拡散なのですべきではない。
② 各地に分散すると、長期的な管理がおろそかになり新たな汚染を生じる
③ 「中間」「一時的」という施設は、長期管理に自覚と対策をおろそかにする。後日移送する施設を造らない口約束は、既成事実を作ってそのまま固定化するという、社会と人々を偽るものだ。
④ 始めから偽りを持った担当者と方針では、正しい放射能処理はできない。偽りを含んだ口約束は社旗の健全も阻害する。
⑤ 放射能処分・管理する施設は、厳重な設置基準や管理規定が法的に決まっている。きわめて不十分な放射能管理施設を既成事実として造るために「一時的」「中間」という名称をつけることによって、安全性を著しく軽視し施設を作るための、放射性物質管理・処分の規定から著しく外れた施設を作る脱法行為だ。

したがって、
① 福島第一付近にただ一つの最終処分場を造らせ、そこに全国に拡散した放射性物質を集め処分・管理させるべきだ。
各地の自治体が引き受けてはいけない。住民の安全を阻害する。
② 有毒物質であれ、悪臭等周囲の生活に有害な物質をまき散らしたら、まき散らした責任者が、謝罪・始末・賠償するのが当然だ。放射能汚染物質も同様だ。
③ だから福島原発から全国にばらまいた放射性物質は東京電力の責任で、謝罪・始末・賠償すべきだ。
④ 東京電力が、汚染物質引き取りを積極的に行っていない現状でも、全国の放射性物質による汚染の回復と、汚染物質回収は東京電力の義務だ。
⑤ 各地に分散した放射性物質は、各地でため込むことは住民に不当な損害を強いるもので、住民の利益のために存在している自治体がこれを行えば、住民のための自治体ではなくなる。
⑥ 自治体が行うべきこと
・除染活動や、ごみ焼却、上下水道施設で集められた放射性物質を東京電力に引き取らせる。
・東京電力が、自らの責務として、始末し引き取らない場合は、集めた放射性物質を自治体が抱え込まず、東京電力に送りつける。除染にかかった費用と、送りつけるための運送費・経費は東京電力に支払わせる。
・支払を拒否する場合は、後日再度要求することを通告する。支払要求を民事・刑事裁判にかける。

汚染させた、有害物質を引き取らせることは、自治体の責務であるだけでなく、汚染された個人や団体等誰もが持っている権利です。
汚染物質を東京電力に送り返す活動は、自治体が責務として行うことと同時に、汚染された住民・個人・団体が行っていくことが正しいと考えます。


・ 政府に対する要求としては、「福島第1原発付近の強く汚染された地域に大規模な放射性物質最終処分管理施設を作り、全国の汚染物質はすべてここで管理する」です。
・ 福島第一原発付近に、全国に分散した放射性物質は福島第一原発周囲の汚染の強い地区に大規模な最終処分場を造ってそこに引き取らせることが正しいが、そのような処分場は現在存在していない。

福島台地原発付近に最終大処分場が存在しない、あるいはそれが完成するまでは、「全国の汚染被害者・自治体は、放射性汚染物質を各地にためっこまず、東京電力に引き取らせる。運搬先は福島第2原発」だということです。福島第2は国に要求することではなくて、全国の人や団体、自治体に呼び掛けるものです。


(注)本稿は、多忙のため未完成ですが、発表を更に遅らせてはいけないと考え掲載しました。2013年2月に書いたものです。
12:02  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2013.03.23 (Sat)

「未来に生きる子ども・たち孫たちを守るために」横手講演会録画

              未来に生きる
   子ども・たち孫たちを守るために 
   ―いま大人が出来る事は何?―
 
  
                講演会録画
   2013年3月17日(日)横手市かまくら館ホール


            横手講演録画(A)-前半
            横手講演録画(A)-後半

           
              (講演会録画(B)前半)
              (後半は録音不良)
            横手講演会ーその1
         横手講演会‐その2
18:09  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑
2013.02.26 (Tue)

冊子「放射線の影響とこれからのこと」多賀城講演録画と書き起こし

         放射線の影響とこれからのこと。
           ―――知ろう訊こう考えよう―――

            講演会in多賀城 岡山博医師 
                         
           主催  「放射線被曝から子どもを守る会 多賀城」 

この文章は、主催者HPの講演録画を見て書き起こし、「アヒンサー:未来に続くいのちのために。原発はいらない」誌 第4号に掲載して下さったものを転載したものです。転載にあたって段落を入れ、図と注釈は省きました。

・・以下、「放射線の影響とこれからのこと」講演と発言録画書き起こし・・・
(岡山 博)   どうぞ、途中でも質問してください

今日は、放射能について、あるいは被ばくについての知識の提供と、それに対して、私がどう考えるか。この考えるというのは、みなさん一人ひとり、みんな違っていいことです。なる程と理解するのは知識のところまでです。

本当にその考え方がいいのだろうか、別の考え方もいいのじゃないだろうか、という議論があった方がいいのです。
いい議論が出来るためには、「それは違うのではないか」というのが出てくることがとっても価値があります。

大切なことは、自分で判断することです。私の言っていることはいいこともあるし、悪いこともあるかもしれない。
仮に良いことがあったにしても、こことここは正しそうだと、ここはちょっとあやしいから保留しておくとか、そういう聞き方をしてください。
それで、どうぞ、途中でも質問してください。「それは違うんじゃないか。私だったらこう考える」とか、「自分はうまく理解できない」とか、そういう質問をしてください。

今、福島県立医大が中心になってやっている国の被ばく対策というのは、「被ばくに対するストレスが多い。そのストレスを解除するためにサポートすべきである」という立場です。

それで甲状腺の検査をしているのも、「甲状腺の検査をして、早く病気を見つけて治療をしよう」というのではなくて、「不安があるから検査をします」というのが基本的な立場です。

放射能のこととか専門的な話も少しはします。そういう知識は深く理解すると、より深く理解できてとても楽しいです。考える役に立ちます。
しかし、そういうことがなくても、考えることは十分にできますから、面倒くさい話はとばして、全部覚えてくださらなくても結構です。

      放射線とは
放射線というのは紫外線ととても似ています。
紫外線も放射線の一部と考えることが出来ます。

例えば、新聞紙などを日なたに出して置くと、色が黄色くなってボロボロになってきます。
それは新聞紙を作っているいろいろな物質が紫外線で少し壊れて、性質が少し変わるからです。
そういうのを「変性」といいます。
そうではなくて、例えば、新聞紙は火をつけると、ほとんど水蒸気と二酸化炭素と灰になって残りますが、もうこれは始めの新聞紙と全然違いますから、これはまったく別の物質になったものです。

放射線を出す物質を放射性物質といいます。放射性物質から出る放射線というのはアルファー線、ベータ線、ガンマ線というのが主要ですけれども、どういう放射性元素から出るかということによって、放射線の種類と放射能は違っています。

大体100種類くらいの放射性物質が原発で作られます。

放射線を出す能力を放射能といいます。
放射能はだんだん少なくなっていきます。
それを半減期といいます。
ある時間が経つと半分になり、また同じ時間が経つとその半分になるというふうに、ひとりでに減っていきます。半減期の短い放射能はより強力な放射線を出します。

有名なヨウ素131は、半減期が8日です。
8日間経つと半分に減り、また8日間経つとさらに半分の4分の1になる。
それで1回の半減期8日というのを10回やると、80日で大体1000分の1になります。この半減期というのは、放射性元素の性質として決まっていることで、人間が短くしたり弱くしたり、無くしたりすることはまったく出来ない。
それが、普通の毒とまったく違う放射能の性質です。


      東電福島原発の爆発
原発では、原子炉の中で燃料のウランが核分裂をしています。
核分裂をするとウランの核が二つにわかれて、この時に元の1億倍もの放射線とたくさんの熱が出ます。
原発1基を1日動かすと、広島原爆の3発分くらいの放射能が出来ます。
それが毎日どんどん、どんどん溜まっていく。

半減期の短いものはどんどん減っていくけれども、半減期の長いものは燃料の中にしっかり残っているわけです。それが厄介な使用済み核燃料です。

3・11では、東電の福島原発で、原子炉の中の核燃料を冷やすことに失敗して、燃料が溶けて、それによって発生した水素が原子炉の外に出てボンと爆発しました。
日本のテレビでは放映されていませんが、インターネットでは良く放映されている3号機の爆発。

上空800㍍まで飛び散って、キノコ雲ができて、上から瓦礫がバラバラ、バラバラ落ちてくる。
原爆とほとんどそっくりです。
細かい砂は風に乗ってウワーっと広がる。
もっと小さいホコリはいつまでも空気中に浮いている。

瓦礫も砂もホコリも、全部放射能がくっついていて、そういうものがあらゆるところに、世界中に広がっていきました。
そして、放射能は空気中にホコリのように浮いていますので、この時、雨とか雪が降りますと、浮いているホコリを全部雨とか雪がくっつけて下に落ちます。

そうすると、空気中に浮いている放射能の量は同じでも、その後、数日から数十年にわたって、地面にどのくらい溜まっているのかというのは、その時の雨と雪とで大いに違ってきます。


      逃げるのが一番重要だった
この時期に一番大切だったのは、いま放射能が来ている。危ないから逃げるということと、この後どうなるか分からないから逃げる。
これがとっても大切でした。

日本列島というのは基本的に西風が吹いていますから、爆発して飛んで行った放射能のホコリは、9割が海の方に流れ、海に落ちました。

しかし、空気の流れ、風というのは毎日一定ではないですから、日によって行ったり来たり、南風になったり、北風になったりいろいろします。

だから、陸上を汚染したのは1割だけでしたが、その時低気圧があったりして、東風だったら今の10倍の汚染があった可能性があるのです。

そういうのが分かったのは、ずっと後のことです。
だから、あの時点では、これからいろんな可能性があるということで、できるだけ逃げる、早く逃げるということが非常に大切でした。

それから逃げられない人に対しては、絶対に、危ない放射能を食べるな、水は飲んではいけない。
それからホコリをかぶっているから、家に帰った時には、玄関で全部上着を脱ぎ捨てて、すぐにシャワーを浴びて洗い流すということが、とても重要だったのです。

爆発した直後というのは、数分とか1時間とかいう半減期の短い放射能がたくさんあったのです。
だから爆発したはじめの数時間とか数日というのは、そういう強力な放射能を吸いこんでいた可能性がありました。

空気中に浮いているホコリを吸いこむのは、極めて危険です。

それから、そういうホコリは地面に落ちてきて、水とか野菜を汚すわけです。
この時の放射能はとても高いです。

それを食べるのは極めて危険ですから、当然、そういう物を食べてはいけないです。

しかしこの時に、そういうことに対して国が言ったのは、「直ちに健康に影響はない」と。
「まだ放射能は大したことはない」と。

何か新しいことが起こるたびに、可能性の一番軽いものだけを言って、それ以上の悪くなる可能性とか、それから、すでに悪いけれどもまだ測定されていない、もっと悪い可能性については、発表しないだけではなくて、「もっと悪い可能性はないのか」、「これからもっと悪くなる可能性はないのか」という質問をすることも禁止しました。
「不安をあおる」と。
「そういう人を相手にするな」と。

それでマスコミは、政府とか東京電力に質問することもしなくなりました。
それで「これくらいは安全です」ということだけが出てきました。

このころ専門家という人たちが、盛んにテレビに出て解説しました。
「これくらいは大したことではない」、「心配する方がずっと有害だ」と。

飯舘村は非常に強い放射能汚染を受けた所ですけれど、「心配するな。子どもを外で遊ばせなさい。自分の家で作った野菜は、大したことはないから食べなさい」と、わざわざ食べさせました。

そして「どうなるか分からないから、そんなことをしちゃいけない。危ない」と言った人は、不安をあおるといって、みんな仲間外れにされました。
これは社会からもそうだし、家族の中でもそうです。特に小さい子どもを持ったお母さんが心配すると、爺さん婆さんからよく言われました。

「お前は神経質すぎる。国だって県だって、大丈夫だと言っているじゃないか」と。

そういうことで、家族で話が出来なくなって、ほとんど家庭崩壊のようになった家がたくさんあります。

ともかく、政府とか東京電力が、「これくらいなら大丈夫だ」と言ったことを真に受けて信じた人が、避難しないでたくさん被ばくをしてしまった。飯舘村、福島市でも子どもを平気で雪で遊ばせた、家の野菜を食べさせた、ということが続きました。

      東電は爆発することを知っていた!
それでは、国とか東京電力は本当に安全だと考えていたのか。
3・11に地震があって、原発で事故が起きた。

いろいろやっているけれども、うまくいくかどうか分からないという時点で、東京電力は、「あと7時間半したら大爆発する」ということを予測しました。

この時点で、東京電力は従業員の家族を、福島県からすぐ退避させるという行動をとりました。
爆発する前です。

東京電力の家族が、これは大変だということで、自分の知っている人や、少しでも知っている人にどんどん電話をかけまくった。

それで避難できた人がたくさんいます。それは原発のある浜通りだけではなくて、中通りでもそうです。

東電の人たちがさっさと逃げて、けしからんということではなくて、逃げるのはもっとも正しいことなのです。
悪いのは逃げたことではなくて、他の人に逃げるなと言って逃げるのを妨げたこと、逃げるのが大切だというのを、うんとみんなに知らせなかったことです。

逃げたことが悪いのではなく、逃がさなかったことが悪いのです。

      パッと正しい反応した外国
この時の外国の反応はすごかったです。
パッとみんな正しい反応 をしています。
ヨーロッパの国はほとんどです。
「日本からすぐ避難しなさい。それが出来ない人は関西に逃げなさい」と。

フランス政府は、すぐにチャーター機を何機も頼んだ。
それからアメリカの原子力空母が宮城県沖に来ました。ところが、福島原発からの放射能のホコリで空母が汚染されたということで、退避しました。

それから、震災報道のために、世界のもっとも優秀な報道機関であるイギリスのBBC放送とアメリカのCNN放送というのが、仙台に震災の報道の拠点を作ったのですけれど、福島原発が爆発したときには、すぐに秋田と山形に拠点を移動しました。

日本の大半のマスコミは、記者の安全のために、50㌔以内に記者を入れないことにしました
。それから多くの日本の大企業が数日後に、東京だって危ないということで、本社機能を大阪へどんどん、どんどん移転しました。だからみんな危ないということを知っていたのです。

フランス政府は日本に住んでいるフランス人のために、去年(2011年)の12月までに8回も勧告をしています。
「検査体制が不安だ。福島や宮城、栃木、茨城の農作物は要注意である。ちゃんと測定されて確認されている物だけを食べなさい。はっきりしていないものは、注意しながら食べなさい」と。

それから、「基本的には日本に行くのはやめなさい。やむを得ない事情で、この4つの県で生活するようなことがあれば、「外からホコリを家の中に持ちこまない。雨の日は外の汚れた放射能の泥を家に入れないために、靴を家の中に持ち込まないように」と。ホコリは放射線を出す塊ですから、そのホコリを捨ててしまえばいい訳です。それを放っておくと、30年してもセシウムは半分になるだけで、ずーっといつまでもその毒があるわけですから、そのホコリを「小まめに小まめに拭き取って捨てなさい。子どもが外で遊ぶのはとっても危険だ。外は放射能だらけだから、外にあるものは決して口に入れないように、子どもが外に居るときは見張っていなさい」などと、日本に居るフランス人のために何度も何度も勧告している。これは正しいことです。

だけど日本の政府とマスコミは、「汚染はわずかだ。危険はない」と。
「あわてるな、家に留まれ、危ないという人は不安をあおる変な人だ」と。
そして「そんな人の話を聞くな」というふうに言ったわけです。

      世界で作られた拡散の予測図
放射能はどっちに行くか、どれくらい汚染されるかというのは、その時の風の方向と強さと、それから福島の原発からどれくらいの量が拡散して飛び出しているかということ、この3つで計算されるのです。
それが分かれば、風下から離れることが出来ます。

これは、ドイツの気象庁が発表した予測図です。
爆発して飛んで出た放射能のホコリがどういうふうな広がり方をするかという図です。
日本の気象庁が発表した天気関係のデータを使って計算したものです。

日本政府が原発でどのくらい放射能が出ているかということを発表すれば、ここに直接数字を入れることが出来ます。
しかし、日本政府はそれを発表しませんから、ここまでの割合の予測しか出せなかったのです。それでもこれがあることはとても役に立ちました。

ドイツのような予測図をスウェーデン、台湾、オーストリア、オーストラリアなどが出してくれました。
それをインターネットで見ることが出来たのですが、普通の人は見られなかった。
新聞社とか放送局はそういうのを見て知っているのですけれども、それを放送することをしませんでした。

日本政府も原発事故に備えて、スピーディという予測を作る優秀なコンピュータを大変なお金をかけて作っていたのです。
それを政府はアメリカ軍には伝えたけれども、国民には伝えない。
福島県には届いていたけど、県民に伝えない。ということで、みんな早く逃げることが出来なかったのです。

      私が非常に心配していること
現在も放射能はあります。
一つは、原発からまだ放射能のホコリが出ています。
原発から水蒸気がウワーッと上がっていますが、当然あの中には放射能が入っている。
それから非常にレベルの高いホコリもいっぱいありますから、風で当然舞い上がるわけです。
非常に大量です。

それは原発が爆発した時と比べれば、はるかに少ないけれど、しかし、普通の日常的な世界であったら、どの1日があっても世界的な大事故になるようなレベルのものが、今でも出されている。

もう一つ、私が非常に気にしているのは、全国で牛肉が、セシウムで汚染されて出荷停止になった。
その原因は、全国で宮城県の稲わらが牛の飼料にいいというので使っていた。
その稲わらがセシウムで汚染されていたからです。
ということは、稲わらだけじゃなく、周辺にある草や落ち葉が、同じように汚染されているということです。

こういう稲わらや落ち葉を、普通どうしていたかというと、飼料にする以外は、全部野焼きでどんどん燃やしていたのです。
宮城県の稲わらが多い時で1㌔当たり1万数千ベクレルという非常に高い放射能が出ましたけれども、いま、放射能の付いた枯草を野焼きしたら、放射能は煙と一緒に飛んでいくか、後の灰に残るのです。

高速道路を走っていて野焼きの煙で先が見えないことがありますけれど、それはみんな近くに落ちるわけです。

燃やして重さがうんと少なくなって、放射能が全部灰に残って、重さが全体の20分の1に減ったとします。
そうすると放射能は減りませんから、燃やしたために重さ当たりの放射能は20倍になるということです。
今でも野焼きを続けています。
どんどん燃やしています。

私は、この野焼きが危ないと、あちこちで言ったのですけれども、結局ちゃんと取り上げられなくて、野焼きは全然規制されていないのです。

その結果、放射能の煙を呼吸しています。
野焼きだけでなくて、薪ストーブが同じようにとても問題なのです。
農村部とか山間地帯に行くと、自分の敷地内にある木を切って乾かして、それを燃料にしたりいろいろ使っているのです。
それから残った灰は、焼畑農業と同じで、全部肥料として畑に返しているのです。

これは考えればすぐわかることです。
それを規制するということは非常に簡単な話ですけれど、それをやっていないです。

そういうことで、農村地帯の野焼きとかゴミ焼きや薪ストーブ、これによる大気汚染、呼吸器からの内部被ばくは、もしかすると、原発の大爆発によって起きた空気による汚染よりも高いかもしれない。でも、そのデータはまったくありません。それを心配しています。

      放射能は消えない
原発の事故が起こる前から文部科学省の指示で、どの県も降下放射能*というのを測っていたのです。
降下放射能というのは、上から落ちてくる放射能です。

普通何マイクロシーベルトというのは、地面からくる放射線ですけれど、降下放射能というのは、放射線を出す粒が空気にフワフワ浮いている。それが落ちたものを測っているのですけれど、福島県と宮城県は地震でこの計器が壊れました。

福島県は2か月もしない内に測り始めたのですが、宮城県は機械が壊れたからと言って、12月まで測りませんでした。

それで、放射能で汚染された稲わらを食べた牛の牛肉がうんと汚染されたのが分かって、その原因は上から落ちてきた降下放射能ですが、これは全然測っていない。
その後、野焼きとかでどのくらい降下放射能があったのか、宮城県はデータをとっていないので、まったく分からないのです。

福島県はばく大です。
山形県も相当やられています。

山形県よりも宮城がはるかにやられているはずなのだけれど、それを東京に持って行って測ればよいことを怠ったのです、宮城県は。

それで現在はどうなっているかというと、フワフワ浮いていた放射能のホコリは風で遠くに飛びます。
雨と雪ではどさっと落ちます。

この放射能はもう消えない。
セシウムなら30年経つと半分になるというだけですから。
それ以外は移動しない限りそこにある。

そうすると、雨で落ちてきたホコリは水と一緒に流れていき、水溜りになります。
水溜りになったものは乾きます。
でも乾くのは水だけで、放射能は全然なくなりませんから、水溜りにどんどん溜まってくる。

それから藁とか枯草というのは水をうんと吸いますから、吸って乾いてを繰り返して、放射能がうんと溜まっていきます。

それから、山の中では放りっぱなしですけれど、公園とかでは人が落ち葉を集めます。当然、落ち葉や草はだんだん腐ったり乾いたりして容積が小さくなっていく。

すると放射能は全然変わらないから、重さ当たりの放射能はどんどん高くなっていく。
そういうようなところが、宮城県にはいたるところにあります。

      福島は原発の一番いい立地場所だった
福島原発を東京電力が造った時に、一番いい立地を考えたのです。
その後はだらだらと基準を下げて、どこへでも造るようになりましたけれど。

つまり、事故が起きた時、東京から離れていて、東京が汚染されないで、放射能は海の方へ行く。
太平洋に面していて、放射能が出たら湾の中じゃなくて全部大海に流れ出して、しかも大きな海流で運び出してくれる。
そして、そこへいつでも西風が、陸から海へ吹いている。

そういう立地を福島県に見つけたのです。

その前に茨城県に原発を考えた時も、同じでした。

あの時の風向きで放射能は宮城側に来ました。
その後、白石まで来たところで風向きが北風に変わったので、福島の中通りが汚染されたのです。
もし、この時にあと数時間同じ風向きが続いていたら、仙台は福島と同じです。

これは後になってわかったことです。
だから仙台でも汚染される可能性があったから、仙台の人も福島の人も、あの時点では出来るだけ逃げなければいけなかったのです。

今、福島とか郡山も非常に汚染がひどいのです。立ち入り禁止にできなくても、本当は住んではいけない、それくらいのレベルです。

非常に汚染された海
次は海です。
海は非常に汚染されたのですが、陸地と違って水があって希釈されるし、流れていくものです。
はじめに一番多かったヨウ素は、今はもうほとんどありません。

この図はアメリカ海軍が作ったものです。

黒潮の海流が南から、親潮の海流が北から来ます。
二つの大海流です。

福島から出た汚染水は、親潮の大海流で南に運ばれる
。それで黒潮とぶつかって東に行く。
それから互いがぐるぐるぐるっと渦を巻く。
渦を巻いて仙台に行くのです。

そして空気と違って、海流は常に一定していますから、何か月も同じような状況が続いています。
こういう図があると、どういうふうに注意したらいいか、とすぐにわかるわけですけれど、日本政府は発表しないのです。

「餓死しても食べてはいけない」
今度は食品の問題です。

去年の事故が起きた後、国は暫定基準を作りました。
その内容は、ヨーロッパで作っている暫定基準とほとんど同じものです。
ヨーロッパではなぜ放射能に対してきちんとしたものを持っているかというと、原発事故というよりは、アメリカとソ連の間で核戦争が起きて放射能の汚染が起きた時にどうするか、ということを非常に心配して、真剣に取り組んでいます。

スウェーデンでは、大きな洞窟に飲料水をたくさん貯め込んでいます。

それで、暫定基準というのは、「3日以内くらいに安全なものを支給するから、汚染された水は飲むな、食べるな。どうしてもこれ以上食べないでいると、餓死してしまうかもしれないというときでも、これ以上は食べるな」という基準です。
それとほとんど同じものが、日本政府が発表した暫定基準です。

暫定基準というのは、今言ったように、「餓死しても食べてはいけない。どうしても我慢できないときには、これくらいはやむを得ない」というような基準です。

ところが、日本政府は、「暫定基準は安全だ。これ以下の量を心配するのは、心配し過ぎだ。不安をあおる悪質な行為だ」というふうにずっと言ってきたのです。

宮城県知事は、牛肉が暫定基準以上に汚染されて出荷停止にしましたが、4週間後に解除しました。
詳しいことは言いませんが、あの大きな牛の体の中にあるセシウムが、4週間では1割も減りません。
だから減って解除したのではなくて、禁止した時には高いレベルの牛を測ったから禁止したと。
解除するときにはもともと低い牛を測ったから解除したと。
それだけの話です。

でも、解除してからは全頭検査をすることにしたのです。
検査して解除するという記者会見をした時に、記者から質問が出ました。
「これからどういうふうに安全を確保するのか」と。

知事は「それはちゃんと測って、安全であるということを消費者に知らせる」と。
その時の新聞記者の質問は「測ったら測定値を発表するのか、しないのか」という質問でした。

知事は「消費者はそんなことを言っても理解しないから発表しない。安全だというだけで十分だ。安全であるということは、今の暫定基準よりも高くないことである」と言いました。
だから、500ベクレルまでは食べさせるという基準です。

      食べものは、「100ベクレル」で安全
そして、今年(2012年)の4月から、食べ物の放射能が暫定基準から新基準*に変わりました。
飲料水は200ベクレルから10、牛乳は200から50に変わりました。

それで多くのマスコミではこれを歓迎しています。
厳しくなって安全になったからいいだろうと。

私は違うと考えています。
例えば、牛乳は50ベクレルになりましたけれども、牛乳というのは、地域とか農家ごとに測っているのではなくて、たくさんの量を集めて、混ぜたものを測るのです。
だからどこか一軒でうんと高いのがあっても、全体が薄められて、測定値が低くなってくるのです。

そうすると、今まで原発がどうなるか分からないという時期に、一番高いものでも30ベクレルでした。
今はかなり安定してきましたから、大体見通しが立つわけです。そうすると50ベクレルに変えたところで、何もしなくてもいいという値なのです。

普通の食べ物は、今まで500ベクレルだったのを100にしました。
しかし、これには例外が三つあるのです。
米と牛肉と大豆です。政府の説明は、「市場の混乱を避けるために、この三つについては、新しい基準を使うのは遅らせる。
米と牛肉は半年後の9月30日まで、大豆は12月31日までは、今までの基準でよろしい
。加工食品は賞味期限まで売ってよい」と。
米の場合、「新米が出来るまでに、今までの汚染された米は全部売ってしまいなさい。売りきれなかったものは米の粉にしたり、煎餅や餅に加工して商品にしておきなさい。そうすれば今まで通り売って全然構わない」ということです。

この三つの品目が、新しい基準になったことによって、もし、流通量がその分減ったら、はじめて有効だと考えられるわけだけれども、実際は汚染食品の流通は、まったく減らないです。

だから、被ばくを少なくするためにはまったく役に立たない。
それは新基準が被ばくを少なくすることを目的としているのではなくて、「出来るだけ汚染された食品を食べさせる」ために、形の上で決めたものだからだと思います。

別の考え方があったら、どうぞお話して下さい。

      原発で 「100ベクレル」は、危険なゴミ
1か月くらい前に、東京電力の新潟県にある柏崎・刈羽原発に、どこかのテレビ局がインタビューしました。
「放射能で汚染されたものを、どういうふうに処理しているのか」と。
そうしたら、「法律通りきちんと、今までの基準でやっています」と。

その基準というのは、「1㌔㌘当たり100ベクレルを超えるものに関しては、原発の敷地から外に絶対出さない。
焼却処分をして容積を減らし、ドラム缶に詰めて何十年も原発の敷地内で保管します」と。

原発の敷地から外に持ち出してはいけない、普通の人を近寄らせてはいけない、これが1㌔㌘100ベクレルです。

これは食べる量でなくて、危険だから、原発から運び出してはいけない基準だということです。

それから、原発は必ず、放射能を空や海に出していますが、この時、汚染水として海に流してはいけない基準は、1㍑つまり1㌔当たり90ベクレルです。

事故の後の飲み物の暫定基準は、200ベクレルでした。原発から海に流してはいけない基準の倍以上でも、飲んでいい、その5倍以上の500ベクレルを食べていいと。
食べていいどころか、心配して食べないというのは不安をあおる行為だと、そういうふうに国は説明しました。

      毒物の測定の仕方
新基準が出来る前から、野菜についてどういうふうに取り組んできたかというと、例えば、静岡県、神奈川県でも、キャベツが汚染されているとわかると、仕方がないから測るわけです。

そうして、500ベクレルを超えると、基準を超えているから出荷停止にするのです。

しかし、測った畑は出荷停止にするけれど、その隣の所は測っていないから停止しないのです。

それから同じ畑の中でも、キャベツは測ったけれどほうれん草は測っていないから、ほうれん草は出荷停止にしないのです。
そういう測定の仕方をずっとしてきました。

国とか自治体は、消費者の皆さんに安心していただくために、「安全を証明します」という測り方です。

ところが、毒物の検査というのは、毒がないのかどうか、毒がありそうなところを探して測らなければいけない。
放射能は、一番放射能がなさそうなところを測るものだから、いくら測ってもそれが全体の傾向を示さないのです。

それから、宮城県でも米とか牛肉とかいろいろ汚染されましたけれど、それをコンピュータで県とか国の役所のデータを調べても、最近1週間のデータしか出さないのです。

だけど私たちが本当に知りたいのは、いつごろ、どれくらいまで出ていたのだろうか。その後どうなったのだろうか、ということなのですけれども、それを知らせないのです。

いっぱい測っているけれど、いっぱいクズのようなデータを集めて、肝心のデータを埋もれさせてしまって使えない。これはちょっといい過ぎかも知れない。
いろいろな考え方があります。

      国は内部被ばくを無視している
今度は内部被ばくの話です。
外で測って何㍉シーベルトとかいいますが、これは主にセシウムです。
ガンマ線を出すゴミが地面にいっぱいあるわけです。
これを測っているのです。これが外部被ばくになります。

もう一つ、体の中にセシウムを取り入れてしまって、それで被ばくするというのがあります。
これが内部被ばくです。
これは極めて重要です。
国の内部被ばくの危険性に対する評価は非常に低い、あるいはほとんど無視している。
そういう専門家がリーダシップを取って今の政策を作っています。

      外部被ばくが心配で
会場からの発言
【内部被ばくの話に入る前に……。娘が通っている幼稚園が裸足での保育を奨励しているのですが、土を測ったらセシウムが100ベクレル。その外部被ばくをとても心配して、何とか説得して娘に靴を履かせているのですが、足に外部被ばくで100ベクレルくらいだと、どのような状況なのかということを、聞いて帰りたかったのですが。】

外部被ばくの場合は、セシウムから出るガンマ線は、これは紫外線とかレントゲンとそっくりです。
光がポッと飛んでくるのです。
普通の光だと、紙1枚でも止められますが、レントゲン線もガンマ線も鉛や鉄の板でないと止められない。
みんな通り抜けていきます。

つまり、靴を履いていてもガンマ線はまったく避けられないのです。
ガンマ線の100ベクレルという量は、そんなに高い量ではないから、それ自体は裸足で歩くかどうかということはあんまり問題にならない。
裸足で歩くと小さい傷を作って、そこから放射能を取り込んでしまって、内部被ばくになるかもしれない。
そちらの方がむしろ問題です。これでいいですか?

      被ばくと距離の違い
放射線というのは、例えば、電球で明かりをつけた時に、そのうんと側では明るいけれど、離れると暗くなります。
あるいは電球にうんと近づけると熱いです。離れると熱くないです。」放射線は距離の2乗に比例して少なくなる。
だから1㍍の所で被ばくしたのか、100㍍の所で被ばくしたのかでは、距離が100倍違うから100の二乗、100×100は1万。だから1㍍と100㍍では100倍、1㌢と1㍍でも100倍だから、被ばくとしてはそれぞれ1万倍の違いがあるわけです。

そういう放射能を飲み込んでしまったら、距離はほとんどゼロですから、危ないわけです。
環境で外部被ばくする場合は、そこを通り過ぎてしまえばいいわけだけれども、内部被ばくの場合は、その距離がうんと近づいているから危ないというのと、体に入ったものはずっと残っているわけです。

そういう意味で内部被ばくは厳しい。

      セシウムとストロンチウム
セシウムを取り込んだ場合ですと、体の中の水に溶けて存在しています。そしてくるくると体の中を動いていますから、体中をまんべんなく放射線で被ばくさせるわけです。
子どもだとだいたい1か月で半分くらいがオシッコから捨てられて、半分だけ残り、2か月から3か月でその半分くらいになります。

それに対してストロンチウムは、ベータ線だけで、ガンマ線を出さないので、普通の測定機で測るのは難しい、ということを口実にして、あまり測っていないということがあるのです。

セシウムよりは少ないけれども、ストロンチウムもたくさんあるはずで、これは体の中に入ると、ほとんどカルシウムと同じ動きをします。
セシウムのように、水の中に溶けてぐるぐる動くんじゃなくて、骨の中に固まってしまうのです。
固まったが最後出ていきません。
何十年でも残っている、という点で厳しい。

もう一つは、骨というのは体を支える働きとは別に、血液を作る働きがあります。
赤血球も白血球も全部、骨の中で作られています。骨の中にストロンチウムがあると、血液を作っている細胞は、すぐ側から放射線を浴び続けます。

同じ内部被ばくでも、ストロンチウムとセシウムとは被ばくの仕方が大分違うところがあります。
どちらにしても内部被ばくというのは、外から放射線を浴びる外部被ばくと違って、放射能の塊りを飲み込むと、その塊りの大きさと、それがどこにくっつくのか、ということで大いに違うのです。いずれにしても内部被ばくというのは、外部被ばくとは違って特別な意味があります。

それで、初めに放射線は紫外線とちょっと似ていて、いろいろなものを少し壊すということを言ったわけですが、内部被ばくをしていると、体の中のすべての物質を少し壊して、少しボロボロにするのです。
たんぱく質や糖なども少し壊す。皮膚のカサカサしているのもそうですけれど、その中には遺伝子もあるわけです。

普通の細胞というのは、ほとんど毎日一定の数を壊して新しい細胞を作ります。
その新しい細胞を作る時には、遺伝子を全部複製しているわけです。

その遺伝子が一個壊れてしまうと、その細胞から作られてくる細胞の遺伝子は、ぜんぶ壊れっぱなしです。
そうすると、急性障害だけではなくて、時間が経ってからいろいろな障害が出てくる。
その一番代表的なのはがんですが、遺伝子だけではなくて細胞も少し壊れます。

それは老化と同じで、老化に伴ういろんな病気が出てきます。

ところが、日本の政府と政府が根拠としているICRPというところは、こういう作用を全く認めていません。
一切ないと断言しています。
認めているのは長期障害としては、甲状腺がんと白血病だけです。

      被ばくを避けるために
それでは、食べ物と空気でどういうようなことを注意すると被ばくが避けられるか、という話です。
フランス政府が日本に住んでいるフランス人のために指導していましたが、それと同じことです。

一番重要なのは、汚染されている物を食べないことです。
本当は、汚染されている危ない物は流通させないというのが一番いいことで、それが一番簡単なのですけれど、日本政府はそれをやっていなくて、むしろ流通させていますから、いろいろ測ってみないと危ない。

それで測って安全だと思うところは食べたらいい。
ただし、国が言うから安全だというのは、ダメです。
さっき言ったように、原発から持ち出してはいけない100ベクレルの5倍、500であっても安全だと言っていますから、ダメです。

そうではなくて、どのくらい放射線が出ているか、そして、それを自分は安全と考えるかどうか、それを自分が決めることです。

まず、危ない所で作られたものは、安全だという根拠がなければ、避けた方がいいです。

これは「原発事故が起きたから、汚染されたってしょうがない」ではなくて、その後の対応の仕方です。

いろんなお母さんたちの運動があって、福島でもちゃんと管理されていて大丈夫な物がある。
ただ、それはちゃんと確認してから食べさせましょうと。

それをしないで地元だからとか、被災地を助けるためにといってやってしまうと危ない。

特に測定するのが、一番危なさそうな物じゃなくて、一番少なさそうなものを狙って測っているから、危ないところがあります。

      ストロンチウムは食べない
会場からの発言
【先ほどのストロンチウムのことが、私も気になっていたのですが、例えば、福島の牛乳が不検出で、宮城のよりも安全かもしれないということなのですが、カルシウムと同じように入るということは、牛乳にもストロンチウムが入る可能性があるということ……。】

ストロンチウムはほとんど測っていないので、分かっていないのです。
チェルノブイリ*でたくさんの放射能被害が出ましたが、そのうち最も重要な物の一つがストロンチウム被害です。
チェルノブイリ原発というのは、ソビエトのとても広い、世界で最高レベルの農業地帯の、陸の中にある原発です。
だから放射能が全部陸に落ちたわけです。

原発が爆発した次の日から、いろいろ隠したこともあるのですけれども、日本のように、わざわざ放射能を含んでいる物を持ってきて、食べろなんて馬鹿なことはしていないし、1日で5万人の町を全部移動させるということもやったのです。

ああいう原発の大事故というのを、まだ人間は経験していなかったということもある。
ソビエトの政府が悪かったということもあるけれども、被ばく対策が、特に食べ物の対策が良くなかったのです。

ホコリになって落ちてきた放射能の中に、ヨウ素とストロンチウムとセシウムの三つが最も多いですから、ヨウ素をたくさん吸ったり、食べたりしたために甲状腺がんがたくさん出た。

それからセシウムのためにいろんながんが出た。
そしてストロンチウムが草の表面にいっぱいついた。
それを飼料として牛に食べさせて、牛乳の中にストロンチウムが出て、その牛乳を通してストロンチウムにうんと汚染された。

日本の場合は、一番危ないのは魚です。
ストロンチウムは骨に溜まります。

普通の海草と違って、小魚の骨には固まってしまったストロンチウムが水の中よりもはるかにたくさんあります。それを食べたちょっと大きい魚が全部それを吸収して骨に固まる。それをさらに大きい魚が食べてまた固まる、というふうにして、ストロンチウムの場合はどんどんどんどん生物が濃縮していきます。
これは極めて大切です。

これはヨウ素とかセシウムにはないです。魚は注意で、とにかくストロンチウムの入った物は食べない。

      茹でてセシウムを減らす
今、実際に話題になっているのはほとんどセシウムです。
これは細胞の中の水にたくさん溶けています。だから割と調理の仕方で工夫できる。

どういうことかというと、細胞を壊してしまうと、セシウムが中の水といっしょに外に染み出てくる。
だから、茹でるとセシウムは外に流れ出します。

野菜でも麺類でも、3分間茹でるものがあったとします。
そうしたら鍋を二つ用意して、お湯を沸かしておいて野菜を入れる、あるいはそばを入れる。
それで2分間グラグラと茹でます。
そこで、ざるを使って湯をパッと切ります。
新しいお湯をジャーッと入れて、残り1分間茹でる。
そうすると、計算では、1回目で10分の1に、2回目でその10分の1になるので、結局1%まで減らすことが出来る。
これは私のお勧めです。

それから米のヌカ。
ヌカは米の周りにあった膜が乾いたものです。
乾いたというのは水はなくなるけれど、ヌカの中には放射能が残っています。
これはよーく研いで捨ててしまえばいいのです。
ゴシゴシと洗って、粉になったヌカをなくす。そうするとかなり無くなります。

      カリウムも有害な放射能
会場からの発言
【セシウムとカリウムを比較して、テレビなんかでも、カリウムがあるから大丈夫なんだと言っていますが、セシウムとカリウムの毒性っていうのは、どういうふうに違うんですか。】

ほとんど同じだと考えていいです。
人間の体はかなり放射能を持っていて、一番多いのはカリウムです。
大体60㌔㌘くらいの体重の人で数千ベクレル持っているのです。

そうすると、そこにセシウムが100ベクレル入ったところで、それほど大きな違いはないのではないかと考えています。

カリウムというのは体にとって非常に重要で、それがないと生きていけないから、カリウムの濃度というのはきちっと調節されているのです。
だから、カリウムをたくさん摂ると、どんどんオシッコになって捨てられる。
少ししか摂らないと、体にとってはとっても大切だから溜め込む。
カリウムはたくさん摂っても、少ししか摂らなくても体の中にある量はあまり変わらないのです。

だから実際に、いま問題になっている食品のセシウムよりはカリウムの放射能は多いです。
それでもセシウムの放射能を避けるための一番の原則は、それを食べないということです。
食べた物を捨てるみたいな努力というのは、あまり重視すべきではない。
いろんなサプリがあるけれども、あれは全部詐欺みたいなもので、あんなのをやってはいけません。

私がお勧めするのは、カリウムをたくさん摂ることです。
そうすると、カリウムと一緒にセシウムが尿に排せつされる。

恐らくカリウムが全然放射能を持っていなければ、人間や動物はもう少し病気が少なくて、もう少し長生きしていると思います。
カリウムは自然の放射能だから、人間の進化の中で適応してきて大丈夫だというけれど、そんなのは正しくなくて、恐らく有害だけれども、それを必要な物として使ってきたというだけの話です。

よろしいでしょうか?

      東電がまともな補償をしないために
今、どういうふうに食品の放射能を避けるかということをお話しましたけれども、スーパーに行って、安全な地域の食品を手に入れようと思って買います。
それはそれでいいのですが、被ばくについて関心のある消費者は、汚染された地域の物は買いません。
だから売れる量がうんと減っています。しかし、それは処分されていません。
ということは、誰かが買っているのです。

だから個人で避けることが出来る物はかなりあるのだけれども、避けた分は社会的に避けたことになるかというと、その分誰かが食べているということで、全然避けたことにならない。

なぜ、こういうふうになっているかというと、汚染された野菜や肉、魚などに対して、東電がちゃんと補償していないからです。
それは国がグルになってやっているからです。
つまり、ここは汚染地域だから作るな、流通させるな、食べるな、その分全部補償する、というようにやればいいのだけれど、そうではなくて、非常に高い基準値を作って、それ以下の所では作りなさい、売りなさいと。

それで売れなかった分、あるいは、売ろうとしたけれど値段は安くなった分、その分だけは補償しますと。
これが今のやり方です。

だから農家は汚染した物は作りたくないと思っても、作らないとお金が入ってこない。
多くの農家は、いやだと思いながら作っている。

だから、汚染食品を食べないように注意するだけでは、全体としては全然解決しない。
そういう変な社会のあり方、そういうことを変えないと、本当の解決にはならないと思います。

      セシウムの本当の危険性は分かっていない
会場からの発言
【先程のカリウムとセシウムの話なのですが、前テレビで村井宮城県知事さんがカリウムとセシウムの内部被ばくのことを話に出して、はっきりと、カリウムは普通にたくさん体の中にあるものだから、セシウムも全然大丈夫です。心配しないでいいとはっきり言っていたのですけれども。先生のお話を聞いていて、セシウムはそんなに怖わがらなくてもいいものなのかなと、ちょっと今思ってしまったのですけれども、そうではないのですか。】

それについては、セシウムはとても有害だから注意しなければいけないし、避けなければいけないのです。
ただ、セシウムの内部被ばくがどのくらいの量が、どのくらい有害なのかということは、はっきり分かっていないのです。
誰も実験していませんから。

ただ、体にカリウムがあるから、セシウムは大したことはないというのは、全然間違いです。
まして30ベクレルではなくて何百というのを摂ったら、体のカリウムよりはるかに高くなるから、セシウムが安全だという根拠はまったくないです。

実はチェルノブイリの後、たくさんの健康被害があったというのは、「老化が進んだ、いろんながんが増えた、子どもの発育が悪い、先天異常が増えた、早期出産が増えた、低体重の子どもが増えた、知能の伸び方が悪い」など、こういう調査とか論文が何百もあるのですけれども、ただそれをICRPとか日本政府が認めていないのです。

甲状腺がんと白血病だけしか認めていない。
認めていないというのは、知っていても、知らんぷりして認めていないのもあるし、知った上で認めていないのもある。

それは、チェルノブイリの後、被ばくを受けた地域で、そういう健康障害が出たというデータは出せるのだけれども、その原因が放射能なのか、事故の後、ソビエトという国が崩壊してメチャクチャになってしまったので、経済状態が悪くなったためなのか、何が原因なのかが分からないのです。

それで安全だと言っている人たちは、そういう健康障害は全部精神的なストレスの結果だと断言しています。
放射能の汚染をうんと受けた地域で、たくさんの被害が出ているということは事実としてあっても、その原因について放射能だという証拠がないと言って認めない人たちが、精神的なストレスだと断言する証拠もないのに、精神的なストレスだと断言しているのです。

いいですか?

      1000人に1人死んでもOK?
チェルノブイリの後で、がんが増えたということですが、私がここでお話しておきたいことの一つは、日本人は70過ぎると、というか日本人の半分はがんになります。

20ミリシーベルト被ばくすると、1000人に一人ががんで死ぬと。
これは国も認めている数字ですが、この1000人に一人ぐらい死んでも、たかが知れているというのです。
なぜかというと、日本人は半分ががんで死ぬから。

これは私はとっても人を欺くひどい理屈だとふうに考えています。
どなたかそれ、なぜ、私が変だと考えたと思いますか? ……。

日本人は半分ががんになり、3分の1はがんで死ぬんだから、1000人に一人くらいがんで死ぬ人が増えても、大して変わらないだろうと。
これはこういうことです。

老人ががんになるというのは老人病です。
一つのがんは年齢が倍になる
と大体30倍出るのです。
年齢が4倍になると900倍。
だから全体で平均すれば、日本人の半分はがんになるけれど、20代、30代でがんになるのは非常に少ないです。

若い人が何十倍も増えてがんで死んでいってもいいというのですか。
それはないでしょうというのが一つ。

それからもう一つは、放射線で1000人に一人がんで死ぬといいましたが、自分の人生であるいは子どもの人生で、1万分の1くらいのリスクだったら決めることは、いくらでもあります。

例えば、子どもを学校に毎日通わせます。
そうすると家で引きこもっているよりは交通事故の危険性は増えます。
だけど、みんなは子どもを学校に行かせる方が、交通事故を心配して引き込ませることよりも利益が大きいことを知っています。

放射能の場合には利益もないのに、勝手に向こうから押し付けてきたものです。
これを当然という、これはとても変なことです。

それからもっとまずいことがあります。
自分の人生で1万分の1のリスクを承知して、何かを手に入れるということはあるけれども、これは個人の判断です。県知事とか教育委員長が自分の責任を持っている人が、例えば生徒が10万人いたとする。その10万人に対して、20㍉シーベルト*被ばくして、1000人に1人死んでもOKよ、と言ったら、100人ががんで死にます。
1000分の1というのはそういう数字です。

個人にとってみれば1000分の1ですけれど、10万人に責任ある人が1000分の1でもOKと言えば、必ず100人死ぬのです。
誰が死ぬのか分からないけれど。

今の社会でその人がやるべきことをやらないで、これくらい構わないと言って、その結果100人が死ぬ。
こういう権限を特定の個人に与えていいのか、平気でそんなことを言っていいのか、言わせていいのか。
これは、ものすごく恐ろしい社会です。
そういう意味で私はまずいと思う。

こういうのは医学の問題でなくて、考え方の問題だから、誰でも考えるとすぐに分かる話です。

      自由に、一緒に考えられる社会に
これが最後です。

今の日本の社会というのは、原発が爆発して、放射能の問題が出ても、避難や被ばく措置を日本政府はとらなかった。

外国と大企業は逃げた。それで外国と大企業の人が、危ない所から逃げる、避けるということをやるのは正しくて非難されない。

しかし、福島や郡山から、お母さんだけが子どもを連れて逃げた人がたくさんいますけれど、そういう人たちは非難される。
そういう人たちの中で離婚した人がとても多い。

それから戻った時の理由というのは、安全だから戻ったのではなくて、仕送りがしてもらえなくなったから戻った。
そういう人がとってもたくさんいます。

今、放射能の話をすることがタブーだから、それに対して問題意識を持っている人は、みんな非難されて、家族生活も近所とのつながりも、全部できなくなった。

そういうお母さんたちが学校の給食を、特に牛乳が心配だから測ってほしいと言っても、これはいまは測るようになったけれど、何か月も測らなかったです。

そういうことを申し入れると厄介者扱いされて、2回言いに行った人は、「あなたは気にし過ぎだから、精神科の医者を紹介します」とまで言われた人さえいます。

給食の放射能を測ってほしいと言っても測らないから、子どもに持ってこさせてそれを測ると、これを窃盗扱いにするのです。
そこにいた教師、放射能問題に関心を持って、子どものことを心配していた教師が、別にそれに関わっていないのだけれど、窃盗をそそのかしたと言って教育委員会から指導を受けているのです。
この指導、3回受けると処分です。

学校は子どもに不安を与えてはいけない。だから、勝手なことを言ってはいけないという理由で、学校の先生は放射能のことについて、自分の意見を言うことをすべて禁止されています。

学校の先生が、自分が正しいと考えることを言うこともできないところで、子どもの教育がされているという、これは放射能の問題と同じくらいに、あるいはそれ以上に、とても恐ろしいことだと私は考えています。

さらに深刻なことは、福島県立医大では放射能について話題にすることも出来ない。
研究をすることも出来ない。
実質的には禁止されています。
戦後初めてのことです。
戦前は軍国主義の中でたくさんありましたが、それくらいのことが、いま起きています。

特に異常なのは、事故を起こした責任者らを処罰しないで、今でも原発の事故とそれから原発の指揮をしている。

東電は、原発から飛び散った放射性物質は東電の所有物じゃない。したがって、除染の責任は持たないと。
基本的に国も認めています。

そして原発の危険性を批判して、こういう対策をすべきだと言ってきた専門家をずーっと排除したままで
す。
今でもそうです。
そのために避けられるべき対応をとらずに、間違いを拡大したのがいくつもあります。
細かいことは省略します。

ということで、自由にものを言ったり、議論したりすることが出来ない社会、本当はこれが一番大きな原発の事故の原因である、と私は考えています。
自分で放射能を避けるための努力をすることはとても必要だけれども、ここまでものが言えない社会を、もっと自由で、安心してものを言って、一緒に考える、そういうことが出来る社会、そういう人間関係を作っていくことが、とても大切だと考えています。

主催者:ここで質問のある方は挙手をして、どうぞお話し下さい。
質問
【多賀城市はまだ土の放射線を測っていないのですけれども、ある保育所で自主的に測ってみたら、400ベクレルくらい出たということを聞いたのですが、どんなことに気を付けたらいいのか教えてほしいのと、セシウムが土や砂に付着して、雨が降ると、セシウムだけがそこから溶けだしていくものなのか、付着したままなのかと。それから、給食は2学期から測ることになったのですけれども、その測定機器は測定限界値が25ベクレルだそうです。その問題点と、最後に、一番聞きたいのですけれど、今年度の予算を見ると、子どもたちの健康を守る予算は、国からは1円も来ないのです。そんなことで多賀城市の子どもの命を誰が守るのですか、って市長さんに詰め寄りましたら、返答がありませんでした。甲状腺がんの検診をするのは、天文学的な知識というか技術がいるから、誰でも出来るもんじゃないみたいなことを言われる先生もいて、じゃあ一体、子どもたちの健康をどんなふうにしたら守っていけるのか、ということを……。】

土とセシウムの話ですけれど、普通の石や土と同じに考えたらいいんです。粘土は顕微鏡で見ると、小さい土がいっぱいあるので、そこに入り込むのです。
石の粉のような砂はつるつるしているから、滑っていくのです。
粘土とか枯葉とかそういうものがいっぱいある所はしっかり溜め込む。
それから全体が細かくなったような石の場合は、割と通っていく。
それでもだいたい1年間に数㌢下に沈んでいいくだけであろうと。

だから地面の表面にあるセシウムというのは、10㌢よりも深い所にはほとんどなくて、いまだったら5㌢の所を取っただけで、ほとんど取れるということです。

その保育園で400ベクレルということですが、いま場所によっては、ゴミが集まって乾くような場所とか、ゴミをどこかにどさっと集めた所というのは、恐らく数万ベクレルの所はいっぱいあると思います。

だから学校、保育園をどうするかということだけではなくて、そういうことの全体が問題なのです。

いま除染活動というのを盛んに言っていますけれど、放射能というのは人間の力では、何をしても全く減らすことができないのです。
勝手に半減期で減るのを待つだけです。
人間の出来る除染活動というのは放射能を移動させることでしかないのです。
だから、除染というのは人間にとって危なさそうなところから集めて、一か所にまとめて管理する、これが除染活動です。

だから除染活動をきちんとやるためには、集めた物を、どこに、どれくらいの量で、どういう形で集めるかという最終処分場です。
最終処分場を決めてから、除染活動というのがはじめて出来るのです。
ところが国はそれをまったくやっていないのです。

これは考えれば非常に簡単です。
東電の福島原発の周りは、人が住んではいけない所ですから、それをきちんと理解して、そこに全部集めて厳重な管理をする。
それ以外に方法はない。

焼却して放射能が何十倍にも濃縮された灰を作ったり、まして、煙にして大気に拡散すべきではありません。

放射能というものは有害な物だから、出来るだけ少なくしなければいけない。
ここまでだったらOKという値はない。放射能に関しては法律は何十もありますけれど、みんなそういうふうになっています。
これが基本です。だから、ここまでは安全というのはないのです。

あとで測れといういろいろな要求が来てから測るようになったけれど、食品の放射能も本当は測ること自体が無駄なのです。
測るのではなくて、はじめから生産させない、流通させない、これが一番なのです。

国の総予算でしょ。国の基本的な立場は、「これくらいの放射能は有害ではない。心配してストレスの方が有害だ。だから国と行政は心配しないように援助することが必要だ。そのために施策をする」と。
だから今くらいの放射能で被ばく障害は出ないから、そんなことに対して対策は必要ない。
そういうことを、本当に、そう言っているんです。
だからそういう予算になります。
酷い話なのです。答えになっているでしょうか、それで。

      検査について
質問
【先生のお考えだと、例えば、私は子どものために、もう少ししたら甲状腺エコーとか、エコーはまあ刺激がない検査なので、それは受けさせようかなとか、何か突然死とかも増えたとかいう話を聞いたものだから、心電図ぐらいは刺激のない検査だから受けさせようかなとか、あと腎臓とか膀胱とかに溜まりやすいと聞くものだから、薬局とかでもタンパクとか簡単に調ベられる試験紙とか売っているので、そういうのを買って、自分で定期的に子どものオシッコを調べてみようかなとか、ちょっと思っていたのですけれど、そういうことは必要ないのですか、どうかなあと思って……。】

そういう検査をする価値はあります。
ただ甲状腺がんの場合はちょっと違いますが、他の病気はもともとすでにいっぱいあるものですから。

一般的に、そういう病気をチェックするためにやる、という意味はあると思います。

だから例えば、心電図検査をすることで放射線障害につなげようと、ま、そういう気持ちはわかりますけれども、心電図を見ていると心疾患のあるものは見つけることは出来るという意味で、それをやるのは私はいいと思う。
ただ、仮に何か見つかった時にそれが放射線が原因であったかどうかについては、一人ひとりについては分からなくて、何百人、何千人のうちの数人がそうだっただろうという話になると思います。

      親がこどもにできることは?
質問
【これからずっと、放射能とのおつきあいは長いと思うのですけれど、親が子どものために出来ることというのは、食べ物を気を付けてあげるということと、後は何をしてあげたら……。】

一番大切なことは、放射能は危ないかもしれないということを、真面目にみんなで話し合える、学校でもどこでも、そういう社会にすることが一番大切だと思います。

それから放射能は害はない、ストレスだと言って、わざわざ放射能を全国に拡散したり、汚染された食べ物を作らせて売らせたり、こういう悪い政府、社会を変えること。
自分のことを気を付けることはとても大切だけれど、それと同時に、とても異常な社会だから、それを何とかしようということが、一番大切だと思っています。


         ・・・・・・・・・・・以下、スライドから・・・・・・・・・
政府や東電を信じて従った人は
被ばく回避の機会を失い、大量に被ばくした
・被ばく回避の機会を失った。
・子どもを雪で遊ばせた。
・マスクをしなかった。
・自家栽培野菜を食べさせた。
・ヨウ素剤も服ませなかった。
その裏で政府・電力会社・大企業は
危険を知り対策をとっていた!


内部被ばくが危険な理由
・放射線源からの距離が近い。
・1㌢では10㍍の100万倍被ばくする。
・体内に、長期間残る。
・同じ部位の細胞が繰り返し被ばくする。
・タンパクや遺伝子変異、炎症を起こす。
・老化、骨髄機能抑制(感染、出血、貧血)
・がん、先天異常、遺伝子的障害


食品放射能の避け方
1) 安全と確認できない食品を避ける。
・汚染地域の測定されていない農作物
・日本周囲の太平洋の海産物
・産地表示があいまいなもの
・国産の加工食品
・米、大豆、牛乳の加工食品は長期間注意
・外食
2) 今問題なのは
・ストロンチウム:骨に固まってしまうので、とにかく食べない。
・セシウム:今、最も多い放射能
3) 調理の工夫
4) 「安全か?」と他人に頼るのはやめ、測定値を知って、自分で評価する。


被ばくを避けると非難される!
自由に恐怖感なく発言できない日本社会

・危険を考えて、避難や、被ばく予防措置をとった
外国政府・ 大企業は批判されないが。
・最も被ばくを受けている地元住民は、被ばく対策を話題にするだけで非難攻撃される。
・生徒の被ばくを心配しても、教師が、給食の放射能や 校庭のほこりを話題にすると
    非難攻撃や、処分を受ける異常社会になっている。
・被ばくさせた加害者が、被害者を非難する社会。


事故を起こした責任者を罰せず、今も原発事故処理と損害補償問題を仕切っている
原発事故の危険性対策を要求してきた専門家を排除した状態が、今も続いている
電力会社の利益優先で、食品と環境破壊をわざわざ拡大させる政府と官僚
自由にものを言えない社会
これを変えずに真の解決はできない

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
         講師プロフィール
岡山 博(おかやま ひろし)
略歴:1973年 東北大学卒業、東北大学第1内科、3年間米国NIH
(国立衛生研究所)勤務
研究:遺伝子解析、呼吸器、循環器
現職:1998年より仙台赤十字病院第2呼吸器内科部長
臨床:呼吸器内科(慢性気管支炎、気管支喘息、肺気腫、肺結核など)

     ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・            
        
講演会を準備して下さった「放射線被爆から子どもを守る会」と、書き起こし、「未来に続くいのちのために。原発はいらない」誌に掲載して下さった「PKO法『雑則』を広める会」の皆様に感謝いたします。
                  
「放射線の影響とこれからのこと。―――知ろう訊こう考えよう―――」多賀城講演会2012.7.8、録画(講演と質疑)が「放射線被爆から子どもを守る会 多賀城」HPにあります。
                     よろしければごらん下さい。

 http://ameblo.jp/tagajyomiraie/entry-11299713395.html
http://www.youtube.com/watch?v=-iTCYqs7MQ4

アヒンサー「未来に続くいのちのために」50ページ 100円(送料別)(1万部くらい発行されているようです)
ご希望の方は 電話で
  東京都武蔵野市境2-11-4 PKO法「雑則」を広める会 佐藤弓子 様
  電話  0422-51-7602(佐藤 様)
  電話  047-395-9727(小田 様)
”アヒンサー”とはサンスクリット語で命あるものを傷つけないという意味だそうです

15:14  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑
2012.10.17 (Wed)

なぜ「秘密会」は行われたか。福島県民健康管理調査検討会

 なぜ「秘密会」は行われたか ~岡山博医師インタビュー~
       (ママレボHPから転載。http://momsrevo.blogspot.jp/)

「あなたの健康、見守ります」という意味不明なスローガンを掲げ、福島県が昨年6月から実施している「県民健康管理調査」。
 この県民健康管理調査の進め方について、専門家らが議論する「検討会」の在り方が、現在大きな問題になっています。
本来、活発な意見交換の場であるはずの「検討会」ですが、事前に県や委員の間で「秘密会」なるものが開かれ、「意見のすり合わせ」や「口止め」などが行われていたことが明るみに出たからです。
*** 以下関連ニュース***
福島健康調査:「結論ありき」県民憤り…検討委「進行表」
http://mainichi.jp/select/news/20121005k0000m040113000c.
福島健康調査:「秘密会」出席者に口止め 配布資料も回収
http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m040155000c.html
原発事故:健康管理調査検討委、福島県が進行表作成認める
http://mainichi.jp/select/news/20121006k0000m040105000c.html
***************

 これについて、現在、講演会やブログなどで積極的に“脱・同調強要社会”(意見の同調を強いる社会から脱却しよう)を訴えている仙台赤十字病院医師の岡山博氏にご意見をうかがいました。

○○○○○○○○○○○○以下インタビュー発言○○○○○○○○○○○○○○○

 今回、世間やマスコミは、「秘密会」を開いて意見のすり合わせを行っていたことを批判していますが、私自身は起こるべくして起こったことだと考えています。

 どういうことかと言うと、問題は大きく分けてふたつあります。
ひとつは、政府や福島県および被ばく対策政策をつくる中心になり、検討会の座長を務めている山下俊一氏らをはじめとする専門家の基本的な考え方の問題です。

 日本政府や福島県、および専門家らは「チェルノブイリや福島第一原子力発電所のような低線量被ばくでは、若年者の甲状腺がん以外には健康に影響はない」と断言しています。

ICRPがチェルノブイリの被害をまとめたとき、健康被害を示す多くの調査研究発表がすでにありましたが、「不確実なものは存在しないもの」として扱い、甲状腺がん以外の健康障害は存在しないと結論をくだしました。
甲状腺がん以外の影響はないと決めたあとは、健康被害を示す何百の調査や研究が報告されても再検討をして結論を変えることをしていません。

 「甲状腺がん以外の影響はないのだから、それ以外のありもしない健康障害を話題にするのは過剰で不要な心配だ。存在しない健康被害を話題にするのは、不安をあおる悪質な行為だ。
不安を取り除いて安心させることが、行政がすべきことだ」というのが、政策をつくる中心になっている専門家と国・県の立場です。これはうがった見方ではなく、政府や福島県が一貫して説明している公的な見解です。

 その証拠に、食品暫定基準や環境放射能、廃棄物放射能などの基準や規制をつくるときにも、「もともと安全で心配ないレベルだが、不安を取り除くために必要以上に厳しい基準をつくった」と、そのたびに説明しています。
国や福島県の被ばく対策政策は全てこの立場でつくられているため、県民健康管理調査においても「秘密会」を開いてまで一貫してこの姿勢を貫こうとしているのです。

 ふたつめには、日本社会そのものの在り方が問題です。
 今回の「秘密会」のように、本番の会議を問題なく進めるために、事前にすり合わせを行うことは、日本の組織で日常茶飯事に行われています。

 本来は、同じ目的をもった人が、異なる意見を提示してはじめて、有効で良い議論ができるのです。異なる意見が出されなければ議論でありません。
しかし日本では、異なった意見をたくさん出して、それによって認識を深め、新しく方針を打ち出そうというのではなく、会議参加者に無条件同調を強要するための会議や、関係者や社会から批判されないための形だけの会議を開くことが日常的に行われています。

 そのような場で良い議論をしようと思って優れた異論を提出すると、無視をされたり抑圧されたします。それに屈せずに繰り返していると、会議とは関係ない場所でも異論を述べた人に執拗な嫌がらせし、会議を超えた場からも排除しようとします。つまり、民主主義がないということです。
 優れた発言が活きないだけでなく、発言するということの安全が保障されていないのです。これは行政でもっとも顕著にみられることですが、一般企業や小さな内輪のグループでも日常的に同じことが行われています。

 記憶に新しいところでは、今年8月下旬に内閣府原子力委員会が原発推進側だけを集めて勉強会と称する「秘密会議」を開いていたことが報道されていました。

(「核燃サイクル:秘密会議問題 原子力委員長が主導 原発依存度「コントロールできる」http://mainichi.jp/feature/news/20120825ddm001010043000c.html)

 ですから、こうした日本社会の在り方や行動様式そのものを改善しないと、いつまでたっても今回のようなことはなくなりません。
会議の在り方、社会の在り方を変えるためには、変革の活動と並行して、自分を含め一人ひとりが、言葉・論理・議論を大切にする能力と自覚を育てることが不可欠です。

(文責:和田秀子)
○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○
岡山博先生のインタビューは、「ママレボ」3号でも掲載します。このブログでご紹介した以外のこともたくさん語っていただいておりますので、ご期待ください。
19:24  |  放射線  |  TB(2)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.09.21 (Fri)

おひさまプロジェクト発足記者会見

        おひさまプロジェクト発足記者会見

がれきの焼却処分と全国での広域処分に反対する「おひさまプロジェクト」を9月9日発足させ、参加しました。
発足後、津波被害を受けた宮城県岩沼市で、記者会見を行ないました。
記者会見内容を、きーこさんがブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2333.htmlに ustream 録画画像と発言文章化をして下さいました。
以下はその抜粋です。
記者会見画像と全文は同ブログをご覧下さい。

・・・・以下きーこさんブログ「みんな楽しくHappy♡がいい♪」からの抜粋・・・

「地元の人々に十分な補償をしたうえで福島第一原発の近所に集めて管理する」仙台赤十字病院岡山博先生9/9「おひさまプロジェクト」発足記者会見


記者会見参加者
九州ひまわりプロジェクト村上さん(九州)
原 豊典さん(福岡市) 
仙台赤十字病院 岡山博先生(宮城県仙台市)
高橋良さん(宮城県仙台市)
秋田大学教育文化学部 村上東教授(秋田市) 
こども未来ネット 菅原雪子さん(秋田市)
環境ジャーナリスト青木泰さん(東京)

岡山
去年の原発事故が起きたその時から、それまでの放射線被ばくに対しての常識、つまり、大学、学生、あるいは放射能を使う企業に対して指導してきたことが全部なくなってしまいました。

・放射能は出来るだけ被ばくしてはいけない。
・それから安全な量はない。
・これ位被ばくするととても重大だ。

という事がすべてなくなって、全部「安全」、「心配するな」、「放射能の被ばくよりも心配することの方が有害だ」と言って、心配する人、真面目に考える人を馬鹿者扱いしてきました。
そういう中で防げるはずの被ばくが防げずに拡大しました。

私は政府が説明をしてきたことが「明らかに人を欺いて嘘を言っている」
この事に対して発言しなければいけないと思うようになって発言を始めました。

それからもうひとつがれきに関しては、莫大な量のがれきがありますが、宮城県・岩手県のがれきをわざわざ外に運んで処理しなければならない道理的な理由はありません。
そして、それをまた焼却する理由もありません。

「ゴミとして扱う」これはとても残念なことです。

私は、宮城・岩手のがれきは、全部遺品として、全部集めて山積みにする。
それで岩手県には、場所がありませんから、小さい湾なので。
仙台平野のどこかに、海岸に全部山積みにする。
古墳のように山積みにして、地震と津波の記念公園をつくったらいい。
これが一番。

ただ集めて山積みにするだけですから、最もお金がかかりません。
海岸につくるのでトラックで運ばないで船で運びます。
これはものすごいメリットです。

そして、私は出来ればそこに、世界で最高の津波・地震の資料館を作ったらいい。
これはゴミとしてではなくて、世界に対して被災地の誇りとなるようなものが出来ます。

それからもうひとつは、
がれきを集めるという事は遺品として集めて、遺品として私たちが大切にする。
それをゴミにして邪魔者扱いをしてばらまくという事は、私は道理的にもやるべきではないし、やる理由もないし、やらないでずっと安く合理的に始末が出来ると思います。

私が提案していました。
そしてこのような会が出来て繋がることが出来たことをとても私は喜んでいます。

(九州住民ネットワーク)
北九州市で80トンのがれきを受け入れて試験焼却をやったんですけれど、この結果、私たちが掴んでいるだけで40件位の健康被害が報告されています
その症状は様々なものでして、北九州市にはひと月ほど前にその報告を出しているんですね。
ところが北九州市は何の調査もしようとしていない。
そこには北川先生という医師のコメントも付けているんですけれど。

先日北九州市の漁協に行きまして、そのことを知らせましたら、ちょうど目の前に北九州市の局長とか水産部長とかが座っていまして、直接話をしたんですけれども、漁協に行きましたら、組合長が非常に驚いてですね、「もう反対は止めようかな、諦めようかな」というような感じだったのが、「ちょっと考え直そうか」という事になりまして、市民と一緒に漁協も「それを調査してくれ」と、はっきり。
「調査が終わるまでは受け入れないようにしてほしい」という要望を北九州市の方に出しております。

それで「もっと情報をどんどん持ってきてくれ」と言われていますので、そういう事をやっていきたいと思っています。

その試験焼却の結果、灰が出たんですけれども、その灰は響灘 (ひびきなだ)という北九州市の地区に埋め立てられる予定なんですね。
北九州市はそういう予定をしているんですけれども、漁協が反対してそれを食い止めてきたんです。

でもその灰は本来どこに捨てられるべきかといえばですね、
東京電力の敷地に置かれるべきだと。

9月1日に小出裕章先生を福岡にお呼びして、講演会をやったんですけれども、小出先生もそのように、「東京電力に責任を取らせることが重要だ」という事を言われています。
それを全国的に進めていきたいと思うんですね。

まずは北九州市に試験焼却によって生じた灰は、東京電力の福島第二発電所、広大な敷地があるそうですけれども、そこにもっていくように北九州市に求めたいと思います。
そういう事を全国的に呼び掛けていくという事を私はやりたいと思っています。

みなさん一緒に東京電力に責任を取らせるようにしましょうじゃありませんか。
あまりにもひどいと思います。

村上(九州ひまわりプロジェクト)
北九州市には80トンの試験焼却灰がいまだに埋め立てるところが無く、
積立基地に置かれたままの状態です。
試験焼却は5月にやりましたが、9月の現在になっても、まだ埋め立てられていません。

岡山
放射能は、分子のものの性質ではなくて原子の性質なので、
どのような化学反応をしても減らすことはできません。
除染活動、放射能を始末する活動というのは、人が出来ることは移動する事だけです。

だから除染活動は、どこかを減らしたいと思えば何処かを増やすという事がセットなのです。
だから除染活動をやるために一番初めにやることは、処分場をどこにどのような規模でどのような形で処分するのかというのを決めて、その処分場をつくることです。
それなしに処分というのはあり得ない。
これは世界的な常識です。

ところが、最終処分場と、わざわざ「最終」という言葉を付けて、最終処分場ではない中間の仮施設をつくると、このようなことで処分はできません。
初めからこれは人を欺くものですから、やってはいけません。

だから、すべて集める必要があります。
それで放射能の処理というのは、「人がより影響を受けにくいところに、より安全な形で集めて管理する」というのが放射能の管理の基本です。それ以外にはありません。

今までの管理法というのは、ドラム缶に集めて何十年も地下の倉庫に管理するというのが基本でしたけれども、
現在は量が多すぎてこれはできません。
だから出来るとすれば、「福島原発の陸の傍のうんと汚染されたところに集めて山積みにする」
これ以外にありません。

焼却をすると物は少なくなり軽くなるけれども、放射能は軽くならないのでそのまま残るので、
数10倍、場合によっては数100倍濃縮されます。
そうするとかえって管理が困難になります。
これはやってはいけません。

それから放射能は集めて管理するというのが処分ですから、
いろんな場所にもっていくというのは拡散で、これは処分とは全く逆のことです。
やってはいけないことです。

という事で、そもそも拡散をしてはいけない。
空気中に拡散という事もあるし、色々な地方に拡散という事もあります。
それはやるべきではありません。

一カ所に集めて管理する。
場所は福島第一原発の近所以外にはありません。

それで量が何百万トン、
どこまで除染活動を進めるかによっては何千万トンになります。
それを集めて管理する方法は山積み以外にはありません。
だから原発のそばに全て山積みにします。
福島のがれき、それから津波瓦礫ではなくて福島県一帯にある放射性物質、
これは全部山積みにします。

それから全国で除染活動で集まったもの、
燃やしたゴミの中で濃縮された放射能、
これも全部福島に集めます。
これは山積みです。それ以外の方法はないです。

山積みにして、その時の対策というのは
地面に染み込まないことと、空中に風で飛ばないことです。

これは初めに濡れていた分は水として出ますけれども、
上にビニールシート、覆い。
あるいは出来上がってからは粘土とかコンクリートで覆って水が沁みとおって行かないようにすれば、
新たな浸出物はできませんから、これは非常に簡単に管理できます。

それで何十年あるいは何百年も管理する。
これ以外に方法はないので、それ以外の方法は全部、人を欺くか、嘘か、あるいは出まかせです。

私は福島原発のそばに最終処分場をつくって山積みに処分する。
これを何とかやらなければいけない。
それ以外に方法はないと考えています。

村上
福島の処分の問題とそれと同時に今福島の人々が棄民されている、今本当に棄民、本当に棄民させられていると思います、福島の方々。
そういった方々に避難していただく、保養していただくという事を同時にやっていきたいと思います。

岡山
地元の人の気持ちを考えると、「故郷を捨てろというのは忍びない」という意見があります。
これはその人たちを可哀想だと思っている人が言うのではなくて、
全然思っていない人が利用して言っているだけだと思っています。

今まで、ダムをつくるにしても、原発をつくるにしても、高速道路をつくるにしても、
故郷を捨てた人が山ほどいます。
全部これは実行してきました。
キチンとお金を払って、その後の生活保障をして、やってきたんです。

まして今、あれほど汚れた地域で、子どもを安全に育てられない、それから産業が無い、そこに本当に、それでも帰ってきたい人がどれだけいるか?
少しはいるかもしれないけれどそんなに多くはない。

それは、十分な補償をするという確約をしないから、そういうふうに言っているだけで、私はそれにつけ込んでいるとても悪質な問題だと思います。
それで、福島の、特にうんと汚染された地域の人のためにも、あそこに帰らないでいいように別のところを国と東電が補償して、今後の生活を補償する。
安心して他に住居が移せるようにそれをやるべきだと思います。
それがセットです。

青木泰(環境ジャーナリスト)

復興予算は19兆円ということです。
がれきを広域処理する費用は完全に無駄使いだし、人が住むことが出来るまで線量を落とすことができない除染費用も無駄だし、予算の使用内容をきちんと見直せば、これから先何十年も帰ることが出来ない地域の住民の方々に手厚い補償をすることは可能な筈です。

原発の爆発により飛び出した放射性核種の量は常識の範囲を超えて大量だし、
今までのように管理することも現実的には無理でしょう。
これからの日本の国土を考えたうえで、より良い解決策を選ぶとすれば、
完全ではないけれども、この方法しかないのではないかと私も思っていました。

わたしは先生のご意見に賛成です。


・・・・以下はきーこさんによる前書き・・・・

福島第一原子力発電所から大量に放出された放射能。
各地でそれを焼却した高濃度に濃縮された焼却灰。
除染のためにはぎ取った土。汚泥。
それらを置いておく場所として、「各都道府県で最終処分場を」と環境省は言います。

「(本来なら福島第一原発だが)福島第二原発の広大な敷地へ」と小出裕章先生はおっしゃいます。
東電の所有物なのだから、東電に返すのが本当だし、東電に責任を取らせるべきだと私も思います。
一番いい方法は東電の敷地内に処分場をつくることだと私も思っています。

だけど、その量はものすごく膨大です。

最初の頃は「チェルノブイリ原発の近くは放射能の墓場になっている」との発言があった小出先生も
とても言いにくそうにしておられていて、最近は「東電の敷地内へ」という言葉でしか話されていません。
私は、先生でさえもが言えない最も現実的な方法があると、ずっと思っていたことがあります。

福島第一発電所近くの地域は、
もう除染も出来ないし、帰ることは不可能だというのが現実です。
膨大な土地が汚染され、これから先半永久的に住むことも出来ずに使えなくなる場所があるという事は
信じたくはありませんが事実です。

放射性物質は出来るだけ一カ所に集めるという原則から考えて、
私は高濃度に汚染された原発近くの土地に
どんどん全国から焼却灰や汚泥その他汚染したものを集めていくしか方法はないだろうと思っていました。

住んでいらっしゃった方のお気持ちを考えてなのか、なぜなのか?
「栃木県矢板市に最終処分場」等のテレビのニュースでも、
誰も「東電の敷地内へ」や「原発近くへ」と一言も発言しない事がとても不思議でした。
そのことについて公にハッキリとお話しされた方は今までいらっしゃらなかったように思います。

今回、仙台赤十字病院の先生が、私がずっと思っていたことを、会見で話して下さいました。

暗黙のうちに了解していて発言できないタブーというものがあります。
小出先生さえもが言い淀むほどの、真実です。
とても勇気が必要な発言だと思います。

がれき問題中心の会見ですが、岡山先生の発言を中心に書き出しました。

・・・以下は、会見動画・・・・・

      おひさまプロジェクト記者会見動画

20:22  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(12)  |  EDIT  |  Top↑
2012.09.11 (Tue)

「津波記念公園を」署名運動の呼びかけ

「宮城・岩手地区の津波がれきは、全て集めて山積みし、津波記念公園として整備を求める」署名運動の呼びかけ

宮城、岩手県の津波瓦礫は莫大な費用をかける大規模焼却や広域処分は費用と時間を浪費し、合理的理由はありません。
岩手と宮城の津波がれきは仙台平野の被災海岸に全て山積み処分するのが、早く、安全、経済的で最も合理的な処分方法です。
がれきはごみとしてではなく津波犠牲者の遺品として扱い、大古墳のように整備して震災津波記念公園として整備します。
世界一の、地震津波資料館を併設することを提案します。

          これまでの経過

この内容は2011年6月、河北新報持論時論欄で提案しました。

宮城県有力漁協の幹部の方から「これが最善の方法だ。実現するために県と交渉したい」というご意見や、都市再開発専門家やいろいろな方から賛同を頂きました。
私は多忙で、自治体や議員、関係者にほとんど働きかけることができませんでした。

「岩手・宮城の津波瓦礫は全て集め、山積み処分して津波記念公園に整備を。―津波瓦礫の合理的処分法―」の記事を本ブログ2012年3月25日に掲載しました。

「政府や自治体、関係者にこの要望を出すべきだ/出してほしい」「全国的な署名活動などをしてはどうか」など、賛同のご意見や提案を沢山頂きました。
しかし私は余裕が無く、実際には有効な活動はほとんどできませんでした。

署名活動を提案してくださったかたから、署名文面や、活動のし方など、何度も連絡を頂きましたが、私は多忙でそれにも十分応えることが出来ませんでした。
私は、提案を生かしてくださる活動に感謝し、支持するが直接は関与しないことにしました。

活動経験は無く、自分が表に出るのも困難であるにも関わらず、署名活動を立ち上げて下いました。
慣れないことも多く、若干の問題も生じました。

この署名活動を見て、さらに沢山全国の方から協力や賛同、助言を頂きました。
そこで、署名活動や政府、自治体に要望する活動を有効に行うためには、これまでの活動と、既に集まった数千の署名を引きついで、活動経験がある方が中心になることが必要と共通の意見に達しました。
活動を引き受けてくださると申し出てくださる方もありました。
そして準備をし、署名活動をの体制を造りました。


どうぞ署名にご参加下さい。
直筆署名、Web 署名どちらも歓迎です。

この目的の為に署名に加えて、有効な活動をしたいと望んでいます。
国や自治体、関係者に直接働きかけるために行動する力や余裕が不足しています。
署名と共に、この目的の活動を有効に行なうために、全国各地で活動されているグループの方、医師・科学者・政治家その他著名人の方、ご賛同ご参加いただけるよう呼びかけます。
新たに小グループを作って賛同団体に参加していただくことや、ご意見、ご提案もお待ちします。

直筆署名用紙、web 署名、賛同団体・賛同著名人登録窓口は
震災復興プロジェクト
 http://savechildproject.web.fc2.com/tunamikinen.html
をご覧下さい。

          以下は要望書です
ご賛同、ご協力いただけるようお待ちしています。


要望書・内容詳細

内閣総理大臣 野田 佳彦 殿
環境大臣   細野 豪志 殿
宮城県知事  村井 嘉浩 殿
岩手県知事  達増 拓也 殿
仙台市長   奥山 恵美子殿

宮城・岩手地区の津波がれきは、全て集めて山積みし、津波記念公園として整備を!

【提案主旨】

宮城県と岩手県のがれきは、湾内海底がれきも含め、一箇所に全て集めて山積み処分する。
三陸海岸は平地が狭いので、津波で被災し地盤沈下して塩害が残る仙台平野海岸に集める。
集めたがれきを古墳のように築いて、慰霊と決意の津波記念大公園として整備する。


【提案理由】

<山積み処分について>

津波がれきの焼却と広域処理は、がれき処理を早めることになりません。

津波がれきの焼却と広域処理は、費用と時間を浪費します。公費は全国や関係団体の利益や利権につなげず、直接、被災者と被災地復興に役立つように使うべきです。

津波がれきは低レベルであっても放射能汚染されているものがあり、焼却処理は環境汚染拡散につながることと、焼却灰と煙回収物は濃縮されてkgあたりの放射能が上がり、かえって安全な放射能処理を妨げます。

宮城や岩手の海底や海岸にある津波がれきの放射能は低いので、高度な放射能処理施設で管理しなくてもよいが、大量にあるので拡散させないように管理すべきです。

粘土やコンクリートなどで雨水が染み込まないように、山積みしたがれきの表面を被います。雨水の浸透を止めると、集めたときに含まれていた水が漏出した後は、汚染漏出はなくなりますから、土壌への放射性物質の浸透は、コンクリートなどで土壌への浸透防止床を作り、排水パイプを入れてその上にがれきを山積みするという安い費用の構造だけで管理できます。

本要望と並行して私たちは、環境から集められた全ての放射性廃棄物は、福島第一原発付近に放射性廃棄物最終処分場を設置して長期管理することを要望しています。山積みした初期に出る汚染水は、そこに運んで処理することを要望します。

宮城・岩手ではがれきの放射能よりも山野や田畑の枯れ草や落ち葉の放射能のほうが格段に多いので、放射性廃棄物の処理と汚染・被曝防止のためには、農地や山野の対策をより強化される事を要望します。その際に出た処理物は、福島地区要望書にある最終処分場に運びます。

津波がれきは山積み処分が早く、経済的で安全な最も合理的処分法です。

900m × 600mで、平均の高さ20mの丘に築くと、2160万トン収容できる(比重2として計算)。現実的な数字です。処分場を海岸に造るので、がれきを海上輸送できることも利点です。

<記念公園として整備することについて>

がれきは思い出と悲しみの遺品です。ごみとして処分するのは残念なことです。
集めたがれきは古墳のように山積みし、津波避難所をかねた震災津波慰霊の大公園として整備する。

津波の教訓や歴史、防災の世界的拠点として、世界一の地震・津波資料館を併設する。
世界一の資料館は、被災者と被災地の誇りを守り育てることを助けます。

世界最高の津波資料館は、観光・学術・文化施設として、被災地の経済復興と文化振興発展に有益です。広島平和公園と併設された原爆資料館・国際会議場が良い例です。

公園と資料館には、広域・焼却処理に考案した費用を充当すれば可能です。

■呼びかけ団体: 震災復興署名プロジェクトチーム   
■提案者: 仙台赤十字病院医師・東北大学臨床教授 岡山 博

       
(追加) 津波がれきと並行して、「福島原発付近最終処分場 要望」の署名活動も開始しました。
2つの署名は全く別のものです。
片方への賛同を歓迎しお待ちします。
両方にご賛同協力いただける方はそちらもよろしくお願いいたします。
同HPに掲載しています。

           岡山 博
20:24  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(4)  |  EDIT  |  Top↑
2012.07.26 (Thu)

被曝による奇形やダウン症について

被曝による奇形やダウン症について

チェルノブイリ被曝のあと、中程度に被曝したヨーロッパ諸国でダウン症や奇形、低体重出産が増えたという報告が沢山あります。
ICRPや日本政府とアドバイザーの人たちは認めません。

このような報告の多くは、国の機関がおこなった大規模調査ではないために、例えば、西ベルリンの報告;事故前は月3-4人だったダウン症が、汚染が強かった数ヶ月の間に受胎した出産ではダウン症が、10人を超えるくらいに増えたというような報告が多いです。

3人程度であったダウン症が3ヶ月間(3回)だけ12人程度に増えたという報告は、調査集団の数が少ないために、ばらつきによって増えただけの可能性もあるので、「被曝が原因で増えた」と断言できず「可能性がある」という結論しかだせません。

ばらつきの問題以外にも、同じような調査を始めた研究者が何組もいた場合、それぞれの調査結果が、ばらつきが原因となってそれぞれ①増えた、②減った、③変わらなさそうだという中間結果が出たとします。

被曝を受けた地域でダウン症が増えた場合は、「予測した通り」と考えて調査活動を拡続け、論文報告をしますが、減ったり、はっきりしない場合は、「減るわけがないからおそらくばらつきの為だろう。これ以上調査してもはっきりした結論はでなさそうだ」と考えて、調査を途中でやめたり、論文にまとめないことがあります。

新しい薬が発売されたときなども、期待通りの結果が出たときは発表するが、そうでない場合は途中でやめることがあり、このような調査や発表では、「薬が有効だった」という報告だけが発表される傾向にあります。

被曝による傷害調査でも同様の問題が存在します。
被曝した地域としない地域で行なった調査で、被曝した地域で増えていなかった結果がでた場合は増えた結果のときより、報告や論文発表数が減っている可能性も考慮しないと正しく結論は出せません。

だから行政などが系統的な大規模調査をすべきなのです。
行政が学校に指示・依頼して調査すれば、鼻出血などは簡単に調査できるのにしません。

多くの報告・論文はチェルノブイリから離れたヨーロッパの汚染地域では「以前と比べて3倍程度にダウン症が増えた」ことを示しています。
私は、被曝によってダウンや奇形は増えていると推測しています。

ダウンや重症奇形は被爆が無くても存在します。
ダウン症は元来ごくわずかしかありませんから、被曝した結果、3倍に増えたとしても、生まれる子どもの殆ど大部分は正常です。

ダウン症という重度の障害が3倍に増えたことが重大な問題です。
だから「正常出産した人がいたからほっとした」というのは論理的には正しくありません。
出産のほとんど9割以上が正常だったから安心するという感覚的理解は、論理的に吟味しないと危ないです。
感覚的、気持ち納得を優先する理解は誤った判断に導くことがあります。

汚染された野菜や魚を、大臣が人を欺くために食べて見せても安全を意味しないことと似ています。

ドイツ、イギリス、アメリカの核施設周辺で、それぞれ白血病が増えたという報告があります。
この増加は対照地域と比べて何倍も多いということではなく、数10%多いという程度です。

この事実はどのような立場の人も認めています。

一方、その原因が放射線被曝によるものかどうかは評価が分かれています。
被爆ではなく経済的な差や。ストレスによるかも知れないなどという意見です。

鉛や有機水銀、農薬中毒などの毒物の場合は、摂取した有害物の量が増えると症状が重くなります。
一方、放射線による多くの傷害は、被曝が増えても個人のレベルで症状が重くなるのではなく、症状の重さは変わらずに有害な症状や病気を持つ人の数が増えるという点が、放射線以外の有毒物による生体作用と違います。

鉛中毒、有機水銀中毒、農薬中毒などでは、それぞれ特有の症状や臓器障害が出ますからそれを調べればわかるのですが、放射線による奇形などは、その奇形を詳しく調べても多くは、放射線被曝によるものかどうか区別は多くの場合困難です。

多くの放射線障害では、個々の例の解析では被曝の影響かどうかはわからず、沢山の数を調べて数が増えたかどうか、増えた場合は、ばらつきや他の原因で増えた可能性はないかなどを大規模調査をして初めてわかります。

口唇裂や内反足など比較的軽いものも含めると先天奇形は被曝を受けない地域で約1%ですが、ヨーロッパのある地域のように、被曝地域では2%に増えたとします。

ここまでは、議論の対象ではなく、知識を得る調査と学習の対象です。
そのあとはいろいろな考えがありえます。

詳しくは省きますが、以下の考えはどれも正当な考えとしてありえます。
ありうるというだけで誰もがそう考えるべきだということではありません。

出産するときは、重大な奇形やその他のリスクを覚悟して出産すべきで、これが正当な考え方です。
母子共に異常が無くて当たり前というのは、はじめから間違っています。

奇形のリスクを考えたとき、出産するかどうかについて代表的な考え方は以下の3つです。
誰にとっても正しい考えということではありません。
その人の考え方や境遇によってどれも正当な考えとして選択しうるものです。

① 奇形の可能性が 1% あるので、いやだから、被曝有無に関わらず出産しない。
② 1%は覚悟するが2%受け入れはいやだから、1%リスクを上げる量以上の被曝をした場合は出産しない。
③ 被曝が無ければ99% は奇形がないから、99%の可能性に期待して、1%のリスクは受け入れて出産する。被曝した場合でも、98%は奇形が無いから、それに期待して2%のリスクは覚悟して出産する。
やや別の観点から、事故による人為的原因の為に高くなったリスクがある状態では出産しないと言う考えも成り立ちます。

いずれをとるにしても、被曝をした母親の大多数の子どもが奇形をもつのではなく、奇形は全体の中ではごく一部です。
その一部をどう考てえ、決断するかという問題です。

半分くらいが奇形を持つのではないかというような誤った認識を基にして考えれば、それは誤りです。

 重症の奇形やその他の問題が生じたときに、経済、日常生活、教育など社会がどのように援助するか、加害者を処罰するか、どこまでどのように保障・賠償させるかなどという問題も議論・判断の対象ですが省略します。

「事故後25年以上もたった子供が最近健全な子供を作りました。これが、今の私たちの希望です。」というのであれば、少数の奇形やその他の問題を生じる例があるにしても、ほとんど大多数派は重症奇形なしに生まれます。

何人か少ない出産でも正常出産があれば、それを希望と評価するなら、被曝しても沢山の正常児が生まれますから、子どもを生んだり、その将来を考えるのは大きな希望です。

そのような考えもも良い考え方の一つと思います。

(以上は、以下のLEMONさんのコメントに対して私の考えを書いたものです。
普遍的問題を含むので、記事として掲載しました)

・・・・・以下は、LEMONさんからのコメント・・・・・・
もうひとつ。チェルノブイリ事故で保養に関わり、汚染された食品にかかわり事故後25年以上もたった子供が最近健全な子供を作りました
> これが、今の私たちの希望です。
19:09  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(2)  |  EDIT  |  Top↑
2012.07.03 (Tue)

特権的な利権・地位を維持するために、社会の健全性と人の幸せを破壊する人たちが運営する社会を変えよう

                 (2012年7月3日 twitter; giovannni78 からの転載です)

自分たちの特権的な利権・地位を維持するために、社会の健全性と人の幸せを破壊する人たち(電力・財界・官僚・・・)が運営する社会を変えよう。①

②原発はリスクを入れたら超不採算であることを、電力会社と官僚は全部知っている。
原発再起動に賛成する議員は、それを知っているか、議員業を続けるために理解さえせず、電力や官僚の小間使いをしているかのどちらかだ。

③原発が不採算であることに加えて、福島大惨事が、何百万人の今と未来に大損害を与えることも知っている。
国と多数の人に大損害を与えることを知っていて、自分たちの目先打算と保身の為に、原発を再稼動する人格・精神の人たちが、日本社会を運営している。
これが日本の現実。変えるべきだ。

④「何が得か・損をしないか、上司や実力者から非難や嫌がらせを受けないか」という、打算と保身だけで行動し、道義・健全・他人を傷害しないことは思考停止する人たちが、国や、多くの団体・企業など社会を運営する地位を独占している。
そのような人しか高い地位を維持できない不健全社会が今の日本だ。

⑤偽りや道義に反することを、社会や周囲の人が、例外なく批判することをせず、道義・健全が言動を縛る力にならず、他人と社会を傷害しても平気で、打算と保身だけで行動する人達が運営する社会は、社会と人の健全性と人の幸せを破壊する、反社会的・非民主的社会だ。

⑥なぜこうなったか?利権・打算・保身で動く社会で高い役職を持つ人たちが悪いのはもちろんだ。
同時に、国民の多くが自分の生活・言動で、道義・健全性が言動を決める基準から抜け落ち「どれが得か・損をしないか、上司や実力者から非難や嫌がらせを受けないか」で言動を決めているのも同じ問題を持つ。

⑦道義・健全性ということが、多くの人々の言動を決める基準から抜け落ちて、「どれが得か・損をしないか、上司や実力者から非難や嫌がらせを受けないかで言動を決める精神構造;これは、官僚や社会の実力者たちが都合よい社会運営をするために、一貫してやってきた、国民愚民化政策の成果でもある。

⑧打算と保身だけで行動し、道義性・健全性=何はしてはいけない事が、多くの日本人の言動を決める規範から失われて久しい。
「どれが得かどれがいやな目にあわないか」が今の多くの日本人の判断や行動の基準になっているが、どこの社会、何時の時代もそうだということはなく、今の日本に顕著なことだ。

⑨自分が判断すべきときにも、「現実は・・」と言って道義性・健全性・きちんと考える事を避けて、思考停止する。この現実を変えずに、利権と保身で人と社会を欺いて、利益を得ようという、電力業界や財界、官僚による社会運営を変えることは出来ない。

⑩官僚や財界などの利権・打算・保身だけで動き、社会や社会を損なう、社会的強者による愚民化政策で教育し育てられた貧しい精神と、判断・行動傾向が、私たち日本人ひとり一人の中に強く根付いてしまった。
彼らと共通の貧しい精神を、してはいけないものと自覚・努力して自らを克服すべきだ。

⑪自分が利権を得られる立場にいないからやらないだけで、もし出来る立場なら、不道徳であっても甘い汁を吸いたいという精神が自分にあっては、官僚や財界・電力の悪行をきちんと批判することは出来ない。

⑫彼らと同じ物があるから批判を控えるというのではなく、共通の貧しい精神があったままで批判する(それなりに正当で必要ではある)事を吟味しましょう。
自分の問題・課題や発見は社会全体に共通の価値になります。
気づきは発見。勇気があれば発見は言動に進みます。
勇気も必要

⑬福島大惨事で、原発の不採算性・反社会性がはっきりしているのに、原発再稼動をするという不健全社会、被災者の人生と家族を破壊して、補償や生活再建取り組みも行なわずに放置したままで、原発を再稼動するという不健全社会を止めさせて、人と社会が自分と他人を大切にしあう健全な社会を作ろう。

⑭「何をしてはいけないか、何を黙認・同調してはいけないか」とは子供の教育にとっても基本的で大切な課題です。道義性に無関心になり、悪行に対して系統的に批判をしない人間にする。これが彼らの狙い。
そうなるように愚民化政策・愚民化教育をしてきた。流されずに子供を立派な人に育てましょう!

⑮力強くまともな批判、発言をするためにも、「何をすべきか、何をしてはいけないか、何を黙認・同調してはいけないか」という道義的課題を自分の言動を決める基準の一つにする精神を大切なものとして私たちの中に育てる取り組みもしましょう、しませんか、したいです。
21:52  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(9)  |  EDIT  |  Top↑
2012.06.23 (Sat)

大飯原発再稼動に賛成・容認するおおい町と福井県の皆さんへ (要約版)

       大飯原発再稼動に賛成・容認する
      おおい町と福井県の皆さんへ
 
 そして原発再開に賛成される、全国の原発地域の皆さんへ
      (要約版。よろしければフルバージョンもご覧下さい)


       I. 原発事故時、国と電力会社の基本方針について

・ 原発事故直後「パニックを起こして社会を混乱させないために」は、住民には安全だと嘘の説明をして、避難させない。汚染食品を食べさせ続けました。
・ 「避難や、汚染野菜を避けるのは、神経質で異常な人たちだから相手にするな。避難する人は、自分だけよければという裏切り者だ」と解説して、被曝を減らそうとする人を侮辱攻撃しました。
・ そのために沢山の人が避難せずに被曝し、放射能汚染食品を食べ続けました。
・ 「専門家でない素人が言う煽動に乗るな。それでも出る不安や批判は、裏切り者、精神異常者として黙らせる」ということが原発事故以来、政府や福島県、東京電力が行なってきたことです。

・ 一方で、東電関係者や家族は、爆発前から、福島県から、避難しました。保安院幹部は、福島市内に留まって、汚染の強い原発現場には行きませんでした。
・ 東電関係者が避難したことが悪いのではなく、嘘を言って住民を避難させないことが重大でした。批判のポイントを間違えてはいけない。

・ 住民は、「被曝し、捨てられて構わない人間。避難したり、汚染食品を避ける権利はない人間」として扱われて、今も続いています。
・ 事故処理を進めるために、東電社員を大量動員することはせず、被曝容認基準を著しく上げて、下請け労働者に大量の被曝をさせました。責任ある官僚や東電幹部は、被曝危険がある現場に行っていません。

・ 東電正規職員は、事故前から、被曝危険性がある現場には殆ど行かない。原発事故がおきても、いくらか行くようになったのはずっと後のことです。
 強く被曝を受ける作業は東電社員ではなく、下請けの人たちだけの仕事です。

・ 大飯原発でも、定期点検など、被曝する現場作業は、現地の下請けの人だけで、関電の正規職員や幹部は被曝危険が高い作業現場に日常的に行かない。現地の皆さんは知っているはずです。

・ 原発を推進し、安全管理を怠った、責任ある歴代の東電幹部や官僚は、現場作業に参加すべきです。彼らができる単純作業は沢山あります。しかし参加しない。現地の「被曝させても構わない、自分たちとは違う種類の人間」にやらせていいます。

・ 大企業の福島勤務者や外国人が、被曝回避の対策を取ることは非難されないが、住民が被曝回避すると非難される。これが今、福島でおきていることです。
・ 原発を受け容れた住民は、原発推進勢力から、まともな人として扱われない現実を認識すべきです。
・ 全国の原発付近の方や自治体は、「嘘を言い、放射線汚染食品を食べさせ、被災者に更に損害を与える政府・行政・電力会社」に、目下の協力者として協力するのでではなく、指弾・追求すべきです。
・ まともな日本人として扱われていないのは、原発を作るときから一貫している。大事故になって、はっきり見えるようになりました。

・ 大損害を生じる大惨事の可能性を考えたから、原発を過疎地に作り、損害は住民におしつける仕組みを作りました。
・ 「地震国日本で原発は危険すぎて、保険契約はできない」とロイド保険に断られた。
・ そこで電力業界は、「想定外の原因で原子炉事故が起きた場合は、電力会社の責任は問わず、被害者に賠償する義務もない」という法律を作らせた。東電が「想定外」という言葉を絶対に引っ込めないのはこのためです。

・ 「過疎地の人は金をやれば誇りも失い、懐柔できる。道義も安全も考えない原発推進に従う人間にすることができる。その程度の人間」として始めから扱われていました。

・ 、原発地元の人や自治体は、人を欺いて他人に損害を与える原発推進者の目下の協力者になって子供や他人の安全と発言を脅かすべきではありません。
・ 原発に屈辱的に同調することが、子供たちの誇りを壊して卑屈な人間に育てるという重大な意味を考えるべきです。

・ 「病気になったら、放射能が原因ではなくて、過剰に心配したストレスが原因だ」と解説・強要しています。
・ 放射線被曝に関する世界的な共通した理解や合意と、日本の全ての法律に反する。一部「専門家」の主張を、医学の常識であるかのように偽っています。
・ 健康被害が出たら、加害者が責任を被害者に押し付ける悪質なものです。

・ 恐怖を感じて自由に意見をいえない社会にしました。被曝とは別の意味で重大です。
・ 行政組織として法律違反をし、更に国民・住民に法律違反を強要する無法国家・無法行政・反民主社会になりました。

・ 「放射能は安全」と嘘の授業を強要し、学校を、「生徒や先生が、自分で考えたり自分の意見をいえない、抑圧と洗脳の場」に変えました。
・ 「学校は本当のことを教えない。自由に考えることも発言することも抑圧する。学校は子供の安全を損なうことをする」という事実と認識が広がりました。
・ 学校と先生が保護者や生徒から信頼されなくなったら、健全な教育は不可能です。打算の為に他人を偽り大損害を強要する事故対策は、学校教育も破壊しました。

・ これほど重大な反社会的、違法行為までして、原発を稼動させようとしています。

・ 「あれだけの大事故を起こしても、1人も死んでいないくらいに原発は安全だ」と電力会社の幹部は主張しています。死んだ人がいないと言うのも怪しいですが、死ななくて財産と人生が破壊された人の回復もさせずに、「平気で心に仮借なく」原発再開を主張しています。「原発事故で被災した住民は、自分たちとは違う、切り捨てても人生が破壊されても、被曝しても構わない、自分たちや都会の日本人とは別の、劣った人間」として扱っています。

・ 無条件同調を強要し、自由な発言を抑圧する社会を進めて、社会の健全性を崩壊させ、人々から誇りと明るさを奪い、今後の日本を崩壊させる重大な一歩になりました。

        II. 福島や宮城社会で起きていること

・ 子供に放射能被曝をさせたくない母親は、家族の中でも「県も専門家も安全だと言っているのにお前は神経質だ、変わっている」と非難されて、家族内で孤立し、放射能の話題はタブーとなり、家族内で自由に言葉が言えず、家族として機能しない半崩壊家族が増えています。
・ 避難した母親で、多くの人が離婚したり、実質離婚しています。
・ 安全神話の強要は、社会や、健全な家族内の会話を破壊して、人の精神と人格と、健全な人間関係に基づく幸せも破壊しています。

・ 校庭の放射線測定や給食の牛乳の放射能測定要望や、飲ませたくないという申し入れは長期間禁止されました。要望した母親はモンスターペアレンツ扱いされました。
・ 給食を、学校から持ち帰って測ろうとすると、窃盗扱いされ、給食放射能に批判的だった教師は、窃盗をそそのかしたと、処分前提の指導を受けました。
・ 教師は、自分の意見を言うことを禁じられています。
・  教師が正しいと考えることを発言できない、誤りだと指摘したり話愛ができない学校で教育が行なわれています。

・ 福島市内では、放射能の話を話題にすることも殆ど出来なくなっています。自分や子ども、家族の安全の為に放射能について知ったり話題にすることさえ実質禁止の状態が続き、人は安全に学習や会話ができません。

・ 福島医大では、放射線被曝を避けるために、多くの医師は家族を福島以外に住まわせ、医師の1割が退職しています。
・ 福島医大の医師がこのように、放射能汚染を深刻に考えていても、医大の中では放射能を話題にすることは禁句で、放射能汚染や被曝に関連にした調査・研究は実質的に禁止されている。
・ 大学の研究内容が禁止されるということは恐らく戦後なかったことです。これだけでも日本社会にとって歴史的重大事です。

・ 被曝について医学的な議論や、自由に話すことが出来ないず、被曝に関して自由な研究が実質禁止されている福島医大が、被曝医療の中心になっています。

        III. 大飯で事故が起きると福島の9倍以上汚染される

・ 日本の風は基本が偏西風なので、福島原発事故で放射能の90%は太平洋上に運ばれた。
・ 大飯原発で爆発すれば放射能の90%が陸に落ち、福島の9倍の汚染になる。

・ 大飯では安全な風上は海上になるのでの安全な避難場所は殆どない。

・ 原発稼動中や停止直後に爆発・放出があれば、短寿命放射性物質で人と陸地が激烈に汚染される可能性が高いです。

・ 大飯原発は、若狭湾内にあるので、放射能は若狭湾に長期に留まり、湾内が強くに汚染される。
・ 原発が湾内にあることと、対馬海流の流量は親潮・千島海流と黒潮の大海流と比べるとはるかに少ないために、湾内の放射能が拡散希釈されるのには、福島の何十倍、何百倍の時間がかかる。

・ 対馬海流で運び出される放射能は、京都から北海道までの日本海を海岸に沿って、海と海岸を汚染する。

・ そうなっても自分は我慢すればよく、家族や知人が被曝してもやむをえないですか?
・ 事故がおきた場合に十分な避難路がないことは問題だが、避難しても以上のことが起きる。
・ ひとまず避難できれば良いと考えますか?

       IV.原発事故があれば被害はおおい町と福井県だけですまない

・ 原発事故があれば被害はおおい町と福井県だけではすまない。
・ だから、おおい町民や、福井県民、関係漁協は、大飯原発の稼動を他の国民の分を代表してまで承認する権利・権限はありません。

・ 「地域自治体と関連漁協だけの承認で良い」という法律は、原発を推進する人たちが不当に作らせたものです。
・ 福井県の自治体は、日本中の人の安全や財産を提供する意味を持つ承認・容認をすべきではありません。本当は福井以外の人々の分まで変わりに代表して容認する権利はないbのです。

・ アメリカ先住民は内容を理解せず、親切心に付け込まれて騙されてサインをし、それを盾に全ての土地を白人が奪った。いアメリカ合衆国を作った。大飯原発を承認する人は、人が反対していることを承知で、利益と引き換えに承認するのだから、事故があれば、被害者ではすまず、有力な加害者です。
・ 加害者や悪人になってはいけないから、おおい町や福井県の人は、他の地域の人の権限や安全を侵す承認をすべきではありません。

       IV. 原発事故の原因は解決されていない

・ 国と東京電力は、津波によって緊急用電源が破壊されたことが大事故の原因だと言っている。嘘です。
・ 地震で送電鉄塔が倒れ、外部電源2系統が全て破壊されたことが第1の原因だ。
・ 非常用発電機が津波で破壊されたことと、移動式の電源車の送電ケーブルが短かすぎ、更にソケットの形が合わなかったために緊急用補助電源が使えなかったのが第2の原因。その結果、原子炉冷却ができず、爆発した。

・ 津波で非常用発電機が破壊されたことが福島原発事故の最大の原因というなら、電源車のコードが短すぎ、さらに、ソケットの形が合わなかったために電源車から送電できなかったことも、津波と同程度の最大の原因というべきです。
・ わずか震度6の地震で配管もかなり破損したので、仮に電源復旧に成功しても、原子炉を十分冷却できたかどうか疑問だ。これも言わずに「想定外の」津波が最大唯一の原因であると主張しています。
・ 爆発前から、原発内や周辺、100km離れた女川で、高い放射能が存在した。
・ 爆発したのは圧力容器や格納容器ではなく、それを被う原子炉建屋です。爆発する前、既に地震で圧力容器・格納容器に繋がる配管が破壊されて、圧力容器内の水素ガスが、建屋内に充満したから爆発したのです。

・ 原発に都合良い意見だけを集める組織を、中央や、地方行政、研究機関、マスコミに作り、自由に物を言えない環境を作って、まじめな議論や、異論や反対は抑圧排除しました。

・ このような抑圧的なあり方の為に、電力会社内でも、原子炉を改良すべきことや大小の事故から教訓を得て原子炉の安全を高めていくことは話題にさえしにくくなっていたはずです。JRや航空会社であれば、危険かもしれないことに社員が気づいて問題提起、報告すれば、評価が上がる。しかし電力会社内や電力の息がかかった研究機関や企業では、危険を指摘するだけで、抑圧されていやな目にあう。

・ 爆発を起こして、解決の方針も出せず、東電と官僚は打算で動いて事故と損害を繰り返し拡大させました。原発の危険性を指摘して事故対策を要求していた技術者や科学者を招いて、知恵を集めて方針を作り、事故対策を進めるべきでした。しかし、原発に批判的で事故対策を研究・提案してきた専門家を今でも、排除して、同調者だけで、原発を独占して仕切っています。

・ 原発に都合が良い考えや資料だけを集め、異論や反対意見を抑圧排除する。これが福島原発大事故の最大の原因です。
・ 無責任で利己的な、原発事故責任者が処分も受けずに今も居座って、批判者を排除して強引に原発を強行する姿勢と仕組みはかえって強化しています。

・ 原発の安全対策など、批判的意見を抑圧して、自由な議論を抑圧排除したことが、福島原発事故の最大の原因なので、それを考えれば、原発事故の安全性は全く改善されていなません。津波対策だけしても解決になりません。
・ 原発推進論者だけで、原発の基本方針を決めたり、原発運営を独占している現在のあり方を改めない限り、事故の最大の原因は存在し続けます。無責任に原発を推進・強行した幹部を全員処分し、公平な立場と、様々な立場の専門家による公開された議論に基づく事故処理と、原発運営の仕組みを作ることが全ての出発です。
・ これをしないで原発再開を主張するのは、原発の安全性と健全な運営に関心なく、打算と保身だけで判断する人たちだけができる主張です。
・ 協力すべきではありません。

           VI. 原発再稼動に合意されるおおい町と福井県のみなさんへ

・ 自由に安心して話せない抑圧社会、人間関係であっては、互いによく考え話合って共同してより良い方針を作ることはできません。
・ 都合や行きがかり、打算を入れず、まじめにまっすぐ・丁寧に考え、誠実に議論して判断、行動してください。
・ 子供に誇れる、まともな自分であろうと考えれば、どう発言・行動したらよいか分かります。子供たちは大人のあり方をまねて、成長します。

      (2912年7月28日修正)
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2012.06.17 (Sun)

大飯原発再稼動に賛成・容認するおおい町と福井県の皆さんへ

もし大飯原発で大事故が起こったら、安全をどう確保するか確保できるのか」を考えて、大飯原発再稼動に賛成・容認するおおい町と福井県の皆さんへ。
   (フルバージョン。本記事とは別に短くした要約版があります)

 電力会社と国の方針は決まっており、今その方針通り福島で実行しています。
 今後も基本方針を変えるつもりはありません。
 そのことを理解して、判断・発言・行動して下さい。

電力会社、財界と国が行なっている方針は以下です。

   I. 大事故発生時の、国と電力会社の基本方針について

・ 原発大事故直後にやるべき事は、すぐ避難させる、汚染空気をできるだけ呼吸させない、汚染食品を食べさせないことです。しかし、

・ 国と福島県・電力会社は、福島原発事故後、安全な水と食品を全力で供給することをせず、強く汚染された野菜も食べるように住民にすすめました。

・ 福島原発事故後、国と県、電力会社と同調者は「放射能はたいしたことはない、避難するな、(猛烈に汚染された自家野菜も)食べて良い。子供は元気に外で遊ばせろ。心配することや心配だと話題にする人のほうが放射能より有害だ。」「避難や、汚染野菜を避けるのは、神経質で異常な人たちだから相手にするな。避難する人は、自分だけよければという裏切り者だ」と解説して侮辱攻撃しました。

・ そのために沢山の人が避難せずに被曝し、放射能汚染食品を食べ続けました。

・ 「猛烈に汚染された地域の人に汚染の事実を知らせると、住民は適切な判断する能力がないからパニックを起こす」。だから、

・  「社会を混乱させないためには、住民には安全だと嘘の説明をして、避難させない。汚染食品を食べさせ続ける」。

・ 住民がパニックを起こしたとしても、判断能力がないからではなく、危険な重大事だと考えるからパニックを起こすのです。危険であれば、住民は避難し、家族も避難させる。それが当然です。しかし、

・ 被曝を避ける言動抑制することに批判が出たら、「専門家でない素人が言う煽動に乗るな。それでも出る不安や批判は、裏切り者、精神異常社として黙らせる」という方針です。

・ パニックを避けると言って住民の避難を抑制する一方で、事故対策に関係ない東電関係者や社員家族は原子炉冷却の見込みが立たなくなった時点、爆発するより前から、重大事故になると考え、すぐに福島県から、避難しました。現場で指揮する義務がある保安院幹部(中央官僚)は、福島市内に留まって、汚染の強い原発現場には行きませんでした。

・ 人類が経験したことがないほどの大惨事になる可能性が相当にあったので、避難するのは当然の事です。

・ 東電関係者がすぐに避難したことが悪いのではなく、安全だと嘘を言ったことと、住民を避難させなかったことが重大なのです。批判のポイントを間違えてはいけない。

・ 住民は、「東電社員や保安員などの中央官庁職員と同等ではない、劣った、捨てられて構わない人間、避難したり、汚染食品を避ける権利などはない人間」として扱われて、今も続いています。

・ 事故処理を進めるために、東電社員を大量動員することはせず、被曝基準を著しく上げて、下請け労働者に大量の被曝をさせました。責任ある官僚や東電幹部は、被曝危険がある現場に行きません。

・ 東電正規職員は、事故前から、被曝危険性がある現場には殆ど行かない。原発事故がおきて、大量被曝しながら作業しなくてはならない事態を生じても、正社員は被曝を受ける作業には参加しなかった。いくらか行くようになったのはずっと後のことです。行く
ても、大量被曝する単純作業には参加しない。

・ 大飯原発でも、定期点検や、日常的補修など、被曝する現場作業は、現地の下請けの人だけでやり、関電の正規職員や幹部は被曝危険が高い作業現場には日常的に行かないのではないか。大飯原発について、私は具体的知識がありません。しかし、現地の皆さんは、言われなくても常識になるくらいに知っているはずです。

・ 原発は安全と言って恫喝的に強行してきた、歴代の東電幹部や官僚は、現場作業に参加すべきです。彼らができる単純作業は沢山ある。しかし参加しない。現地などの下請け労働者=「被曝させても構わない、自分たちや普通の日本人より下等の、別の種類の人間」にやらせている。

・ 東電社員や、中央官僚、大企業の福島勤務者や外国大使館・外国人が、福島から非難したり、汚染食品を避けるなどの被曝回避の対策を取ることは非難されないが、最も危険にさらされている住民が汚染食品を避けたり、避難すると裏切り者、非常識、非科学的だと非難される。これが今、福島でおきていることです。

・ 被災した人たちだけは、避難したり、汚染食品を避けることが許されない。法律で保障された日本人として扱われていません。本来なら、東電や、関係官僚が最も守るべき人たちです。

・ 福島以外の原発付近の方や自治体は、「嘘を言い、放射線汚染食品を食べさせ、被災者に更に損害を与える政府・行政・電力会社」に、目下の協力者として協力するのでではなく、指弾・追求すべきではありませんか?

・ 原発事故直後、猛烈な汚染があっても、国や電力会社は、全力で避難させたり、安全な水や食糧を供給するなど、被曝を減らすための行動を取りませんでした

・ 汚染されたものも非常事態だからやむを得ないといって、法律違反の汚染食品を食べさせ、法律違反の外部被曝も容認させる方針です。

・ 「パニックを起こすと、他の地域の人たちの安全や利益を損なう。住民は判断する能力がない。だからパニックを起こさせないためには、莫大な汚染があっても食品と呼吸の汚染回避はさせない」。これは実際に飯舘村などで政府・福島県・東電・電力業界がやっていることです。「判断能力がなくパニックを起こす住民には危険を知らせず、避けられるはずの被爆も回避させない」。原発付近の住民は、日本人全員に適応されているはずの既にある法律からも除外されて、日本人として扱われません。

・ 「原発は安全だ」と言いながら、日本では、原発を消費地から離れた過疎地にわざわざ作るのは、事故がおきたら、住民を人として扱わず、日本社会から切り捨てるためです。そしてその通りのことをやっています

・ 福島の人たちは、法の下の平等な人=日本人として扱われていません。原発付近の住民はそのように扱われています。福島の被災者が、原発推進勢力から人として扱われていない現実を、おおい町・福井県・日本中の原発立地県の方は、目をそらさずまっすぐに認識すべきです。

・ 本来は、このような現実を見せつけられる前に知っておくべきでした。気づいて反対した人たちも沢山いたのです。素人すれば知れた、考えようとすれば考えることはできた。しかししなかった。普通の日本人として扱われないという屈辱に気づかなかったのなら、これまでの自らの考え方やあり方を反省し、再検討すべきです。

・ 日本人として平等に扱われていないのは、大事故がおきたからではなく、原発を作るときから一貫していることです。大量の放射能汚染という事態になって、よりはっきり見えるようになりました。

・ 表に見えていなくても、大飯をはじめ、全国の原発を受けいれた地域の住民は、始めからそのように扱われています。

・ 事故がおきたときには、住民に損害を押し付けて、日本社会から切り捨てる。大事故がおきたら、賠償や回復可能な損害ではすまないことは始めから分かっている。大損害を生じる大惨事の可能性を考えたから、原発を過疎地に作った。

・原発を作るとき、大事故に備えて、電力会社は世界の保険の本締めともいえるイギリスのロイド保険に申し込みましが「地震国日本で原発は危険すぎて、保険契約はできない」と断られました。

・ そこで日本の電力業界は、金と政治力、官僚と政治家を使って「想定外の原因で原子炉事故が起きた場合は、電力会社の責任は問わず、被害者に賠償する義務もない」という法律を作りました。東電が「想定外」という言葉を絶対に引っ込めないのはこのためです。

・大事故がおきたら、被害者を見殺しにするという方針はあらかじめ想定してしっかり準備していました。今それを役立てています。莫大な金を与えて、原発に無条件賛成の研究機関や、専門家を沢山つくり、批判的研究者には冷や飯を食わせて、原発に無条件協力する原発や被曝医療の若手研究者を育てたのもそのためです。それが今役に足っている。

・ 経済的に豊かでない過疎地の人は「わずかな金をやれば誇りも失い、懐柔できる。道義も安全も考えない、原発推進に従う人間にすることができる。その程度の人間」として始めから扱われていました。

・ この扱いを受け田人は、屈辱と知るべきです。

・ この扱いを受けて反撃せず、逆にそのまま受け容れるべきではありません。

・ 人と社会を欺いて他人に損害を与える、道義性がない人たちの目下の協力者になって、自分や子供、社会を守る正当な意見を持つ他人や他人の発言と安全を脅かすべきではありません。

・ まともな人として扱われず、いざとなったら切り捨てられる、「黙らせるには少し金を与えれば十分だ」こんな侮辱的な扱いを、受け容れるべきではありません。こんな扱いされることに慣れたらまともな、人としての誇り尊敬されるべき一人の人間として存在できません。人としてまともな誇りを持つべきです。

・ 自分を守る正当な意見も発言させない人間関係で縛って、誇りを失った精神を子供たちに植えつけてはいけない。 原発に屈辱的に同調することが、子供たちの誇りを壊して卑屈な人間に育てるという重大な意味を考えるべきです。

・ 国と「専門家」は「放射能よりも心配しすぎるほうが健康被害がある」「病気になったら、放射能が原因ではなくて、過剰に心配したストレスが原因だ」と解説・強要しています。

・ 放射線被曝に関する世界的な共通した理解や合意と、日本の全ての法律に反する、ごく一部の「専門家」の主張を、まるで医学の常識であるかのように偽って政府や自治体が電力会社の意を受けて解説し公的機関・自治体を使って強要しています。

・ この偽りを言う行政の説明と取り組みは、被曝を減らす取り組みを弱めると共に、病気が出たら、被曝させた責任者が、被害者に病気が出た責任を押し付けると言う悪質なものです。

・ この行政の判断と方針は、説明と方針が誤りであることに加えて、異なる意見をいえない社会を作っています。恐怖を感じて自由に意見をいえない社会は被曝とは別の意味で危険で重大です。

・ 公務員が法律違反をすると法治国家が成り立たなくなるので、公務員は法律遵守を厳しく義務付けられています。

・ 現在の日本は、上司の命令で、個々の公務員が法律違反をしています。

・ さらに行政組織として法律違反をし、更に国民・住民に法律違反を強要するという無法国家・無法行政・反民主社会になりました。

・ 学校教育では、反対意見があることを知らせず、「放射能は安全」という一つの考えだけしかないように偽って、批判や議論を許さない教育を強要しています。

・ 今回の原発事故の正しくない政府方針は、「学校教育を、何が正しいかを考えて判断するという科学的、論理的能力を育てるのではなく、学校という国民にとって大切な機関を、生徒や先生が自分で考えたり、自分の意見をいえない、抑圧と洗脳の場」に変えました。

・ 学校教育が根底で破壊され、学校と教師に対する保護者と生徒、社会からの信頼を根本から破壊しました。

・ 「学校は本当のことを教えない。自由に考えることも発言することも抑圧する。学校は子供の安全損なうことをする」という事実と認識が広がっています。

・ 学校と先生が保護者や生徒から信頼されなくなったら、健全な教育は不可能です。

・ 国家百年の計である学校教育が危機です。

・ これほど重大な反社会的、違法行為までして、原発を稼動させようとしています。このことだけでも、原発と、原発推進グループの言動は反社会的です。

・ 福島原発大事故が重大であることと共に、無条件同調を強要して自由な発言を抑圧する社会を進めたことと、国家百年の計である学校教育を破壊したこと、社会の健全性を崩壊させ、人々から誇りと明るさを奪い、今後の日本を崩壊させる重大な一歩になったと私は考えています。

     II.福島や宮城社会で起きていること
・ 子供に放射能被曝をさせたくない母親は、家族の中で「県も専門家も安全だと言っているのにお前は神経質だ、変わっている」非難されて、家族内で孤立し、家族が半崩壊している家族は多い。

・ 家族とも一応合意して、子供を連れて遠隔地に避難した母親で、離婚した人や実質離婚した人は、私が知っているだけでも何人もいる。九州に子連れ避難してその後離婚した方は「子連れで家族から離れて避難している母親の半数は、離婚を考えていると思う」と言い、同席した別の離婚した方もそれに同意していました。

・ 北海道に一時避難したあと、福島に帰られた方は、「家から仕送りがなくなって、やむをえず帰る人が多い。帰ると家族内で、トラブルが起きることは必至で、離婚の覚悟無しには帰れない。」と話していました。

・ 無責任な安全神話の同調強要は、医学的安全だけでなく、このように人の精神と人格、健全な人間関係に基づく幸せも破壊し、今も破壊し続けている。

・ 校庭の放射線測定を要望しても無視され、親が自分たちでも良いから測定したいと提案しても許可されないことが何ヶ月も続きました。

・ 給食の牛乳汚染を心配する親が、給食の牛乳の放射能測定要望や、飲ませたくないとという申し入れに対して、「教育の一環だから飲まなければ駄目だ。変わりに水筒を持っていくことも禁止」。要望した母親はモンスターペアレンツ扱いされ、再度申し入れると精神異常者扱いされるなどの例が続きました。

・ 要望しても牛乳や給食の放射能を測定してくれないので、学校から持ち帰って測ろうとすると、窃盗扱いされ、給食放射能に批判的だった教師は、窃盗をそそのかしたと、処分前提の指導を受けています。

・ 医学常識や法律に反する「放射能は安全」という無条件同調を強要する教材を使う授業が強要されて、子供の成長や安全を考えて異論を持つ教師は、自分の意見を言うことを禁じられています。

・ 福島医大では、放射線被曝を避けるために、医大で仕事をしている多くの医師は家族を福島以外に住まわせ、医師の1割が退職しました。

・ 福島医大の医師がこのように、福島の放射能汚染を深刻に考えていても、医大の中では、放射能を話題にすることは禁句で、放射能汚染や被曝に関連にした調査・研究は実質的に禁止されています。

・ 大学の研究内容が禁止されるということは恐らく戦後なかったことで、大学のあり方としても歴史的な大事件がおきています。

・ 「放射能は安全」と主張する専門家が「正しい考えを大学と社会に教育する」と勇んで、福島医大に集まってきています。
・ 原発推進勢力と政府は、福島医大を放射線について医学的な議論やおしゃべりさえ自由にできない大学に変え、被曝医療の中心にする大方針を作り、莫大な予算をつけました。

      III. 大飯で事故が起きると福島の9倍以上汚染される
・ 福島レベルの事故で、若狭湾は死の海になり、土地は福島の9倍汚染します。

・ 日本の風は基本的に西風=偏西風が吹いているために、福島原発事故で放射能の90%は太平洋上の大気に拡散してやがて海に落ち一部は世界中の大気に拡散しました。

・ 偏西風なので、大飯原発で爆発すれば放射能の90%が陸に落ちて大地を汚染します。

・ だから、福島と同じ規模の放射能放出がおきたら、福井や滋賀、京都でヨウ素やセシウムによる汚染は、今の福島の9倍の汚染になります。

・ 基本は西風なので、多くの場合は陸地が原発の風下になって、逃げるべき風上の避難場所は殆どの場合ありません。

・ 稼動中の原子炉が爆発すると爆発直後の数十分から数時間は、すさまじい量の短寿命放射性物質が出ます。

・ 福島事故では、原子炉が停止してから数日して爆発が相次いだことと、偏西風のため、爆発直後の短寿命放射性物質による汚染は、かなり避けられた可能性が高いですが、大飯原発では、陸の大気が短寿命放射性物質で汚染を受ける可能性が高く、その場合は、地域の被曝は福島と比べて、比較的寿命が長いヨウ素、セシウム、ストロンチウムなどによる9倍量の放射線被曝に加えて、激烈な初期放射線被曝を受ける可能性が高いです。その場合は実質的におそらく全滅です。

・ それほどの危険を冒してまで、原発稼動を容認すべきではありません。しかもそのとき被曝するのはあなただけではない。反対していた人たちまで被曝します。

・ 福島事故では、爆発して大気に放出された放射性物質の落下と、原発敷地内の放射性物質の海への流失と、東電による、汚染水の海中への放出によって、福島の海は汚染されました。

・ 福島原発は、太平洋に直接面しており、さらに、そこには世界最大級の、北からの親潮・千島海流と南からの黒潮の流れがあるため、放射能の殆ど大部分は千島海流と黒潮の大海流によって太平洋全体に移動拡散しています。それでも福島付近の海は今も強く汚染されています。

・ 大飯原発は、若狭湾内にあるので、放射能が海を汚染したら、放射能は若狭湾に長期に留まり、湾内が激烈に汚染されて、文字通りの死の海になります。

・ 原発が湾内にあることと、対馬海流の流量は親潮・千島海流と黒潮の大海流と比べるとはるかに少ないために、湾内の放射能が拡散希釈されるのには、福島の何十倍、何百倍の時間がかかる。

・ 福島の放射能は海流で太平洋に流れたが、対馬海流で運び出される放射能は、京都から北海道までの日本海を海岸に沿って移動し、海と海岸を汚染し、内海ともいえる日本海全体を非常に長期間放射能汚染します。韓国、北朝鮮、ロシアの海も高度に汚染します。

・ 事故がおきたら、これは必ず起きることで、解決する方法はありません。

・ 大事故がおきたら必ずそうなります。

・ そうなっても自分は我慢すればよく、家族や知人が被曝してもやむをえない、他人がそのような被害を受けるかもしれないことを、その人たちの了解もなく、多い町や福井県の人たちが、電力会社に許可する権限や能力外あり、許可しえも構わないと、まじめに考えますか?

・ おおい町民と福井県民は他人の破滅的大損害を承認・容認する権限はありません。、

・ 事故がおきた場合に十分な避難路がないことは問題ですが、避難しても以上のことが起きます。
 ひとまず避難できても、解決しません。

   IV.原発事故があれば被害はおおい町と福井県だけですまない

・ 原発事故があれば被害はおおい町と福井県だけではすみません。

・ だから本当は、おおい町と福井県と関係漁協が、原発稼動を認める権限はありません。

・ 何がしかの見返りを得るために原発稼動に賛成・容認した人は、原発事故があった場合、被害を受けるのは、ある意味ではやむを得ません

・ しかし、大飯原発が事故を起こせば若狭湾は死の海になりますから、京都府の舞鶴や宮津や伊根など、若狭湾内の漁業も壊滅します。福島事故の10%の規模でも、漁業が壊滅するだけでなく、若狭湾に面した市町村は住むことも、恐らく立ち入りも難しくなります。

・ 福島と同程度の事故がおきれば、福井、滋賀、京都が住めなくなり、琵琶湖が汚染され、日本の広範囲が高度に汚染されます。

・ そうなれば、チェルノブイリ事故が原因のひとつとなってソ連が崩壊したと同じように、恐らく日本という国は存続できません。

・ ソ連のような広大な土地ではない、人口密度が高い近畿地方で原発事故が起これば、人の苦しみと、苦しむ人の数はチェルノブイリや福島よりもずっと大きくなります。

・ そのような大惨事に関して、おおい町民や、福井県民、関係漁協は、大飯原発の稼動を他の国民の分を代表してまで許可・承認する権利・権限はありません。

・ イギリスからの移民がアメリカに植民したとき、植民者は、土地に住んでいた先住民(いわゆるインディアン)から、始めは土地を借り、やがて奪っていきました。

・ 先住民は土地を個人の所有とはせず、共同で使うものと考えていました。だから白人が来たとき、歓迎し、困難を助け、土地使用を許可し、かぼちゃの種を与え、耕作法も教えて援助し、受け容れました。

・ アメリカで最も重要な祝日である「感謝祭」はこれを感謝したものです。しかし、親切に助けてくれた先住の人たちに感謝するのではなく、親切な先住民にめぐり合わせて自分たちを助けた神に感謝する祝日です。

・ やがて白人は、先住民から土地を奪っていきました。

・ 土地所有の概念がない、先住民の誰かに働きかけて、ガラス玉などと引き換えに、白人が土地所有を認める契約書にサインをさせる。先住民は英語を読み書きしませんから、白人の口先だけの説明を聞いてサインとして×等の記号を書きました。

・ この先住民は、先住民全体の土地を、白人に渡す権限はありませんが、その個人のサインを盾にして、白人入植者は暴力で次々と全ての土地をうばい、先住民を迫害追放して、自分たちの所有にしました。

・ 契約書に記号でサインした先住民の殆どは契約の意味を知らずだまされたものです。これを繰り返して、イギリスから来た白人は、アメリカの全ての土地を手に入れてアメリカ合衆国という国を作りました。悪質です。

・ 他の地域の人の分までの権限がない、おおい町や福井県の人々や自治体、漁協が原発稼動を許可することはこれに似ています。

・ 原発事故があれば影響や損失は、おおい町と福井県に留まらないのだから、他の地域の人々の安全や利益を売却・承認する権限はありません。

・ 「その地域自治体と関連漁協だけの承認で良い」という法律は、原発を推進する人たちが金と権力を使って不当に作らせたものです。

・ 白人が、権限がない一部の人と契約して全体を取り上げた仕組みと同じです。

・ おおい町や福井県の自治体は、日本中の人の安全や財産を提供する権利はありませんから、他の地域の人たちの安全と財産を提供する意味を持つ承認・容認をすべきではありません。

・ 何らかの利益と引き換えに承認した人が損害を受けるのは、電力会社や政府の責を減らすものではないが、ある意味で当然です。

・ しかし、福島の場合でも、原発に反対し、何の見返りも受けず、その上、侮辱抑圧を受けた人たちまでが、放射能被害を受けました。

・ 東電・政府・自治体と同様に、住民の中で原発賛成で活躍した人たちが、、大事故を起こして大損害を与えたことが明らかになった今も、嫌がらせを受けても原発に反対した人たちに謝罪も弁償もしないことに私はいやな感じを持っています。

・ アメリカ先住民は内容を理解せず、多くは親切心に付け込まれて騙されてサインをしました。しかし、大飯原発を承認する人は、他の地域の人が反対していることを承知で、何らかの利益と引き換えに承認するのですから、事故があれば、単なる被害者ではなく、責を負うべき有力な加害者です。

・ 加害者であることを承知で、利益を受けて原発稼動を承認するならその多くは悪人です。

・ 加害者や悪人になってはいけませんから、おおい町や福井県の人は、他の地域の人の権限や安全を侵す承認をすべきではありません。


      V. 原発事故の原因は解決されていない

・ 国と東京電力は、津波によって緊急用電源が破壊されたことが大事故の原因だと言っています。嘘です。

・ わずか震度6の地震で、外部電源を供給する送電鉄塔が倒れ、外部電源2系統がすべて破壊されて電源を喪失した。震度6で倒れるような送電システムであったことが第1の原因です。

・ 非常用発電機が津波で破壊されたことと、移動式の電源車の送電ケーブルが短かすぎて更に、ソケットの形が合わないというお粗末な理由で電源車が役に立たなかったことが第2の原因です。その結果、原子炉冷却ができずに爆発した。

・ 津波で非常用発電機が破壊されたことが原発爆発の原因と言うなら、電源車のコードが短すぎて更にソケットの形が合わなかったために電源車から送電できなかったことも、爆発に至らせた最大の原因というべきです。しかしそうは言わない。

・  わずか震度6の地震で配管もかなり破損したので、仮に電源復旧に成功しても、原子炉を十分冷却できたかどうか疑問です。

・爆発する前から、大量の放射能がもれ、原発敷地内外で検出されました。爆発する前から、、原子炉本体やそこからの配管が既に破損して、大量の放射性物質が漏れていました。爆発によって破損したのではなく、地震で破損したものです。

・ 東電はこれを言わず、「想定外の津波」が最大唯一の原因であると嘘の主張を続け、原発の安全性に国として責任を持つ保安院も、政府も、これをを追及するのではなく、一体となって主張している。

・  原発稼動に都合の良い意見だけを集めて言わせる組織を、中央や、地方行政、研究機関、マスコミに作り、自由に物を言えない環境を作って、まじめな議論や、異論や反対は抑圧排除した。

・ このような電力会社の抑圧的なあり方の為に、電力会社内でも、原子炉を改良すべきことや大小の事故から教訓を得て原子炉の安全を高めていくことは出来ず、話題にさえしにくくなっていたはずです。JRや航空会社であれば、危険かもしれないことに社員が気づいて問題提起したり報告すれば、評価が上がる。しかし電力会社内では、危険を指摘するだけで、抑圧されていやな目にあう。

・ 都合が良い考えや資料だけを集め、まじめな検討・議論をせず、異論や反対意見を侮辱抑圧排除する。これが福島原発大事故の最大の原因です。

・ 爆発を起こしてからも、解決の方針を出せず、東電と官僚は打算で動いて事故と損害を繰り返し拡大させました。本来なら、原発の危険性を指摘し手事故対策を要求していた技術者や科学者を招いて、知恵を集めて方針を作り、事故対策を進めるべきでした。しかし、原発に批判的で事故対策を研究・提案してきた専門家を今でも、排除して、原発推進してきた責任ある人々は処分もされず、今も原発稼動と、事故処理の中枢を独占して、原発推進論者だけで、方針を作り、原発と社会をしきっています。

・  高まった原発反対や批判の意見を排除するために、一方的な考えだけで他を排除して強引に原発を強行する姿勢を更に強めて、強行する仕組みも強化しています。

・ 原発の安全対策など、批判的意見を抑圧して、自由な議論を抑圧排除したことが、福島原発事故の最大の原因なので、それを考えると、原発事故の安全性は全く改善されていません。

    VI. 原発再稼動に合意されるおおい町と福井県のみなさんへ

・ 自由に安心して話せない抑圧社会、人間関係であっては、互いによく考え話合って共同してより良い方針を作ることはできません。

・ 都合や行きがかり、打算を入れず、まじめにまっすぐ・丁寧に考え、誠実に議論して判断、行動してください。

・ 子供に誇れる、まともな自分であろうと考えれば、どう発言・行動したらよいか分かります。子供たちは大人のあり方をまねて、成長します。

(8月3日一部加筆修正)
20:57  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(17)  |  EDIT  |  Top↑
2012.06.07 (Thu)

瓦礫処分方法と放射性物資処分方法の提案、津波堤防への私見

瓦礫処分方法と放射性物資処分方法の提案、津波堤防への私見>

                 はじめに
     要約
1.岩手、宮城の津波がれきは遺品として扱い、仙台平野海岸に全て集めて山積み処分する。
古墳のように整備して、震災津波記念講演に整備する。経済的、文化的で最も合理的ながれき処分法だ。
2.福島県の津波がれきと、東北、関東の除染作業などで集めた放射性廃棄物は、低レベル放射性廃棄物として扱い、福島第一原発付近に全て集めて山積みして、放射線廃棄物として長期管理する。最終処分場を決めない、まともな放射性廃棄物処理や除染はありえない。
3.津波堤防に関する批判的私見ものべた


         (A)岩手・宮城のがれき処理について
 (A)宮城、岩手の瓦礫処分は、仙台平野の津波で被災した海岸に全て集めて処分することが最も合理的で経済的だ。
 瓦礫処分法として、焼却処分・広域処分は不適切だ。
 山積み処分法が、焼却、埋め立て、土木資材として利用、広域処分などの他の方法よりも、最も経済的で合理的だ。

 岩手・宮城の重量あたりの放射能は高くないが大量なので、拡散させない対策・管理が必要だ。
 厳重な、放射能管理施設としてではなく、積み上げたがれき山の表面を,工事中はビニールシート、恒久的には粘土やコンクリートで被って、瓦礫へ雨水が浸透しない対策と、簡単な土壌への浸透防止・排水の放射能管理だけで可能だ。
 
 雨水浸透を止めるまでの一時期は、瓦礫から出る汚染排水は、濃縮固化してドラム缶に入れて管理施設で保管する=放射線管理関係法で定められている方法で管理をする。
 福島原放射線管理関係法で決められている発付近に低レベル放射線管理施設を作りそこで保管する(B参照)。

 岩手・宮城では瓦礫の放射能よりも山野や田畑の枯れ草や落ち葉の放射能のほうが格段に多いので、放射能拡散や被曝を軽減するには、山野や農地で放射浅間を拡散させない対策がより有効だ。

 低レベル放射性廃棄物の標準的な処分・管理法では、厳重な焼却装置で焼却して容積を減らし、ドラム缶に入れて長期間地下倉庫で保管します。
 焼却の目的は管理するドラム缶の数を減らすためです。
現在岩手・宮城の沿岸各地には、放射能対策がないまま既に山積みされています。
集めて山積みしてきちんと管理するとずっと汚染(拡散)は減る。
 放射能レベルが低いのでこれで管理できる。

 全ての地上の瓦礫は、すでに生活や産業の邪魔にならない場所に集められてる。 
 復興が遅れているのは、がれきが残っていることではなく、復興の為の適切な方針と取り組みがないためだ。
 瓦礫処分の遅れは、殆ど地元の復興を妨げる大きな要因になっていない。
 
 「瓦礫を引き受けて被災地の人を助けよう」というのは、現実離れした誤解で、被災地を助けることにならない。

 「広域瓦礫処理の遅れが復興を妨げている」といって、国民や社会を偽る政府は悪質だ。
 善意ではあっても、自分で吟味せず、偽り解説を受け容れて、悪質な人たちと方針に協力する人々も問題だ。
 偽りの方針を続ける分だけ、がれき処理の為に費用と時間を浪費して、健全な復興事業を妨げる。

 瓦礫をごみとしてだけ考えず、遺品として扱い、地震・津波の慰霊・記念公園にするというのは、瓦礫処分とは別の意味で良い考えだ。

 関東大震災の瓦礫処分事業として、瓦礫を集めて埋め立てて造った横浜の山下公園は横浜のシンボルとなっている。
 原爆爆心地を、広島平和記念公園として整備し、その中に、原爆資料館や国際会議場を設け、今は世界の平和のシンボルとなっている例を本ブログ別記事で書いた。

 5月10日と11日、広島平和公園内にある国際会議場で開かれた日本結核病学界に参加した。
 2日間とも、1日中、修学旅行の大型バスが常に20台以上停まっており、原爆資料館を沢山の小中高校生や内外から沢山の人が訪れていた。
 広島市民にとって、平和公園と原爆資料館は、世界に訴えるものとして、自覚や誇りとして大きな価値になっている。
広島市にとっては、市の文化レベルと、世界的名声を高め、観光収入としての経済的にも価値ある存在になっている。


石巻地区だけでも、がれき処分の為だけで、鹿島JVに1923億円支払う。
「全て集めて処分・講演に整備」を行なえば、石巻地区のがれき処理の為に鹿島JVに払う費用より安い費用で、岩沼・名取・仙台・塩釜・松島や南三陸の気仙沼を含む宮城県全てと、岩手、三陸海岸の全ての津波がれきを恐らく処理できる。
石巻以外の処理費用はそれよりもずっと多い。
その費用の一部を使うだけで、世界一の地震津波資料館をつくることができる。

   (B) ・ 除染で集めた各地の汚染物
      ・ ごみ焼却場煙回収物と残り灰
      ・ 福島の放射能汚染津波がれき処分について

 放射能は原子の性質なので、化学反応や生物を使って減らすことはできない。
 放射性廃棄物の処分や除染というのは、放射能を減らすことではなく、害の少ない場所に集めて管理することだ。
 放射性廃棄物・汚染物質処分を考えるとき、第一にすべきことは、どこにどれだけどのような形で集めて管理するかを決めることだ。

 最終処分場の処分法と規模を決めて準備せずに、放射性廃棄物の処理はできない。

 政府は、廃棄物処理の為の中間施設、と中間施設が出来るまでは各地で管理としか言っておらず、『中間』という言葉自体が、処分場を決めないという、根本的な偽りだ。

 真剣に検討しても最良の方針が出来るとは限らない。
偽りから出発して正しい方針は作れない。最終処分場を決めないまともな、除染や放射能廃棄物処理は存在しない。
 最終処分場を準備していないだけでも、政府は放射能汚染物資の処分を検討する意思・自覚・能力がないことを意味している。
 そのような人や団体は処分の方針を決めたり、仕切ってはいけない。

 通常の低レベル放射性廃棄物は、焼却して体積を減らしてドラム缶に入れて長期に保管することが標準低処分法だ。

 しかし、今回作られた放射能汚染物資は2000万トンと見積もられており、仮に焼却して容積が10%に減らせたとしても200万トンになり、多すぎてドラム缶につめて地下室で長期管理はできない。
焼却して容積・重量を減らせば比放射能は逆に増えてずっと高レベルになるので、管理の困難さと危険性はかえって増える。

 焼却すると環境汚染の原因になるのですべきではない。
 最終処分方法と処分場を決めずに焼却するということは、焼却によってかえって放射能が濃縮されて管理を困難にしたり、被曝危険を増やすという意味でも焼却はすべきではない。

2000万トンの廃棄物を処分・管理するには、量があまりにも多いので、土壌浸透防止と風で飛散しない対策をして、放射能管理施設として山積み処分がおそらく唯一の合理的処分法だ。
 当然これは、放射線管理施設なので一般人は立ち入り禁止。福島原発付近に処分場を確保してすぐ行なうべきだ。

 山積み処分なので、意思があれば無制限に集め処分することが可能だ。
 各地で除染活動をして放射性物質を集めると、除染の努力に比例して集めて管理すべき廃棄物は増える。
 回収した放射性物資の管理を心配せずに、各地で除染活動を熱意に応じて行なうことができる。
 
 具体的な山積みの仕方や、土壌汚染・風で飛散対策や管理方法などは、具体的にはいろいろ工夫はありうるが、基本は以上だ。
 基本方針を社会が決めれば、後は現実的で、適切なな構造や方法を専門家が作ることは簡単だ。

処分場の長期管理は東京電力にさせる。
東京電力は放射性廃棄物処理・管理の専門集団だ。。

        放射性廃棄物処分場の土地確保について
 これまで、ダムや公共施設、工場、原発を作る際には、「転居したくない」という住民感情があっても土地を全て取得して実行してきた。
 自分の希望で土地を売りたいとい時きの土地代金とは異なり、ダムや公共事業の為の土地取得では、通常の土地価格よりも十分高額な土地代金を払い、さらに転居後の生活再建も面倒見ることによって実現してきた。

 これまでの土地買収と同じ努力をすれば、放射能性廃棄物を山積み処分する、放射性廃棄物処分場の土地を確保することは簡単だ。

 これまで沢山の事業はそのようにして実施してた。

 中間処理施設などという偽りを止め、最終処分場をすぐに造るべきだ。
 「最終」という言葉を入れなければならないことが異常だ。
 「中間」という言葉の異常に気づき、なれてしまわないことが大切だ。

 福一付近は、既に強く汚染されて、安全に住んでよい土地でないことを住民は認識している。

 人が住むべきでない危険な場所なので、十分な保証と、今後の生活の安定が約束されれば、殆どの人は土地を売ってそちらを選ぶはずだ。
  安心して移住できる条件と償いがされれば、住み続けたい人は少ないはずだ。

「土地を確保するのは住民の感情を考えると難しい」というのは、加害者が被害者を利用して、人と社会と被害者を欺き、損害を押し付ける偽りだ。

「これまでのダムや原発拘束道路建設時の土地取得の土地買収と同じようには土地売却代は払わない」と決めてかかるから難しそうに見えるだけで、これは人と社会を欺く論理だ。

 事故前の土地の値段の5倍の価格で土地を買いあげ、更に、事故による損害賠償・損失補償と、移転後の生活再建が完了するまで国と東京電力が責任を持つと約束すればできる。

財産と人生設計を破壊された被害者がその程度の土地代金を得るのは当然のことだ。

 「土地を確保するのは住民の感情を考えると難しい」というのは、打算の為に、人と社会、被災者を欺く、同義的には犯罪というべきものだ。

国と東京電力は、責任を持って、事故を起こした当事者として、すぐに上述した、処分場を造るべきだ。

1日でも遅れるほど、被曝地域と日本全体の放射能汚染を拡大し、時間と資金を浪費して、復興や回復を妨げる。
偽りが批判されず改められず、偽りと既成事実強要で社会が運営されていくと、人と社会の健全な精神が衰えて、無気力と退廃が蔓延し個人・家族・社会の回復・復興を妨げる。

人と社会を無気力にすることはおそらく、東電・官僚・省庁・政府など、事故に責任と義務がある人たちが、責任回避するために仕組んでいることだ。(これは解説ではなく、私の意見)

      津波堤防に関する私の考え
 私は土木の専門家ではありません。非専門家として、私の考えを述べる。
 どうぞご教示ください。
 内容に関して、批判、コメント、議論を歓迎します。

 防波堤や堤防は、海面の水位が上昇する高潮や高波には有効だが、津波に対しては恐らく殆ど無力だ。
 高潮や高波に対する堤防は、基本的には水面上昇によって溢れ陸にこぼれてくる水の移動を妨げ、水圧に耐えればよい。
しかし、津波堤防・津波防波堤の場合は異なる。
津波が防波堤に与える力は、安定した状態の水圧(静水圧)だけではなく、巨大な水の塊が衝突する力と静水圧の合計だ。

 これが津波堤防・防波堤が津波に耐えられない理由だ。
 実際、今回の津波で、釜石や田老の世界一の巨大津波堤防と津波防波堤は津波の水位が堤防より高くなったために海水が堤防から溢れたのではなく、津波堤防・防波堤は津波で破壊された。

 津波堤防・防波堤は津波が衝突する力で破壊されるという問題に加えて、津波は堤防を乗り越えるという問題がある。

 高潮、高波は、海面水位が上がるだけなので、上がった水位によってあふれ出て陸に侵入する海水を防ぐのには、水位上昇に見合った高さの堤防を作れば間に合う。
 一方津波は水位が上昇するのではなく水の塊が移動して水が増え続けるので、堤防で水の移動をせき止めれば、移動して増えた水の分だけ水位は更に上昇する。

 今回10mの津波が来た場所に10mの壊れない津波堤防を作ったとします。
10mの水位に加えて、水の塊が引き続き移動してくるので、寄せ波が続く間は水位は更に高くなりつづける。
そして10mの堤防を乗り越えてしまう。
どこまで高くなるかは、寄せ波がどれくらい続くかで決まる。

 津波が堤防を破壊すれば、一時、堤防の所に留まった水と、更に押し寄せてくる水の合計が押し寄せることになるので、堤防があることがかえって津波の勢いと被害を大きくする場合さえあるはずだ。

 今回の津波で、仙台平野では海岸から約4km海岸から内陸部にあった土盛の高速道路が、堤防として働き、津波をせき止めた。
 これだけを見ると津波堤防は一見有効に見えるが、私は有効ではないと考えています。

 今回の津波で、高速道路まで押し寄せた場所で津波の水位は1mくらいで、まもなく引き波に変わるタイミングだったので、津波が土盛高速道路で止まった。

今回の津波では、高速道路が、つまみの高さが約1mと絶妙の位置に存在していた。
これは偶然です。

津波の大きさによって津波が陸地のどっこまで到達するかという位置も、津波の高さが1美嘉になる位置も、津波によって異なるので、予測してそのような絶妙な位置に、あらかじめ堤防を作ることはできない。

 これがもし、現位置より500m内陸にあったら、津波は土盛高速道路まで届かないから堤防として役に立たない。
 今回の津波で、堤防として働いた高速道路がなくても、津波は更にそれ以上何キロも侵入することはなく、いmイカの水位の津波が数百メートル侵入しただけで止まったはずだ。
 
 逆に、土盛高速道路=津波堤防が海岸近くにあったら、堤防は恐らく破壊されて、この場合も役に立たない。

 どちらの場合ても役に立たないと推測します。

 堤防が役に立つのは、以上のように、津波の寄せ波が引き波に変わるときに1~2m以下の水位になる位置にある堤防だけということになります。

 専門家がなぜそれを問題にしていないのか分からないが、そのように都合の良い津波だけを期待する対策工事はありえない。
 
 有効な位置だけに津波堤防を作ることはできず、作っても役立たないだろうというの私の考えで、恐らく正しいと思います。

 津波堤防は恐らくあまり役に立たない。
 建設費用は莫大にかかる。

 以上の構造的問題とは別に、以下の理由で、巨大な津波堤防を作ることに私は疑問があります。
 津波対策として巨大な堤防を造ると、海が見えない漁港や漁業の町になります。

 海が見えない環境で、漁業の町は健全に存在し得ないのではないか。
 漁業と生活をする町から、海の景色を取り除いてしまっては、漁業にも生活にも文化にも妨げになると思います。
 詳細は省きます。

 私は、津波対策の基本は以下が良いのではないかと考える。

 ・仕事や生活は従来どおり、港と海がある海岸の便利な平地で続ける。

 ・津波対策は、巨大な堤防を作って、津波を押しとどめる大堤防を作ったり、町や住宅を海岸・港から離れた高台に移転するのではなく、非難することを第一とする。

 昔は高台に避難した。
 高台は生活空間から離れているので、避難には労力と時間を要し、老人や病人が避難の負担で死亡する等、かなりの負担を要する。
 日常は使わない避難道路を整備しておくことも必要だ。

 現在は、離れた高台に避難する必要はありません。
 町の中、生活・仕事の場に、津波のときに避難できる高層ビルをところどころに作っておくだけでよい。

 通常は、普通のビルとして学校・役所・事務所・アパート・倉庫・公共施設として使っていれば良いので、それらの施設を作る際にそのつもりで若干の費用を余分にかけるだけで可能だ。
 避難施設建設を目的に、様々なの施設を建てても良い。

 屋上面積や高さが不足なら、駐車場のように、屋上に簡単な鉄骨床を2層、3層に作って高さや面積を増やせばよい。費用もさほどかからず簡単にできる。

 私企業の建物を作るときも、費用援助をして、屋上など津波避難所に使える機能・構造を付加すればよい。
 津波避難所は町の中に作るので、避難するにも近く、危ないと思ったら簡単に避難できる。
 津波が来なかった場合でも、避難したことで大きな負担や損害は生じない。
 
 住宅や職場など生活の場に避難場所があることは重要で有益だ。
 すぐに簡単に、気楽に小さな負担で避難できることは大変価値がある。
 専用道路建設も管理も不要だ。
 
 縦割り行政を止めて総合的対策として行なえば簡単に実現できる。
 最も経済的で合理的です。
 現在の海岸沿いの便利な土地を、放棄せずに、仕事や生活の場として続けることができる。
 漁業地域の、人と地域の文化を守れます。

以下ブログ記事をご参照ください
(A)「津波瓦礫は全て山積み処分し公園に整備を。津波瓦礫の合理的処分法」
(B)放射性廃棄物は、原発付近に集めて管理を 放射性廃棄物処理の正しい戦略と方法)

                         (2012年7月28日修正)

(追記)
 がれき処理に関するブログ記事に関して、はたやんさんから、意見、質問、提案を頂き、返事を若干修正して掲載しました。はたやんさから掲載許諾済み。
21:55  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(5)  |  EDIT  |  Top↑
2012.03.25 (Sun)

津波瓦礫は全て山積み処分し公園に整備を。津波瓦礫の合理的処分法

      岩手・宮城の津波瓦礫は全て集め、
   山積み処分して津波記念公園に整備を
  
               津波瓦礫の合理的処分法

            要約
・ 津波瓦礫の焼却や広域処分は、瓦礫処分を早めることにならない。やれば莫大な費用と時間を浪費し、復興を妨げる。
・ 莫大な費用をかけて他の地方に運んで処分する合理的理由は無い。広域処分は莫大な浪費だ。瓦礫は全量地元で処分し、貴重な税金は浪費せずに、直接、被災者と被災地の為に使うべきだ。
・ 岩手、宮城の津波瓦礫は遺品として扱い、全て集めて仙台平野の海岸に山積み処分し、大古墳のように整備して、慰霊と津波記念の大公園にするのがよい。
・ 岩手や宮城の海底や海岸にある津波瓦礫の放射能は低いので放射能処理施設で管理しなくてもよいが焼却や拡散してはいけない。
・ 焼却や広域処分は費用と時間を浪費する。かえって放射能処理を妨げる。汚染を拡大する可能性がある。
・ 山積み処分が最も、早く、経済的で安全な合理的処分法だ。
・ 津波瓦礫は全て仙台海岸に集め古墳のように築き、津波記念公園として整備する。世界一の地震津波資料館設置を提案する                  
            はじめに
岩手、宮城県の津波瓦礫処分について考え方の整理と私の考えを述べる。

          津波瓦礫の現状
宮城、岩手県の津波瓦礫は2000万トン。
焼却、埋め立て、建設・土木資材として再利用、他地方へ輸送して焼却等の広域処分などの方針で進められている。
1年かけて、処理されたのはわずか6%。

          瓦礫処分遅れの理由
・広域処理の目標は、岩手県で全瓦礫のわずか15%弱、宮城で23%だけだ。
・岩手で瓦礫処理まで20年、宮城で10年の試算がある。

・もし広域処理が瓦礫全体の80%なら、広域処分のスピードを上げれば、被災地の瓦礫処分は早まる。
・しかし計画でさえ全体のわずか15%の広域処分ではその半分が達成されても20年が18年半、10年が9年3ヶ月とわずかに短縮されるだけで、現実の瓦礫処理を早めない。
・岩手、宮城瓦礫の20%だけの広域処分を早めても被災地の瓦礫処分に役立たたず、広域処分は無意実だ。

・被災地の瓦礫処分を早めるには、地元での処分を早めるべきだ。
・瓦礫処分遅れは、地元処分の遅れが原因だ。
・地元処分方針のまずさと政府に熱意無いことが地元処分遅れの原因だ。

・厚労省は現地での焼却炉建設を認めない。
・理由は「がれきには危険な放射能が含まれてる可能性がある。詳細な検討が必要」と。
・一方で、全国には、焼却は問題ないと拡散させて処理させる。

・岩手県岩泉町長:「もともと使ってない土地がたくさんあるのに、どうして急いで瓦礫を全国に拡散するのか?10年、20年と時間をかけて処理した方が雇用確保し、地元に金も落ちる。」
・南相馬市長:「がれきは復興の貴重な財産。護岸工事に使いたいが不足しているので宮城から運んできたいと相談したら、放射線量が不明だから動かせないといったのは官僚」。
・岩手県担当者:「県内に処理施設を増設するなどし、その費用が補助金で賄われ、自前処理ができれば理想的です」
・国は地元には「線量が不明だから動かせない」と言い、一方で他の地方には「瓦礫処理で汚染の心配はない」と言う。
・「国が言った」というのは「官僚が仕切って言った」ということだ。

         広域処分はすべきでない
・広域処理は運送費など莫大な経費と時間の浪費と放射能の拡散になる。
・各地に分散するのは除染と逆の行為で、してはいけない国際的合意だ。
・元々、広域処理の合理的必要性は無い。

・各地で瓦礫受け入れが進んでいないことが、瓦礫処理と被災地復興の妨げになっているという政府発表や報道が続いている。偽りである。
・政府の方針でも域外処分予定は20%で80%は地元処理である。
・地元処理が進んでいないことが瓦礫処理が進まない原因だ。

・20%の域外処理は元来不要だが、問題をすり替て国民を偽る政府と、批判せずに政府広報的なことしか伝えない報道は、きちんと事実を知らせずに、世論誘導をしている。
・政府に不都合なことも十分報道して、国民の議論と同意、良識に基づく、健全な復興復旧事業にすべきだ。

         焼却処分はすべきではない
・津波瓦礫の放射能は低レベルだが、全体量が多いので拡散すべきではない。
・放射線の確率的発癌作用は、千人に1人癌死させる放射能量は、1万人で分けても10万人で分けても1人が癌死する・個人の発癌確立は減るが全体では変わらない。
・低濃度だからと放射能拡散の総量を増やすと社会全体で癌死はかえって増えるから、放射能を希釈して広げてはいけないという考えで、日本や殆どの国の法律が作られている。
・放射能は食品や大気中に希釈して汚染範囲を拡大してはいけないというのは放射能管理の常識・関係者の合意事項、国際的にも合意事項だ。

・煙の放射能を完全に回収できない焼却施設で燃やすと、大気中に放射能を再拡散する。
・煙の中の放射能がどの焼却場も十分回収するのか、これまで住民や国民を何度も欺いてきた政府の「きちんとやるから安全」という説明が基準どおり実行する保証になるか疑問だ。

・焼却すると、放射能は減らないので、回収した煙と燃え残り灰に全て残る。
・回収した煙と残り灰の重さは焼却前より少なくなるが、放射能は減らないので、kgあたりの放射能は高くなり、かえって処理を困難にする。

・高濃度になった回収煙と残り灰の処分法、処分場を政府は決めていない。
・最終処分の方法と場所を決めない放射能処分はありえない。
・これだけでも、焼却処分をしてはいけない強い理由だ。
・放射線管理の常識と国際合意に反している。

        
          埋め立て素材などとしての再利用
・農地や海への埋め立てに使うと汚染や土質悪化をおこすので、すべきでない。
・十分低レベルのものは土木資材として使うことは可能だ。
・しかし、本当に放射能レベルが低いか、測定や規制が公正かということについて、繰り返し国民を欺いてきた政府の悪い実績が多く、今も続いているので、広く社会的に自由で健全な議論や検討をせずには再利用すべきではない。

・現実は、更に、自由で健全な議論を抑圧する、自由な発言がしにくい社会に誘導された。
・土木・建設素材として再利用することに反対する人を、「復興を邪魔する特殊な、社会から無視されるべき人だ」と、土木素材に再利用させないことが復興を邪魔する異常な人であるかのような、異論を侮辱排除する世論誘導が実際に行われている。

・再利用するとしても、瓦礫の全体量から見ればきわめて少ないので、処分計画に影響を与える量にはならない。
・したがって、瓦礫再利用によって瓦礫処分が早まる、あるいは、再利用を有効な瓦礫対策の1つとして考えるべきではない。
・瓦礫を再利用する場合は、再利用することが直接事業に役立つ場合に限るべきだ。
・事業に直接利益が無ければ、瓦礫を再利用させるために公的補助金が上乗せされて始めて実行される。

            浪費
・補助金を出す側と受け取る側に不健全な関係を生じ、税金が浪費されてきた。
・行政と業界の不健全な関係は、瓦礫処理に無効なだけでなく、社会の健全さと合理性を蝕み、利権は社会の健全性を阻害し国民の財産を消耗させる。
・浪費や利権に費やす費用は全て納税者から集める税金だ。
・広域処分や焼却、再利用を行うための補助金は、貴重な税金の浪費になり、被災者と被災地の回復・復興を妨げる。

・利権は真の復興を妨げる。
・浪費をやめて被災者と被災地の為に直接使うべきだ。
・「東京都に搬入瓦礫の焼却をする処分業者は、東京臨海リサイクルパワー株式会社;東京電力 のグループ企業社。ここでも税金から200億円が東電に入る仕組みだ。

       瓦礫は全て山積み処分して記念公園に整備を
          最も合理的な瓦礫処分法

・津波瓦礫は輸送費をかけず分別せず、地元で全部集めて山積み処分が良い。
・焼却や広域処分よりずっと早く、安く、安全に、全ての大量の瓦礫を処分できる。
・三陸地域は瓦礫を集める土地がないので、津波で被災した仙台平野の海岸に集める。
・湾内海底瓦礫も含めて2000万トン全て集め古墳のように築き、津波避難所をかねた、慰霊と決意の津波記念公園として整備すべきだ。

・放射能はレベルが低いので少量では問題ないが瓦礫の量が莫大なので、総量は無視できない。
・土壌への浸透防止は必要だ。
・しかしそれ以上の厳しい汚染防止、被曝防止対策は不要なので、安い費用でできる。

・集めて積み上げるだけなので費用も時間もかからない。
・土壌汚染・浸透防止のための基礎部分(底)は必ずしも厳重にする必要はなく、水抜き層と水抜きパイプで水抜きを十分に行う。
・底には粘土や吸着剤を敷き、最底部にはコンクリートなどの不浸透資材による底を作る。

・瓦礫は思い出と悲しみの遺品だ。人々の思い出の宝をごみとして処分するのは残念だ。
・ごみとしてだけ考えず、津波で死亡した人たちの遺品として全て集めて丘に築き、慰霊と津波記念の大古墳、記念公園として整備することが良い。
・900m × 600m、平均高 20mの丘に築くと2160万トン収容できる(比重2として計算)。現実的な数字だ。 
・ちなみに、仁徳天皇稜は堀も含めて840m×486m、最高高さ34m

・海から海岸の処分場まで堀を作れば、三陸湾内の海上と海底に残された瓦礫も、船で直接移送可能だ。
・裁断してトラック輸送することなく、広域処理や再利用・焼却を主とした処分よりも、はるか経済的に、早く、環境汚染少なく、大量処分が可能だ。

・津波の教訓や歴史、防災の世界的拠点として、被災地元の誇りとなるような世界一の地震・津波資料館を併設することを提案する。
・復興と発展に役立つ。
・公園費用と考えれば高額だが、瓦礫処分費用と考えれば瓦礫焼却や広域処分を含めた政府方針より安くできる。
・瓦礫処理、公園や慰霊モニュメント、文化教育施設と縦割りで考えず縦割り行政の視野の狭さを克服し総合的判断すれば実現可能だ。

・関東大震災復興事業として、横浜市は震災瓦礫を集めて山下公園を作り、5年後大博覧会を開いた。現在は横浜を代表する公園になっている。
・歴史的世界的な平和の決意の場にした広島平和公園と原爆資料館の例もある。世界中から心ある多くの人々が訪れている。

・現在も殆どの瓦礫が始末されずに残っている。
・すぐに、全て一箇所に集めて山積処分の方針を決定して着手すべきだ。
・遅れるほど時間と経費を浪費して、被災地の復興を妨げ、社会を疲弊させ、社会の健全さと活力を阻害する。既に高額の経費が浪費され、浪費の速度は加速されている。

       社会と人のあり方
・政府は「規制」と言って実際は逆に汚染容認の基準を作って、放射能と放射線被曝拡大を強制してきた。
・空間線量も、食物暫定基準も、食物新基準もそうだった。
・膨大な放射能ほこりが舞い、翌日に何が起こるか分からない状態でも、「安全だ心配するな、逃げるな、心配せずに自家野菜を食べろ」と言って被曝回避の言動を妨げ、被曝させた。
・政府と東電は今も謝罪も反省も、責任者の処分もしない。処分断罪されるべき人たちが今も原発事故対策を仕切っている。異常な社会だ。

・「被災地のためにも瓦礫受け入れを」と言う政府説明は被災地の困窮と被災地への同情心を利用して、利権と放射能汚染拡大、国民分断化を狙うものではないか。
・他の地域での瓦礫処分が進まないことを差別意識と結び付ける政府や報道の基本姿勢を改めるべきだ。
・瓦礫受け入れに反対する人を「被災者の痛みを共有しない、利己的な人であるかのように言うキャンペーンは、無礼だ。政府が主権者に言うべき言葉ではない。

・瓦礫や政府の言い分を受け容れない人を「利己的な人」として村八分的に侮蔑・無視・排除し、恐怖心を作って異論を言わせないようにしようという政府やマスコミの言論活動は、自由な発言と社会の健全性を脅かし危険だ。

・東京都知事は、放射能瓦礫処理に対する苦情・発言に「黙れ」と恫喝的に一喝した。
・岩手の瓦礫が東京に到着したとき、取材の記者が、私物のガイガーカウンターで測定することも禁止した。

・自治体が住民に納得しうる健全な方針と考えていないから、自治体が住民に納得させられない。
・瓦礫による風評被害は自治体が住民に説得できなければ、自治体に説得専門家を送って“国が対応するという。
・自治体が住民に正当だと考え、説明できないものを強引に行ってよいのか。

・大規模分別を前提にした、政府の瓦礫再利用処分計画は、時間と経費を浪費する。
・被災者の困窮と国民の同情心を利用して、国民と社会を欺き、被災地の瓦礫処分や復興に実質的に役立たない津波瓦礫広域処分と、異論を言う人へのネガティブキャンペーンをやめ、自由で誠実な発言や議論を安心してできる健全な社会運営をすべきだ。
・異論を排除する一方的で、人を欺く「日本人として痛みを共有しよう」という瓦礫広域処理広報に来年度15億円予算は不適切だ。 
・知識がない芸能人やアナウンサーがコメントして、コメント・解説した内容には責任をとらず、世論誘導する日本のテレビはおかしい。
・異論を言う人を侮蔑・排除し発言抑圧する社会は健全ではない。
 
          全国の方へ
・「瓦礫を引き受けよう」というのは被災者や被災地支援にならず、復興を阻害するかもしれない。大切な税金を浪費し、復興を阻害する。被災者が財産・仕事・生活を破壊されたままでほとんど放置されている現実から、国民の認識をそらしている。

・利権や打算に結びつかない、直接、被災者個人と被災地の回復に役立つ支援が必要です。

・瓦礫引き受けは被災地支援にはらない。東京電力に好都合の、政府視点で行っている瓦礫引き受けニュースの氾濫は、広域処分に眼が向いて、現地処分を進めない現実や、被災者の就業、生活が殆ど破壊されている現実とその原因を見えなくしている。被災者の復興を阻害していると私は考えます。

・自分や子どもの被曝を危険と考えて引き受け反対を主張する際は、それよりも高い被曝を受けている福島の人や、はるかに高い被曝を受けて、今も原発事故拡大を防ぐための福島原発作業をしている人のことを考えよう。その人たちの被曝を防ぐことを同時に考え、彼らの被曝を下げさせましょう。

・瓦礫引き受け反対するときは、被災地と今も被曝している人々支援・救援を明らかにした上で、受け入れ反対しましょう。利己主義助長、社会の健全性を破壊し、被害者を隠蔽する、東電と幹部、関連業界利権を守るための政府路線を助け、被災者を苦しめる力にならないよう注意して、瓦礫と利権拡散させない活動、がんばってください。

・ 被災地と被災者を支援するには何が有効か・何が阻害するか? 言葉の吟味・責任なしに、自分は批判されないという安全圏は確保して「感想を言う」という風潮に乗ることを卒業しよう。

・ 事実を深く自分で観察・分析し、他人のではなく、自分の判断を決め、機会あるごとに再吟味しましょう。
他人の損害や苦痛を悲しみ、つらく思うという、やさしい感性と、やさしく健全な感性を深め育む知性を育てましょう。その感性に誤りはないかも吟味する、誠実でていねいな知性も大切。
          
2011年5月以来主張してきたことをまとめた。

本論主旨は「震災モニュメント、鎮魂と研究の場建設を」河北新報持論時論2011年6月11日で提案発言した。
当時、私は余裕がなく、瓦礫処理や震災復興に関係した諸委員会や機関、行政、政治家に働きかけずに終わった。
賛意を持たれ、各機関に関係や働きかけることが可能な方は、本記事をどうぞご利用ください。

(追加)本ブログの別記事「放射性廃棄物は原発付近に集めて管理を。焼却処分はすべきではない。放射性廃棄物処理の正しい戦略と方法」http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-26.html
もお読みください。

(追加)。原爆資料館には保育園、小中高校の修学旅行生、内外からの入館者の大型バスが終日20~30台が駐車していた。2012年5月10日、11日結核病学会:広島平和公園の国際会議場に2日間出席した時の風景です。

(追加)石巻地区は2012年9月、鹿島JVにがれき処分を1923億円で契約した。期限を決めた全額国庫負担事業としたために、どの自治体も莫大な経費の浪費を考えることもなく気楽に、広域処理・焼却処分という国(官僚)が準備したプロジェクトに乗った。

(追加)宮城県は現在、気仙沼市と南三陸町に40か所ある仮置場がれきおよそ150万トンを新たに造る1か所の処分場に集め、今後3年をメドに分別・焼却する方針。2012年8月21日説明会では、最終処分場予定地の周辺住民か反対意見が相次いだ。

(追加) 政府は2012年8月7日、広域処理が必要な量を5月の公表値より78万トン少ない169万トンと報告した。うち132万トンは受け入れ先が未確定で、各地の自治体との調整を続けることを申し合わせた。
 岩手県は42万トンと120万トンから大幅に減少。
                 
(追加)
「津波記念公園を」署名と実現の為の運動呼びかけ

本ブログをお読みいただいた方が中心になって、実現の為のいくつかの運動がおき、私も発案・呼びかけ人として積極的に参加し、これをまとめて全国的運動として活動を開始しました。
どうぞご参加ください。グループや個人参加どちらも歓迎です。ことに被災地宮城県のグループの参加と、宮城で自治体などへの要望活動などを行なってくださる方が参加してくださることを心から呼びかけます。
本ブログ「「津波記念公園を」署名運動の呼びかけ (09/11)
直筆署名用紙、web 署名、賛同団体・賛同著名人登録窓口は
震災復興プロジェクト http://savechildproject.web.fc2.com/tunamikinen.html
をご覧下さい。

(2012年9月30日 加筆修正)
21:29  |  放射線  |  TB(2)  |  CM(41)  |  EDIT  |  Top↑
2012.03.08 (Thu)

給食の放射能問題をどう考えるか 解説と私の意見

給食の放射能問題をどう考えるか
          解説と私の意見

         要約
・ 個人はどの程度まで放射能を引き受けるか
・ 新基準は、被曝を下げるためではなく、避けられるはずの被爆を、引き続き被曝させ続けさせるものだ。規制強化や、被爆低下にならない。
・ 行政は被曝を避ける活動に感謝し、行政で足りないところをその人たちと共同して行うべきだが、逆に、抑圧している。生徒の被曝を避ける活動に関与した教員や給食職員は、教育委員会から処分につながる強い「指導」を受けている。
・ 宮城県は汚染牛肉出荷停止を、宮城県知事は4週たたずに出荷停止を解除し「数字を消費者は理解できないから(暫定基準以下であれば)安全だと発表するだけで十分だ。」と質問に解答し、汚染牛肉測定値公表を拒否して流通させた。
・ 自治体や企業などの測定は、被曝を避ける保護者や消費者が使いにくい発表の仕方だ。
測定や発表は、被曝回避の為に整理して、経費は汚染食品を生産、流通させないために使うべきだ。
・ 行政や企業の不誠実な対応を受けていながら、無批判に従うべきではない。放射線被曝に加えて、人が大切にされない、不健全な抑圧社会を促進する。
・ 正しくない牛乳メーカーや自治体のやり方が通るのは、保護者や国民の多くが批判せず受け入れるからだ。
・ 子どもの教育をし、給食を運営する学校は、安心して自由にまじめな発言をする自由を保証すべきだ。教師の良心と誠実に基づく発言が抑圧される学校であってはいけない。
                         (4月14日修正)

        はじめに
ままりんさんの給食についての質問に対する解説と私の考えを書きます。
ままりんさんの質問は本ブログ、「被曝をどう避けるか」要旨
に掲載されています。
質問の主旨は「もし先生に小学生の子どもがいたら、仙台市の給食を食べさせますか?」です。
(1) 給食に含まれている放射線がどの程度危険か 
(2) 子どもに食べさせるか
について、解説と私の考えを書きます。

        放射性元素
重要な放射性元素は以下の3つ。
ヨウ素:3月と4月に摂取した可能性がある。程度は不明。現在は存在しない。
ストロンチウム
・ あまり測っていないので注意。それほど多くはなさそう。
・ 一度摂取したら骨に固まってほとんど排泄されないので摂取しない注意。
・ 特に小魚に注意。海水から海の生き物の特に骨に集まる。
・ 汚染された牧草などを通じて家畜の骨と牛乳に入る。
・ チェルノブイリでは汚染深刻だったが、日本では牧草はあまり使わず輸入飼料などが主なのであまり汚染されていないという解説はある。それについて、私は十分な知識がないので詳しくはわかりません。
セシウム:問題にされているのはセシウムのことなのでセシウムについて書きます。
セシウムとカリウム
・ セシウムは科学的にも放射性物質としてもカリウムに似ている。
・ 全く同じではないが詳しい違いはあまりわかっていない。
・ カリウムは体内の水に溶け、特に細胞内の水に溶けて一定濃度になるように調節されている(本ブログ「セシウム放射線」で解説した)
・ 水に溶けている以外に蛋白やその他の体の構成物質に結合しているものがあれば、それはカリウムとはかなり異なる動きや分布をする可能性があるがあったとしてもかなり少ない。

ここでは結合セシウムは少ないと無視して、カリウムと同じように水に溶けて体内分布するセシウムについて述べます。
・ セシウムがカリウムと同じように水に溶けて、同じように動くとすれば、カリウムと同じように腎臓から時間とともに排泄される。
・ ストロンチウムが骨に固まって排泄されないのとは対照的に、体内に取り込まれたらずっと留まって蓄積されていくことはない。
・ 摂取しなければ体内のセシウムは時間とともに排泄されて減少する。
・ 子どもであれば1ヶ月で約50%、2ヶ月で25%に減少する。

        カリウムを基準にして考える
カリウムを基準にして考えると
・ カリウムはかなり強い放射能を持っており、ベータ線とガンマ線を出す。
・ 60kg体重の人で体内に4000ベクレルくらいある。
・ 同じ量のセシウムを毎日摂取すると、血中濃度が上がり、それに伴って尿中排泄が増えやがて1日摂取量と尿中排泄量が同等になって、血液中や細胞内濃度が一定レベルで安定する(定常状態)。
・ 毎日10ベクレル摂取すると、最終的には尿中排泄量も同じ10ベクレルになる。
・ 安定するまでの時間は大人で約3ヶ月、子どもで1ヶ月くらい。
・ 大まかには、安定したとき大人では1日摂取量の150倍くらいのセシウムが安定した量として体内に残り、子どもはその1/2くらいと考えられている。子どもの半減期は大人よりも短いため。
・ 水分やカリウム摂取などいろいろな条件で変動は大きい。
・ 大人が毎日10ベクレル食べると毎日10ベクレル排泄されて、体内に1500ベクレル存在する状態で安定する。
・ 尿中濃度からも見当つけることができる。
・ 血液中のカリウムは一定だが尿中カリウム濃度は血液の1/20から1/4くらい、尿への排泄が条件によって大きく増減するので条件によってはもっと変動する。

        セシウムも同じように動くと仮定して推測する
それほど正確ではないが、セシウムも同じように動くと仮定する、と次のように考えることができる。
・ 尿で10ベクレル/Lであれば細胞内セシウムは尿のセシウム濃度が細胞内濃度の1/10の場合は、体重の40%が細胞内液(水)なので、60kg体重であれば約24kgの細胞内液があり、濃度が100ベクレル/Lで体全体では2400ベクレル増える。
・ 15kg体重であれば約6kgの細胞内液、濃度が100ベクレル/Lであれば体全体では600ベクレルくらいセシウムで増えると見積もることができる。
・ もともとあったカリウム放射能が大人では4000が6400ベクレルに、子どもは1000ベクレルが1600ベクレルに、カリウム放射能の60%分の放射能が増えたことになる。
・ 尿中濃度が細胞内濃度の1/5の場合であれば、尿中濃度を使って逆算したセシウムによる放射能の増加分はこの1/2で、カリウム放射能の30%がセシウムによって加わることになる。
・ このような計算はいくつもの仮定をおいて計算するので4倍くらいは誤差の範囲で大体の見当として考える材料にするものです。

     セシウムによる放射能被曝をカリウムを基準に考える
・ 体内のカリウムはプラスマイナス15%くらいの変動幅で調節されているから、体重60kgの大人では普通でも600ベクレル程度の変動があることになる。
・ もしカリウムに放射能がなければ、どれくらいがんが減ったり、人間の平均寿命がどれくらい延びるか、誰もカリウム放射線なしの実験をしていないので、カリウムによる被曝の影響は確定できない。
・ 普通に存在しているカリウムの被曝の下で人間はこの程度に生きていることを考えると、カリウムの放射能程度の被曝はあまり問題にしなくても良い量なのかも知れません。

      やむを得ないとしてどの程度まで引き受けるか
・ 被曝は少ないほうが望ましいが、カリウム放射能の生理的変動範囲の15%つまり大人で600ベクレルを基準に考えるとその数倍まではあまり問題にしなくても良いかも知れない。
・ カリウムと同じくらいまでは受け入れるという考えも成り立ちうる。
・ 体内に常に存在するカリウム放射能の50%までは受け入れるのもやむをえないと考えれば2000ベクレルになる。成人では1日摂取量の100~150倍のセシウムが溜まった量で定常状態になると考えれば、毎日13~20ベクレル摂取すると2000ベクレルで安定すると計算される。カリウム放射能と同じくらいは我慢しようというのであれば4000ベクレルまではひとまず受け入れよういうことになる。15kgの子どもであればその1/4でそれぞれ500ベクレル、1000ベクレル。
・ シーベルトに変換する係数を使って計算するともっと多い量が許容量とされる。
・ シーベルトの計算は、仮定が更に多くてあまり良い安全の目安にはならないのではないかと推測しています。

どの程度のセシウム放射能がどの程度の障害を生じるかという試算や考え方、意見は様々あり、研究者によって、生体に障害を生じさせるセシウムの量は何百倍も異なっている。広島、長崎の原爆、チェルノブイリとその他いくつかの被曝事故からのデータでは、数が少なすぎて現時点では確実な結論を出せないというのが正しい結論と私は考えています。
現在主張されている、障害を生じさせるセシウム量のいろいろな予測値、危険性は、まじめに考える科学者のだれもが了解する値ではなく、それぞれの専門家や組織が、たくさんの仮定をして推論した上で計算した値であって、確定していないと考えています。

私の考えではカリウムの50%増し位は許容範囲としてよさそうだと考えているが、これは医学的見地というより人の考え方によって異なるので、医学的に客観的に確定する値ではありません。

パンダジェフスキー博士は、チェルノブイリの子どもや、動物実験、死亡した人の病理研究をして、体内カリウム放射能の30%くらいのセシウム放射能が測定された子どもの20~30%に循環器障害や白内障などが生ずると論文発表している。このセシウム量は、上述した私の思考実験から推測した値よりもずっと少ないセシウム放射能うをが生体に有害な作用だという結論で、多くの科学者の考えよりもはるかに少ない量だ。
博士は、この程度に低い低線量被曝もきわめて危険だと考えています。
それが正しいかもしれないし、違うかも知れないが現時点で正しいとも誤りとも断定は難しい。
(追記: 博士と若干の質疑応答の機会を得たが、十分な討議はできなかった。博士の結論を納得了解したり、誤りだと否定するまでの十分な質疑応答はできなかった。)

一方、人生を通してではなく一時的であればカリウムの2倍やそれ以上でも良いという考えがあってもダメと否定するだけの、専門家の多くが了解している医学的に確定された根拠はありません。
前述したようにシーベルトで考えるとずっと多い放射能を許容量としています。


     「子どもを守る会」の測定で、給食から約6ベクレル/kgが検出されたこと
・ 「子どもを守る会」の4回の給食測定で3回は検出限界以下、1回だけ約6ベクレル/kgが検出された。4回のうちの1回と、毎回ではないことと、1回で食べる量は300g以下なので放射能は、2ベクレル以下と、たまにこれだけであればさほど多くはないと表現することも可能だ。
・ 1日で食べる全ての飲食物に含まれている総量を考えることが必要。

・ 牛乳は別に書いたように、宮城県ではずっと10ベクレル程度、12月には20ベクレル近く検出されており、200ml では2-4ベクレルを毎日飲んでいる可能性がある。
・ セシウムを含む牛乳を出す牛は毎日同じなので、体内にセシウムを沢山蓄積している牛を特定して、原乳に混ぜないだけで、牛乳のセシウム放射能をずっと少なくできるはずだ。
・ しかし、乳業協会、メーカーはそれをせず、行政や教育委員会もそれをさせていない。
・ 米や大豆、牛肉は500ベクレル/kgに近いものが流通している。きのこも高い。

・ 文科省や教育委員会は、市場で流通している食品は全て基準以下だから安全であり、給食に関しても特別の対応はしないという立場だ。
・ この考えでいけば食品は500ベクレル/kg までは給食に入れてかまわないということ。この基準で給食を提供させてきた。独自にそれより低い基準で管理した自治体もある。

         新基準
・ 4月から暫定基準を新基準に改めることにしている。
・ 牛乳に関しては暫定基準が200ベクレル/Lであったものが、新基準では100ベクレル/Lで、乳幼児食品に関しては50/kgと提示されているが、文科省は小児だけ50ベクレルなのは厳し過ぎると反対している。
・ 新基準は暫定基準より厳しくなったといってマスコミは歓迎して報道しているが誤りだ。
・ 放射能汚染のほぼ全体像が見えきて、突発的に高値が出る可能性が低くなったので、現状のままでも何もしなくて良いという値を見定めて書き換えただけの値であると私は考える。

・ 例えば牛乳は100トンくらいクーラーステーションに集めて混ぜてから測っているために、20ベクレル以上出ることは殆どなかった。
・ だから、新基準を100ベクレルとしても、実際に新たな取り組みをすることもなく、放射能を下げることにつながらない。2011年9月、メーカーや製品毎に測定して発表したら、(高値だからだろう)乳業メーカーは倒産すると言って、業界として正式に測定と発表を拒否した。今回は乳業協会が、今後、発表すると表明したのは、安全性を高めるためではなく、発表しても大丈夫と判断したからだ。

・ だから、新基準は、被曝を下げるための取り組みではないと私は考えている。
・ 食品の新基準は500ベクレル/kgだったのを100ベクレルにする方針だ。
・ ほとんどの汚染食品は新基準にしても流通を減らすことにならない。
・ 新たに制限しないで住む数字を基準としてきめただけだから。
・ しかし、ごく一部は新基準にすると放射能が高すぎて売れなくなるものがある。
・ それは既に収穫された米と大豆で、100ベクレル以上のものがかなりある。
・ 新基準では大豆と米については規制の時期を遅らせる、「流通の混乱を避けるために、実施機関を4月からではなく、米は半年、大豆は1年猶予期間を置く」としている。
・ 既に収穫した500ベクレル未満の汚染米は今年の新米が出るまでに売ってしまう、大豆も1年で売ってしまうということだ。他の汚染食品は、新たな取り組みひゃ制限強化をせずに、全て売ることを目的にした数値。

・ だから、新基準は、被曝を少なくするために作った基準ではないと私は考える。
・ すべきことは暫定基準をより厳しくして「暫定基準を続ける」ことではなく、暫定基準を廃止して、原発事故以前の通常の基準、国際的にも通用する通常の基準にすること。
・ 緊急時、安全な食料供給ができない異常な一時期のはずである暫定基準を1ヶ月以上どころか1年も続けていることが、偽り、不誠実で不適切なことだ。
・ 新基準はこの偽り不誠実を更に続け、避けられるはずの被爆を、引き続き避けずに被曝させ続けさせるものだ。
このような偽りを際限なく政府と行政が繰り返している。

      自治体が多くの食品放射能を測るようになった
・ これは、住民や子どもの被曝を少なくするために汚染食品をみつけて取り除くためというよりは、被曝を避けたい民間の団体や個人が測定して汚染食を明らかしたことの積み重ねと世論によって自治体も測るようにしたものだ。
・ しかしその発表の仕方は不親切で、住民が汚染食品を除外するためにはわかりにくく、探すのに時間も係り不便な発表の仕方だ。

・ 給食の6ベクレル検出をはじめ、いろいろな食品や、子どもが集まる校庭や公園、ホットスポットなどで高い放射線が初めて検出されたり、安全宣言をした食品から、暫定基準を超える高レベル汚染を検出したり、子どもの尿中セシウムを初めて検出したり、これらは全て政府や行政がはじめに行ったものではなく、民間の個人や団体が行ったものだ。多くの場合、行政はそれに対して協力せず、むしろ妨害的な対応をした。

・ 被曝を減らす意思を行政責任者がもっているなら、行政はこれらの活動に感謝し、行政で足りないところをその人たちと共同して行うべきだ。
・ しかし実際は逆で、行政や教育委員会は、それらの活動を抑圧している。

・ 汚染された地域の地場作物を使用しない、測定してほしいという要望や、給食や牛乳の汚染食品を避けたいから子どもに弁当や水を持たせることさえ禁止した。
・ 弁当持参が「黙認」!されたり、給食食材の放射能測定を行うようになったのも、保護者の強い要望が広がったためだ。
・ 学校や教育委員会は、給食の放射能測定の要望を快く受け入れないだけでなく、ずっと測定せず、保護者が自主的に測定しようとしても協力しない、残った給食を持ち出して測定させることも禁止し、もちだせば泥棒扱いした。
・ 現在でも、教員や給食職員が関与すると教育委員会から強い「指導」を受ける。他のことも含めて3回指導されると、処分されるという恫喝的な「指導」だ。

           牛肉汚染
・ 2011年7月、宮城の放射能汚染稲わら飼料が原因で全国各地で牛肉から暫定基準500ベクレル/kg以上のセシウムが検出され、多くのところで牛肉出荷、流通停止になった。
・ 500ベクレル以上と暫定基準を超えた牛肉が給食にも使われたこともわかった。
・ 牛肉汚染の原因となった稲わらの汚染原因は、汚染されたほこりや雨・雪などの降下放射能だ。
・ 宮城県は降下放射能の測定・公表を行っていない、全国で唯一の県だ。
・ 私は2011年5月と8月、県に測定することを2回要望したがいまでも測定・発表していない。
・ 宮城県の環境放射能や、降下放射能軽視が、稲わらと牛肉汚染の背景にある。

・ 宮城県知事は、汚染で牛肉出荷停止をしたあと、「対策をして、宮城の謬肉は安全になった」と4週たたずに解除した。今後当分は全頭検査して安全性を保証する。放射能の測定値は公表しても消費者は理解しないから、暫定基準以下で安全だと発表するだけで十分だ。」と、500 ベクレル未満の牛肉放射線測定値公表を拒否して流通させた。
・ 安全だと言って流通を再開した後も500ベクレル以上の汚染が繰り返し検出されて、その牛肉の出荷は止められたが、500ベクレル未満は出荷されている。

・ 「汚染された飼料をやめるなどの対策をした結果安全になったので出荷停止を解除した」という説明も問題だ。
・ 尿から排泄されることで体内のセシウムは減少する。生理的半減期は人間の大人で3ヶ月程度。生理的半減期は体重が重いほど遅くなるから、体重がずっと重い肉牛では、セシウムの排泄=生理的半減期は更に遅いと推測される。生理的半減期が3ヶ月であれば、セシウム摂取を完全にやめた4週間後でも80%以上が体内に残る。牛ではもっと多く残っている可能性が高い。
・ これを考えると、出荷停止解除直前に測った牛は、放射能を含まない飼料に変えたから4週間で基準より低くなったのではなく、もともとあまり高くない牛を測っただけの可能性が高く、牛肉の汚染が低下したことではないと私は推測する。
・ 実際、解除してからも500ベクレル/kg以上の汚染牛肉が繰り返し検出されてその牛肉だけは、流通を停止されているがきわどく基準値以下で、分かっていながら誌上に流通した宮城県産の汚染牛肉は多かったろうと推測するす。

       省庁や自治体などによる放射能測定の問題点
自治体や企業などの測定は、汚染食品を発見して除外する目的ではなく「食べて大丈夫」と示すためか、ひとまず測っていることを示すという姿勢で測定しているために、無駄な測定が多く、汚染を避けるために有効な測定や発表になっていない。
・ 被曝を避ける保護者や消費者が使いにくい発表の仕方だ。
・ 人件費を含めた経費は膨大です。汚染食品に注意しやすい発表にすべきだ。汚染食品を生産、流通させないために使うべきです。

1日摂取量を数ベクレル以下に抑えることは、現在の仙台の状況では注意すればさほど困難ではないと思います。
本来は、行政が住民の安全のために責任を持って汚染食品の生産・流通・消費制限をすべきですが、現在の政府と行政の基本方針は、できるだけ被曝を減らすではなく、できるだけ広く食べさせるという方針のようなので、あてにできません。
しかし、個人が注意すれば可能です。政府や行政の取り組みの問題点については、本ブログ「牛乳放射能」「被曝をどう避けるか 講演要旨」をご参照下さい。

「被曝を減少するために努力して取り組んだが、日本中の食品が少しは汚染されているのでこれ以上放射能を下げるのは非常に困難だ。社会の努力・誠実な取り組みの結果が、現在の給食レベルというのであれば、給食を食べさせるという選択もありうると思います。
しかし、より安全にしたいという保護者の取り組みをモンスターペイシャント扱いして抑圧し、生徒の被曝をまじめに考えようという教師や養護教員、給食職員は圧力を受けて自由に発言をさせず、人事権を使って処分を行うと脅迫し、簡単にできるはずの牛乳放射線を減らすこともせず、要望しても牛乳メーカーは個別牛乳の測定値を測定・公表しない、消費者は理解しないからと言って500ベクレル以下の数字は公表せずに、安全だと流通させる宮城県。
このような不誠実な対応を受けていながら、そのような行政や牛乳メーカの言うがままになっていることは良くないと私は考えます。
避けられるはずの放射線被曝を増やすことに加えて、自分で考え、判断、発言、議論することが抑圧される、不健全な抑圧社会、人が大切にされない、社会を更に促進しいます。

牛乳メーカーや自治体のあり方は正しくないと私は考えますが、これで通ってしまうのは、保護者や国民の多くが批判もせず受け入れるからです。
以上は医学の問題ではなく、一市民としての私の考えです。

       医学と離れた一般の問題として考えると
子どもが健康であってほしいと願う保護者の意見や要望をまじめに取り上げて話し合う機会を作らず、モンスターペアレンツ扱いして排除する。
生徒の安全を危惧する教員や給食・養護職員が子どものために提案や発言しようと考えても抑圧する。
本来は学校や行政がやるべきことを、やむを得ずやろうとすると恫喝的指導をうけ、仕事の待遇で不利益をうけるなど、
安心して自由にまじめな発言をする自由がない。
子どもの給食を運営する学校や自治体はそれではいけない、教師の良心と誠実に基づく発言が抑圧される学校であってはいけないと私は考えます。
自由に安心して発言できない、上の人の言うことに無条件同調を要求されることは、給食と教育に限らず、日本社会が持っている重要な問題と考えています。

(まだ未整理文章です。いくつかの言葉や新基準数値を修正しました。3月12日)

放射能花粉②と、放射能問題を話しあうことができずつらい思いをすること③については、稿を改めて後日書きます。書かなかったら請求してください。
19:48  |  放射線  |  TB(3)  |  CM(29)  |  EDIT  |  Top↑
2012.03.06 (Tue)

放射性廃棄物は、原発付近に集めて管理を 放射性廃棄物処理の正しい戦略と方法 

放射性廃棄物は、原発付近に集めて管理を  
          焼却処分はすべきではない
      放射性廃棄物処理の正しい戦略と方法

            要約
・ 除染とは、放射能の被害の少ない場所に移動すること
・ 放射能は分子の性質ではなく原子の性質なので、微生物や化学反応で減らすことはできない
・ 除染とは、放射能の被害の少ない場所に移動し、管理すること。管理する場所の放射能は当然増える。どこに集めて増やすかを決めない除染方針は偽り。
・ 偽りを前提として適切な除染処理はできない。
・ 除染を行う際に最初に行うべきことは、最終処分場;どこに、どのような状態で、どの程度の規模に集めて管理するかを決めて処分場を造ること
・ 最終処分場を準備しない除染活動は、他の領域を汚染する。全体として考えれば、かえって有害だ
・ 放射性物質を燃やして、煙として拡散することは有害。絶対にすべきではない
・ 放射能汚染された福島のつなみ瓦礫や震災瓦礫、全国の除染して集めた低レベル放射性廃棄物は、原発付近の一箇所に全て集めて丘に築いて管理すべきだ。

            はじめに
放射能汚染された福島の津波瓦礫や震災瓦礫、全国の除染して集めた低レベル放射性廃棄物処理についての正当な考え方と私の提案を述べる。

          現在進められている放射性廃棄物対策
・ 福島原発事故によって生じた放射能汚染物は、福島県内だけでも2000万トン以上と見積もられている。評価の仕方によってはその数倍になる。
・ 福島県以外の東北や関東各県にも低レベル放射能汚染されている落ち葉、枯れ草、わら、表土など大量の汚染物がある。
・ これらの汚染物処分として、焼却、埋め立て、建設・土木資材として消費、中間管理施設での保管管理、放置などが国と自治体によって進められている。

           放射能とは
・ 放射能は分子の性質ではなく原子の性質なので、微生物や化学反応で減らすことはできない。化学反応とは、原子間結合などのように、原子と原子の関係を変えるもので、原子そのものは変わらない。
・ 放射能は時間とともに減少(減衰)する。この減少する早さ(半減期)は放射性元素ごとに原子の性質として決まっていて、人が変えることはできない。
・ 放射能以外の毒物は、分解や、他の物質と結合などにより毒性を失っていくが、放射能は分子の性質ではなく原子の性質なので、半減期による減衰以外は、何をやっても減少しない。
・ 多くの毒物のように、一時隔離しておけば、やがて分解されて毒性を失うと期待するような、同じ感覚で扱ってはいけない。
・ 人は放射能を減らすことはできない。人ができるのは移動することだけである。

         放射能処理、除染とは
・ 除染とは、放射能を減らすことではなくて、人にとって影響の少ない場所に、影響の少ない形に集めて管理すること。
・ 汚染された小領域・空間だけを考えれば、除去・洗浄すれば放射能は減る。しかし、他に移動しただけで、移動した側の放射能は増加する。全体の放射能総量は変わらない。
・ 放射能をどこも増やさずに、どこかの放射能を減らすことはできない。除染とはどこの放射能を増やすかということ。
・ 既に集まって固まっている放射性物質を、焼却して煙として拡散するなどは、かえって有害である。絶対に拡散してはいけない。
だから
・ 除染を行う際にまず行うべきことは、放射能汚染物質の処分場、どこに、どのような状態で、どの程度の規模に集めて管理するか:どこで放射能を増やすか=最終処分場をを決めて造ることである。
・ 除染した放射能がどこに行くかを決めない除染は、他の領域を汚染することで、全体として考えれば、多くの場合、かえって放射能汚染を拡散してかえって有害である。
・ 最終処分場を造らない除染方針は打算と偽りである。最終と言う言葉自体が無責任で悪質な偽りだ。
・ 最終処分場の規模と形態を決めない政府・行政は、無自覚無能力か、原発を守るために意図して住民を犠牲にしていると私は考える。
・ 現在の除染方針は、これを分かった上で、意図して現在の方針を出している東京電力と、東電に共同歩調をとる高級官僚が基本方針をつくり、無自覚・無能力の政治家が共同し、操られて作った方針と私は考える。

         通常時の放射性廃棄物処理法
・ 放射線を扱う研究施設や医療機関、企業などは、廃棄物処理方法や基準が厳重に法律で決められている。
・ 処理法の基本は、焼却して、残り灰と煙を完璧に回収してビニール袋に詰めた後、ドラム缶にいれ、半減期から計算される十分な時間、地下の貯蔵保管施設で長期間管理する。
・ 焼却の目的は、放射性物質の容積と重さを減らして、必要なドラム缶の量を減らすためである。焼却には、放射能煙を外界に拡散しない、特別の焼却炉が義務付けられている。
・ 広大な敷地を持っている東北大学でさえ、毎年出てくるわずかな汚染物の保管施設確保に苦慮している。

         焼却処分はすべきではない
・ 焼却すると、放射能は減らないので、煙と燃え残り灰に全て残る。
・ 煙の放射能を完全に回収できない焼却施設で燃やすと、大気中に放射能を再拡散する。絶対にしてはいけない。
・ 回収した煙と残り灰の重さは焼却前より少なくなるが、放射能は減らないので、kgあたりの放射能は高くなり、かえって処理を困難にする。
・ kgあたり放射能が高くなって、移動、管理が厳しく制限される放射能レベルを超える。これを移動や保管,放置、処分すれば、どれでも放射線に関連した全ての法律に違反する。
・ 2000万トンの放射性汚染物質を焼却した場合、焼却によって出た煙の回収物と焼却灰の重さや容積が仮に1/100 に減ったとしても、回収した煙と残った焼却灰は20万トンと多い。焼却しても放射能は減らないので、1kg 当たり平均放射能は100倍にになる。
・ 事故後環境を汚染した放射性物質が多いため、密封した上でドラム缶に詰め、全てを地下の格納施設に保管して長期化管理するには莫大な負担が必要になる。実際には多すぎてドラム缶に入れて地下室で長期保管管理は不可能だ。
・ したがって、焼却して全体を処分することは困難で、実際には、処分されずに放置される放射性物質が多く残ってしまう。
・ 焼却をして容積と重量を減らしても多すぎて、ドラム缶・地下貯蔵施設で収容管理できず、放射能が高レベルになってかえって危険であり、法律違反になるから、焼却すべきではない。
・ 焼却や、再利用を行うためには莫大な費用がかかる。これは新たな利権の材料となり、貴重な税金が莫大に浪費される。浪費せず被災者の生活復興などに使うべきである。

        土木資材や、肥料に混ぜて「再利用」すべきではない
・ 放射性物質の管理とは、集めて管理すること。
・ 何かに混ぜて再利用など拡散してはいけない。低線量被曝環境を全国に広げる。
・ 薄めて拡散してはいけないことは、国際的な合意事項である。
・ 公害物質の規制を、濃度規制をしていた60年代までは、有害物質を希釈して大気や河川・海に有害物質を放出したために汚染を激化させた。総量規制にして初めて環境汚染を改善できた。

         汚染瓦礫と除染して集めた放射能汚染物をどう処理すべきか
              汚染の現状基本認識
・ 原発周囲地域や東北、関東地方に広く汚染している放射能は、原発施設内のような高レベル汚染ではない。
・ これを焼却するとkgあたりの放射能が上がってかえって危険、処理困難になる。

         最も実際的で有効な放射能汚染物処理戦略
・ 環境中の汚染物は焼却せず、拡散せず、一箇所に集めて管理する。
・ 全体の量は多いが、重量あたりの放射能は低いので、管理は簡単
・ 数百メートル四方、数十メートル高さの山に積み上げる。
・ 半減期に従って放射能が減衰するまで管理する。
・ 必要な設備は、風で飛散させない、土壌に浸透させない、立ち入り禁止だけでよい。
・ 風による飛散防止と雨水が浸透して土壌浸透の原因になる廃液を減らすために、表面にビニール、コンクリートなど被うだけでよい。高レベル放射能とは違い、完全密閉は不要なので簡単なものでよい。
・ 汚染物質搬入が終わり、山済みした瓦礫などが圧縮、変形するなどして形が安定するまでは、ビニールシーとで被うだけで間に合う。
・ ビニールシートの目的は、風で飛散させないことと、雨水浸透によって廃液を増やさせないためである。雨水の浸透を止めれば、集めたがれきに含まれる水が漏出した後は、汚染水流出はなくなる。
・ 丘の形が安定したら、浸透防止層の上に表面に土を数メートル積めば、植物への放射能吸収をさせずに植物を植えることもできる。
・ 土壌への浸透防止のための基礎部分(底)は必ずしも厳重にする必要はなく、水抜き層と水抜きパイプで水抜きを十分に行う。底には粘土や吸着剤を敷き、最低部にはコンクリートなどの不浸透資材による底を作る。
・ 十分な水抜きをし、その水は通常の放射性汚染水処理;濃縮してドラム缶管理を行う。管理場所は前述の築いた山の中に保管質を作る。数十年か百年以上は放射線管理区域として、管理者以外は立ち入り禁止。


         山積み処理法の利点
・ 他地域に汚染を拡散しない。
・ 安い費用yで無制限に大量のがれきや環境汚染物を回収できる。
・ このため、除染活動を希望する人や団体は、除染で集めた汚染物の処理を心配せずに除染活動ができる。
・ これ以外に合理的処分法は無い。

         他の除染戦略の問題点
中間処理施設:
・ 最終処分場の規模と形態を決めることが除染戦略を決める最初にすべきこと。これを決めずに中間処理施設や焼却、その他の方針を言うのは偽りと誤り。
・ 「中間」施設がごまかしの言葉であることはほとんどの国民と関係者は考えている。偽りや誤りを前提にして正しい方針はありえない
・ 偽りと批判させない方針の出し方や、社会のあり方は不健全で、被曝被害と関係費用を拡大するとともに、社会の健全性を損なう。
焼却:
・ 回収しきれない煙による大気汚染と、回収した煙と残り灰のkgあたり放射能が高くなってかえって厄介になることは前述した。
埋め立て・建設資材に使用:
・ 放射能の拡散になる。拡散は除染と逆の行為。
・ すべきではない。国際合意にも、放射能被曝対策の常識にも反している。
・ 全体から見れば建設資材に使っても全体量から見ればわずかで、汚染物質や瓦礫はほとんど減らない。
・ 国民全体の放射線被曝と被害を増やす。社会がまともに理解、考えることと考える能力を妨げる。企業と官僚の利権につながる。利権は、社会の健全性を阻害し国民財産を消耗する。
他の地域に搬送して処分:
・ 各地で瓦礫受け入れが進んでいないことが、瓦礫処理と被災地復興の妨げになっていると言う政府発表やマスコミ報道が続いている。偽りである。
・ 政府の方針でも域外処分予定は20%で80%は地元処理である。地元処理が進んでいないことが瓦礫処理が進まない原因だ。
・ 20%の域外処理は元来不要だが、問題をすり替て国民を偽る政府と、批判せずに同調報道するマスコミは悪質だ。
         除染の目的
・ 除染の目的は環境放射能を減らして、人の放射線被曝を減らすこと。
・ 除染活動の対象は、汚染はされているが生活可能な環境の、ホットスポットや子どもが集まるところなどを、被曝をさらに少なくさせるために放射能を減らす目的で行うべき。
・ 放射能レベルが高い地域を除染して、かろうじて住める区域を作ることを目的として、そこで生活を再開すると、かえって被曝を増やす。被曝を増やす除染はすべきでない。
・ 汚染レベルが高いまま、「生活を開始して、それから除染」は法的にも同義的にも違反している。被曝を増やす政府方針と、それを批判しない社会は不道徳で不健全だ。

         最終処分場をどこにどう確保するか
・ 福島原発付近の高汚染地域に国と東電の責任で土地を確保する
・ 福島第一原発付近は強く汚染されて、人が住んでよいところではない。その人と家族のために、被曝させてはいけない。
・ 「住民の気持ちを考えると強制もできない」という人がいる。避難しない責任を住民に転嫁する考え方である。
・ 移住する住民の利益にならない場合も、原発やダムや道路建設のために、土地を買収して全て達成してきた。先祖伝来の土地で生きることを止めさた。土地評価額の数倍の土地代金と移転後生活保障をすることによって全て実行した。同じように、十分な土地代金を払い、生活保障をして、処分場の土地を確保すべきだ。ダムや高速道路建設のための土地収用と同じレベルの土地代支払いと生活保障の取り組みをしていない。本来は、更に損害賠償費用を加えた額にすべきものだ。
・ 何よりも、住民にとってそこに住むのは危険だ。「このままふるさとに住んでいたいいか、それとも離れたいか?」と聞くのではなく、「汚染して住めない土地にしてしまいすみません。申し訳ありませんが危険なので移住してください」と事故を起こした東電と政府・行政が謝罪し、お願いして、原発やダムを造ったときと同じような補償をすればできることだ。産業も無く危険な土地に引き続き住みたい人は多くない、おそらくずっと簡単なはずだ。
・十分な金も払わず、謝罪もせず、「残ってこのまま住んでいたいか、離れたいか」と言って補償もせずに、「残りたい」と住民に言わせて、住民に責任転嫁すべきではない。

          結論
・ 人が住めるが、更に被曝を少なくするための除染をすべき。かろうじてすめる環境を目指す除染は被曝を増やすからすべきではない。
・ 放射能汚染瓦礫、除染で集めた汚染物は、焼却や、再利用という名の拡散をしてはいけない
・ 環境中の低レベル放射能汚染物は大規模最終処分場一箇所に全て集め丘に築いて管理すべき
・ これ以外に合理的な処分法はおそらくない。

2011年5月以来主張してきたことをまとめた。

(追加)
「福島原発付近最終処分場」署名と実現の為の運動呼びかけ

本ブログをお読みいただいた方が中心になって、実現の為のいくつかの運動がおき、私も発案・呼びかけ人として積極的に参加し、これをまとめて全国的運動として活動を開始しました。
どうぞご参加ください。グループや個人参加どちらも歓迎です。ことに被災地宮城県のグループの参加と、宮城で自治体などへの要望活動などを行なってくださる方が参加してくださることを心から呼びかけます。
 本ブログ「「津波記念公園を」署名運動の呼びかけ (09/11)
直筆署名用紙、web 署名、賛同団体・賛同著名人登録窓口は
震災復興プロジェクト http://savechildproject.web.fc2.com/tunamikinen.html
をご覧下さい。

(追加)福島第一原発以外の全ての原発は、福島原発事故以降、現在も放射性廃棄物を法律どおり管理している。
100ベクレル/kg以上は放置・拡散禁止。処分して容積を減らしドラム缶に入れて厳重に管理している。
福島第一から出た放射能汚染物資は8000ベクレル/kg以下は土木資材に利用可など不条理な拡散が行なわれている。
(追加)石巻のがれきは2011年9月、鹿島JVに1923億円で処分契約された。全額国庫負担・期限付きなので、津波被災自治体は、出費の不合理を考えず莫大な浪費になる広域処理や焼却処理を気楽に決めた。全て国民の税金による負担だ。

(追加)本ブログの別記事「岩手・宮城の津波瓦礫は全て山積み処分し公園に整備を。津波瓦礫の合理的処分法」http://hirookay.blog.fc2.com/blog-entry-26.html をご参照ください。

(岩手・宮城のがれきについての記述は、別の課題であり話が混乱するので削除し、文章を修正した。2012年8月18日)

(追加資料)川俣町山木屋地区の住民意向調査。除染計画は728人が回答「進めるべきだ」309人▽「試験結果で判断すべきだ」195人▽「中止すべきだ」120人。 古川道郎町長は4日の記者会見で「古里を荒れさせることはできない。地域の事情に沿って除染の見通しを示したい」と話した。毎日新聞 2012年09月05日 地方版

(2012年10月5日 資料加筆修正)
16:05  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(33)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02.27 (Mon)

牛乳放射能 私の考え(1) 「牛乳放射能は減らせる!」

牛乳放射能 私の考え(1)
「牛乳放射能は減らせる!」


今も宮城県の牛乳はセシウム放射能が検出されている。
汚染レベルは10ベクレル/L前後とあまり高くはない。
これをどう考えるか。

現状
・ 現在宮城県は、大崎、登米、白石のクーラーステーションに各100トンくらいに集めて混ぜた原乳の、放射能を測定している。
・ この原乳から10ベクレル/L程度の放射線が検出されている
・ 福島県は4月と5月に飯舘、福島、本宮で検出(10ベクレル以下)されたが、その後検出されていない。
・ 宮城県は4月中旬は測定限界以下だったが4月26日と5月11日、大崎と登米で10以下が検出された。
その後不検出だったが6月下旬から再び検出されるようになり、12月には白石で22、大崎で20と過去最高となった。その後は減少傾向。

牛乳の放射能を減らすことはおそらく簡単だ;海産物や農作物とは違う
・海産物や農作物、食肉などは出荷されたものが毎回異なるので、放射能汚染は毎回測定しないと予測困難だ。
・ 一方、牛乳は、毎回、同じ牛から牛乳を採る。
・ セシウム汚染飼料を食べて汚染された牛は毎日、セシウム汚染牛乳を出しているはずだ。
・ 一方多くの牛の牛乳はほとんど汚染されていないだろう。

だから 
・ 原乳を100トンに混ぜる前に、一地区や、酪農家ごとに原乳を検査すれば、汚染の強い牛を特定することができる(毎回測定は不要。1~2回測定すればほとんどわかる)。

結論
・ 汚染された牛あるいは酪農場を特定し、農家に補償して、その牛乳使用を中止すれば、流通する牛乳の汚染レベルを下げることができる。
・ 放射能で汚染された乳牛を特定して除外し、牛乳の放射線レベルを下げるべきだ。
・ 牛乳業界はなぜやらない? 行政はなぜやらせない?
・ 東電はなぜ委託しない? 国民はなぜやらせない?
・ なぜやらない?それが問題の本質だ
18:21  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(1)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02.21 (Tue)

「低線量被曝と専門家の意見」について 仙台在住 さんのご質問に

「低線量被曝と専門家の意見」について
 仙台在住 さんのご質問への回答


要約
・ 確率的影響とは?
・ 低線量被曝の影響は確定できないほど小さいから問題ない?
・ わずかな遺伝子ダメージは自己修復するから問題ない?
・ 細胞が傷つくことによって下痢や免疫低下がおきる?
・ 低線量被曝は閾値がある?

本ブログ、講演「被曝をどう避けるか」要旨に関して、「仙台在住」さんからいただいた質問への私の回答です。
「仙台在住」さんのご質問・意見は本ブログ「被曝をどう避けるか」要旨の記事の後に掲載されています。
長くなったので別記事にしました。

■ご質問
「確率的影響とは?」
(回答)確率的影響という言葉について。
重金属や農薬などの毒物を摂取すると半数が死ぬ量を致死量といいます。
10倍に薄めて10人が致死量の10%を摂取すると、死にはしないが何らかの有害な作用があるが、1万倍に薄めて1万人が飲めば誰にもなんの作用もない。
別の言葉で言うと、1人が死ぬ毒を1万人で分けて飲めば誰にも有害ではない。
これが普通の毒物の作用の仕方で、用量依存的影響(正しくは用量依存的作用)といいます。

放射線の発癌に対する確率的作用とは、これとは異なって、幾ら薄めても毒作用が出たときの毒性は変わらず、毒性が現れる頻度が減ることを言います。
100mlの致死量の毒入りジュースがあったとする。それを10Lのジュースに薄めて100mlずつ100人が飲めば、普通の毒の場合は飲んだ大部分の人に弱い毒作用がでる。
1000Lに薄めて1万人が飲めば殆どの人は何の症状も出ない。
これが普通の、用量依存的毒作用。

1本の100mLのジュース缶に毒を入れて999本の缶ジュースの集まりに混ぜたとすると、毒入りジュース缶を飲んだひとりは死ぬが残り999人には作用がない。毒を入れていない9999本のジュース缶に混ぜて1万人が100mLジュースを1缶ずつ飲んでも、さらにどんなにジュース缶を増やしても、1人の人が毒で死ぬ確立は減るが、誰か1人が死ぬことはかわらない。これが放射能の発癌に対する確率的作用です。
放射能汚染食品の流通量を規制しないで、一定濃度以下にして広く流通させてはいけない理由の一つです。

ご質問
「100mSV以下では影響が良く分かっていないが、分からない程小さいから問題ない。
少しの遺伝子へのダメージは自己修復するから問題ない。
との意見を耳にしますが、この見解は正しいのでしょうか?
学者の方によって見解が異なる様な印象を受けますが先生の見解はいかがでしょうか? 」
(回答)銅やその他の多くの金属イオンは生体微量元素といって、不足すると欠乏症を起こしますが多いと有毒です。
医療分野では微量元素欠乏症はあるのですが、一般社会で問題になるのは、環境汚染による重金属中毒です。
このような、少量では有益だが、過剰では有毒になる重金属も、有害物として環境基準や食品基準が許可される上限値が決められています。
その制限値は、有害と確認できる量よりずっと少なく数%かそれ以下の量で規制されます。

有害量と無害な量の分かれ目は厳密に決定できないので、「有害と証明されていないレベルを避けるのは非科学的だ」というのは「有害な作用が出るまで食べて、有害と分かったらそれより少ない量まで食べろ」という、誤った論理で、まともな理屈ではない暴論です。
これは医学の知識の問題ではなく、人としてまともな考えを持つかどうかという問題なので、「専門家」が特権的に判断して解説する問題ではありません。
「専門家」の暴論に対して「それは誤りだ」と反論するために、医学知識は必要ありません。
反論に対して「専門家」から医学知識のことばで反論や解説があってもそれはすり替えです。

有害な作用があるものは、「これ以下なら害はない」という値を確定・証明して、それよりさらに十分低い値で制限するのが、毒物に対する基本的考え方です。
食品安全や環境基準に関する日本の法律も、国際機関の取り決めもそうなっています。
法律を考えなくても、常識でまともに考えれば当たり前のことです。

ご質問
以下は私の独学の勝手な解釈ですが↓
「被曝でDNAにダメージ→DNAが修復される過程でミスが起こる場合があり、変異→増殖し、癌化。
変異した細胞を自殺させる遺伝子(P53遺伝子など?)が変異した細胞を自殺させるが、この遺伝子自体、被曝で損傷してしまう恐れもある。 」「つまりどんな少ない被曝でもこのDNAの変異・増殖。または変異した細胞を自殺させる遺伝子(P53?)のダメージによる機能低下などが起こる可能性が高まり、癌などの影響の可能性が上がる。
⇔逆に言えば、低線量被曝の範囲でどれだけ多く被曝をしてもこのDNAの修復ミスと増殖などが無ければ癌化においては問題ないレベルである」
(回答)おおむねその理解で正しいです。「自殺させる遺伝子がコピー間違い(変異)して、自殺させられなくなると、増殖し続ける=がん化する」 がより正しく分かりやすい表現です。より正確にはそのような、増殖開始や、増殖停止、細胞自殺、遺伝子修復などに関係した遺伝子が、細胞増殖に働く方向の変異を起こし、1個の同じ細胞内でそのような遺伝子変異が数個蓄積されたときにがん細胞になる。増殖や遺伝子修復に関係ない遺伝子に変異が生じても発がんには関係しません。変異した遺伝子が設計図になっている蛋白が少し変わるだけです。

ご質問
「内部被曝ではα線やβ線も加算され、飛程はγ線より短いが、より多くのDNAを切断する危険性がある。
その為、必然的にDNA修復過程でのミスが起こる可能性も上がる。
特にDNAの2重螺旋の両方を切断する場合は1本の切断に比べてリスクが高く、他の切断されたDNAと修復過程で変異結合してしまう場合もある。
⇒つまり同じ放射性物質を外部と内部で比べた場合、内部の方がより影響があると考えられる。(セシウムも外部被曝では1m離れていればγ線の影響のみだが、内部ではβ線の影響もあるなど。)

細胞分裂をする際の、螺旋が1本になった際の被曝ダメージが特にリスクが高く、その為、細胞分裂の多い子供の影響が高いと考えられる。 (注釈:これは内部被曝も外部被曝も同じです。岡山)

「勿論、癌だけでなく細胞が傷つく事によっての下痢や免疫力低下など様々な影響がある。 」
(回答)細胞が傷つくことはありえますが、どの細胞に、どの程度どのような傷か、いつまで続くかが問題です。
低線量被曝で下痢することが確実なら、このようなことが起きているのだろうと想像するとはできますが、その程度の被曝で下痢を生じるだろうかという疑問(否定ではない疑問)もあり、実際に下痢が増えているかどうかが問題です。十分に証明されていないので、推測です。
低線量被曝の結果と示唆、主張されているもののいくつかは被爆の結果であり、いくつかは違うのではないかと推測しています。事実はまだ誰も断言できないものが殆どです。

危険性がないと断言できない間は、危険がありうるものとして、危険を避けるために対処すべきです。
示唆されている危険性を「確定されていないから」といって、無いこととして扱うのは誤りです。同様に、確定できないが強く疑われるという場合は「強く疑う」と言うべきで断言すると誤りになります。

免疫細胞も放射線感受性が高い細胞の一つですが、免疫は複雑で様々な機能があります。
免疫の基礎知識のない人が「免疫を上げる」「免疫を回復する」「免疫の働きを高める」といっている多くのものは、何を根拠に言っているか、免疫のどの作用を言っているのか、疑問です。
ついでに言うと、このような場合、免疫がやりうることは、異常な細胞を破壊することであって、免疫が、変異した遺伝子を時間をかけて修復することはありません。損傷したり、コピーミスを起こした遺伝子の修復は細胞の中の核内で殆ど瞬時に行われます。免疫は大まかには、細胞間や細胞外の出来事です。

免疫細胞の働きには、ある免疫作用を高める働きも抑制する働きもあります。
基本的理解をしていない人が専門的で、専門家が断言しないことを断言したり、聞きかじりの俗論があたかも真実であるかのように語られ、それを前提にして、主張する人がいるだけでなく、多くの人が確認もされていないことを正しいと思い込んで論を進めていることはまずい、危ういと私は考えています。
特に免疫の話題で顕著です。

ご質問
「私は上記の内容により、どんな少ない被曝でもDNAの変異・増殖の危険性や場合によっては低線量でも健康被害など影響があり、被曝の健康被害には閾値は無いと考えております。
特に内部被曝は危険であり、極力避けるべきであると考えております。

閾値があるという考えが最近は出てきているという話なども見ますが、上記の内容であれば閾値は無く、被曝は今の線量ならば自己修復能力もあるので問題ないという見解は誤りだと考えております。

私の理解では確率的影響とは、少しの被曝でもDNAの変異・増殖などによって確率的によって起こりえる影響であり、被曝の影響は人によって一概にどの程度の線量で起こると言えないと考えております。」
(回答)おおむねその理解で良いです。放射線に関係した日本の全ての法律と、国際合意はその考えを基に作られています。否定する人は法律も否定することです。
DNA変異に対する自己修復機転や、異常細胞を始末する免疫細胞の働きはあってもそれで間に合わなかった分ががんとして出現するのですから、放射線やその他の原因で、遺伝子変異やがん細胞が多くできれば、修復や始末から逃れてがんとして発症するものも増えることになります。免疫やDNA修復が簡単にできるなら、がん治療や予防の再重要課題として研究されるはずですが、そのような研究が最重要課題として専門家の認識にはなっていません。
原発事故までは、その法律どおり実行することを指導してきた専門家が突然、主張を変えてしまいました。今でもその人たちは、放射線実験施設の運用や除染については恐らく法律どおりに指導しているはずです。

閾値は無いということは恐らくそうと私も推測しますが確定されてはいません。法律では可能性が高いと考えて、一般人への被曝を少量から禁止しています。
閾値以下の被曝は被曝量とがん化する割合が比例するかどうかについてはさらに明らかではなく、いろいろな考え方(仮定、想定)がありえます。
ただ被曝量とがん化の割合が比例してもしなくても有害であることは変わりないので、被曝を減らすべきという結論は同じです。

低線量被曝がどの程度影響があるかはまだ分かっていませんが、セシウム放射能はカリウムと比べると考えやすいところがあります。
地球上のカリウムはどこのカリウムも同じ割合で放射能を持っています。カリウムは生体にとって不可欠で、細胞内と細胞外の水に溶けています。
細胞内外の水の量と、それぞれのカリウム濃度は腎臓によってプラスマイナス15%くらいの変動で一定に保たれていますから、体内のカリウム量とカリウムの放射能量も一定に存在しています。
60kgの人で約4000ベクレルです。セシウムとカリウムは性質や体内分布も、放射能の性質も似ています。

大人が毎日40ベクレルのセシウムを食べ続けると、血中濃度が高まって、やがて、1日で食べる量と尿から出る量とが同じになり、体内の総セシウム量は1日摂取量の約100倍、毎日40ベクレル食べ続けると4000ベクレルで安定します。
カリウムの放射能が倍に増えたと同じ見当になります。カリウムの放射能が発がん原因の50%を閉めることはありえませんが発がん原因の10%なのか0.1%なのかは分かりません。

いずれにしても、セシウムを毎日40ベクレル食べ続けるとカリウムの放射能の作用がおおよそ倍になったくらいと想定できます。
セシウムを毎日10ベクレル食べるとカリウムの放射能が25%増えた程度という見当です。
元々体内にあるカリウム放射能の作用があまり大きくなければこの量のセシウムの影響も少ないと考えられます。
カリウム放射能の作用がどの程度なのかは分かりませんが、セシウムによる内部被曝を考える目安として使うことができます。

少量の毒物摂取をどう考えるかについては初めのご質問の回答で書きました。
放射線以外の一般の毒物はうんと減らすと、害は全くありませんから「一定以下の量では全く害がない」という意味で一般の毒物は「閾値がある」ということになります。
「閾値」というのは厳密には、その値になると飛躍的に状態が変わる量をいいます。
例えばアルコールを含んだ空気の温度を徐々に上げていくとある温度で爆発する(突然状態が変わる)というような量(この場合は温度)のことです。
閾値という言葉を、ヘーゲルなど哲学者の言葉で表現すると、(温度の)量的変化が(爆発という)質の変化をもたらす量と表現することがあります。
従って、現在、低線量被曝で使われているような、一定量以上では徐々に効果が現れ始める量を閾値というのは厳密には正しくない使い方です。
03:49  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.02.01 (Wed)

メルセゲル2さん「放射能を隔離するならありえる」について

メルセゲル2さん「放射能を隔離するならありえる」について。

要約
ご意見: 「光細菌が放射性物質を体内に取り込んでくれれば、α線とβ線は遮断し、EM菌が放射能に効果があると説明できるのではないか」
私の回答: 細菌は腸から吸収されない。だから組織や臓器、細胞まで細菌が到達して放射能を取り込むことはありえない。

(ブログを使いこなせていません。コメントで記入成功しないので記事で書きました)

メルセゲル2さんのご意見
「光細菌が放射性物質を体内に取り込んでくれれば、γ線は遮断できなくてもα線とβ線は遮断してくれるのではないのでしょうか。
EM菌が放射能に効果があるという実験結果はこれで説明できるのではないでしょうか。
体内被爆でダメージが大きいのはα線とβ線ではなかったでしょうか。」

私の考え
メルセゲル2さんが、EM菌の作用を
①「腸の中」での作用として考えているのか、それとも
②「腸から吸収された血液や組織(狭義の体内)」
での作用のどちらを考えてのご意見か分からないので、それぞれについて述べます。

①「腸で吸収されず、腸内に存在する放射性物質に対するEM菌の作用」を考えられているとしたら、腸内の放射能はそのまま便として排泄されます。
だから、EM菌が放射性物質を取り込んでも取り込まなくても、あまり関係ありません。
便の中の特定の細菌に仮に放射能が取り込まれて、その結果、細胞の大きさの1/100 mm の遮蔽になったとしても、便の数mm、数cm の遮蔽の方が大きい。
腸管内のEM菌が、放射性物質を取り込んで若干遮蔽したとしても、そのために被曝が減るのは、これから排泄される大便が受ける被曝が少し減るだけです。

それは、臓器や細胞の被曝とは離れたところの出来事です。
便の中の細菌がどのように、体の組織を構成している臓器や細胞の遮蔽になって被曝を減らしますか?

②「光細菌が放射性物質を体内に取り込んでくれれば、γ線は遮断できなくてもα線とβ線は遮断してくれる」
という細菌の働きが、腸から吸収されて、血液中や各臓器、組織の場所で起こる反応と考えられているなら、それは、
腸から細菌が全身の組織や臓器に運ばれて生きているとということで、敗血症の状態です。
=細菌が全身に運ばれて増殖する、きわめて重症な全身性感染症。
有効な治療をしなければ、人は高熱を出して数日で死にます。

EM菌を経口摂取しても、敗血症を起こさないでしょうから、それは、腸から吸収されて全身に運ばれて、臓器や組織中で、増殖・活動していないことを意味します。

敗血症や全身感染症は低線量内部被曝より劇的ではるかに重大な事態です。
つまり、EM菌は腸から吸収されて、全身の細胞の近くに運ばれ、生きていたり増えたりしません。

従ってEM菌の働く場所が、①腸内の作用と考えても、②腸から吸収された体内での作用と考えても、どちらを考えられているとしても、EM菌はメルセゲツ2さんが言われるような作用で、有効には働かないと思います。

お考えをお聞かせください。

・・・・・・・・・・・・・・・・・


「以下は、メルセゲツ2さんのご意見ではありませんが、
「酵素やEM菌は放射線・・・」に対するご意見
なのでまとめて掲載します。
(この後の文章は、本ブログ別記事「酵素やEM菌が放射線障害に有効か―まともな常識の整理―」の後のコメント欄に移動しました。)

22:15  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(0)  |  EDIT  |  Top↑
2012.01.26 (Thu)

「酵素やEM菌が放射線障害に有効か」 ――まともな常識の整理――

「酵素やEM菌が放射線障害に有効か」
――まともな常識の整理――


要約
・ 放射能は分子ではなく原子の性質なので細菌や化学反応で減らせない。できるのは移動だけ。だから、EM菌が放射能を取り込んで移動させるというのではなく、取り込んで放射能を減らすことはない。土壌の放射能を減らせない
・ 細菌や酵素は腸から吸収されない。だから経口摂取したEM菌や酵素が、組織や臓器に到達して作用することはない。


「発酵食品(の酵素)が傷ついたDNAを修復する」とTwitterで発言された方に
「①納豆、漬物等にDNAを修復する酵素はあるか、②食物の酵素が分解変性されずに血液に吸収されるか、③DNAが存在する細胞内に入るか」と返信しました。
控えていましたが、自由に怯えることなく発言でき、論理的で健全な議論を保障し、人が敬意を持って関係しあう、健全な社会を作っていくために、批判すべきことはきちんと批判すべきだと考えるようになりました。
Twitter で述べたことを含めて、箇条書きにします。

EM菌で畑の放射能が減るか」
減らない。放射能は分子ではなく原子の性質なので、微生物や化学反応、人間の力では減らせない。
できるのは移動だけ(体内を含め、移動の話は今回は省略)。
「減る」という人はそれを証明して全てのまじめな反論に回答する義務がある。

体内の放射能には?」
放射線の化学作用の多くは細胞内で起こる。
EM菌(細菌)が人体の細胞で働くためには、腸から吸収されて血液に混じって、全身の細胞に運ばれなければならない。
しかし、細菌は腸から吸収されない。
細菌が腸から組織や血液に入り込んだらすぐ殺菌される。

腸の中には、常に、無害な細菌が沢山いる。
EM菌など、無害な細菌でも、もし、それが吸収されて血液の中で生き続けたら、全身に運ばれて繁殖し、高熱を出して、人は数日で死ぬ(敗血症)。
敗血症を起こしていないということは、細菌が血液中にいないことを意味している。

「EM菌が体の中で放射線による化学反応を減らすか」
放射能によって生じる障害を減らさない。
放射線障害の機序のほとんどは細胞内で起こる。
(放射能を排泄など移動させることについて今回は省略)。
たとえ、注射して血液中に細菌を入れても、細菌は細胞内に入らない。

「EM菌、味噌、納豆などの酵素は有効か。腸から吸収されるか?」
誤り。 酵素は大きな蛋白分子。
経口摂取したら小さな分子(アミノ酸)にまで消化分解されて、わずかな蛋白栄養として吸収されるだけ。
もし酵素が腸からそのまま吸収されるなら、酵素たっぷりの生野菜や刺身を食べたら人は死ぬ。
自分の消化酵素も吸収して体中が消化されて死ぬ。


「味噌、納豆などの酵素が人の細胞内で、放射線障害を減らす?」
誤り。放射線が、過酸化物を作ったりして、DNAなどを損傷するのは細胞の中。
食べた酵素は腸から吸収されない。
仮に注射して血液に入れても、すぐに不活化される。
普通の細胞の細胞膜は通過しないので、細胞内に入らない。
(入るなら、細胞も人も生きられない。詳細は省く)。

「酵素」とは①
物としては蛋白質の大きな分子。
人も動物も植物も何千種類の酵素を作っている。
微生物が作る酵素の種類は少ない。
DNAは蛋白を作るための設計図(遺伝子)なので、それぞれの酵素(蛋白)の遺伝子もそれぞれ、DNAの特定の場所にある。

「酵素」とは②
蛋白やDNAや体内のあらゆる物質(分子)を作ったり、壊したり、化学的に変化させる働きを持つ蛋白。
厳密に特定の物質の特定の部位だけに作用する。
蛋白やDNAなどの物質を作る酵素も、壊す酵素も、作用が異なる沢山の種類がある。
酵素の作用で変化を受ける分子(基質)の、細かいひとつひとつの作用点は酵素ごとに厳密に決まっている。
他の物質には全く作用しない。

「酵素」とは③。
例えば唾液やすい臓から分泌される膵液に含まれるアミラーゼはでんぷんを少し分解する。
第1段階で分解されたでんぷんは、更にブドウ糖にまで消化、分解されて腸から吸収される。

吸収されたブドウ糖は血液から細胞に吸収されて更に分解・代謝(生体内で、酵素の作用によって分子が分解したり構造が変わること)されて、最後は水と炭酸ガスとエネルギーになる。
エネルギーを出したり、様々な物質を作る材料になる。

この過程だけでも、何十種類の酵素が関係している。
全ての酵素の構造、作用、作用の仕方、作用の調節や酵素の名前は、全ての酵素で詳しくわかっている。
全ての酵素には、一つ一つ名前がついている。

ここまでは中学理科や、高校生物程度の一般教養的基礎知識。
専門家ではないが、一般的な専門的教養知識とは、蛋白や酵素の構造についての一般的理論や、酵素作用の、数学的、化学的なことを基本的に理解していること。
専門的知識とはいくつかの酵素について、構造も機能も遺伝子も何でも知っていること。
研究者とはその知識を持った上で、実験をして新しい事実を発見し、証明する人。

基礎知識がない人が、科学の世界で承認されている基本的認識を覆す、でまかせ解説をすべきではない。
もし主張が正しいなら、それを証明して論文を2つ書けば世界のどの大学の教授にでもなれるほどの大発見です!
 聞きかじりで、正しさを自分で説明できないことを、真実であるとして、でまかせの「解説」や「指示、指導」をしてはいけない。

酵素の正確な作用を言わないで「酵素の働きで」というのは殆ど怪しい。
何事でも、「解説」する人は基本知識を持っていなければいけない。
内容に責任を持たない=正しさを自分で説明できない、聞きかじりの知識で自分が考えることはかまわないが、他を非難したり、他人や社会に断言した解説や指示をすべきではない。

誤っていることを解説する人の分類
① 無知なのに他人に、解説や指示する。テレビアナウンサーも毎日している、日本のメディアも異常。
② でまかせ
③ 誤りと知っていて言う嘘、確信犯。
どれもまずい。なぜまずいか、どれほどまずいか、それが人や社会にどのように作用しているかを、深く考えよう。

解説や指図をする人は、正しさを証明して全ての反論に回答する義務がある。
「聞いたことを言っただけです」は無責任なことばで、これが看過、黙認、通用するまともな社会はない。
これはおそらく日本でしか通用しないことば。
「嘘だというなら嘘と証明しろ」というのは論理を知らない無知の暴論。
これが暴論であるとわかる、論理と知性をもちましょう。

「嘘やでまかせの解説や、主張をしてはいけない」「あざむいてはいけない」ということは、科学知識の問題ではなく、人として、社会としての、誠実さ、まともさの問題。
誤ったことの吹聴は他人の判断を誤らせ、他人と社会に損害を与える。
誤りへの妄信は、自分と社会の知性と健全性を損なう。

人や社会を欺いてはいけない。
真実ではないでまかせを根拠に、他人を非難してはいけない。
嘘やでまかせで他人を批判することを黙認すると、恐怖社会になる。
日本はかなり、自由に発言できない恐怖社会になっている。
22:40  |  放射線  |  TB(2)  |  CM(12)  |  EDIT  |  Top↑
2012.01.22 (Sun)

内部被曝の数値をどう理解するか

内部被曝の数値をどう理解するか

要旨
・ 毎日セシウムを摂取すると全身のセシウムは、1日摂取量の100倍くらいで安定する。毎日100ベクレルセシウムを摂取すると全身で10000ベクレルたまった状態で安定する。食べるのをやめると、徐々に低下する。
・ セシウムとカリウムは似ているので、カリウムは考える基準に使える。カリウム放射能は60kgの人で約4000ベクレルある。
・ 常に4000ベクレルのセシウムが体内にあったとすると、カリウムの放射能が2倍になったと同じ位の作用と考えられる。がんの何%がカリウムによるはわからないが10%以上の可能性は少ない。1%以下かもしれない。そうであればセシウムの4000ベクレルの発がん作用もその程度と考えられる。


:「講演『被曝をどう避けるか』要旨」についてkkko さんからいただいたご質問に応えるスタイルで書きます。
埼玉県のkkko さん、適切なご意見と質問ありがとうございます。

・・・・・・・・・・・以下、kkko さんのご意見と質問・・・・・・・・・・・・・・

セシウムを毎日摂取した時の計算
> 1年あたりミリシーベルト
>   =(1日に食べるBq)×(365日)×0.0073
> 毎日100Bq 食べると 1年で約1ミリシーベルト*
>   =100Bq×0.0073=0.73ミリシーベルト
>
> 60kg の成人が毎日食べ続けて平衡状態に達した時の
> 体内セシウム放射能
>   凡そ(1日に食べるBq)x約100
> 毎日100Bq 食べると約1年で
>   =10000Bq に落ち着く (Kは60kg 成人で4000Bq)

埼玉県の一般市民です。ブログ記事内の上記内容について二点、質問がございます。
①「平衡状態」というのは、具体的にどのような状態でしょうか? 

②「10000Bqに落ち着く」というのは、落ち着いて以降毎日セシウム131と137の影響を計10000Bqぶんずつ受け続ける状態に落ち着くということですか?また、

③最後の括弧内の「K」とは何でしょうか?

④一日に○○Bqのセシウムを摂取し、それを長期間続けた場合、健康にどれほどのリスクをもたらすものなのか。何万分の一の死亡確率なのか、何十分の一の死亡確率なのか。死亡するというのはいつの話なのか。明日なのか80歳を過ぎる頃なのか。砂利道を歩いていて、靴の中に石ころが飛び入るような確率なのか、それとも雨粒を全て避けるような無謀な道なのか。少々誇張しましたが、それでも実際、ただの「危険」や「安全」といった言葉からは、具体的な情報が伝わって来ず、自分の価値観と照らし合わせることも困難です。

> 1年あたりミリシーベルト
>   =(1日に食べるBq)×(365日)×0.0073
> 毎日100Bq 食べると 1年で約1ミリシーベルト*
>   =100Bq×0.0073=0.73ミリシーベルト

⑤上記2行目の計算式に「1日に食べるBq」を代入することによって、年間のmSvの値が出るのであれば、4行目の計算式から「365日」が抜けているのはどうしてですか? 365を掛ける計算が抜けているとなると、上記の結果の値は「1日あたり」ということになりますが、1日あたり100Bqだとしたら、年間約266mSvの計算になってしまいませんか。

⑥1日に摂取するであろうBqの値から、健康への影響を具体的・数値的に算出できる電卓ソフトなどがあれば、計算の苦手な私のような者でも感覚的に理解しやすく、日常生活に取り入れたり、行動の判断もしやすいのですが……。
こちらのブログのページ左側の計算機によれば、岡山先生も仰るように、

⑦セシウム131と137を毎日100Bqずつ1年間摂取した場合の合計値はおよそ1mSvのようです。が、その1mSvというのは具体的にどれくらい危険なのか。排泄なども考慮に入れて、いつの日かに体内に残留している放射性物質が1mSvぶんだとして、それはつまり、毎日1mSvぶんの健康被害を受けるということなのか。わからない点が多いです。

⑧現状、たとえば、目の前の野菜を食べることがどれほどの危険を伴うのか判断するのに時間がかかりすぎて、日常生活に、何十年後の自分自身の未来に、次以降の世代に、大きな負担をかけてしまいます。私は、できるだけ早く自己判断をして、腑に落ちない感覚を捨て、本来歩みたい方向へ歩き出したいのです。

・・・・・・・・・・・・ 以上、 kkko さん。2012-01-16。 以下、岡山博 の回答 ・・・・・・・・
適切なご質問をいただきありがとうございます。①-⑦と番号を入れさせていただきました。
① から順に書きます。ご質問いただいて見直したところ、⑤に関して重要な記載ミスがありました。ブログもお詫び、訂正しました。ご指摘ありがとうございます。

①「平衡状態」というのは、具体的にどのような状態でしょうか? 
平衡状態というのは出る量と入る量の速さがつり同じでつりあっていて、動かないように見える状態です。厳密には「平衡状態」ではなく「定常状態」と言うほうが正しいのですが、聞きなれない言葉と考えて、少し違うが「平衡状態」と書きました。

セシウムを例に述べます。
通常、放射性セシウムは体内に存在しないので、汚染食品を食べ始めた時には、体内に存在する量はゼロですから、尿中に排泄されません。
だから、セシウムに汚染された食品を食べ始めてしばらくの間は、毎日食べても、尿として捨てられる量はわずかです。

食べ続けると、細胞内にセシウムが蓄積されて濃度が上昇します。細胞内よりはかなり低い濃度で、細胞外液のセシウム濃度も上昇していきます。血液中の濃度(細胞外液の濃度と同じ)が上がるとそれに伴って尿中への排泄が増えます(メカニズムは複雑なので省略)。
このようにして排泄量が増えていくと、あるところで、体から1日で尿などとして排泄される量は、1日に食べる量と等しくなり、その後、毎日同じ量を食べ続ければ、細胞内や、体内のセシウムは増えも減りもせず一定のレベルを保つことになります。

これが平衡(正しくは定常)状態です。定常状態は毎日食べる量と、排泄される早さ(生理的半減期)から、少し難しい式を使って計算できます。記述した値は、成人のセシウム生理的半減期を3~3.5ヶ月として計算したおおよその値です。排泄量を増やしたり(=生理的半減期を短縮する。子どもは短い)、食べる量を減らせば体内に解けているセシウム濃度は低い濃度で定常状態として安定します。

② 「10000Bqに落ち着く」というのは、落ち着いて以降毎日セシウム131と137の影響を計10000Bqぶんずつ受け続ける状態に落ち着くということですか?」
そうです。体内に常に10000 Bq のセシウムがある状態で安定しているので、この状態では10000 Bq (1秒につき、放射線10000回)の被曝を受け続けます。

③「最後の括弧内の「K」とは何でしょうか?」 「K」 は カリウム元素をあらわす元素記号です。ちなみに水素の元素記号は H、 酸素は O、ヨウ素は I 、セシウム  は Cs です。 説明不足ですみませんでした。

④と⑤については⑦の後にのべます。

⑥1日に摂取するであろうBqの値から、健康への影響を具体的・数値的に算出できる電卓ソフトなどがあれば、計算の苦手な私のような者でも感覚的に理解しやすく、日常生活に取り入れたり、行動の判断もしやすいのですが……。 NET で「ベクレル シーベルト換算」を検索すると換算ソフトや換算表、解説が、問題意識に応じて、簡単なものから、専門的なものまでがたくさん紹介されています。それをみても良いですが、シーベルトという表現はそれほど厳密な意味を待っていないと私は考えているので、もしその程度のことでよければ、⑤で訂正、説明した式を使うだけで十分で、それも不要かも知れないと思います。

⑦「セシウム131と137を毎日100Bqずつ1年間摂取した場合の合計値はおよそ1mSvのようです。が、その1mSvというのは具体的にどれくらい危険なのか。排泄なども考慮に入れて、いつの日かに体内に残留している放射性物質が1mSvぶんだとして、それはつまり、毎日1mSvぶんの健康被害を受けるということなのか。わからない点が多いです。」
ここで言う1mSvというのは正しくは1mSv/年で一年間に被爆する総量です。1時間当たりだと割り算して 1年は8760時間なので0.114 マイクロシーベルト(訂正。前は1.14と誤記、)/時となり、被曝が同じレベルで安定した状態であればこの2つの値は同じ意味です。1時間当たり0.114 (1.14を訂正)マイクロシーベルト被曝を1年続けていると合計して、1年で1 mSvになります。被曝レベルが変化している場合は、1時間あたりの被曝量を1時間ずつて8760時間分を1年間続け足し算し続けると1年間の被曝量になります。

Bq (ベクレル)というのは、1秒間に放出される放射線の回数です。人の都合とは関係ない、自然を測った客観的数字です。正確に表現され正確に理解できます。ただ、放射線はいろいろ種類や、エネルギーの大きさ、生体への影響の仕方などが異なりますが、放射線の性質や強さに一切関係なく、1秒間に何回出るかだけを表すので、生体への作用を考えるときは、同時に他の知識が必要です。

一方、Sv (シーベルト)は、低線量被曝の管理という人の便利さの為に、大まかな、便利な目安として、あれこれの想像や仮定をおいてその上でかなり無理に数値化したもので、客観的な数字ではありません。例えば、レントゲンで使う放射線(ガンマ線の続き)とセシウム内部被曝による放射線は、放射線の性質も、生体に与える影響の質も量も全く異なるので、本来は一つの指標で測って比べることができないのですが、被曝管理の利便性のために、いろいろなことを無理に仮定して、共通の単位で無理に表したものです。

放射線被曝ではなく、いろいろな有毒物質の毒作用を例にして考えると分かりやすいです。
有毒なものとは、血圧を下げる、心臓に不整脈を起こす、出血させる、筋肉の力を失わせる、能の働きを抑える、呼吸が止まる、腎臓が破壊されて尿が作れなくなるなど、様々なものがあります。高温や低温、酸素不測などでもよいですが、これらの有害なもの大量に与えたとき、半数の人が死亡する量を測って、死ぬ量を指標に表現して比べることはできます。
しかし、その1/10や1/100くらいの少ない量を与えたとき、殆どの人は死にませんがそれぞれの毒の性質に応じて異なった種類の障害を生じます。この異なった傷害は、種類が違うので、毒性の程度、危険度を比べることはできません。

例えば、危険な不整脈が1分間に5回出たのと、腎機能の70%が損傷した、意識レベルが低下した、などという、異なる種類の、死に至らない有毒作用や、病態を、どちらのほうがが体にとって有害かを比べることはできません。別のたとえでは、不整脈が5回でる障害と同程度の傷害は、指1本の麻痺に価するのかそれとも左の腕と足全体の麻痺と同じ程度のものかというような、比較できません。

このように本来は比較不可能な障害に対して「この不整脈の障害程度は右腕1本の障害と同じ程度の障害だ」というように、あるいは、「1分5回の不整脈を生じさせる毒性の強さは、計算能力を20%に落としてしまう程度に能を傷害する毒物の有害作用の大きさ」として、同じ数字で表現して、同じ数字であれば、同じ程度の毒作用、有害作用としよう」というようなものです。

異なる作用を同じ指標で比べるこという不可能なことを、便宜的に無理して表現しようとして作ったのがシーベルトという単位なので、大きな、多くの、基本的な問題があります。
目安の値を決めた人たちの都合が入り込む可能性もあります。「どのように有害か」を無視して、「とにかくどれくらい有害か」という数字です。だから、ひとまずの目安として使うことは可能ですが、大体の目安でしかありません。

「セシウムの100ベクレルと、ヨウ素の100ベクレルは異なるから、ヨウ素の傷害作用はセシウムの何倍の強さだろうと考え、子どもは大人より感受性が高そうだから、セシウムに関しては子どもは大人の何倍影響があると考えよう」という仮定をたくさん作ってベクレルとして測定された客観的数字に掛け算や足し算をしてはじき出した数字がシーベルトです。
ヨウ素の100ベクレルをシーベルトに計算すると、大人と子どもはベクレルに掛け算する係数が違うと決めてあるので計算によってでた価は、同じ放射能の強さ(ベクレル)であっても、シーベルトの価は子どもと大人では異なります。

仮定が正しくなければ信頼できる数字にはなりませんが、正しい仮定ができるほど、これまでに被曝影響のデータはありませんから、シーベルトであらわされた数字の信憑性はさほど高くありません。
もう一つの問題は、シーベルトを計算するために作った仮定は、ICRPという国際組織が見積もったもので、これを元に日本や多くの国や国際組織の法律や基準が作られています。

ICRPの委員の多くは原子力産業に関係して利益を受けうる立場の団体出身で、ICRPの運営資金の一部はそのようなところから出されていることなどから、シーベルトを算定する係数の決定には、委員の社会的立場が反映され、内部被曝が過小評価されているなどの批判があります。
ヨーロッパの科学者などが作っている民間団体、ECRR は現実の放射線障害は、障害内容によっては、ICRPの見積もりより100倍以上高いと主張しています。
法律や基準として使われているので、シーベルト表示も使いますが、特に内部被曝について指標として使えるほどの信憑性には疑問があり、私はあまり有効ではなく、かえってわずらわしくしているところがあると考えています。

以上のことを理解したとして、ひとまずSv の数字の評価について述べます。
外部被曝で100mSv という価は、被曝すると1000人に5人があらたに癌で死亡することに対応する被曝量です。内部被曝であっても、同じシーベルトであれば生体に対する障害の程度は同じになるようにと作った単位ですから、セシウムの内部被曝20ミリシーベルトも同じように1000人に1人が癌死するはずの被曝量であるはずです。

しかし、ECRRは「ICRP の内部被曝による影響は著しく過小評価しすぎている」と批判していますからその考えによればそれより多くが新たに死ぬ被曝量ということになります。
両者の内部被曝危険性に関する評価は著しく異なっている,つまり内部被曝を評価するシーベルトの値の意味づけの正確さはこの程度です。
私は実際の発癌危険の程度はその間くらいと想像しますがどの程度かは分かりません。分析して結論を出せるだけの十分な被曝データが無いので、恐らく世界の誰も分かりません。

私は、内部被曝だけでなく、外部被曝の指標ももシーベルトにせず、ベクレルのままのほうが客観的で分かりやすいと考えています。そのほうが放射線源の種類とベクレルが分かると、客観的に考えることとができます。
シーベルトで表される数字はその程度の信頼性しかない単位として考える参考にしたら良いと考えています。

それを了解したうえで言えば、ICRP基準にのっとれば、100ミリシーベルト被曝で新たに1000人の中で5人が癌死する、被曝量に比例する確率的作用と考えられているから、1mシーベルトではその1/100ということです。ECRRの考えではそれよりずっと多いとなります。誰も確定できません。

おっしゃるとおり、よく分からないうえに新しい単位と数字を入れてなおさらわずらわしい、その通りと私も考えています。シーベルトの値は絶対視せずに、「現在詳しくは分からないがこのような可能性があると」いう表現が正しいと考えます。

「一日に○○Bqのセシウムを摂取し、それを長期間続けた場合、健康にどれほどのリスクをもたらすものなのか。何万分の一の死亡確率なのか、何十分の一の死亡確率なのか。死亡するというのはいつの話なのか。明日なのか80歳を過ぎる頃なのか。砂利道を歩いていて、靴の中に石ころが飛び入るような確率なのか、それとも雨粒を全て避けるような無謀な道なのか。」
これが最も重要な問題で、いろいろな考えや主張はありますが、だれもわかりません。日本の文化と日本語は、事実と認識、評価の区別があいまいなことが多いので、更にあいまいにしています。広島・長崎の原爆被爆やチェルノブイリで多くの被曝者が出ましたが、これだけのデータでは少なすぎて、医学的影響を断定することができず、推定するにも不十分で、放射線被曝障害の種類と程度、規模を十分に予測できません。現在のデータと知識では十分な根拠を持って推定することも困難です。

私は、セシウムの放射能の性質と、体内での挙動はカリウムと似ているので、カリウムを基準に考えることができるかもしれないと考えています。
カリウムは生体にとって必須で、通場は 15%以上は変動せず、体内で一定に保たれていますから、カリウムによる内部被曝量は常に一定で、60kg の体重の人は約4000 ベクレル(1秒間に放射線を4000回)被曝しています。
カリウムでもセシウムでも同じで、カリウム放射能は自然に昔からあるから無害ということはなく、カリウムによる放射線被曝生涯をうけながら、私たちは生きています。

被曝はないほうが良いのですが、放射能がないカリウムはないので、カリウムの放射能がない状態での観察はできません。いくつか想像できることはありますが、カリウムの放射能の影響について真実は分かりません。

ひとまず、放射線の様々な影響の中で、考えやすく、危険で目立つ癌について考えてみます。
癌を生じさせる原因はたくさんあります。カリウムの放射線もその一つとして関与しているはずです。カリウムの放射線が癌の原因のどの程度なのかは分かりません。癌の種類や年齢によっても違うとはずです。癌の原因にはたくさんありますから、カリウムが発癌原因の100%ということはありません。カリウム放射能が発癌原因の中で10%程度なのか。1万分の1程度なのか分かりません。

セシウムの放射能と生体内挙動はカリウムと似ているので、セシウムによる内部被曝が起きたとき、おおよそのレベルでは、カリウムの放射能が増えたと置き換えて考えることが可能かも知れません。そうすると、60kgの成人が毎日40Bqのセシウムを食べて、4000 Bqで定常状態になったときには、カリウムの放射線被曝が倍になったと考えて、カリウムによる発癌作用が2倍になったと考えることができます。
発癌原因の10%がカリウム放射線であるとすれば発癌は20%にふえ、1/1000がカリウム放射線によるとすれば2/1000にふえるということです。

このような考えで整理して理解することは可能と思います。
発癌におけるカリウムの関与が高いほうの可能性については、発癌は放射線量に比例し、生体内の複雑な相互作用が同働くかなどは無視して考えると、見当がつきます。
発がんは100%カリウムが原因と仮定した場合、成人が毎日40ベクレルのセシウムを摂取して、セシウム放射能がカリウムと同じ4000ベクレルになって、この内部被曝を一生受けた時に、癌最大値は現在の発癌が倍になると推測することは可能です。
発癌におけるカリウムの関与が少ない場合の可能性については、癌の原因の何パーセントがカリウムなのか分からないのでそれ以上厳密な話にはなりません。

放射線被曝は、ないほうが好ましいが、やむを得ず受け入れるとしたら、いろいろな努力・負担と引き換えにして「いやだけれど、自然のカリウム放射線よりどの程度高いところまでは、我慢して容認するレベルと考えるか」、ということです。
これは個人が目安として活動・生活することでもあり、各人一人一人と社会が考えて相談して社会として決めるべきことでもあって、自然科学としての医学からは離れた問題です。
それを医学の専門家に判断を任せたり、専門家と称する人たちが、特別の権限があるかのようにして決めて解説し、社会と他人を従わせようというのは正しくないというのが私の考えです。

⑤上記2行目の計算式に「1日に食べるBq」を代入することによって、年間のmSvの値が出るのであれば、4行目の計算式から「365日」が抜けているのはどうしてですか? 365を掛ける計算が抜けているとなると、上記の結果の値は「1日あたり」ということになりますが、1日あたり100Bqだとしたら、年間約266mSvの計算になってしまいませんか。
ブログ記事は重要な記載間違いです。ご指摘に感謝し、お詫びして訂正し、その上でご質問に回答します。ブログの記載誤りはお詫び、訂正しました。
ブログでは次のようになっていました。以下はブログ掲載文のコピーと訂正、コメントです。
[放射能の単位
l ベクレル:1秒間に放出される放射線の回数
l シーベルト(旧 REM):
さまざまな仮定・推測をして計算した体に与える影響の大きさの値
     実効線量、性質の異なる危険性を、無理に同じ単位で表す
     換算法: 核種に対する実効線量係数をかける
     例)100 Bqのヨウ素131を1回、経口摂取した場合の被曝量をμSvに変換するには
        実効線量係数0.022 (成人)をかける。
         100 Bq× 0.022= 2.2 μSv
       それを100回摂取した場合は
         100 Bq×100 ×0.022=220 μSv
=0.22 mSv


セシウムを毎日摂取した時の計算
1年あたりミリシーベルトは
  (誤り): (1日に食べるBq)×(365日)×0.0073 
(正しい): (1日に食べるBq)     ×0.0073
理由は
1年あたりミリシーベルトは1年に食べるセシウムのベクレルに、0.022 と決められている実効線量係数をかけるとシーベルト。
ここでは実効線量係数 0.022を0.02と簡略して使い、μSv を、mSv表示にするために1/1000倍して0.0073です。
「1日で食べるベクレルに0.0073をかけると1年間で被爆するシーベルト」です
 
『毎日100Bq 食べると 1年で約1ミリシーベルト*
    =100Bq×0.0073=0.73ミリシーベルト』
100 Bqを食べると1回で
         100 Bq× 0.022= 2.2 μSv

改めて、適切なご意見と質問ありがとうございます。
・・・ブログの誤り記載は以下のように詳しく説明し訂正しました。・・

放射能の単位
 ベクレル:1秒で出る放射線の数
 シーベルト(旧 REM):
さまざまな仮定・推測をして計算した体に与える影響の大きさの値
     実効線量、性質の異なる危険性を、無理に同じ単位で表す
     換算法: 核種に対する実効線量係数をかける
     例)100 Bqのヨウ素を1回、経口摂取した場合は、
        実効線量係数0.022( (セシウムであれば0.019)(成人)
ヨウ素でもセシウムでも大まかに0.02としてかけると
         100 Bq× 0.02= 2 μSv
           (100 Bq 食べると2 μSv 被曝する)

セシウムを毎日摂取した時の計算
1年あたりミリシーベルト
  =(1日に食べるBq)×(365日)×0.02×1/1000(mSv/ 年)
      (×1/1000は μSv を mSvに直すため)
=(1日に食べるBq)× 0.0073(mSv/ 年)
 毎日100Bq 食べると 
  =100Bq×0.0073=0.73 mSv (約 1 mSv)1年で被曝する

60kg の成人が毎日食べ続けて平衡状態に達した時の
体内セシウム放射能は
  1日に食べるBq の約100倍(子どもは半減期短いのでそれより低値)で安定する。
毎日100Bq 食べると約1年で 全身に含まれるセシウムは
  100Bq ×100 倍=10000 Bq に落ち着く
 (60kg 成人で K の4000Bq の 2.5 倍)

・・・・・・・・・・・・・・・・
(訂正) <回答⑦>で重要な誤りがあり、訂正しました。「0.114 マイクロシーベルト(訂正。前は1.14と誤記))/時」
  _JOHN_SAN ご指摘ありがとうございました。2012年8月19日
    岡山博
22:34  |  放射線  |  TB(0)  |  CM(6)  |  EDIT  |  Top↑
2012.01.19 (Thu)

東北電力、マカブゥさんへ

東北電力、マカブゥさんへ

要約
・ 東京電力、東北電力社員家族はすぐに避難してほしかった
・ 電力関係者が先に逃げてもまずくはないが、一般住民に知らせて被曝回避活動に率先しなかったことがまずい。
・ 汚染現場で活動した電力関係者は立派で賞賛されるべきだが、東北電力という企業の対応・行動は問題がある。
・ 政府や東京電力が、「放射能は安全だ、心配するな」と言って住民が被曝回避の言動を抑圧したとき、放射能と原発事故について専門知識と準備がある東北電力は、「危険だ、避難しろ、汚染食料を食べるな」と社会を啓蒙すべきだった。
・ 自覚と誇りを持って生き、発言することは大切だ

はじめに
本ブログ「講演『被曝をどう避けるか』」要旨」にいただいたマカブゥさんのご意見への私の返信です。長文であることと、普遍的内容を多く含むことの為に、返信としてではなく、私の新たな意見として掲載しました。マカブゥさんのご意見は本ブログの「講演『被曝をどう避けるか』要旨」の後に掲載されています。

本論
東京電力、東北電力社員家族はすぐに避難してほしかった
東北電力で、高い自覚と誇りを持って仕事されて、初めて言うことができる言葉、コメントを頂き、ありがとうございます。
マカブゥさんのような自覚と誇りをもって働かれている方がいて初めて、日本の健全な部分が作られていることがよくわかり、日本人として誇らしく、うれしいです。改めて感謝します。
福島原発事故が起きた時、東京電力や、東北電力関係の方やご家族が、もし、いち早く、危険を理解し、避難したのであれば、それはとてもよかったと考えています。汚染拡大の可能性を理解した方が、多くの知人に連絡したのはさらによかったです。
はじめの1ヶ月間、郡山から関東に子どもをつれて避難されたお母さんに「最も被曝したはずの1ヶ月を、郡山から避難できたことは、何ものにも代えられないほどよかった。教えてくれた電力関係者に感謝したら良いと思う」と私は話したことがあります。

私は、東北電力や東京電力関係者が避難したことを非難しません。
東京電力も東北電力も、社員家族を福島から緊急避難させる指示をすべきであったし、どこかの時点で事故と放射能汚染について、一般マスコミよりは専門的な解説や家族などの避難指示をしただろうと思います。
指示や注意を出したとすればそれは正しいことで、出さなかったらまずいのです。

多くの国は、自国民の日本からの退去や関西への避難、汚染食品回避を指示し、日本から避難するための飛行機特別便や搭乗券手配し、汚染されていない食品を供給するなど、具体的取り組みをしました。
「不安を煽る悪質な行為だ」と、誰もフランス政府を非難していません。
フランスなど多くの外国政府や大使館が被曝回避の注意や指示を出したのと同じように、電力会社や日本の政府・自治体が人々に対して、避難や被曝回避の指示や解説をするのは正当であるだけでなくやるべきことでした。公的な関係者だけでなく、被曝被害を少なくするために誰もが考えるべきことでした。
東北電力の方や家族、知人が一人でも多く、少しでも早く避難することと避難できたとしたらそれは良いことです。

だから、「電力関係者も汚染の危険性を知らなかった。避難もしなかった」ということを良いことのように話されるのは少し違います。

東北電力がすべきだったこと
原発事故と放射能汚染について、高度の知識を持っている東北電力は、原子炉冷却が途絶えた時、「電源回復や緊急的な注水よる原子炉冷却が確実に復活するまでは、冷却燃料棒損傷やそれ以降の爆発の可能性が高い」のだから、復旧作業に関係ない社員や家族の避難準備を緊急に開始して、遅くとも初めての爆発があった時点ではすぐに避難指示と行動をすべきです。
電力復興や原発事故回避作業に関わらない東北電力社員や家族はすぐ避難すべきだったし、避難してほしかったと私は考えています。

東京電力の話と一緒にすると分かりにくくなるので、東北電力についてとして私の意見を書きます。
震災翌日の3月12日昼に、福島原発で原子炉冷却ができていないことをテレビで知りました。
私はウラン燃料が破損して事故が拡大する危険があると考え、東京に住む大学生の子どもに、避難準備をすることと、今後原子炉がコントロールされていないことを示す何かが起きたら、九州の兄弟のところに10分の時間も無駄にせずすぐに避難するよう伝えました。
その数時間後の12日午後には、爆発があったので、原子炉がコントロールできない状態にあることがほぼ確実であろうと考えました。子どもにすぐに避難することを指示し、翌13日朝1番の飛行機で九州に避難させました。

公衆電話しか使えず、この空気は既に放射能汚染されているかも知れないと考えながら、貴重な時間を使い、何度も外に長時間並んで電話しました。
更に、自分の判断で、3月12日に自宅の換気口などは全てテープなどで目張りをし、マスク着用と、外で使った上着は部屋に持ち込まないようにしました。
私も避難したかったが医者なので避難しないことを決め、殉死しうると覚悟し、今後会うことはないかもしれないと子どもに話しました。

この時点では政府や東京電力、メディアは、被曝回避の指示や説明をしていません。
危険な事実や危険が拡大する可能性を伝えないテレビ報道しかない状況で、物理と原子力発電についての専門知識は無く、高校生程度の物理知識しかなかった私でも、今後短時間の間に事故が拡大したり、放射能汚染が拡大する危険性があることは分かったので、以上の判断と行動をしました。

東北電力は、事故の状況を少なくともテレビ報道については知ったのですから、初めのニュースからしばらくしてから知った私よりは早く知ったはずです。
放射能と原発事故について専門知識をもち、原発を運用し、原発について社会に対して責任と義務と備えがある東北電力は、あの時、私のような一般人より更に的確に、敏速に対応しえたはずです。

仮に、原発の爆発や、莫大な放射能汚染拡大がその後起こらなかったとしても、緊急避難行動を始めた私の判断は正しかったのですが、現実としても、その判断が全て適切であったことは、その後繰り返した、原発爆発と、放射能汚染の拡大で証明されました。

東北電力は、原発事故や原子力災害に関して、一般の人々や報道機関よりはるかに多くの知識やノウハウと情報を持っています。
東京電力だけでなく、東北電力もその能力を最大に使って、少しでも早く、1人でも多くの人を避難させる最大の行動をすべきでした。
時間の余裕はないので、できるところからどんどんやることと、それとは別系統で広く社会に知らせることです。

その意味では、簡単に知らせることができて、危険になりうる地域の営業所、社員、関連企業にすぐ知らせることは当然のことで、非難されるべきことはありません。
それによって避難した社員や関係者が非難されるべきでなく、「避難できて良かった」ことであり、知人に知らせて、避難させたりしたら讃えられるべきことです。

営業所や職員に避難準備や避難指示を出さなかったら、そのほうが問題です。この時、原子力災害に関して、一般社会の人達よりも飛びぬけた知識と準備を持っているはずの東北電力が、福島県の浜通りや中通りの営業所、関連企業、社員に、次々と起こる変化について、緊急に、「重大な被曝につながるように事故が拡大するかもしれないからすぐ避難するように」という指示や情報提供をしなかったとすれば、「東北電力社員が始めに避難した」というよりも重大問題です。

営業所や社員、関連企業に、電力復旧作業の指示を出し、伝達するルートはあったのですから、できるはずです。

「一般住民を避難させなかったのだから、東北電力社員が先に避難したことはけしからん」と私は考えません。
私が問題にするのは、「東北電力社員が始めに避難する」ことではなくて、「危険が拡大する可能性を住民に知らせ、避難を呼びかけなかったことと、汚染した可能性がある食物を食べさせない取り組みをしなかった」ことです。
住民だけでなく、東北電力の支店や営業所、社員にも知らせず、避難指示を出さなかったら、住民に知らせなかったことに加えて更に非難されるべきことです。

東北電力社員も、会社からの公式な指示であれ、公式指示ではないが、危険だという情報であれ、それを知ったら、家族や、事故処理作業に参加しない人はすぐに避難すべきです。
逃げずにもたもたしていたら、被害拡大の要因になるのでむしろそのときに、避難しなかったらそのほうが批判の対象です。
可能な限り、他人にその情報を伝えて、それで1人でも避難できたら、それは表彰に値します。
『原発事故後起きていること』(本ブログに掲載)の文で、「電力関係者が知人に避難すべきことを伝えたために避難できた人がいて良かった」ことを私は肯定して書きました。

福島の営業所などに、重大な汚染を受ける可能性を知らせ、それに対処することや避難指示を、もし、最後まで(今まで)東北電力が行わず、社員や関係者は、東北電力からの情報はまったく伝えられず、テレビ報道や福島県からの指示でしか行動できなかったのでしょうか。
そうだとしたら、あの時点で事故対応作業に参加しない社員や家族、関係者に避難や汚染食物禁止を指示する決意も能力もない東北電力が原子力発電所を動かしているということはなんなのかという問題になります。
どの時点で、危険が拡大する可能性を知らせ、どの時点で避難指示を出したのか、それとも最後まで全くしなかったのか、もしできれば教えてください。

原発から放出した放射能の大部分は東の太平洋に流れましたが、風向きと天候しだいでは、海に運ばれた大量の放射能が陸を汚染した可能性や、爆発と放射能汚染が更に大規模になる可能性もありました。
実際には大部分の放射能は海に向かい、放射能のごく一部だけが、陸地を汚染しました。南東風から北風に変わって、福島、丸森、白石まで運ばれた放射能の移動が逆転して南向きに変わって、郡山や栃木、群馬を汚染し、被曝回避行動の結果ではなく風向きがかわったために、仙台は強い汚染を逃れました。

仙台が強い汚染を免れ、代わりに郡山や、栃木、群馬が汚染されたと分かったのはずっと後のことです。
あの時点で仙台在住で避難可能な人、特に妊婦や子どもはすぐに避難すべきでした。
12日から3週間くらい、特に数日間は、深刻な汚染を受ける可能性はずっとあったので、私は今でも、子どもを13日に東京から避難させたのは正しかったし、それ以上の迅速な避難行動と呼びかけを東北電力は行うべきだったと考えます。

マカブゥさんのご意見と私の考え
繰り返しになるところは多いですが、マカブゥさんのご意見のひとつひとつについて私の考えを書きます。

「事故当時、福島県内の「東北電力」の社員は、電気復旧のために屋外で作業をしていました。早く電気を灯すために昼夜問わず総力戦で対応していました。 」 
そうだっただろうと私も推測、理解します。そして、個々の社員や関連企業のみなさんをねぎらい、讃えます。

この時、東北電力は、「確実ではないが、被曝の可能性があるから、マスクや、帰宅後シャワーなど、被曝対策をしながら復旧作業をするように指示」すべきでした。
被曝軽減の対策と指示もせず、無防備で汚染された環境での作業を指示されて、電力復旧活動に参加した人がいたら、その人は東北電力に抗議し、損害賠償を要求すべきです。

「東電や東北電力は社員と家族を、緊急に福島から避難させた。社員家族から連絡されて、福島県から避難できた一般住民も多い。 一般住民には知らせなかった と述べていますが、少なくとも、「東北電力」の社員全員、原発の事故の情報は、テレビの情報で知りました。 事故が起きた情報は、テレビからの情報しかなく、「東京電力」から情報が提供されたといことは一切ありません」
 どの時点までそのような状況、つまり、東北電力からの情報や避難指示が全くない状況が続いたかできればご教示下さい。

社員に対する放射能汚染に関する情報や指示はずっと、現在まで、国や自治体の発表や指示を受けた、あと追い発表と指示しかしなかったのでしょうか。そうだとしたらお粗末で無責任で、そのような企業は原発を運転してはいけないと私は考えます。
東京電力は社員や家族に、福島から避難するように指示し、それによって避難できたという話しをいくつも聞いています。東京電力のことはご存知ないでしょうか。もしわかったら教えていたがけないでしょうか。

社員や関連企業の方個々人の行動は立派でしたが、「福島原発が危険な状態なので、避難や、汚染食物を食べてはいけない、外で使った衣類を部屋に持ち込まない、帰宅したらシャワーすること」などを、東北電力が、社員や関係者に、自治体発表より遅れてしか知らせなかったとしたら、原発を動かしている企業のあり方として問題です。

「福島で屋外作業していた作業員に連絡しましたが、作業員(電力社員、グループ企業社員の方々)は、被爆覚悟で電気の早期復旧に取り組みました。こうした事実だけは知って欲しい。 」
 そうだっただろうと私も考えます。個々の社員や関連企業のみなさんをねぎらい、讃えます。
同時に、被曝対策もせずに復旧活動をしたということであれば胸が痛みます。

東京電力の話ですが、長年下請けで原発作業をし、事故後は放射能汚染現場で作業に参加していた人がテレビで「これまで自分たちがやってきた原発が、事故を起こしたのだから、自分たちは逃げないで事故収束作業に参加する」と話されるのを聞いて、その立派さに涙が出そうでした。涙が出たかも知れない。
住民や社員の被曝損害を少なくするために、東京電力だけでなく、東北電力は対策と注意を行うべきでした。東京電力という企業とその幹部は、被曝回避の責任ある行動をせず、住民が被曝を防ぐための努力や言動をむしろ妨害し、保身と責任転嫁の解説や対応を続けました。詳細は省きます。

「東京電力の方はわかりませんが、東北電力については、一般住民に知らせていなかったということは事実ではありません。」
 東北電力のあり方に関して問題にするのは、女川原発に限定していません。
東京電力が事故を起こした福島原発周囲には東北電力の営業所や社員、作業員の方がたくさんいます。
一般住民は更にたくさんいます。
被爆の可能性があったのは、原発周辺だけではなく、はるかに広い範囲です。
そのことは、事故と放射能汚染が拡大した現実が証明しています。

仮に、事故が小規模でこれほどの被害に拡大しなかった場合でも、最悪を想定して、避難の為の広報や避難行動のよびかけが必要だったことは同じです。
これまで、日本の原発は柏崎を含めて、たくさんの事故を起こしましたが、最悪を考えての情報提供や対策呼びかけは不十分で、むしろ「不安を煽る行為」として、正確な提供情報を要求する人を逆に侮辱、排除し、事故を起こしてもそこから教訓を得て生かす努力をせず、話題にすることを避けてきました。

被曝対策の対応について私の考えは上述しました。東京電力が、事故と汚染の現実と、事故と汚染が拡大する可能性を、意図して知らせない行動をしたのかどうか、十分な資料を公開していないので、私はわかりません。
どこまで汚染が広がるか分からないあの時点で、被曝を避けさせるために社会に働きかける活動や、汚染された地域に汚染されていない食物を供給することは重要でしたが、東京電力と行政は「不安を煽る」といって逆に妨害しました。

そのために多くの人の善意によって郡山や福島で買い集められた、汚染された地場農産物が、津波と放射能被災地の両方に供給され続けました。善意で決意して、野菜や食物を買い集め相馬の被災知人たちに、福島や郡山で地場野菜を買い集めて送り続けた。送られた方は子どもに優先して1月以上食べさせ続けた。この地場野菜が強く放射能汚染されていただろうと、その人達がわかったのはずっと後です。
善意で食料を送り続けた人と、それを感謝して5歳の子どもに優先して与え続けた母親は無念です。
直接伺った話です。

社会に対して責任を自覚するのであれば、一般人よりは放射能の知識を持つ、東北電力や社員は、東京電力や政府のそのような言動に抗議し、批判すべきでした。
汚染食品を食べてはいけないと主張し、避難援助や、汚染されていない食物供給活動を大規模に行うべきでした。

「女川原発については、震災後の対応について、すべてオープンに公開しています。」
このことも、また、東京電力とは異なって、より健全な気風があると言うことを教えていただいたことと、マカブゥさんがそれに誇りと自覚を持って働いていることも知ることができてうれしく、讃えたいです。

「文化も社風も全く違う会社なのに、同一視されてしまうのが悔しいです。」
 東京電力とは異なる健全な社風があるとすれば、それはとてもよいことです。
全て東京電力と同じと断定するのは誤りであるという認識は私も賛成です。
一方、原発を推進してきたことと、その進め方を含め、多くのそして基本的なことで、東北電力は日本の電力業界の一員として東京電力と共通の問題があると思います。詳細は省略します。

電力事業をしている共通の立場として、東京電力のよくない社風と関連して現れた、事故被害を拡大した内容について、東北電力が東京電力の不健全さとは異なる社風があるためにわかることがあれば、公開して批判していただけたらうれしいです。
このような大事故を起こしているのだから、通常の「他社の社内のことはコメントしない」と言う状況ではありません。

「東北電力社員が得ていた情報のレベルは、一般の方と同レベルだったということを言いたかっただけです。文面から見ると、まるで「東北電力」社員が事故の情報を事前に知っていたかのように捉えてしまうように感じました。 社員がテレビからの情報を見て、自主的に判断して、家族を山形や新潟などの実家などに避難させたのは事実です。 なお、会社から家族を避難させろといった指示は一切ありませんでした。 社員各自が自分の頭で判断して自主的に家族を避難させたと思います。 もちろん自分で判断して留まった家族もいます(うちはそうです)。」
 
マカブゥさんの言われることはそのとおりと思います。言葉通り理解しているつもりです。
その上で私は、電力社員が情報を知り、早く避難したとしても、悪いことではなく、早く避難してほしかったと考えていることは前述しました。

特別に知識と責任がある東北電力が東京電力の福島原発事故に関して、指示や情報提供せずに、テレビで流されたあの程度の「安全」情報しか出さないまま、東北電力で働いている方が、放射能に汚染された空気を呼吸し、被曝しながら、電力回復作業をしていたとしたら、そのほうが問題です。

情報とは、事故の状況変化だけではなく、放射能や原発事故に関する基礎知識を含みます。
一般の人にとって、情報とは今起きている事故の経過だけではなく、放射能汚染についての基本的知識も大切な情報です。
東北電力関係者は、刻々と変わる事故現場の情報は、テレビでしか分からなくとも、「現状は、安心と断言できる状況ではない」と判断できるには十分の基礎知識、「社員各自が自分の頭で判断して自主的に家族を避難させた」という判断をさせる基礎知識はもっています。

事故発生直後から、日本社会は政府や東京電力の「安全、逃げるな、放射線を怖がって心配するな。話題にするのは、現実離れの不安を煽る行為だ」という一方的主張で埋め尽くされました。
「危険性は低い。今後の危険を考えるのは不安を煽ることだから話題にするな」という悪質な解説に反論するだけの基礎知識を、東北電力の技術系社員や東北電力は、一般の人よりも持っています。

「事故の現実は安心できる状態ではない。最悪に備えて、判断行動すべきだ」という考えや、その根拠を伝えられることが、多くの人々にとっては重要な情報でした。
緊急事態で人々が危険回避に役立つ「基礎知識」という大切な情報を、多くの人や社会に努力して提供しただろうか。疑問です。

「世の中に絶対安全がないのは、現場の人間、当事者の人間が一番わかっており、事故が起こらないように、未然に防ぐためにあらゆる努力をしています。これは建設の工事現場でも同じです。人の命は重い。本当に重い。一人の命に家族や多くの仲間がぶらさがっています。」

マカブゥさんのこのような自覚と気迫ある言葉の内容とあり方にほとんど同意、同感で、敬意を持っています。
設計や、建設、運転に関わった現場技術者の方の自覚と能力、努力を私は良いこととしてうれしく認識しています。

東京電力とは異なる健全な社風があるとすればとても好ましいことです。
ただ、現場の一人ひとりの自覚とは別の問題として、東北電力幹部や、東北電力という企業・組織が許容されるほど自覚的であったか、自覚的にふさわしいあり方をしたかと言うことは別のことです。上述しました。

「命の重さ、今回の震災であらためて強く想いました。そのために安全超第一、安全の希求のためにコストを惜しんではいけないと思います。」
 同意です。そして安全に十分なコストをかける意思がなかったり、大事故を起こしたときに、当然の賠償や、現状復帰をする意思がないのであれば、はじめから、やるべきではありません。

大きな設備や、大事故を起こしうる施設は、保険をかけて損害に備えることが当然要求されることです。
ところが日本の原子力発電所は、事故を起こした場合、それを補償する十分な保険をかけていません。
世界の保険の大元締めともいえるイギリスのロイド保険に「リスクが高すぎて、地震国日本の原発は保険の対象にならない」と断られ、限定されたごく小額の保険しか契約できませんでした。

これに対して、東京電力を筆頭とする電力業界が行った対策は、「想定外の原因で大事故が起きた場合は、(やむをえないことだから)電力会社は(責任がないと了解して)放射能汚染の被災者に損害補償をしない」という法律を作らせることで、これが実際法律になりました。
福島原発事故がおきてから東京電力が「想定外」という言葉を繰り返して、絶対に引き下がらないのはこのためです。

原子力発電所設置の危険性を重視し、設置と稼動に批判・反対する人はいましたがそのような意見は無視し、発言する人を侮辱し抑圧しました。

地域住民や日本国民は、原子力発電を設置、稼動させる条件として、「想定外のきっかけであれば、大事故がおきても誰も責任を取らず、被害者からも含めた税金で穴埋めする。損害は大きすぎて、実際には国も誰も払うことができないので、その場合は被害者に泣き寝入りさせる」というこの法律を了解して法制化されたのではありません。

殆どの人が認識しない中でこのような仕組みをたくさん作り、そのような法律を作って初めて、原発建設や稼動を可能にしました。

原発事故がおきたら、被害が小範囲ではすまないことは誰でも分かります。
しかし、原発を置く市町村と、そこの漁協が了解すれば社会的合意が取れたと認める法律を作りました。
何千万人ではなく、数万人が対象なら、買収や懐柔、恫喝は簡単です。交付金や協力金など様々な金を使って、合法的な買収と、言葉どおりの買収や脅迫も行い、反対を抑えました。
地元有力者対策は少数なので更に簡単です。

「社会貢献に協力した」と名目も用意されて、貧しい地域では、「原発設置に反対するのは地域を貧しいままにさせてもかまわない異常な人間だ」という評価を与えて、反対しにくい環境を作りました。

女川がそうであるかどうか、私は具体的な知識がありませんが、日本の原子力発電は広くそのように、買収、恫喝、自由な発言抑圧、反対者の地域社会からの排除によって作られてきたことはご存知と思います。
「原発に協力するのは立派なことだ」といわれ、個人的に何千万円提供されて、それでも原発批判を言い続ける立派な人はそう多くはないでしょう。
金や便宜を繰り返し提供され、それを合理化する甘い言葉を繰り返されれば次第に、批判する考えは減少し、肯定的な考えや感情、文化環境を育てます。全員ではなくとも多くの人はこのようにして、原発を肯定していきました。

そして狭い地域の地元民の了解を得たことを、社会の了解として扱う法律を作って作り続けた原発です。

「地域に安定した電気を送る」「電気を通じて地域に貢献する」という誇りを持って仕事をしてきました。」
 立派です。聴いて感動します。どうぞその誇りと自覚をこれからも持ちつづけてください。

「今、電力会社=悪と思われている風潮に、心がくじけそうです。電力社員でいることにつらくなります。福島で、雪が降っている中、昼夜問わず、被爆覚悟で電気の復旧に尽力した作業員の方たちの気持ちを考えると、どうしてもやるせなくてコメントしてしまいました。」
 
 私は被曝覚悟で活動された作業員の皆さんを全く、非難していません。
非難とは逆に、讃え、感謝しています。
私が批判しているのは、原発事故と、汚染拡大の可能性があるのに、被曝を避けさせるために、電力会社がなすべき最善の行動と努力をしなかったことと、更には、東京電力や行政、専門家などが共同して、被曝を避けるための活動を抑圧して妨害したことです。
一般の人と比べると、東北電力を始め、電力会社は、原発と原発事故に関して、はるかに大きな知識と準備を持っています。

自覚と誇りとは個人自分自身に属するものです。
正しいか、誤りか、道義に反しないかなど全て、自分の責任で判断し行動して保てるものと考えています。
全ての言動と判断が正しい個人や組織はありえないと私は考えています。
誰か特定の人や集団の代弁者になって、具合の悪いことを正当化したり、正当な批判を妨げる言動をしては、誇りや自覚は本物ではなくなります。

何に対しても健全な批判活動は大切です。批判されることは、人格や存在が全面否定されたことを意味しません。
批判を排除すると、批判を許さない恐怖社会になります。日本社会はそのような面があります。

健全な批判と、侮辱・攻撃を区別せずに、侮蔑や恫喝を含めた態度や言葉で非難し攻撃するという行為や、相手の人が世の中に存在することも認めないような言葉で攻撃・非難をすることは正しくありません。

同様に、正当な批判を、敵対的攻撃と誤認して、敵対的に切り返すことも誤りです。

マカブゥさんのような、自覚と誇りを持つ電力産業の専門家が、これからも、ご自身の為にも、社会の健全性を取り戻し維持するためにも、どうぞ引き続き誇りと自覚を大切に活動してください。

マカブゥさんが非難されていないにも関わらず、くじけるとすれば筋違いの認識と心の動きです。
くじけるどころか、現状のような社会では、私も含めた多くの人から期待、応援されていることを知っていてください。

「今回の東京電力の原発事故で、東北電力が「企業として知りうる情報」なんてものはないです。」
東北電力は一般社会や一般の人と比べると格段に高い原発事故や、放射能に関する基本的知識と準備があります。これを提供して被曝被害を少なくするために活動すべきだったのです。

「社員を一般住民と区別して優先避難させるなんてことはありえないです。というより、震災後、すぐに全社災害復旧体制に切り替わりました。避難どころか全員災害復旧作業に入ったんです。 」
 「社員を一般住民と区別して優先避難させたかどうか」が問題なのではなく、社会に対して「逃げろ、食べるな」という働きかけの欠如を問題にしています。

「現場で復旧作業をしていた身としては、本当に悲しい。 後ろから石をぶつけられたようなショックを受けました。」
 私は「現場で復旧作業をしていた方」を全く非難していない。
繰り返します。感謝し、讃えて書いています。悲しむのは筋違いの理解と、心の動きです。
悲しまれては困ります。「讃えられた」と誇りと共感を持ってください。

「今回のように間違った情報が伝わってしまっていることが残念です。 訂正して欲しいと切に思います。」
 私に話してくださった方が「東北電力の知人から聞いて遠方に家族を避難させた」というのは恐らく本当です。
「又聞きではなく、ご本人から直接、東京電力ではなく東北電力の知人から、さほど親密でない知人なのに夜中緊急に教えてくれたこと」などが鮮烈で印象的なお話でした。「東北電力で上からの逃げろという指示を知人が聞いて」と話してくれたように覚えています。
それが、東北電力の会社の正式指示であったか、社内に流された情報であったか、あるいは放射能の知識のある方たちから個人のレベルで判断してのことなのかは、私は責任取れませんが、「東北電力として正式の方針」とは書いていないので、この記述は残します。ただ、今後この記述を引用する再には、なるべく、マカブゥさんからこのような意見があったことを紹介するようにします。

 これまで、原発に批判的な人に対して「原発は安全でないという人間はまともな人間ではない」とでもいうような屈辱的扱いをして排除し、危険だという意見を無視するだけでなく発言する人を攻撃、侮蔑までして原発を造って稼動させ、福島の大事故を起こしました。
技術面でも安全対策の軽視があり、安全対策を話題にすることもタブーのような環境で原発が推進されたのではないかと思います。

原子力発電に批判的な意見や専門家は全て、原発計画や運転の基本戦略の検討などから、完全に排除されてきました。
事故がおきて、世界中の英知を集めて事故対処をしなければいけなくなっても、これまで原発事故を考え対策を要求してきた日本の専門家は、事故がおきてからも事故処理や対策討議の場から排除されたままです。

さほど問題なく冷却できるはずの使用済み燃料プール対策の失策や、炉心への海水注入の遅れなど、東電の打算と保身、責任回避の為に、最悪を予測した対応をせず、そのために必要な対策を遅らせてしまい、事故が拡大した面があります。

それでも事故を起こした責任者は誰も処罰されず、地位も収入も安全も確保しました。
今後も東京電力幹部が高額な収入を得る分までも、税金で埋め合わせする仕組みが殆ど出来上がりました。
作ったのは、東京電力を中心とする電力業界と、その強い影響力下にある官僚機構と政治家、メディアによるものです。私は不当と考えています。

一方で、汚染地域の人は、1年近くたった今も、仕事、家族生活、人生の展望、安全が破壊されたまま殆ど放置されています。
東北電力が健全であるなら、東京電力や、政府、行政のこのような方針に同調すべきではないと考えます。

マカブゥさんへ
東京電力とは異なる東北電力の社風に誇りを持って働いているマカブゥさんは、福島原発事故における東京電力や政府のあり方に対して健全な異論をお持ちではないかと推測します。
通常であれば誇りや自覚だけの問題かも知れませんが、今はその異論を正当に発言されることが、多くの人々の苦痛や損害を減らし、不健全な社会を正すことにつながります。

東北電力にしても、行政や個人にしても、言動や判断が全て完全に正しいという人や社会は世の中にありえないと私は考えています。
立場や都合から離れ、一人のまっすぐで誠実な人として、一つ一つを丁寧に吟味して、一つ一つに関して、正しいか誤りか、道義に反していないか、何をなすべきかしてはいけないかなど、マカブゥさんが引き続き、誇りと自覚を持って、原発に関係して働かれている知識や経験をそのために発揮していただけたらうれしいです。

マカブゥさんから、自覚的で道義性を大切にする、気迫のこもった返信を頂き、感謝します。
私の意図するものも共有できたらうれしいです。
社会がまともになり、人が不必要な苦痛を受けない健全な社会にするために、悲しみや無念、喜びを共有し互いに励まし、喜びあいたいです。

「自由に安全に発言や話し合い提案ができない。母親が子どもの食べ物や給食を心配して学校で話し合うこともできない。学校給食について保護者だけでなく、栄養士や教員も恐怖感なく、自由に、給食の話題を提案することもできない。発言や提案をすると、それによってその後延々と続くと予測される、他人からの屈辱的や、恫喝的対応、人事上の不利益などを相当覚悟しないと発言できない。」これが日本の現実です。

「放射能問題について、まじめに考え話し合って、被曝被害を少なくしよう。人々や子どもに安全な環境にしよう。そのためにもくよくよして落ち込んでしまうのではなく、元気を出してがんばろう」と言わずに、「くよくよするのは放射能の被害より悪い」と言って、被曝をまじめに考え、話しあい、対策を要望することを侮辱、抑圧する専門家の講演がくりかえされ、その解説と主張がメディアにあふれた状況は、基本的には今も続いています。
反対意見はまったくメディアで報道されませんでした。

今は、少し変わってきましたが、今でもテレビで報道される批判的な意見は限られています。「くよくよする人が癌になる」と放射能被曝で起こる被害の原因を、「被曝を受けた人の心の持ちよう」と言って、事故を起こして汚染を拡大させた東京電力や政府から、被害者に責任転嫁するものです。

「環境や食物の放射能汚染は軽度で心配するレベルではない。安心して自家野菜も安心して食べるように。」という講演内容は「有毒な疑いがある食品は、販売、製造してはならない」と定めた食品衛生法をはじめとする多くの法律に違反する違反行為を、自分で行ったことであり、さらに、不特定多数の人々や個人に法律違反を扇動したことも法律違反の犯罪行為であると私は考えています。

「環境や食物の放射能汚染は軽度で心配するレベルではない。安心して自家野菜も安心して食べるように。」と講演した内容の誤りは、今は広く汚染されてしまった現実によって否定されています。
それが判断の誤りなのか、それとも確信を持って嘘をついたのかわかりませんが、責任ある人が有害な判断を社会に繰り返し指示し、その結果多くの人が被曝したのですから、講演を真に受けて、被曝を増やしてしまった人たちに、賠償と謝罪すべきです。

不健全な日本社会の現実
汚染食品を食べさせ食べるように指示、指導した専門家や行政担当者や責任者は、今も賠償と謝罪をしていません。
それに留まらず、そのような責任ある人は、今でも処分も処罰も受けず、今でも、放射能と被曝対策の指導的な地位を保って、社会に号令しています。不健全で異常です。
この状況は、日本社会を外から見直して考えれてみれば、日本の現実が健全でまともな社会でないことがわかります。

社会を健全でまともな社会にしたり、維持するためには知性と勇気が必要です。
マガブゥさんが、すばらしい自覚と誇りを基に、知性と勇気をさらに社会に開いて発揮していただけたらうれしいです。

このブログを、健全な精神を深め、共感、交歓する場にして下さい
私はブログを開くと、卑劣で執拗な非難やいやがらせ、名誉を汚し屈辱を加える人たちがでてくるだろうと思い、それによる苦痛を考えるなど、自分のことを考えました。

ブログを開くことが、「まじめな発言や言語・議論・精神活動を破壊する卑劣な言動を批判し、健全な言葉や精神を共有し、深め、励まし喜びあう場」になることは想定していませんでした
。たくさんの方からご意見をいただいて初めて分かりました。
健全な精神をもっていることが「つらくなったりやるせなくなったり、くじけそうになる」日本社会の中で、想定外のことでした。

私のブログを、健全な精神を深め合い、逆に励ましや力を得たり、交歓する場にしていただけたらうれしいです。

長文になったためお返事が送れて済みませんでした。繰り返しや漢字変換済など、きちんとした文章になっていない点があると思いますが、十分吟味すると更に遅れてしまうので、この段階の文章のお返事とします。これからも宜しくお願いします。
   岡山 博
23:02  |  放射線  |  TB(1)  |  CM(10)  |  EDIT  |  Top↑
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